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閲覧履歴

ミカファンギンナトリウム点滴静注用25mg「日医工」

キャンディン系抗真菌剤

1瓶 1018円

作成又は改訂年月

**
2020年12月改訂
(第3版)
*
2020年9月改訂

日本標準商品分類番号

876179

日本標準商品分類番号等

*2020年9月

薬効分類名

キャンディン系抗真菌剤

承認等

販売名

ミカファンギンナトリウム点滴静注用25mg「日医工」

販売名コード

6179400D3031

承認・許可番号

30200AMX00293000
Micafungin Sodium for I.V. Infusion

薬価基準収載年月

2020年6月

販売開始年月

2020年7月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存、遮光保存〔バイアルはUVカットフィルムで遮光している。〕
使用期限
外箱等に表示の使用期限内に使用すること

規制区分

劇薬
処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

有効成分
1バイアル中
ミカファンギンナトリウム
25mg(力価)
添加物
1バイアル中
マルトース水和物67mg、pH調節剤

製剤の性状

剤形・性状
白色の塊又は粉末で用時溶剤に溶解して用いる注射剤(固体)
生理食塩液、ブドウ糖注射液に溶解したときのpH及び浸透圧比は下表のとおりである。
容器
無色バイアル
含量/溶解液量溶解液pH浸透圧比(生理食塩液に対する比)
25mg(力価)/100mL生理食塩液5.1〜7.1約1
50mg(力価)/100mL生理食塩液5.1〜7.1約1
75mg(力価)/100mL生理食塩液5.0〜7.0約1
150mg(力価)/100mL生理食塩液4.7〜6.7約1
300mg(力価)/100mL生理食塩液4.4〜6.4約1
25mg(力価)/100mLブドウ糖注射液(5w/v%)4.3〜6.3約1
50mg(力価)/100mLブドウ糖注射液(5w/v%)4.4〜6.4約1
75mg(力価)/100mLブドウ糖注射液(5w/v%)4.8〜6.8約1
150mg(力価)/100mLブドウ糖注射液(5w/v%)4.6〜6.6約1
300mg(力価)/100mLブドウ糖注射液(5w/v%)4.5〜6.5約1

販売名

ミカファンギンナトリウム点滴静注用50mg「日医工」

販売名コード

6179400D1063

承認・許可番号

30200AMX00294000
Micafungin Sodium for I.V. Infusion

薬価基準収載年月

2020年6月

販売開始年月

2020年7月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存、遮光保存〔バイアルはUVカットフィルムで遮光している。〕
使用期限
外箱等に表示の使用期限内に使用すること

規制区分

劇薬
処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

有効成分
1バイアル中
ミカファンギンナトリウム
50mg(力価)
添加物
1バイアル中
マルトース水和物134mg、pH調節剤

製剤の性状

剤形・性状
白色の塊又は粉末で用時溶剤に溶解して用いる注射剤(固体)
生理食塩液、ブドウ糖注射液に溶解したときのpH及び浸透圧比は下表のとおりである。
容器
無色バイアル
含量/溶解液量溶解液pH浸透圧比(生理食塩液に対する比)
25mg(力価)/100mL生理食塩液5.1〜7.1約1
50mg(力価)/100mL生理食塩液5.1〜7.1約1
75mg(力価)/100mL生理食塩液5.0〜7.0約1
150mg(力価)/100mL生理食塩液4.7〜6.7約1
300mg(力価)/100mL生理食塩液4.4〜6.4約1
25mg(力価)/100mLブドウ糖注射液(5w/v%)4.3〜6.3約1
50mg(力価)/100mLブドウ糖注射液(5w/v%)4.4〜6.4約1
75mg(力価)/100mLブドウ糖注射液(5w/v%)4.8〜6.8約1
150mg(力価)/100mLブドウ糖注射液(5w/v%)4.6〜6.6約1
300mg(力価)/100mLブドウ糖注射液(5w/v%)4.5〜6.5約1

