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ミノサイクリン塩酸塩カプセル100mg「日医工」

テトラサイクリン系抗生物質

1カプセル 20.9円

作成又は改訂年月

**
2022年11月改訂
(第5版)
*
2020年9月改訂

日本標準商品分類番号

876152

薬効分類名

テトラサイクリン系抗生物質

承認等

販売名

ミノサイクリン塩酸塩カプセル100mg「日医工」

販売名コード

6152005M2090

承認・許可番号

22900AMX00021000
Minocycline Hydrochloride

薬価基準収載年月

2017年6月

販売開始年月

2017年6月

貯法・使用期限等

 貯法:
室温保存、遮光保存
開封後吸湿注意
 使用期限:
外箱に表示の使用期限内に使用すること。

規制区分

 処方箋医薬品注)
注)処方箋医薬品:注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

有効成分
1カプセル中
ミノサイクリン塩酸塩
100mg(力価)
添加物
トウモロコシデンプン、結晶セルロース、カルメロースカルシウム、タルク
カプセル本体:ゼラチン、酸化チタン、黄色5号、ラウリル硫酸ナトリウム

製剤の性状

剤形硬カプセル剤
色調キャップ:淡橙色
ボディ:淡橙色
外形
大きさ2号カプセル
本体コード61H
包装コード61H

一般的名称

ミノサイクリン塩酸塩カプセル

禁忌

テトラサイクリン系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

効能又は効果に関連する使用上の注意

胎児に一過性の骨発育不全、歯牙の着色・エナメル質形成不全を起こすことがある。また、動物実験(ラット)で胎児毒性が認められているので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
小児(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児)に投与した場合、歯牙の着色・エナメル質形成不全、また、一過性の骨発育不全を起こすことがあるので、他の薬剤が使用できないか、無効の場合にのみ適用を考慮すること。
*咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎を含む)、急性気管支炎、感染性腸炎、中耳炎、副鼻腔炎への使用にあたっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。
 <適応菌種>
ミノサイクリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、炭疽菌、大腸菌、赤痢菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌、梅毒トレポネーマ、リケッチア属(オリエンチア・ツツガムシ)、クラミジア属、肺炎マイコプラズマ(マイコプラズマ・ニューモニエ)
 <適応症>
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎(扁桃周囲炎を含む)、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、尿道炎、淋菌感染症、梅毒、腹膜炎、感染性腸炎、外陰炎、細菌性腟炎、子宮内感染、涙嚢炎、麦粒腫、外耳炎、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、上顎洞炎、顎炎、炭疽、つつが虫病、オウム病

用法及び用量

通常成人は初回投与量をミノサイクリンとして、100〜200mg(力価)とし、以後12時間ごとあるいは24時間ごとにミノサイクリンとして100mg(力価)を経口投与する。
なお、患者の年齢、体重、症状などに応じて適宜増減する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
炭疽の発症及び進展抑制には、類薬であるドキシサイクリンについて米国疾病管理センター(CDC)が、60日間の投与を推奨している。

使用上の注意

慎重投与

肝障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
腎障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある。]
食道通過障害のある患者[食道潰瘍を起こすおそれがある。]
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)

重要な基本的注意

めまい感があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作及び高所での作業等に従事させないように注意すること。

