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トラネキサム酸注射液1000mg「NIG」

抗プラスミン剤

1管 69円

添付文書番号

3327401A4290_1_02

企業コード

581120

作成又は改訂年月

2023年12月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

873327

薬効分類名

抗プラスミン剤

承認等

販売名

トラネキサム酸注射液1000mg「NIG」

販売名コード

3327401A4290

販売名英字表記

Tranexamic Acid Injection

販売名ひらがな

とらねきさむさんちゅうしゃえき1000mg「NIG」

承認番号等

承認番号
22700AMX00012

販売開始年月

1976年9月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

基準名

日本薬局方
トラネキサム酸注射液

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

トラネキサム酸注射液

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. トロンビンを投与中の患者
  2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

トラネキサム酸注射液1000mg「NIG」
有効成分
1アンプル(10mL)中:トラネキサム酸  1,000mg
添加剤
pH調節剤

製剤の性状

トラネキサム酸注射液1000mg「NIG」
pH7.0〜8.0
浸透圧比2.1〜2.5(生理食塩液に対する比)
色・性状
無色澄明の注射液

効能又は効果

  • 全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向
    (白血病、再生不良性貧血、紫斑病等、および手術中・術後の異常出血)
  • 局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血
    (肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、前立腺手術中・術後の異常出血)
  • 下記疾患における紅斑・腫脹・瘙痒などの症状
    湿疹およびその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹
  • 下記疾患における咽頭痛・発赤・充血・腫脹などの症状
    扁桃炎、咽喉頭炎
  • 口内炎における口内痛および口内粘膜アフター

用法及び用量

トラネキサム酸として、通常成人1日250~500mgを1~2回に分けて静脈内又は筋肉内注射する。
術中・術後などには必要に応じ1回500~1,000mgを静脈内注射するか又は500~2,500mgを点滴静注する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 血栓のある患者(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎等)及び血栓症があらわれるおそれのある患者
    血栓を安定化するおそれがある。
  2. 消費性凝固障害のある患者
    ヘパリン等と併用すること。血栓を安定化するおそれがある。
  3. 術後の臥床状態にある患者及び圧迫止血の処置を受けている患者
    静脈血栓を生じやすい状態であり、本剤投与により血栓を安定化するおそれがある。離床、圧迫解除に伴い肺塞栓症を発症した例が報告されている。

腎機能障害患者

  1. 腎不全のある患者
    血中濃度が上昇することがある。
  2. 人工透析患者

妊婦

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

相互作用

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
トロンビン
血栓形成傾向があらわれるおそれがある。
血栓形成を促進する作用があり、併用により血栓形成傾向が増大する。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ヘモコアグラーゼ
大量併用により血栓形成傾向があらわれるおそれがある。
ヘモコアグラーゼによって形成されたフィブリン塊は、本剤の抗プラスミン作用によって比較的長く残存し閉塞状態を持続させるおそれがあると考えられている。
バトロキソビン
血栓・塞栓症を起こすおそれがある。
バトロキソビンによって生成するdesAフィブリンポリマーの分解を阻害する。
凝固因子製剤
エプタコグアルファ等
口腔等、線溶系活性が強い部位では凝固系がより亢進するおそれがある。
凝固因子製剤は凝固系を活性化させることにより止血作用を発現する。一方、本剤は線溶系を阻害することにより止血作用を発現する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック(頻度不明)
  2. 痙攣(頻度不明)
    人工心肺を用いた心臓大血管手術の周術期に本剤を投与した患者において、術後に痙攣があらわれることがある。また、人工透析患者において痙攣があらわれたとの報告がある。

その他の副作用

0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
そう痒感、発疹等
消化器
悪心、嘔吐
食欲不振、下痢
一過性の色覚異常(静脈内注射時)
その他
眠気、頭痛