販売名

ミカファンギンナトリウム点滴静注用75mg「日医工」

販売名コード

6179400D2060

承認・許可番号

30200AMX00295000
Micafungin Sodium for I.V. Infusion

薬価基準収載年月

2020年6月

販売開始年月

2020年7月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存、遮光保存〔バイアルはUVカットフィルムで遮光している。〕
使用期限
外箱等に表示の使用期限内に使用すること

規制区分

劇薬
処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

有効成分
1バイアル中
ミカファンギンナトリウム
75mg(力価)
添加物
1バイアル中
マルトース水和物201mg、pH調節剤

製剤の性状

剤形・性状
白色の塊又は粉末で用時溶剤に溶解して用いる注射剤(固体)
生理食塩液、ブドウ糖注射液に溶解したときのpH及び浸透圧比は下表のとおりである。
容器
無色バイアル
含量/溶解液量溶解液pH浸透圧比(生理食塩液に対する比)
25mg(力価)/100mL生理食塩液5.1〜7.1約1
50mg(力価)/100mL生理食塩液5.1〜7.1約1
75mg(力価)/100mL生理食塩液5.0〜7.0約1
150mg(力価)/100mL生理食塩液4.7〜6.7約1
300mg(力価)/100mL生理食塩液4.4〜6.4約1
25mg(力価)/100mLブドウ糖注射液(5w/v%)4.3〜6.3約1
50mg(力価)/100mLブドウ糖注射液(5w/v%)4.4〜6.4約1
75mg(力価)/100mLブドウ糖注射液(5w/v%)4.8〜6.8約1
150mg(力価)/100mLブドウ糖注射液(5w/v%)4.6〜6.6約1
300mg(力価)/100mLブドウ糖注射液(5w/v%)4.5〜6.5約1

一般的名称

注射用ミカファンギンナトリウム

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

アスペルギルス属及びカンジダ属による下記感染症
真菌血症、呼吸器真菌症、消化管真菌症
*造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防

用法及び用量

成人
アスペルギルス症:
通常、成人にはミカファンギンナトリウムとして50〜150mg(力価)を1日1回点滴静注する。重症又は難治性アスペルギルス症には症状に応じて増量できるが、1日300mg(力価)を上限とする。
カンジダ症:
通常、成人にはミカファンギンナトリウムとして50mg(力価)を1日1回点滴静注する。重症又は難治性カンジダ症には症状に応じて増量できるが、1日300mg(力価)を上限とする。
*造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防:
成人にはミカファンギンナトリウムとして50mg(力価)を1日1回点滴静注する。
点滴静注に際しては、生理食塩液、ブドウ糖注射液又は補液に溶解し、75mg(力価)以下では30分以上、75mg(力価)を超えて投与する場合は1時間以上かけて行う。
溶解にあたっては、注射用水を使用しないこと。[溶液が等張とならないため。]
小児
アスペルギルス症:
通常、小児にはミカファンギンナトリウムとして1〜3mg(力価)/kgを1日1回点滴静注する。重症又は難治性アスペルギルス症には症状に応じて増量できるが、1日6mg(力価)/kgを上限とする。
カンジダ症:
通常、小児にはミカファンギンナトリウムとして1mg(力価)/kgを1日1回点滴静注する。重症又は難治性カンジダ症には症状に応じて増量できるが、1日6mg(力価)/kgを上限とする。
*造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防:
小児にはミカファンギンナトリウムとして1mg(力価)/kgを1日1回点滴静注する。
点滴静注に際しては、生理食塩液、ブドウ糖注射液又は補液に溶解し、1時間以上かけて行う。
溶解にあたっては、注射用水を使用しないこと。[溶液が等張とならないため。]

