作成又は改訂年月
**印:
2019年1月改訂
(第9版)
*印:
2016年10月改訂
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
販売名
**ナファモスタットメシル酸塩注射用10mg「武田テバ」
販売名コード
承認・許可番号
**23100AMX00066000
Nafamostat Mesilate for Inj. 10mg "TAKEDA TEVA"
薬価収載
販売開始
使用期限等
貯 法
しゃ光・室温保存
使用期限
バイアル及び外装に表示の使用期限内に使用すること。
規制区分
*劇薬、処方箋医薬品
*(注意−医師等の処方箋により使用すること)
組成
有効成分(1バイアル中)
ナファモスタットメシル酸塩…10mg
添加物(1バイアル中)
D-マンニトール…20mg
pH調節剤
性状
白色の凍結乾燥品
pH
3.5〜4.0
(本品1バイアルを水10mLに溶かした液)
浸透圧比(日局生理食塩液に対する比)
約1
(本品1バイアルを5w/v%ブドウ糖注射液500mLに溶かした液)
販売名
**ナファモスタットメシル酸塩注射用50mg「武田テバ」
販売名コード
承認・許可番号
**23100AMX00067000
Nafamostat Mesilate for Inj. 50mg "TAKEDA TEVA"
薬価収載
販売開始
使用期限等
貯 法
しゃ光・室温保存
使用期限
バイアル及び外装に表示の使用期限内に使用すること。
規制区分
*劇薬、処方箋医薬品
*(注意−医師等の処方箋により使用すること)
組成
有効成分(1バイアル中)
ナファモスタットメシル酸塩…50mg
添加物(1バイアル中)
D-マンニトール…100mg
pH調節剤
性状
白色の凍結乾燥品
pH
3.5〜4.0
(本品1バイアルを水50mLに溶かした液)
浸透圧比(日局生理食塩液に対する比)
約1.8
(本品1バイアルを5w/v%ブドウ糖注射液4mLに溶かした液)
販売名
**ナファモスタットメシル酸塩注射用100mg「武田テバ」
販売名コード
承認・許可番号
**23100AMX00068000
Nafamostat Mesilate for Inj. 100mg "TAKEDA TEVA"
薬価収載
販売開始
使用期限等
貯 法
しゃ光・室温保存
使用期限
バイアル及び外装に表示の使用期限内に使用すること。
規制区分
*劇薬、処方箋医薬品
*(注意−医師等の処方箋により使用すること)
組成
有効成分(1バイアル中)
ナファモスタットメシル酸塩…100mg
添加物(1バイアル中)
D-マンニトール…200mg
pH調節剤
性状
白色の凍結乾燥品
pH
3.5〜4.0
(本品1バイアルを水100mLに溶かした液)
浸透圧比(日局生理食塩液に対する比)
約1.8
(本品1バイアルを5w/v%ブドウ糖注射液8mLに溶かした液)
一般的名称
禁忌
効能・効果、用法・用量
| 効能・効果 | 用法・用量 |
10mg | 膵炎の急性症状(急性膵炎、慢性膵炎の急性増悪、術後の急性膵炎、膵管造影後の急性膵炎、外傷性膵炎)の改善 | 通常、1回、ナファモスタットメシル酸塩として10mgを5%ブドウ糖注射液500mLに溶解し、約2時間前後かけて1日1〜2回静脈内に点滴注入する。 なお、症状に応じ適宜増減する。 |
10mg・50mg・100mg | 汎発性血管内血液凝固症(DIC) | 通常、1日量を5%ブドウ糖注射液1,000mLに溶解し、ナファモスタットメシル酸塩として毎時0.06〜0.20mg/kgを24時間かけて静脈内に持続注入する。 |
10mg・50mg・100mg | 出血性病変又は出血傾向を有する患者の血液体外循環時の灌流血液の凝固防止(血液透析及びプラスマフェレーシス) | 通常、体外循環開始に先だち、ナファモスタットメシル酸塩として20mgを生理食塩液500mLに溶解した液で血液回路内の洗浄・充てんを行い、体外循環開始後は、ナファモスタットメシル酸塩として毎時20〜50mgを5%ブドウ糖注射液に溶解し、抗凝固剤注入ラインより持続注入する。 なお、症状に応じ適宜増減する。 |
〈注射液の調製法〉
本剤の使用にあたっては以下の手順で注射液を調製すること。
膵炎の急性症状の改善に使用する場合
10mgバイアルに1mL以上の5%ブドウ糖注射液又は注射用水を加え、完全に溶解する。
溶解した液を5%ブドウ糖注射液に混和する。
汎発性血管内血液凝固症(DIC)に使用する場合
10mgバイアルには1mL以上、50mgバイアルには5mL以上、100mgバイアルには10mL以上の5%ブドウ糖注射液又は注射用水を加え、完全に溶解する。
溶解した液を5%ブドウ糖注射液に混和する。
出血性病変又は出血傾向を有する患者の血液体外循環時の灌流血液の凝固防止に使用する場合
血液回路内の洗浄・充てん
10mgバイアルには1mL、50mgバイアルには5mL、100mgバイアルには10mLの5%ブドウ糖注射液又は注射用水を加え、完全に溶解する。
