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スベニールディスポ関節注25mg

関節機能改善剤

1筒 761円

添付文書番号

3999408G1255_1_02

企業コード

450045

作成又は改訂年月

2022年4月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

873999

薬効分類名

関節機能改善剤

承認等

販売名

スベニールディスポ関節注25mg

販売名コード

3999408G1255

販売名英字表記

SUVENYL Dispo for Intra-Articular Injection

販売名ひらがな

すべにーるでぃすぽかんせつちゅう25mg

承認番号等

承認番号
21800AMX10829

販売開始年月

2000年8月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
精製ヒアルロン酸ナトリウム注射液

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

精製ヒアルロン酸ナトリウム

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

スベニールディスポ関節注25mg
有効成分
1シリンジ(2.5mL)中
日局精製ヒアルロン酸ナトリウム  25mg
添加剤
1シリンジ(2.5mL)中
L-メチオニン  2.5mg
リン酸水素ナトリウム水和物
リン酸二水素ナトリウム水和物
塩化ナトリウム

製剤の性状

スベニールディスポ関節注25mg
剤形注射剤(シリンジ)
pH6.8~7.8
浸透圧比約1.1(生理食塩液に対する比)
性状
無色澄明な粘稠性のある液

効能又は効果

  • 変形性膝関節症、肩関節周囲炎
  • 関節リウマチにおける膝関節痛(下記(1)~(4)の基準を全て満たす場合に限る)
    (1)抗リウマチ薬等による治療で全身の病勢がコントロールできていても膝関節痛のある場合
    (2)全身の炎症症状がCRP値として10mg/dL以下の場合
    (3)膝関節の症状が軽症から中等症の場合
    (4)膝関節のLarsen X線分類がGradeIからGradeIIIの場合

効能又は効果に関連する注意

〈関節リウマチにおける膝関節痛〉
  1. 膝関節以外の使用経験はなく、他の関節については有効性・安全性が確立していないため本剤を投与しないこと。
  2. 関節リウマチでは膝関節の器質的変化が高度なものは有効性・安全性が確立していないため本剤を投与しないこと。

用法及び用量

〈変形性膝関節症〉
通常、成人1回2.5mLを1週間毎に連続5回膝関節腔内に投与する。その後、症状の維持を目的とする場合は、2~4週間隔で投与する。
〈肩関節周囲炎〉
通常、成人1回2.5mLを1週間毎に連続5回肩関節(肩関節腔、肩峰下滑液包又は上腕二頭筋長頭腱腱鞘)内に投与する。
〈関節リウマチにおける膝関節痛〉
通常、成人1回2.5mLを1週間毎に連続5回膝関節腔内に投与する。

用法及び用量に関連する注意

〈効能共通〉
  1. 症状の改善が認められない場合は、5回を限度として投与を中止すること。
〈関節リウマチにおける膝関節痛〉
  1. 本剤による治療は原因療法ではなく局所に対する対症療法であるので抗リウマチ薬等と併用すること。本剤は漫然と連用する薬剤ではない。

重要な基本的注意

〈効能共通〉
  1. 本剤の投与により、ときに局所痛があらわれることがあるので、投与後の局所安静を指示するなどの措置を講じること。
  2. 注入部位以外に漏れると疼痛を起こすおそれがあるので、確実に投与すること。
〈変形性膝関節症、関節リウマチにおける膝関節痛〉
  1. 投与関節の炎症又は関節液貯留が著しい場合、本剤の投与により当該部位の炎症症状の悪化を招くことがあるので、炎症症状を抑えてから本剤を投与することが望ましい。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 他の薬剤に対して過敏症の既往歴のある患者
  2. 対象関節部に皮膚疾患又は感染症のある患者
    本剤は関節内に投与するため。

肝機能障害患者

  1. 肝障害又はその既往歴のある患者
    肝障害を悪化させるおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラットi.v.)で乳汁中へわずかに移行することが認められている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック(頻度不明)
    ショック症状があらわれることがある。

その他の副作用

0.1~2%未満
0.1%未満
過敏症
発疹
発熱、そう痒症、蕁麻疹、紅斑
投与部位
疼痛、腫脹、関節液貯留、熱感
関節周囲のしびれ感
肝臓
AST上昇、ALT上昇、AL-P上昇、LDH上昇
腎臓
尿沈渣異常、BUN上昇
尿中蛋白陽性
血液
白血球数増加
好酸球数増加、ヘマトクリット減少
その他
総蛋白減少、倦怠感、動悸、ほてり
注)副作用の発現頻度は製造販売後調査を含む。

適用上の注意

薬剤投与前の注意
  1. 関節液の貯留があるときには、必要に応じ穿刺により排液すること。
薬剤投与時の注意
  1. 本剤は、関節内に投与するので、厳重な無菌的操作のもとに行うこと。
  2. 血管内へは投与しないこと。
  3. 眼科用には使用しないこと。
薬剤投与後の注意
  1. 本剤の使用は開封後1回限りとして速やかに使用し、使用後は残液を廃棄すること。