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤の使用に際しては、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
成人に対しては、下記の点に注意すること。
アスペルギルス症及びカンジダ症:体重50kg以下の患者に対しては、体重換算で1日あたり6mg(力価)/kgを超えないこと。
*造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防:
好中球数が500個/mm3以上に回復するなど、適切な時期に投与を終了すること。
体重50kg以下の患者に対しては、体重換算で1日あたり1mg(力価)/kgを超えないこと。
小児に対しては、下記の点に注意すること。
アスペルギルス症及びカンジダ症:体重50kg以上の患者に対しては、1日あたり300mg(力価)を超えないこと。
*造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防:
好中球数が500個/mm3以上に回復するなど、適切な時期に投与を終了すること。
体重50kg以上の患者に対しては、1日あたり50mg(力価)を超えないこと。

使用上の注意

慎重投与

薬物過敏症の既往歴のある患者。特に他のキャンディン系抗真菌剤に対し過敏症の既往歴のある患者には注意すること。
肝障害のある患者[肝障害を悪化させることがある。]

重要な基本的注意

定期的に肝機能検査を行うなど、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[本剤投与中の患者で肝機能障害、黄疸があらわれることがある。(「重大な副作用」の項参照)また、動物試験において肝変異細胞巣の発生とその一部の腫瘍化が認められている。(「その他の注意」の項参照)]
小児では、臨床試験において、成人に比べ肝機能障害の頻度が高いことが観察されているので、十分配慮すること。
*本剤の予防投与開始後においてアスペルギルス症又はカンジダ症が発症した場合は、漫然と使用せず、他の薬剤に変更する、又は本剤を増量するなど適切な処置を行うこと。
本剤投与開始後において、原因菌がアスペルギルス属又はカンジダ属でないことが明確になった場合、又は本剤投与で効果が認められない場合は、漫然と使用せず、他の薬剤に変更するなど適切な処置を行うこと。

相互作用

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
シロリムスミカファンギンナトリウム製剤との併用によりシロリムスのAUCが21%上昇したとの報告がある。併用する場合は患者の状態を慎重に観察し、シロリムスの副作用発現に注意し必要に応じてシロリムスの投与量を調節すること。機序不明

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1
血液障害
頻度不明
白血球減少、好中球減少、溶血性貧血(血管内溶血を含む)、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、溶血性貧血については、投与開始直後にあらわれることもあるので、溶血が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
2
ショック、アナフィラキシー
頻度不明
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、口内異常感、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、必要に応じて気道の確保、アドレナリン、ステロイド、抗ヒスタミン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
3
肝機能障害、黄疸
頻度不明
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTP、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
4
急性腎障害
頻度不明
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑
頻度不明
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

 頻度不明
肝臓AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇
代謝異常カリウム上昇、カリウム低下、低カルシウム血症、低マグネシウム血症
血液好酸球増多
皮膚発疹
循環器動悸、高血圧
消化器下痢、悪心、嘔吐、軟便
腎臓BUN上昇、クレアチニン上昇、クレアチニンクリアランス低下
**その他静脈炎、関節炎、悪寒、頭痛、CK(CPK)上昇、発熱、血管痛、ミオグロビン上昇、注射部位反応(腫脹、疼痛、紅斑等)
[参考]海外臨床試験
1)アスペルギルス症及びカンジダ症
    頻度不明
肝臓AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、高ビリルビン血症
代謝異常低マグネシウム血症、低カルシウム血症、高クロール血症、低カリウム血症
血液白血球減少、血小板減少、貧血
皮膚発疹
循環器血管拡張、高血圧
消化器嘔吐、嘔気、下痢
腎臓クレアチニン上昇、BUN上昇
その他発熱、腹痛、無力症、さむけ、静脈炎、頭痛
*2)造血幹細胞移植患者におけるアスペルギルス症及びカンジダ症の予防
頻度不明
肝臓高ビリルビン血症
代謝異常低マグネシウム血症、低カリウム血症、低リン酸塩血症
血液白血球減少
皮膚発疹
消化器嘔吐、嘔気、下痢
その他腹痛