ナファモスタットメシル酸塩20mgを含む溶解液を生理食塩液に混和する。
体外循環時
10mgバイアルには1mL、50mgバイアルには5mL、100mgバイアルには10mLの5%ブドウ糖注射液又は注射用水を加え、完全に溶解する。
溶解した液を抗凝固剤持続注入器の容量に合わせ、5%ブドウ糖注射液で希釈する。
溶解時の注意
白濁あるいは結晶が析出する場合があるので、生理食塩液又は無機塩類を含有する溶液をバイアルに直接加えないこと。
使用上の注意
重要な基本的注意
**ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、本剤に対するアレルギー歴について十分な問診を行うこと。
また、本剤の投与に際しては予めショック発現時に救急処置をとれるよう準備をするとともに観察を十分に行い、これらの症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「重大な副作用」の項参照)
本剤に対し過敏症があらわれることがある。
腎からのカリウム排泄抑制、ナトリウムの排泄促進等により、高カリウム血症又は低ナトリウム血症があらわれることがあるので、定期的に血清カリウム値及び血清ナトリウム値の測定を行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
カリウム含有製剤(輸液等)、カリウム保持性利尿剤等を併用する場合には、高カリウム血症の発現に注意すること。
また、血清カリウム値の異常が認められた場合には心電図所見等の確認を十分に行い、不整脈の誘発についても注意すること。
出血を増悪させるおそれがあるので本剤の血液体外循環時の使用にあたっては、観察を十分に行い、出血の増悪がみられた場合には減量又は投与を中止すること。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用(頻度不明)
**ショック、アナフィラキシー
ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、血圧低下、意識障害、呼吸困難、気管支喘息様発作、喘鳴、胸部不快、腹痛、嘔吐、発熱、冷汗、そう痒感、紅潮、発赤、しびれ等があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高カリウム血症
高カリウム血症があらわれることがあるので、カリウム含有製剤(輸液等)、カリウム保持性利尿剤等を併用する場合には、特に観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
なお、高カリウム血症の発現によって不整脈を誘発した例が報告されている。
低ナトリウム血症
低ナトリウム血症があらわれることがあるので、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血小板減少
血小板減少があらわれることがあるので、血液検査等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
白血球減少
白血球減少があらわれることがあるので、血液検査等の観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
その他の副作用の表
| 頻度不明 |
皮膚注1) | 発疹、紅斑、そう痒感 |
筋・骨格系 | 筋肉痛、関節痛 |
消化管 | 下痢、悪心・嘔吐、食欲不振 |
肝臓・胆管系 | AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇、総ビリルビン上昇 |
適用部位 | 血管炎(発赤又は疼痛を伴うものを含む) |
白血球・網内系 | 好酸球増多 |
血小板・出血凝固 | 血小板増加 |
泌尿器系 | BUN上昇、クレアチニン上昇 |
その他 | 頭重感、発熱、胸部不快感、頭痛、全身倦怠感、胸痛 |
| 頻度不明 |
皮膚注1) | 発疹、そう痒感 |
筋・骨格系 | 筋肉痛 |
消化管 | 悪心・嘔吐、下痢 |
肝臓・胆管系 | AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、LDH上昇、総ビリルビン上昇 |
代謝・栄養系 | 高尿酸血症 |
心拍数・リズム | 動悸 |
適用部位 | 血管炎(疼痛又は腫脹を伴うものを含む) |
白血球・網内系 | 好酸球増多 |
血小板・出血凝固 | 血小板増加、出血傾向注2) |
泌尿器系 | BUN上昇、クレアチニン上昇 |
その他 | 発熱、胸部不快感 |
出血性病変又は出血傾向を有する患者の血液体外循環時の灌流血液の凝固防止
| 頻度不明 |
皮膚注1) | そう痒感、発疹、紅斑 |
筋・骨格系 | 筋肉痛、関節痛 |
消化管 | 悪心・嘔吐、食欲不振、下痢 |