薬物動態

血中濃度

健康成人の膝関節腔内へヒアルロン酸ナトリウムとして15~50mgを単回投与注) したときの血清中ヒアルロン酸濃度は、投与前から投与168時間後を通じて約50~150ng/mLの範囲内で変動し、対照のプラセボ(生理食塩液)投与群の約30~110ng/mLの範囲内の変動とほぼ同様の推移を示していた 。
ウサギ及びイヌの膝関節腔内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを単回投与(1mg/0.1mL/kg)した際の血中放射能濃度は、投与48時間後に最高濃度に達し、その後緩徐に消失した 。
ウサギの膝関節腔内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを7回反復投与(1mg/0.1mL/kg)した際の血中放射能濃度は、投与6回目でほぼ定常状態に達し、最終回投与以降は緩徐に消失した 。
注)本剤の承認された1回用量は25mg(2.5mL中)である。

吸収

ウサギの膝関節腔内へ粘度平均分子量約190万のヒアルロン酸ナトリウムを単回投与(1mg/0.1mL/kg)したとき、関節腔内における貯留は投与後約5日間認められた 。
ウサギの膝関節腔内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを単回投与(1mg/0.1mL/kg)したとき、軟骨表層、滑膜及び関節液中における放射能の残存は投与後216時間(9日間)まで認められた 。

分布

ウサギの膝関節腔内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを単回投与(1mg/0.1mL/kg)した際の組織内放射能濃度は投与24及び48時間後に肝、脾、下顎腺で高く、脊髄、副腎、骨格筋、皮膚、精巣及び精巣上体は投与72時間後に、また、他の組織は投与48時間後に最高濃度を示した 。
ウサギの膝関節腔内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを週2回、7回反復投与(1mg/0.1mL/kg)した際、軟骨、半月板、骨髄、副腎、リンパ節、皮膚は投与72時間後に、骨格筋、脊髄、甲状腺、脂肪は投与後120時間後に最高濃度を示し、他の組織は48時間後に最高濃度を示した 。
妊娠ラットの静脈内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを単回投与(1mg/2mL/kg)した際の胎児のオートラジオグラムの放射能分布は、投与10分後では認められず、投与6時間後では母体血漿より高い放射能濃度が認められた。なお、本現象はヒアルロン酸ナトリウムの代謝分解物を生体が再利用したことによるものと考えられる 。

代謝

ウサギの膝関節腔内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを単回投与(1mg/0.1mL/kg)したとき、投与後24時間では軟骨組織、滑膜組織及び関節液中の分子量の低下はほとんどみられなかった 。

排泄

ウサギ及びイヌの膝関節腔内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを単回投与(1mg/0.1mL/kg)した際の投与後216時間までの呼気中、尿中及び糞中への排泄率は、それぞれ74.7%及び75.6%、7.3%及び7.1%、0.3%及び1.1%であった 。
分娩後13日目の哺育中ラットの静脈内へ粘度平均分子量約190万の14C-ヒアルロン酸ナトリウムを単回投与(1mg/2mL/kg)した際の乳汁中放射能濃度は、投与1時間後までは血漿中濃度より低く、投与4時間後に最高濃度を示したのち、投与24時間後には検出限界以下まで減少した 。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈変形性膝関節症〉
  1. 国内第III相試験
    第III相比較臨床試験における本剤群の最終全般改善度評価対象例95例の成績は次のとおりである 。
    疾患名
    改善率(中等度改善以上)
    変形性膝関節症
    69/95(72.6%)
    本剤群の安全性評価対象例100例中2例(2.0%)に副作用が発現し、膝関節周囲の痛み・しびれ、肝機能異常各1例であった。
〈肩関節周囲炎〉
  1. 国内第III相試験
    第III相比較臨床試験における本剤群の最終全般改善度評価対象例99例の成績は次のとおりである 。
    疾患名
    改善率(中等度改善以上)
    肩関節周囲炎
    65/99(65.7%)
    本剤群の安全性評価対象例109例中1例(0.9%)に副作用が発現し、肩関節の熱感・疼痛増強であった。
〈関節リウマチにおける膝関節痛〉
  1. 国内第III相試験
    第III相比較臨床試験での、関節リウマチにおける膝関節痛に対する使用基準に適合した、本剤群の最終全般改善度評価対象例68例の成績は次のとおりである 。
    疾患名
    改善率(中等度改善以上)
    関節リウマチにおける膝関節痛
    44/68(64.7%)
    関節リウマチにおける膝関節痛に対する使用基準に適合した、本剤群の安全性評価対象例72例中1例(1.4%)に副作用が発現し、瘙痒感であった。