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、用量に留意するなど慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
授乳婦:授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)において母乳中に移行することが報告されている。]

小児等への投与

小児では、臨床試験において、成人に比べ肝機能障害の頻度が高いことが観察されているので、十分配慮すること。
低出生体重児、新生児に対する使用経験は少ない。
海外臨床試験では、低出生体重児において血漿中濃度が低くなる傾向がみられている。

適用上の注意

調製方法:本剤は溶解時、泡立ちやすく、泡が消えにくいので強く振り混ぜないこと。
投与時:光により徐々に分解するので直射日光を避けて使用すること。また、調製後、点滴終了までに6時間を超える場合には点滴容器を遮光すること。[点滴チューブを遮光する必要はない。]
溶解後の光安定性
含量/溶解液量
50mg(力価)/100mL
生理食塩液
試験項目
光分解物(%)
溶解直後
未検出
6時間後
1.16
24時間後
3.39
含量/溶解液量
50mg(力価)/100mL
生理食塩液
試験項目
力価残存率(%)
溶解直後
100
6時間後
98.5
24時間後
92.2
含量/溶解液量
300mg(力価)/100mL
生理食塩液
試験項目
光分解物(%)
溶解直後
未検出
6時間後
0.35
24時間後
1.17
含量/溶解液量
300mg(力価)/100mL
生理食塩液
試験項目
力価残存率(%)
溶解直後
100
6時間後
100.5
24時間後
96.4
含量/溶解液量
50mg(力価)/100mL
ブドウ糖注射液(5w/v%)
試験項目
光分解物(%)
溶解直後
未検出
6時間後
0.70
24時間後
2.16
含量/溶解液量
50mg(力価)/100mL
ブドウ糖注射液(5w/v%)
試験項目
力価残存率(%)
溶解直後
100
6時間後
98.7
24時間後
93.1
保存条件:遮光なし、室温、室内散光下(3,000ルクス)
配合禁忌:本剤は他剤と配合したとき、濁りが生じることがある。また、本剤は塩基性溶液中で不安定であるため、力価の低下が生じることがある。表1に配合直後に濁りが生じる主な薬剤を、表2に配合直後に力価低下が生じる主な薬剤を示す。
表1 配合直後に濁りが生じる主な薬剤
バンコマイシン塩酸塩、アルベカシン硫酸塩、ゲンタマイシン硫酸塩、トブラマイシン、ジベカシン硫酸塩、ミノサイクリン塩酸塩、シプロフロキサシン、パズフロキサシンメシル酸塩、シメチジン、ドブタミン塩酸塩、ドキサプラム塩酸塩水和物、ペンタゾシン、ナファモスタットメシル酸塩、ガベキサートメシル酸塩、チアミンジスルフィド・ピリドキシン塩酸塩・ヒドロキソコバラミン酢酸塩、メナテトレノン、乾燥ペプシン処理人免疫グロブリン、ドキソルビシン塩酸塩
表2 配合直後に力価低下が生じる主な薬剤
アンピシリン、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、アシクロビル、ガンシクロビル、アセタゾラミド

