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アミカシン硫酸塩注射液200mg「F」

アミノグリコシド系抗生物質製剤

1管 610円

作成又は改訂年月

**
2014年4月改訂
(第11版、100mg製剤添付文書との統一並びに販売名変更に伴う改訂)
*
2013年11月改訂

日本標準商品分類番号

876123

日本標準商品分類番号等

2004年9月

薬効分類名

アミノグリコシド系抗生物質製剤

承認等

販売名

**アミカシン硫酸塩注射液100mg「F」

販売名コード

6123402A1214

承認・許可番号

**22500AMX01865

薬価基準収載年月

**2014年4月

販売開始年月

1990年7月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
使用期限
外箱に表示(3年)

基準名

日本薬局方
アミカシン硫酸塩注射液

規制区分

処方せん医薬品注)
注) 注意―医師等の処方せんにより使用すること

組成

有効成分
日局 アミカシン硫酸塩
含量
100mg(力価)
容量
1mL
添加物
亜硫酸水素ナトリウム  1mg
クエン酸ナトリウム水和物    14mg
パラオキシ安息香酸メチル   0.45mg
パラオキシ安息香酸プロピル    0.05mg

性状

pH6.0〜7.5
浸透圧比(生理食塩液に対する比)約1
色調・性状無色〜微黄色澄明の液
剤形注射剤(アンプル)

販売名

*アミカシン硫酸塩注射液200mg「F」

販売名コード

6123402A3217

承認・許可番号

*22500AMX01866

薬価基準収載年月

*2013年11月

販売開始年月

1990年7月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
使用期限
外箱に表示(3年)

規制区分

処方せん医薬品注)
注) 注意―医師等の処方せんにより使用すること

組成

有効成分
日局 アミカシン硫酸塩
含量
200mg(力価)
容量
2mL
添加物
亜硫酸水素ナトリウム    2mg
クエン酸ナトリウム水和物    28mg
パラオキシ安息香酸メチル    0.9mg
パラオキシ安息香酸プロピル    0.1mg

性状

pH6.0〜7.5
浸透圧比(生理食塩液に対する比)約1 
色調・性状無色〜微黄色澄明の液
剤形注射剤(アンプル)

禁忌

本剤の成分並びにアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者

原則禁忌

本人又はその血族がアミノグリコシド系抗生物質による難聴又はその他の難聴のある患者[難聴が発現又は増悪するおそれがある。]

効能又は効果

〈適応菌種〉
アミカシンに感性の大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、セラチア属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、緑膿菌
〈適応症〉
敗血症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎

用法及び用量

[筋肉内投与の場合]
通常、成人1回アミカシン硫酸塩として100〜200mg(力価)を1日1〜2回筋肉内投与する。小児は、アミカシン硫酸塩として1日4〜8mg(力価)/kgとし、1日1〜2回筋肉内投与する。
なお、年齢及び症状により適宜増減する。
[点滴静脈内投与の場合]
通常、成人1回アミカシン硫酸塩として100〜200mg(力価)を、1日2回点滴静脈内投与する。小児はアミカシン硫酸塩として1日4〜8mg(力価)/kgとし、1日2回点滴静脈内投与する。また、新生児(未熟児を含む)は、1回アミカシン硫酸塩として6mg(力価)/kgを、1日2回点滴静脈内投与する。
なお、年齢、体重及び症状により適宜増減する。
点滴静脈内投与の場合には、通常100〜500mLの補液中に100〜200mg(力価)の割合で溶解し、30分〜1時間かけて投与すること。

用法及び用量に関連する使用上の注意

腎障害患者
腎障害患者では、投与量を減らすか、投与間隔をあけて投与すること。(「慎重投与」の項参照)
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

使用上の注意

慎重投与

腎障害のある患者[高い血中濃度が持続し、腎障害が悪化するおそれがあり、また、第8脳神経障害等の副作用が強くあらわれるおそれがある。]
肝障害のある患者[肝障害を悪化させるおそれがある。]
重症筋無力症の患者[神経筋遮断作用があり呼吸抑制があらわれることがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]

重要な基本的注意

本剤によるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
めまい、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので慎重に投与すること。特に腎機能障害患者、高齢者、長期間投与患者及び大量投与患者等では血中濃度が高くなりやすく、聴力障害の危険性がより大きくなるので、聴力検査を実施することが望ましい。アミノグリコシド系抗生物質の聴力障害は、高周波音に始まり低周波音へと波及するので、障害の早期発見のために、聴力検査の最高周波数である8kHzでの検査が有用である。
急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、慎重に投与すること。
本剤を点滴静脈内投与するときには、副作用発生を防ぐため、必ず30分以上かけて投与すること。また、投与後は血中濃度をモニタリングすることが望ましい。

相互作用

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
腎障害を起こすおそれのある血液代用剤
 デキストラン
 ヒドロキシエチルデンプン 等
腎障害が発現、悪化することがあるので、併用は避けることが望ましい。
腎障害が発生した場合には、投与を中止し、透析療法等適切な処置を行うこと。
機序は明確でないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中への蓄積、近位尿細管上皮の空胞変性が生じるという報告がある。
ループ利尿剤
 エタクリン酸
 フロセミド
 アゾセミド 等
腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。機序は明確でないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中濃度の上昇、腎への蓄積が起こるという報告がある。
腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤
 バンコマイシン
 エンビオマイシン
 白金含有抗悪性腫瘍剤 (シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン) 等
腎障害及び聴器障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けることが望ましい。両薬剤ともに腎毒性、聴器毒性を有するが、相互作用の機序は不明。
麻酔剤
筋弛緩剤

