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レボフロキサシン点滴静注バッグ500mg「日医工P」

ニューキノロン系注射用抗菌製剤

1キット 1264円

作成又は改訂年月

**
2019年9月改訂
(第3版)
*
2019年1月改訂

日本標準商品分類番号

876241

薬効分類名

ニューキノロン系注射用抗菌製剤

承認等

販売名

レボフロキサシン点滴静注バッグ500mg「日医工P」

販売名コード

6241402G1083

承認・許可番号

23000AMX00280000
Levofloxacin

薬価基準収載年月

2018年6月

販売開始年月

2018年6月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
使用期限
外箱等に表示の使用期限内に使用すること

基準名

日本薬局方
レボフロキサシン注射液

規制区分

処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

有効成分
1袋中
レボフロキサシン水和物
512.5mg/100mL
(レボフロキサシンとして500mg/100mL)
添加物
1袋中
塩化ナトリウム900mg,pH調節剤

製剤の性状

剤形・性状水性の注射剤
黄色〜帯緑黄色澄明の液
pH3.8〜5.8
浸透圧比(生理食塩液に対する比)1.0〜1.2

禁忌

本剤の成分又はオフロキサシンに対し過敏症の既往歴のある患者
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)
小児等(「小児等への投与」及び「その他の注意」の項参照)
ただし,妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び小児等に対しては,炭疽等の重篤な疾患に限り,治療上の有益性を考慮して投与すること。

効能又は効果

<適応菌種>
レボフロキサシンに感性のブドウ球菌属,レンサ球菌属,肺炎球菌,腸球菌属,モラクセラ(ブランハメラ)・カタラーリス,炭疽菌,大腸菌,チフス菌,パラチフス菌,シトロバクター属,クレブシエラ属,エンテロバクター属,セラチア属,プロテウス属,モルガネラ・モルガニー,プロビデンシア属,ペスト菌,インフルエンザ菌,緑膿菌,アシネトバクター属,レジオネラ属,ブルセラ属,野兎病菌,ペプトストレプトコッカス属,プレボテラ属,Q熱リケッチア(コクシエラ・ブルネティ),トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス),肺炎クラミジア(クラミジア・ニューモニエ),肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
<適応症>
外傷・熱傷及び手術創等の二次感染,肺炎,慢性呼吸器病変の二次感染,膀胱炎,腎盂腎炎,前立腺炎(急性症,慢性症),精巣上体炎(副睾丸炎),腹膜炎,胆嚢炎,胆管炎,腸チフス,パラチフス,子宮内感染,子宮付属器炎,炭疽,ブルセラ症,ペスト,野兎病,Q熱

用法及び用量

通常,成人にはレボフロキサシンとして1回500mgを1日1回,約60分間かけて点滴静注する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤の使用にあたっては,耐性菌の発現等を防ぐため,原則として感受性を確認し,疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
腸チフス,パラチフスについては,レボフロキサシンとして(経口剤に切り替えた場合には経口剤の投与期間も含め)14日間投与すること。
炭疽の発症及び進展の抑制には,欧州医薬品庁(EMA)が60日間の投与を推奨している。症状が緩解した場合には,経口投与に切り替えること。
長期投与が必要となる場合には,経過観察を十分に行うこと。
本剤は点滴静注にのみ使用すること。
腎機能低下患者では高い血中濃度が持続するので,下記の用法・用量を目安として,必要に応じて投与量を減じ,投与間隔をあけて投与することが望ましい。
腎機能Ccr(mL/min)
20≦Ccr<50
用法・用量
初日500mgを1回,2日目以降250mgを1日に1回投与する。
腎機能Ccr(mL/min)
Ccr<20
用法・用量
初日500mgを1回,3日目以降250mgを2日に1回投与する。

使用上の注意

慎重投与

高度の腎機能障害のある患者[高い血中濃度の持続が認められている(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)。]
うっ血性心不全,腎不全,ネフローゼ症候群等,ナトリウムの摂取が問題となる患者[本剤には塩化ナトリウムが含まれている。]
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣を起こすことがある。]
キノロン系抗菌薬に対し過敏症の既往歴のある患者
重篤な心疾患(不整脈,虚血性心疾患等)のある患者[QT延長を起こすことがある。]
重症筋無力症の患者[症状を悪化させることがある。]
*大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者,大動脈瘤又は大動脈解離の既往,家族歴若しくはリスク因子(マルファン症候群等)を有する患者[海外の疫学研究において,フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある(「重要な基本的注意」,「重大な副作用」の項参照)。]
**高齢者[腱障害があらわれやすいとの報告がある(「高齢者への投与」の項参照)。]

