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閲覧履歴

トラネキサム酸シロップ5%「NIG」

抗プラスミン剤

1mL 3.5円

添付文書番号

3327002Q1089_1_03

企業コード

581120

作成又は改訂年月

2024年6月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

873327

薬効分類名

抗プラスミン剤

承認等

販売名

トラネキサム酸シロップ5%「NIG」

販売名コード

3327002Q1089

販売名英字表記

Tranexamic Acid Syrup

販売名ひらがな

とらねきさむさんしろっぷ5%「NIG」

承認番号等

承認番号
22700AMX00011

販売開始年月

1981年9月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

トラネキサム酸シロップ

禁忌(次の患者には投与しないこと)

トロンビンを投与中の患者

組成・性状

組成

トラネキサム酸シロップ5%「NIG」
有効成分
1mL中:トラネキサム酸  50mg
添加剤
クエン酸水和物、クエン酸ナトリウム水和物、精製白糖、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、黄色5号、香料

製剤の性状

トラネキサム酸シロップ5%「NIG」
pH5.7〜6.5
色・剤形
だいだい色のシロップ剤

効能又は効果

  • 全身性線溶亢進が関与すると考えられる出血傾向
    (白血病、再生不良性貧血、紫斑病など、および手術中・術後の異常出血)
  • 局所線溶亢進が関与すると考えられる異常出血
    (肺出血、鼻出血、性器出血、腎出血、前立腺手術中・術後の異常出血)
  • 下記疾患における紅斑・腫脹・瘙痒などの症状
    湿疹およびその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹
  • 下記疾患における咽頭痛・発赤・充血・腫脹などの症状
    扁桃炎、咽喉頭炎
  • 口内炎における口内痛および口内粘膜アフター

用法及び用量

トラネキサム酸として、通常下記1日量を3~4回に分割経口投与する。
年齢(歳)
~1
2~3
4~6
7~14
15~
1

トラネキサム酸
として(mg)
75~
200
150~
350
250~
650
400~
1,000
750~
2,000
本剤として(mL)
1.5~4
3~7
5~13
8~20
15~40
なお、症状により適宜増減する。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 血栓のある患者(脳血栓、心筋梗塞、血栓性静脈炎等)及び血栓症があらわれるおそれのある患者
    血栓を安定化するおそれがある。
  2. 消費性凝固障害のある患者
    ヘパリン等と併用すること。血栓を安定化するおそれがある。
  3. 術後の臥床状態にある患者及び圧迫止血の処置を受けている患者
    静脈血栓を生じやすい状態であり、本剤投与により血栓を安定化するおそれがある。離床、圧迫解除に伴い肺塞栓症を発症した例が報告されている。
  4. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

腎機能障害患者

  1. 腎不全のある患者
    血中濃度が上昇することがある。
  2. 人工透析患者

妊婦

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下していることが多い。

相互作用

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
トロンビン
血栓形成傾向があらわれるおそれがある。
血栓形成を促進する作用があり、併用により血栓形成傾向が増大する。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ヘモコアグラーゼ
大量併用により血栓形成傾向があらわれるおそれがある。
ヘモコアグラーゼによって形成されたフィブリン塊は、本剤の抗プラスミン作用によって比較的長く残存し閉塞状態を持続させるおそれがあると考えられている。
バトロキソビン
血栓・塞栓症を起こすおそれがある。
バトロキソビンによって生成するdesAフィブリンポリマーの分解を阻害する。
凝固因子製剤
エプタコグアルファ等
口腔等、線溶系活性が強い部位では凝固系がより亢進するおそれがある。
凝固因子製剤は凝固系を活性化させることにより止血作用を発現する。一方、本剤は線溶系を阻害することにより止血作用を発現する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 痙攣(頻度不明)
    人工透析患者において痙攣があらわれることがある。

その他の副作用

0.1~1%未満
0.1%未満
過敏症
そう痒感、発疹等
消化器
食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、胸やけ
その他
眠気

その他の注意

非臨床試験に基づく情報
イヌに長期・大量投与したところ網膜変性があらわれたとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    健康成人男性15例にトラネキサム酸(錠注)、カプセル注))を単回経口投与したとき、薬物動態パラメータは次のとおりであった。
    単回経口投与時のトラネキサム酸の薬物動態パラメータ
    投与量
    例数
    Cmax(μg/mL)
    Tmax(hr)
    t1/2(hr)
    錠250mg
    5
    3.9
    2~3
    3.1
    錠500mg
    5
    6.0
    3.3
    カプセル500mg
    5
    5.5
    3.3
  2. 生物学的同等性試験
    トラネキサム酸シロップ5%「NIG」とトランサミンシロップ5%を、クロスオーバー法によりそれぞれ5mL(トラネキサム酸として250mg)健康成人男子に単回経口投与して血清中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
    薬物動態パラメータ
    投与量
    (mg)
    AUC0-8
    (μg・hr/mL)
    Cmax
    (μg/mL)
    Tmax
    (hr)
    T1/2
    (hr)
    トラネキサム酸シロップ5%「NIG」
    250
    17.9±4.0
    4.8±0.9
    2.0±0.0
    1.26±0.11
    トランサミンシロップ5%
    250
    16.4±3.9
    4.5±1.0
    2.0±0.0
    1.23±0.09
    (平均±標準偏差、n=10)
    血清中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