 ツボクラリン
 パンクロニウム臭化物
 べクロニウム臭化物
 トルペリゾン
 A型ボツリヌス毒素製剤 等
呼吸抑制があらわれるおそれがある。呼吸抑制があらわれた場合には必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行うこと。両薬剤ともに神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強される。
腎毒性を有する薬剤
 シクロスポリン
 アムホテリシンB 等
腎障害が発現、悪化するおそれがある。両薬剤ともに腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明。

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

ショック(頻度不明)
初期症状として、不快感、口内異常感、喘鳴、めまい、便意、耳鳴、発汗等があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。
第8脳神経障害(頻度不明)
耳鳴・耳閉塞感・耳痛・めまい・難聴等の第8脳神経障害(主として蝸牛機能障害)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には慎重に投与すること。
急性腎不全(頻度不明)
重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を実施するなど観察を十分に行うこと。
上記のような副作用があらわれることがあるので、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

過敏症
頻度不明
発疹、そう痒、発熱
腎臓
頻度不明
浮腫、蛋白尿、血尿、血清クレアチニン上昇、BUN上昇、乏尿、カリウム等の電解質異常
肝臓
頻度不明
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇
血液
頻度不明
白血球減少、好酸球増多
消化器
頻度不明
下痢、悪心・嘔吐
ビタミン欠乏症
頻度不明
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
投与部位(筋注の場合)
頻度不明
注射部位の疼痛、硬結
その他
頻度不明
頭痛、口唇部のしびれ感
上記のような症状又は異常があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあり、第8脳神経障害、腎障害等の副作用があらわれやすい。
高齢者では、ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊婦に投与すると新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがある。]

過量投与

徴候、症状
腎障害、聴覚障害、前庭障害、神経筋遮断症状、呼吸麻痺があらわれることがある。
処置
血液透析、腹膜透析による薬剤の除去を行う。神経筋遮断症状、呼吸麻痺に対してはコリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与又は機械的呼吸補助を行う。

適用上の注意

筋肉内注射時
筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため、下記の点に注意すること。
筋肉内投与はやむを得ない場合にのみ必要最小限に行うこと。
同一部位への反復注射は行わないこと。
神経走行部位を避けること。
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
注射部位に疼痛、硬結をみることがある。
アンプルカット時
本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルのカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
β-ラクタム系抗生物質製剤(カルベニシリン、スルベニシリン等)と本剤との混注により、両剤ともに不活性化されるとの報告がある。それぞれ別経路にて投与を行うこと。

その他の注意

クエン酸で抗凝固処理した血液を大量輸血された患者にアミノグリコシド系抗生物質を投与すると、投与経路にかかわらず、神経筋遮断症状、呼吸麻痺があらわれることがある。
聴器毒性1)
モルモットにアミカシンを筋肉内投与した実験(40、100、200mg/kg、28日間)で、耳介反射の消失を認めるとともに、ラセン器の外有毛細胞の消失が認められたとの報告がある。
腎毒性2)
ラットにアミカシンを背部皮下投与した実験(25、100、400mg/kg、30日間)で、腎重量増加が見られるとともに近位尿細管の内腔拡張、上皮の扁平化が認められたとの報告がある。

薬物動態

生物学的同等性試験
アミカシン硫酸塩注射液「F」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1mL(アミカシン硫酸塩として100mg(力価))健康成人男子に筋肉内投与して血漿中アミカシン硫酸塩濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。3)

※血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

薬効薬理

抗菌作用4)5)
広い抗菌スペクトルを有しており、グラム陽性菌及びグラム陰性菌、特に緑膿菌、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、プロビデンシア属、セラチア属、大腸菌、クレブシエラ属等に対して強い抗菌力を示す。
また他のアミノグリコシド系抗生物質との間にほとんど交叉耐性は認められない。
不活化酵素に対する抵抗性4)5)
耐性菌が産生するアミノグリコシド系抗生物質を不活化する酵素に対して強い抵抗性を示す。
作用機序4)5)
細菌の蛋白合成を阻害することにより、殺菌的に作用する。

有効成分に関する理化学的知見

一般名
アミカシン硫酸塩(Amikacin Sulfate)
化学名
3-Amino-3-deoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→6)-[6-amino-6-deoxy-α-D-glucopyranosyl-(1→4)]-1-N-[(2S)-4-amino-2-hydroxybutanoyl]-2-deoxy-D-streptamine disulfate
構造式
分子式:
C22H43N5O13・2H2SO4
分子量
781.76
性状
白色〜黄白色の粉末である。
水に極めて溶けやすく、エタノール(95)にほとんど溶けない。

取扱い上の注意

**,*安定性試験
最終包装製品を用いた長期保存試験(室温、なりゆき湿度、3年)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、アミカシン硫酸塩注射液100mg「F」及びアミカシン硫酸塩注射液200mg「F」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。6)

包装

**アミカシン硫酸塩注射液100mg「F」
   100mg(力価)/1mL : 10アンプル
 *アミカシン硫酸塩注射液200mg「F」
   200mg(力価)/2mL : 10アンプル、50アンプル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
秋吉正豊 他:Jpn.J.Antibiot., 28 (3)288, 1975
2
松崎明紀 他:Jpn.J.Antibiot., 28 (4)415, 1975
3
富士製薬工業株式会社 社内資料 (生物学的同等性試験)
4
中澤昭三 他:Chemotherapy,23 (6) 2063, 1975
5
島田 馨 他:Chemotherapy,23 (8) 2599, 1975
6
富士製薬工業株式会社 社内資料 (安定性試験)

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。

富士製薬工業株式会社 富山工場 学術情報課
〒939-3515 富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地
(TEL) 076-478-0032
(FAX)076-478-0336

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
富士製薬工業株式会社
富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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