適用上の注意

薬剤投与時の注意
  1. 静脈内注射時
    ゆっくり静脈内に投与すること。急速に投与すると、まれに悪心、胸内不快感、心悸亢進、血圧低下等があらわれることがある。
  2. 筋肉内注射時
    組織・神経等への影響を避けるため、次の点に注意すること。
    • 注射部位については、神経走行部位を避けて慎重に投与すること。
    • 繰り返し注射する場合には、左右交互に注射するなど、同一部位を避けること。なお、小児等には特に注意すること。
    • 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

その他の注意

非臨床試験に基づく情報
イヌに長期・大量投与したところ網膜変性があらわれたとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

  1. 生物学的同等性試験
    • 筋肉内投与
      トラネキサム酸注射液1000mg「NIG」とトランサミン注10%を、クロスオーバー法によりそれぞれ5mL(トラネキサム酸として500mg)健康成人男子に単回筋肉内投与して血清中トラネキサム酸濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
      薬物動態パラメータ
      投与量
      (mg)
      AUC0-5
      (μg・hr/mL)
      Cmax
      (μg/mL)
      Tmax
      (hr)
      T1/2
      (hr)
      トラネキサム酸注射
      液1000mg「NIG」
      500
      96.2±19.3
      37.7±6.9
      0.5±0.1
      1.7±0.8
      トランサミン注
      10%(10mL)
      500
      96.0±15.3
      37.1±5.8
      0.5±0.1
      1.6±0.7
      (平均±標準偏差、n=10)
      血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
  1. その他の投与経路
    • 静脈内投与
      トラネキサム酸注射液1000mg「NIG」とトランサミン注10%を、クロスオーバー法によりそれぞれ5mL(トラネキサム酸として500mg)健康成人男子に単回静脈内投与して血清中トラネキサム酸濃度を測定した。
      薬物動態パラメータ
      投与量
      (mg)
      Cmax
      (μg/mL)
      Tmax
      (hr)
      T1/2
      (hr)
      トラネキサム酸注射
      液1000mg「NIG」
      500
      82.0±14.0
      1.2±0.5
      トランサミン注
      10%(10mL)
      500
      81.0±12.3
      0.9±0.3
      (平均±標準偏差、n=10)
      血清中濃度並びにCmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
    • 点滴静脈内投与
      トラネキサム酸注射液1000mg「NIG」とトランサミン注10%を、クロスオーバー法によりそれぞれ25mL(トラネキサム酸として2500mg)健康成人男子に30分間にわたり点滴静脈内投与して血清中トラネキサム酸濃度を測定した。
      薬物動態パラメータ
      投与量
      (mg)
      Cmax
      (μg/mL)
      Tmax
      (hr)
      T1/2
      (hr)
      トラネキサム酸注射
      液1000mg「NIG」
      2500
      78.7±15.4
      1.2±0.5
      トランサミン注
      10%(10mL)
      2500
      73.2±8.6
      1.0±0.3
      (平均±標準偏差、n=6)
      血清中濃度並びにCmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

薬効薬理

作用機序
抗線溶薬。凝固した血液(フィブリン塊)は繊維素溶解(線溶)系により徐々に溶解されるが、フィブリンを分解するのはプラスミンである。トラネキサム酸はプラスミンの前駆物質であるプラスミノーゲンからプラスミンの変換を阻害すると共に、プラスミンのフィブリンへの結合を阻害してフィブリンの溶解を防ぐ。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
トラネキサム酸(Tranexamic Acid)
化学名
trans-4-(Aminomethyl)cyclohexanecarboxylic acid
分子式
C8H15NO2
分子量
157.21
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
化学構造式

包装

10mL×50アンプル

主要文献

1
社内資料:生物学的同等性試験
2
第十八改正日本薬局方解説書. 廣川書店;2021:C-3598-C-3603

文献請求先及び問い合わせ先

日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
TEL(0120)517-215
FAX(076)442-8948

製造販売業者等

製造販売元
日医工岐阜工場株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21
発売元
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21
販売
武田薬品工業株式会社
大阪市中央区道修町四丁目1番1号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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