相互作用

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ランタン又は鉄剤本剤の吸収が低下し、効果が減弱されるおそれがある。
両剤の服用間隔を2〜4時間とすること。
本剤と二価又は三価の金属イオンが消化管内で難溶性のキレートを形成して、本剤の吸収を阻害する。
抗凝血剤
 ワルファリンカリウム等
血漿プロトロンビン活性を抑制することがある。本剤による腸内細菌の減少が、ビタミンK合成を阻害し、抗凝血剤の作用を増強するほか、本剤がカルシウムイオンとキレート結合し、血漿プロトロンビン活性を抑制すると考えられている。
スルホニル尿素系血糖降下薬血糖降下作用が増強することがある。機序は不明であるが、スルホニル尿素系薬剤の血糖降下作用がオキシテトラサイクリン及びドキシサイクリンによって増強されるという報告がある。
メトトレキサートメトトレキサートの作用が増強されることがある。本剤は血漿蛋白と結合しているメトトレキサートを競合的に置換遊離し、メトトレキサートの作用を増強させることが考えられる。
ポルフィマーナトリウム光線過敏症を起こすおそれがある。
直射日光、集中光等を避けること。
皮膚の光感受性を高める薬剤との併用により、本剤による光線過敏症が増強されることが考えられる。
ジゴキシン本剤がジゴキシンの作用を増強し、中毒症状が発現することがある。
併用時はジゴキシンの中毒症状に注意すること。
本剤による腸内細菌の減少のため、腸内細菌によるジゴキシンの代謝が不活性化され、ジゴキシンの血中濃度が上昇すると考えられる。
黄体・卵胞ホルモン配合剤
 経口避妊剤
黄体・卵胞ホルモン配合剤の効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある。本剤による腸内細菌の減少のため、黄体・卵胞ホルモン配合剤の腸肝循環による再吸収が抑制されると考えられる。
外用剤を除くビタミンA製剤、レチノイド製剤
 ビタミンA
 レチノールパルミチン酸エステル
 エトレチナート
 トレチノイン
頭蓋内圧上昇があらわれることがある。本剤及びこれらの薬剤はそれぞれ頭蓋内圧上昇を起こすことがある。

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

 ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、全身潮紅、呼吸困難、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)、意識障害等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 全身性紅斑性狼瘡(SLE)様症状の増悪(頻度不明)
全身性紅斑性狼瘡(SLE)様症状の増悪があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
**結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎(頻度不明)
結節性多発動脈炎、顕微鏡的多発血管炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、倦怠感、体重減少、関節痛、筋肉痛、網状皮斑、しびれ等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。特に6ヵ月以上使用している長期投与例で結節性多発動脈炎が多く報告されている。
 自己免疫性肝炎(頻度不明)
長期投与例で、抗核抗体が陽性となる自己免疫性肝炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑、剥脱性皮膚炎(頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、剥脱性皮膚炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、紅斑、そう痒感、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
 血液障害(頻度不明)
汎血球減少、無顆粒球症、顆粒球減少、白血球減少、血小板減少、貧血があらわれることがあり、また、注射用製剤で溶血性貧血があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 重篤な肝機能障害(頻度不明)
肝不全等の重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、特に投与初期は観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと(投与開始1週間以内に出現することがある)。
 急性腎障害、間質性腎炎(頻度不明)
急性腎障害、間質性腎炎があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 呼吸困難、間質性肺炎、PIE症候群(頻度不明)
間質性肺炎、PIE症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、労作時息切れ、呼吸困難等の異常が認められた場合には速やかに胸部X線検査等を実施し、間質性肺炎、PIE症候群が疑われる場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
 膵炎(頻度不明)
膵炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 痙攣、意識障害等の精神神経障害(頻度不明)
痙攣、意識障害等の精神神経障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
 出血性腸炎、偽膜性大腸炎(頻度不明)
出血性腸炎、偽膜性大腸炎等の重篤な腸炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
  頻度不明
過敏症注1)発疹、発熱、浮腫(四肢、顔面)、蕁麻疹
皮膚色素沈着(皮膚・爪・粘膜)注2)、光線過敏症注3)、急性熱性好中球性皮膚症
精神神経系めまい感、頭痛、しびれ感
肝臓AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等肝機能検査値異常、黄疸
消化器腹痛、悪心、食欲不振、胃腸障害、嘔吐、下痢、舌炎、便秘、口内炎、味覚異常、肛門周囲炎、歯牙着色、舌変色
血液好酸球増多
腎臓BUN上昇
菌交代症注3)菌交代症に基づく新しい感染症
ビタミン欠乏症ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
頭蓋内圧上昇注1)頭蓋内圧上昇に伴う症状(嘔吐、頭痛、複視、うっ血乳頭、大泉門膨隆等)
感覚器耳鳴、聴覚障害
その他倦怠感、関節痛
注1)投与を中止すること。
注2)長期投与における発現。
注3)投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
高齢者では生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[胎児に一過性の骨発育不全、歯牙の着色・エナメル質形成不全を起こすことがある。また、動物実験(ラット)で胎児毒性が認められている。]
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[母乳中へ移行することが報告されている。]