重要な基本的注意

本剤によるショック,アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので,次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお,抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては,必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
投与開始から投与終了後まで,患者を安静の状態に保たせ,十分な観察を行うこと。特に投与開始直後は注意深く観察すること。
意識障害等があらわれることがあるので,自動車の運転等,危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分に説明すること。
*大動脈瘤,大動脈解離を引き起こすことがあるので,観察を十分に行うとともに,腹部,胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者,大動脈瘤又は大動脈解離の既往,家族歴若しくはリスク因子を有する患者では,必要に応じて画像検査の実施も考慮すること(「慎重投与」,「重大な副作用」の項参照)。

相互作用

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
フェニル酢酸系又はプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛薬
 フルルビプロフェン等
痙攣を起こすおそれがある。中枢神経におけるGABAA受容体への結合阻害が増強されると考えられている。
クマリン系抗凝固薬
 ワルファリン
ワルファリンの作用を増強し,プロトロンビン時間の延長が認められたとの報告がある。ワルファリンの肝代謝を抑制,又は蛋白結合部位での置換により遊離ワルファリンが増加する等と考えられている。
QT延長を起こすことが知られている薬剤
 デラマニド等
QT延長を起こすおそれがある。併用によりQT延長作用が相加的に増加するおそれがある。
**副腎皮質ホルモン剤(経口剤及び注射剤)
 プレドニゾロン
 ヒドロコルチゾン等
腱障害のリスクが増大するとの報告がある。これらの薬剤との併用は,治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。機序不明

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1
ショック,アナフィラキシー
頻度不明
ショック,アナフィラキシー(初期症状:紅斑,悪寒,呼吸困難等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
2
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)
頻度不明
中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
3
痙攣
頻度不明
痙攣があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
4
QT延長,心室頻拍(Torsades de pointesを含む)
頻度不明
QT延長,心室頻拍(Torsades de pointesを含む)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
5
急性腎障害,間質性腎炎
頻度不明
急性腎障害,間質性腎炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
6
劇症肝炎,肝機能障害,黄疸
頻度不明
劇症肝炎,肝機能障害,黄疸(初期症状:嘔気・嘔吐,食欲不振,けん怠感,そう痒等)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
7
汎血球減少症,無顆粒球症,溶血性貧血,血小板減少
頻度不明
汎血球減少症,無顆粒球症(初期症状:発熱,咽頭痛,けん怠感等),ヘモグロビン尿等を伴う溶血性貧血,血小板減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
8
間質性肺炎,好酸球性肺炎
頻度不明
発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増多等を伴う間質性肺炎,好酸球性肺炎があらわれることがあるので,このような症状が認められた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと。
9
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎
頻度不明
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので,腹痛,頻回の下痢等が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
10
横紋筋融解症
頻度不明
筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇等を特徴とし,急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
11
低血糖
頻度不明
低血糖があらわれることがあり,低血糖性昏睡に至る例も報告されているので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。糖尿病患者(特にスルホニルウレア系薬剤やインスリン製剤等を投与している患者),腎機能障害患者,高齢者であらわれやすい。
12
**アキレス腱炎,腱断裂等の腱障害
頻度不明
アキレス腱炎,腱断裂等の腱障害があらわれることがあるので,腱周辺の痛み,浮腫,発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。臓器移植の既往のある患者であらわれやすい。
13
錯乱,せん妄,抑うつ等の精神症状
頻度不明
錯乱,せん妄,抑うつ等の精神症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
14
過敏性血管炎
頻度不明
過敏性血管炎があらわれることがあるので,発熱,腹痛,関節痛,紫斑,斑状丘疹や,皮膚生検で白血球破砕性血管炎等の症状が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
15
重症筋無力症の悪化
頻度不明
重症筋無力症の患者で症状の悪化があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
16
*大動脈瘤,大動脈解離
頻度不明
大動脈瘤,大動脈解離を引き起こすことがあるので,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと(「慎重投与」,「重要な基本的注意」の項参照)。
17
**末梢神経障害
頻度不明
末梢神経障害があらわれることがあるので,しびれ,筋力低下,痛み等の症状が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 頻度不明
過敏症そう痒症,発疹,蕁麻疹,光線過敏症
**精神神経系めまい,頭痛,しびれ感,幻覚,不眠,傾眠,振戦,ぼんやり,意識障害,錐体外路障害
泌尿器血尿,尿蛋白陽性,クレアチニン上昇,BUN上昇,尿閉,無尿,頻尿
肝臓AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,γ-GTP上昇,肝機能異常,LDH上昇,血中ビリルビン増加,ALP上昇
血液好酸球数増加,好中球数減少,白血球数減少,血小板数減少,リンパ球数減少,貧血
消化器下痢,悪心,嘔吐,食欲不振,腹部不快感,腹痛,口渇,腹部膨満,舌炎,便秘,消化不良,胃腸障害,口内炎
感覚器耳鳴,視覚異常,味覚消失,味覚異常,無嗅覚,嗅覚錯誤
循環器動悸,低血圧,頻脈
注射部位反応注射部位紅斑,注射部位そう痒感,注射部位腫脹,注射部位疼痛,注射部位硬結,注射部位熱感,静脈炎,血管炎,注射部位不快感,血管障害,穿刺部位疼痛
その他関節痛,けん怠感,CK(CPK)上昇,発熱,筋肉痛,関節障害,尿中ブドウ糖陽性,胸部不快感,胸痛,四肢痛,咽喉乾燥,熱感,浮腫,脱力感,発汗,高血糖
その他の副作用の注意
上記の副作用があらわれることがあるので,異常が認められた場合には必要に応じ投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