分布

マウスに14C-トラネキサム酸を40mg/kgの投与量で単回経口投与したところ、大部分の臓器において投与1~2時間後に最高濃度を示し、組織内分布は、肝、腎、肺、膵で高く、子宮、脾、心、筋肉がこれに次ぎ、脳では低かった。

排泄

健康成人男性15例にトラネキサム酸を250mg(錠注))又は500mg(錠注)、カプセル注))単回経口投与したとき、投与後24時間以内に投与量の約40~70%が未変化体として尿中に排泄された。

注)本剤の承認された剤形はシロップ剤である。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈湿疹及びその類症、蕁麻疹、薬疹・中毒疹における紅斑・腫脹・瘙痒等の症状〉
  1. 国内二重盲検比較試験
    皮膚疾患(湿疹及びその類症、薬疹・中毒疹等)の患者67例を対象に、瘙痒、発赤、腫脹等の症状に対する効果をトラネキサム酸(1日3回6カプセル注)(トラネキサム酸として1.5g))35例とプラセボ32例との二重盲検比較試験により検討した結果、有効以上はプラセボ31.3%(10/32例)に対しトラネキサム酸62.9%(22/35例)で、トラネキサム酸が有意(p<0.05)に優れていた。
〈扁桃炎、咽喉頭炎における咽頭痛・発赤・充血・腫脹等の症状、口内炎における口内痛及び口内粘膜アフター〉
  1. 国内二重盲検比較試験
    耳鼻咽喉科疾患(急性咽喉頭炎、急性扁桃炎、口内炎等)の患者168例を対象に疼痛、腫脹及び発赤に対する効果をトラネキサム酸(1日3回6カプセル注)(トラネキサム酸として1.5g))84例とプラセボ84例との二重盲検比較試験により検討した結果、有効以上はプラセボ26.2%(22/84例)に対しトラネキサム酸52.4%(44/84例)で、トラネキサム酸が有意(p<0.05)に優れていた。

    注)本剤の承認された剤形はシロップ剤である。

薬効薬理

作用機序
線維素溶解現象(線溶現象)は生体の生理的ならびに病的状態において、フィブリン分解をはじめ、血管の透過性亢進等に関与し、プラスミンによって惹起される生体反応を含め、種々の出血症状やアレルギー等の発生進展や治癒と関連している。
トラネキサム酸は、このプラスミンの働きを阻止し、抗出血・抗アレルギー・抗炎症効果を示す。
抗プラスミン作用
トラネキサム酸は、プラスミンやプラスミノゲンのフィブリンアフィニティー部位であるリジン結合部位(LBS)と強く結合し、プラスミンやプラスミノゲンがフィブリンに結合するのを阻止する。このため、プラスミンによるフィブリン分解は強く抑制される。更に、α2-マクログロブリン等血漿中アンチプラスミンの存在下では、トラネキサム酸の抗線溶作用は一段と強化される,,,,
止血作用
異常に亢進したプラスミンは、血小板の凝集阻止、凝固因子の分解等を起こすが、軽度の亢進でも、フィブリン分解がまず特異的に起こる。したがって一般の出血の場合、トラネキサム酸は、このフィブリン分解を阻害することによって止血すると考えられる,
抗アレルギー・抗炎症作用
トラネキサム酸は、血管透過性の亢進、アレルギーや炎症性病変の原因になっているキニンやその他の活性ペプチド等のプラスミンによる産生を抑制する(モルモット、ラット),,,,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
トラネキサム酸(Tranexamic Acid)
化学名
trans -4-(Aminomethyl) cyclohexanecarboxylic acid
分子式
C8H15NO2
分子量
157.21
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
化学構造式

取扱い上の注意

遮光して保存すること。

包装

500mL[プラスチックボトル]

主要文献

1
佐野光司ほか:臨床薬理 1976;7(4):375-382
2
社内資料:生物学的同等性試験
3
豊島 滋ほか:基礎と臨床 1971;5(4):740-748
4
宗像 醇:西日本皮膚科 1969;31(2):141-146
5
宮城 平:臨床と研究 1969;46(1):243-245
6
安孫子雍史:Med Pharm. 1976;10(1):7-11
7
Iwamoto M:Thrombos Diathes Haemorrh. 1975;33(3):573-585
8
Markus G, et al.:J Biol Chem. 1979;254(4):1211-1216
9
Abiko Y, et al.:Biochim Biophys Acta. 1969;185(2):424-431
10
Abiko Y, et al.:Biochim Biophys Acta. 1970;214(3):411-418
11
第十五改正日本薬局方解説書. 廣川書店;2006:C-2743-C-2749
12
山田外春ほか:プラスミン研究会報告集 1974;14:364-366
13
木村義民ほか:アレルギー 1966;15(9):755-763
14
近藤元治:プラスミン研究会報告集 1966;6:36-37
15
山崎英正ほか:日本薬理学雑誌 1967;63(6):560-571

文献請求先及び問い合わせ先

日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
TEL(0120)517-215
FAX(076)442-8948

製造販売業者等

製造販売元
日医工岐阜工場株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21
発売元
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21
販売
武田薬品工業株式会社
大阪市中央区道修町四丁目1番1号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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