その他の注意

ラットに4週間反復静脈内投与した試験において、高用量群の32mg/kg投与群に血中AST(GOT)及びALT(GPT)などの上昇と単細胞壊死などの肝障害像が認められた。なお、3カ月間反復静脈内投与試験の32mg/kg投与群及び6カ月間反復静脈内投与試験の20及び32mg/kg投与群では、これら所見に加え、肝変異細胞巣の増加も認められたが、3カ月間反復静脈内投与試験の20mg/kg投与群では肝変異細胞巣は認められなかった。また、ラットに32mg/kgを6カ月間反復静脈内投与し、その後18カ月間休薬した試験及び3カ月間反復静脈内投与し、その後21カ月間休薬した試験において、対照群に比べ肝細胞腫瘍の有意な増加が認められた。また、ラットに6カ月間反復静脈内投与した試験において、高用量群である32mg/kg投与群に尿量、尿中Na及び尿中Clの増加が認められた。一方、10mg/kg投与群にこれらの所見は認められなかった。なお、ラットに20及び32mg/kgを3カ月及び6カ月間反復静脈内投与したときの平均AUCは、ヒトに300mg/日を投与したときのAUCのそれぞれ2.2倍及び3.5倍に相当する。
イヌに長期間反復静脈内投与した試験(3.2、10及び32mg/kg、9カ月間)において、中及び高用量群に精子細胞及び精母細胞の障害による精細管萎縮あるいは精巣上体中精子数の減少が認められ、高用量群ではこれら所見に加え精細管上皮(セルトリ細胞)の空胞化が認められた。また、ラットの受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験(3.2、10及び32mg/kg)における全ての用量群で、雌雄親動物の受胎能及び初期胚発生は正常であったが、中及び高用量群に精巣上体頭部管上皮の空胞化、また高用量群には精巣上体中精子数の減少が認められた。
In vitro試験において、ミカファンギンはイトラコナゾールとの併用によりイトラコナゾールのクリプトコックス・ネオフォルマンス注)に対する作用を減弱させた1)
注)クリプトコックス属は本剤の適応外菌種である。

薬効薬理

抗カンジダ活性を有し、その生物活性は細胞壁における1,3-β-D-グルカンの形成阻害による。グルカン合成の阻害は真菌細胞壁の構造的完全性を減少する。その結果、浸透圧が不安定になり細胞が死ぬ。アスペルギルス属では、殺菌的ではなく、菌糸の形状を変形させる作用を示す。また、アゾール系に耐性のカンジダ種は、ミカファンギンに感受性を保つ。
FKS1によりコードされるFKS1pの変異は耐性を引き起こす。FKS1pは1,3-β-D-グルカン合成酵素複合体の必須構成要素である2)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
ミカファンギンナトリウム(Micafungin Sodium)
略号
MCFG
化学名
Sodium 5-[(1S,2S)-2-[(3S,6S,9S,11R,15S,18S,20R,21R,24S,25S,26S)-3-[(R)-2-carbamoyl-1-hydroxyethyl]-11,20,21,25-tetrahydroxy-15-[(R)-1-hydroxyethyl]-26-methyl-2,5,8,14,17,23-hexaoxo-18-[4-[5-(4-pentyloxyphenyl)isoxazol-3-yl]benzoylamino]-1,4,7,13,16,22-hexaazatricyclo[22.3.0.09,13]heptacos-6-yl]-1,2-dihydroxyethyl]-2-hydroxyphenyl sulfate
分子式
C56H70N9NaO23S
分子量
1292.26
構造式
性状
白色の粉末である。
水に溶けやすく、アセトンにほとんど溶けない。吸湿性である。

取扱い上の注意

安定性試験
本品につき加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)を行った結果、ミカファンギンナトリウム点滴静注用25mg「日医工」、ミカファンギンナトリウム点滴静注用50mg「日医工」及びミカファンギンナトリウム点滴静注用75mg「日医工」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された3)

包装

ミカファンギンナトリウム点滴静注用25mg「日医工」
25mg(力価)×10バイアル
ミカファンギンナトリウム点滴静注用50mg「日医工」
50mg(力価)×10バイアル
ミカファンギンナトリウム点滴静注用75mg「日医工」
75mg(力価)×10バイアル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
二木芳人 他:日本化学療法学会雑誌 2002;50(S-1):58-67
2
グッドマン・ギルマン薬理書(下)薬物治療の基礎と臨床 第12版 2053-2055,廣川書店,2013
3
日医工株式会社 社内資料:安定性試験

文献請求先

主要文献欄に記載の文献・社内資料は下記にご請求下さい。
 日医工株式会社 お客様サポートセンター
 〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
 フリーダイアル(0120)517-215
 Fax(076)442-8948

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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