本剤は,主として腎臓から排泄されるが,高齢者では腎機能が低下していることが多いため,高い血中濃度が持続するおそれがあるので投与量ならびに投与間隔に留意し,慎重に投与すること(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)。

妊婦,産婦,授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[オフロキサシンでヒト母乳中へ移行することが報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していないので,投与しないこと(「その他の注意」の項参照)。

適用上の注意

投与経路
本剤は点滴静注にのみ使用すること。
投与時
本剤を他剤と配合した時に,沈殿,混濁が認められた場合には,投与しないこと。
本剤はヘパリンナトリウムと配合変化が認められているので,静脈内カテーテル留置を行う際,ヘパリンナトリウムによる血液凝固防止(ヘパリンロック)前後は,ルート内を生理食塩液で洗浄(フラッシング)すること。
同一の点滴ルートを使用し,本剤と他剤を連続して投与する場合は,本剤と配合変化(沈殿,混濁等)が認められる薬剤があるため,配合変化試験データを参照すること。1)

その他の注意

動物実験[幼若犬,若い成犬(13ヵ月齢),幼若ラット]で関節異常が認められている。

薬効薬理

レボフロキサシンの作用機序は,細菌のDNAジャイレース(DNA複製時にらせん状のDNA鎖を一度切断し,その後再結合する酵素)の活性阻害によるDNAの複製阻害であり,殺菌的に作用する。2)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
レボフロキサシン水和物(Levofloxacin Hydrate)
略号
LVFX
化学名
(3S)-9-Fluoro-3-methyl-10-(4-methylpiperazin-1-yl)-7-oxo-2,3-dihydro-7H-pyrido[1,2,3-de][1,4]benzoxazine-6-carboxylic acid hemihydrate
構造式
分子式
C18H20FN3O41/2H2O
分子量
370.38
性状
淡黄白色〜黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
酢酸(100)に溶けやすく,水又はメタノールにやや溶けにくく,エタノール(99.5)に溶けにくい。
0.1mol/L塩酸試液に溶ける。
光によって徐々に暗淡黄白色になる。
融点
約226℃(分解)

取扱い上の注意

製品の品質を保持するため,本品を包んでいる外袋は使用時まで開封しないこと。
外袋が破損しているときや内容液が漏出しているときは使用しないこと。
残液は使用しないこと。
通気針は不要である。
容器の目盛りはおよその目安として使用すること。
安定性試験
本品につき加速試験(40℃,相対湿度75%,6ヵ月)を行った結果,レボフロキサシン点滴静注バッグ500mg「日医工P」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。3)

包装

レボフロキサシン点滴静注バッグ500mg「日医工P」
500mg/100mL×10袋

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
ヤクハン製薬株式会社 社内資料:配合変化試験
2
第十七改正日本薬局方解説書,C-5957,廣川書店,東京(2016)
3
ヤクハン製薬株式会社 社内資料:安定性試験

文献請求先

主要文献欄に記載の文献・社内資料は下記にご請求下さい。
 日医工株式会社 お客様サポートセンター
 〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
 フリーダイアル(0120)517-215
 Fax(076)442-8948

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

販売元
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21
製造販売元
ヤクハン製薬株式会社
北海道北広島市北の里27番地

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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