肝臓・胆管系 | AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇 |
心拍数・リズム | 動悸 |
白血球・網内系 | 好酸球増多 |
血小板・出血凝固 | 出血傾向注2) |
その他 | 全身倦怠感、頭痛、発熱、胸痛、胸部不快感 |
注1)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
注2)このような症状があらわれた場合には減量又は投与を中止すること。
高齢者への投与
一般的に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験で大量投与により、胎児死亡率の増加(ラット、ウサギ)および体重増加抑制(ラット)、分娩率の低下(ラット)が報告されている]
投与中は授乳を避けさせること。[動物試験(ラット)で、母乳中への代謝物の移行が認められている]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
調製時の注意:
必ず5%ブドウ糖注射液又は注射用水をバイアルに加え、完全に溶解した後使用すること。
溶解時には、バイアルのゴム栓の中心に注射針を刺入すること。なお、18ゲージ以上の太い注射針及び両頭針を使用する場合には、ゴム栓又はその一部がバイアル内に脱落することがあるので、特に注意すること。
白濁あるいは結晶が析出する場合があるので、生理食塩液又は無機塩類を含有する溶液をバイアルに直接加えないこと。
調製後の注意:溶解後は、速やかに使用すること。
投与時の注意:
投与量:本剤の血液体外循環時の使用にあたっては、出血の状況、体外循環路内の残血・凝血及び全血凝固時間等を考慮して、適宜用量を調節すること。
投与速度:本剤を静脈内又は体外循環路内へ急速に注入することは避けること。
透析器:本剤は、AN69(ポリアクリロニトリル)膜への吸着性が高いので、本剤の使用を避けること。
投与時:静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に炎症又はそれに伴う壊死を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないよう注意すること。
薬効薬理
タンパク分解酵素を阻害し、また血小板凝集を抑制する。トロンビン、活性型凝固因子(XIIa、Xa、VIIa)、カリクレイン、プラスミン、補体(C1r−、C1s−)、トリプシンなどのタンパク分解酵素を阻害すると共に、ホスホリパーゼA2に対しても阻害作用を示す。トロンビンに対する阻害作用は、アンチトロンビンIII非依存的に発現する。1)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ナファモスタットメシル酸塩(Nafamostat Mesilate)
化学名
6-Amidinonaphthalen-2-yl 4-guanidinobenzoate bis(methanesulfonate)
分子式
C19H17N5O2・2CH4O3S
分子量
539.58
融 点
約262℃(分解)
性 状
白色の結晶性の粉末である。ギ酸に溶けやすく、水にやや溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。0.01mol/L塩酸試液に溶ける。
**構造式
取扱い上の注意
安定性試験結果の概要2)
加速試験(40℃、6ヵ月)の結果、ナファモスタットメシル酸塩注射用10mg「武田テバ」、ナファモスタットメシル酸塩注射用50mg「武田テバ」及びナファモスタットメシル酸塩注射用100mg「武田テバ」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
包装
●ナファモスタットメシル酸塩注射用10mg「武田テバ」(1バイアル中10mg)
10バイアル
●ナファモスタットメシル酸塩注射用50mg「武田テバ」(1バイアル中50mg)
10バイアル
●ナファモスタットメシル酸塩注射用100mg「武田テバ」(1バイアル中100mg)
10バイアル
主要文献
1
**第十七改正日本薬局方解説書
2
武田テバファーマ(株)社内資料(安定性試験)
文献請求先・製品情報お問い合わせ先
*主要文献欄に記載の文献・社内資料は下記にご請求下さい。
武田テバファーマ株式会社 武田テバDIセンター
〒453-0801 名古屋市中村区太閤一丁目24番11号
TEL 0120-923-093
受付時間 9:00〜17:30(土日祝日・弊社休業日を除く)
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
*販売
武田薬品工業株式会社
大阪市中央区道修町四丁目1番1号
*製造販売元
武田テバファーマ株式会社
名古屋市中村区太閤一丁目24番11号