小児等への投与

他の薬剤が使用できないか、無効の場合にのみ適用を考慮すること。[小児(特に歯牙形成期にある8歳未満の小児)に投与した場合、歯牙の着色・エナメル質形成不全、また、一過性の骨発育不全を起こすことがある。]

過量投与

大量投与により肝障害(黄疸、脂肪肝等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

適用上の注意

 服用時
食道に停留し、崩壊すると食道潰瘍を起こすことがあるので、多めの水で服用させ、特に就寝直前の服用等には注意すること。
 薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)

その他の注意

本剤の投与により尿が黄褐〜茶褐色、緑、青に変色したという報告がある。
本剤の投与により甲状腺が黒色になることがある。
海外において、本剤投与中の患者に甲状腺癌が発現したとの報告があるが、本剤との因果関係は確立していない。

薬物動態

 生物学的同等性試験
ミノサイクリン塩酸塩カプセル100mg「日医工」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1カプセル(ミノサイクリン塩酸塩として100mg(力価))健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。2)





血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
 溶出挙動
ミノサイクリン塩酸塩カプセル100mg「日医工」は、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められたミノサイクリン塩酸塩カプセルの溶出規格に適合していることが確認されている。3)

薬効薬理

抗菌スペクトルは他のテトラサイクリンと同様にグラム陽性・陰性菌、リケッチア、クラミジアなど広範囲であり、抗菌力はドキシサイクリンと同様にテトラサイクリンなどに比べて1〜4倍強い。テトラサイクリン耐性のブドウ球菌、レンサ球菌、大腸菌のうちで本薬に感性を示す株も多い。作用機序は、細菌のタンパク合成系の阻害でaminoacyl tRNAがmRNA・リボソーム複合物と結合するのを妨げる。動物のリボソーム80Sには作用せず、細菌のリボソーム70Sに特異的に作用する。4)

有効成分に関する理化学的知見

 一般名:
ミノサイクリン塩酸塩(Minocycline Hydrochloride)
 略号:
MINO
 化学名:
(4S,4aS,5aR,12aS)-4,7-Bis(dimethylamino)-3,10,12,12a-tetrahydroxy-1,11-dioxo-1,4,4a,5,5a,6,11,12a-octahydrotetracene-2-carboxamide monohydrochloride
 構造式:
 分子式:
C23H27N3O7・HCl
 分子量:
493.94
 性状:
黄色の結晶性の粉末である。
N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、水にやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくい。
1.0gを水100mLに溶かした液のpHは3.5〜4.5である。

取扱い上の注意

 安定性試験
最終包装製品を用いた長期保存試験の結果、ミノサイクリン塩酸塩カプセル100mg「日医工」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。5)

包装

ミノサイクリン塩酸塩カプセル100mg「日医工」
100カプセル(10カプセル×10;PTP)
500カプセル(10カプセル×50;PTP)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
2
日医工ファーマ株式会社 社内資料:生物学的同等性試験
3
日医工ファーマ株式会社 社内資料:溶出試験
4
第十七改正日本薬局方解説書 C-5321、廣川書店、東京(2016)
5
日医工ファーマ株式会社 社内資料:安定性試験

文献請求先

主要文献欄に記載の文献・社内資料は下記にご請求下さい。
 日医工株式会社 お客様サポートセンター
 〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
 フリーダイアル(0120)517-215
 Fax(076)442-8948

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

販売元
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21
製造販売元
日医工ファーマ株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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