薬効薬理

作用機序
本剤は、軟骨組織表面を被覆することによる粘弾性 及び潤滑作用 、軟骨基質の安定化による関節軟骨保護作用(変性抑制作用 、修復作用,, )、発痛増強物質の産生抑制等による鎮痛作用,, 、及び炎症性細胞における遊走活性抑制及び貪食活性抑制を示す 。
薬理作用
  1. 関節軟骨に対する作用
    1. ウサギの実験的変形性膝関節症モデルにおいて、濃度及び分子量依存的な軟骨変性抑制作用を示した 。
    2. ラットの実験的関節軟骨損傷モデルにおいて、軟骨修復作用を示した 。
    3. ウサギの関節軟骨培養系において、軟骨基質を保持し、プロテオグリカン及びフィブロネクチンの遊離を濃度及び分子量依存的に抑制した,in vitro)。
  2. 関節可動域改善及び腱癒着防止作用
    1. ウサギの実験的関節拘縮モデルにおいて、関節の可動域を改善した 。
    2. ニワトリの趾屈筋腱を外科的に半切した損傷腱に対して、腱癒着防止作用が認められた 。
  3. 滑膜に対する作用
    1. ヒトの滑膜細胞培養系において、サイクリックAMPの産生を分子量依存的に抑制した (in vitro)。
    2. ヒトの滑膜細胞培養系において、本薬無添加培地のものに比べ、本薬添加培地のものでは高分子量のヒアルロン酸の産生を促進した (in vitro)。
    3. ヒトの滑膜細胞培養系において、血管新生に関与する塩基性線維芽細胞増殖因子の産生を濃度及び分子量依存的に抑制した (in vitro)。
  4. 関節疼痛抑制作用
    1. イヌの尿酸塩結晶誘発関節疼痛モデルにおいて、濃度及び分子量依存的な関節疼痛抑制作用(歩行動作及び体重負荷率を指標)が認められた 。
    2. ヒトの滑膜細胞培養系において、PGE2の産生を抑制した (in vitro)。
    3. サル 及びラット のコラーゲン関節炎モデルにおいて、投与関節で発痛増強物質の産生抑制が認められた。
    4. ラットのコラーゲン関節炎モデルにおいて、安静時及び連続他動運動時の膝関節内侵害受容器からの発射活動電位が抑制され、疼痛抑制作用が認められた 。
  5. 関節液に対する作用
    ウシの関節軟骨から抽出されたプロテオグリカン及びコンドロイチン硫酸に本薬を添加することにより、相互干渉に基づく比粘度の上昇が認められた (in vitro)。
  6. 潤滑作用
    ヒトの関節軟骨とガラス板との間の摩擦係数を、分子量依存的に減少させるとともに、液体膜の厚さを維持した (in vitro)。
  7. 粘弾性効果
    貯蔵弾性率(弾性)、損失弾性率(粘性)からなる粘弾性が分子量依存的に上昇することが認められた (in vitro)。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
精製ヒアルロン酸ナトリウム(Purified Sodium Hyaluronate)(JAN)
分子式
(C14H20NNaO11)n
分子量
平均分子量 150万~390万
性状
白色の粉末、粒又は繊維状の塊である。
水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
吸湿性である。
化学構造式

包装

2.5mL×10シリンジ

主要文献

1
岩田久, 他. 薬理と治療. 1994;22(6):2755-70.
2
堀勝行, 他. 薬理と治療. 1994;22(Suppl.3):717-44.
3
堀勝行, 他. 薬理と治療. 1994;22(Suppl.3):745-64.
4
梅田俊彦, 他. 薬理と治療. 1994;22(Suppl.3):779-85.
5
石崎正男, 他. 薬理と治療. 1994;22(Suppl.3):765-78.
6
山本真, 他. 薬理と治療. 1994;22(9):4059-87.
7
山本龍二, 他. 薬理と治療. 1994;22(9):4029-57.
8
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9
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10
岡正典, 他. 日本リウマチ・関節外科学会雑誌. 1993;12(3):259-66.
11
Kikuchi T, et al. Osteoarthritis Cartilage. 1996;4(2):99-110.
12
伊勢亀冨士朗, 他. 関節外科. 1994;13(7):761-71.
13
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14
中村茂夫, 他. 関節外科. 1994;13(3):275-81.
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Tamoto K, et al. Jpn.J.Rheumatol. 1994;5(3):227-36.
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17
金強中, 他. 関節外科. 1998;17(2):247-57.
18
炎症性細胞に及ぼす影響(2000年3月10日承認、申請資料概要ホ.2-3)
19
並木脩, 他. Prog.Med. 1994;14(2):189-210.
20
池上博泰, 他. Prog.Med. 1994;14(2):211-8.
21
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23
小田康弘, 他. Prog.Med. 1996;16(1):84-91.
24
ラットのコラーゲン関節炎に対する疼痛抑制作用(2000年3月10日承認、申請資料概要ホ.1-3)
25
椋代義樹, 他. 関節外科. 1994;13(6):619-25.

文献請求先及び問い合わせ先

中外製薬株式会社 メディカルインフォメーション部
〒103-8324 東京都中央区日本橋室町2-1-1
電話:0120-189706
Fax:0120-189705
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製造販売業者等

製造販売元
中外製薬株式会社
東京都中央区日本橋室町2-1-1

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