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閲覧履歴

パレセーフ輸液

アミノ酸・ビタミンB1加総合電解質液

1キット 526円

添付文書番号

3259528G1044_3_06

企業コード

171575

作成又は改訂年月

2023年4月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

873259

薬効分類名

アミノ酸・ビタミンB1加総合電解質液

承認等

販売名

パレセーフ輸液

販売名コード

3259528G1044

販売名英字表記

PARESAFE Injection

承認番号等

承認番号
22000AMX00943

販売開始年月

2006年6月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
18箇月

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

-

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. チアミン塩化物塩酸塩に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 高カリウム血症、アジソン病の患者
    [高カリウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]
  3. 高リン血症、副甲状腺機能低下症の患者
    [高リン血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]
  4. 高マグネシウム血症、甲状腺機能低下症の患者
    [高マグネシウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]
  5. 高カルシウム血症の患者
    [高カルシウム血症が悪化するおそれがある。]
  6. アミノ酸代謝異常のある患者
    [投与されたアミノ酸が代謝されず、アミノ酸インバランスが助長されるおそれがある。]
  7. 高度のアシドーシス(高乳酸血症)のある患者
    [アシドーシスが悪化するおそれがある。]
  8. うっ血性心不全の患者
    [循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。]
  9. 閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者
    [水分、電解質等の排泄が障害されているため、症状が悪化するおそれがある。]
  10. 重篤な腎障害のある患者又は高窒素血症の患者(いずれも透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)
    [水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。また、アミノ酸の代謝産物である尿素等が滞留し、症状が悪化するおそれがある。]
  11. 乏尿のある患者(透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)
    [高カリウム血症が悪化する又は誘発されるおそれがある。]
  12. 肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者

組成・性状

組成

パレセーフ輸液
大室液
有効成分
ブドウ糖  37.499g
有効成分
塩化ナトリウム  0.399g
有効成分
L-乳酸ナトリウム液  2.290g
L-乳酸ナトリウムとして  1.145g
有効成分
グルコン酸カルシウム水和物  0.560g
有効成分
硫酸マグネシウム水和物  0.312g
有効成分
硫酸亜鉛水和物  0.700mg
有効成分
チアミン塩化物塩酸塩  1.000mg
添加剤
氷酢酸(pH調節剤)  適量
小室液
有効成分
L-ロイシン  2.100g
有効成分
L-イソロイシン  1.200g
有効成分
L-バリン  1.200g
有効成分
L-リシン塩酸塩  1.965g
L-リシンとして  1.573g
有効成分
L-トレオニン  0.855g
有効成分
L-トリプトファン  0.300g
有効成分
L-メチオニン  0.585g
有効成分
L-フェニルアラニン  1.050g
有効成分
L-システイン  0.150g
有効成分
L-チロシン  0.075g
有効成分
L-アルギニン  1.575g
有効成分
L-ヒスチジン  0.750g
有効成分
L-アラニン  1.200g
有効成分
L-プロリン  0.750g
有効成分
L-セリン  0.450g
有効成分
グリシン  0.885g
有効成分
L-アスパラギン酸  0.150g
有効成分
L-グルタミン酸  0.150g
有効成分
リン酸二カリウム  0.870g
添加剤
亜硫酸水素ナトリウム(安定剤)  7.5mg
氷酢酸(pH調節剤)  適量
混合後(1袋中)
ブドウ糖
37.499g
ブドウ糖濃度
7.5%
電解質
Na+注)
17.1mEq
K+
10mEq
Mg2+
2.5mEq
Ca2+
2.5mEq
Cl-
17.6mEq
SO42-
2.5mEq
Acetate-注)
9.5mEq
Gluconate-
2.5mEq
Lactate-
10mEq
P
5mmol
Zn
2.4μmol
ビタミン
チアミン塩化物塩酸塩
1.000mg
アミノ酸
総遊離アミノ酸量
15.00g
総窒素量
2.35g
分岐鎖アミノ酸含有率
30w/w%
必須アミノ酸/非必須アミノ酸
1.79
総カロリー量
210kcal
非蛋白カロリー量
150kcal
非蛋白カロリー/N
64
注)添加剤に由来するものを含む

製剤の性状

パレセーフ輸液
大室液
pH4.2~5.2
浸透圧比約3(生理食塩液に対する比)
性状
無色澄明の液
小室液
pH6.7~7.7
浸透圧比約3(生理食塩液に対する比)
性状
無色澄明の液
混合液
pH約6.7
浸透圧比約3(生理食塩液に対する比)
性状
無色澄明の液

効能又は効果

下記状態時のアミノ酸、電解質、ビタミンB1及び水分の補給
  • 経口摂取不十分で、軽度の低蛋白血症又は軽度の低栄養状態にある場合
  • 手術前後

効能又は効果に関連する注意

本剤を投与する場合には、患者の尿量が1日500mL又は1時間当たり20mL以上あることが望ましい。

用法及び用量

用時に隔壁を開通して大室液と小室液をよく混合する。
通常、成人には1回500mLを末梢静脈内に点滴静注する。
投与速度は通常、成人500mL当たり120分を基準とし、高齢者、重篤な患者には更に緩徐に注入する。
なお、年齢、症状、体重により適宜増減するが、最大投与量は1日2500mLまでとする。

用法及び用量に関連する注意

  1. 経口摂取不十分で、本剤にて補助的栄養補給を行う場合には、栄養必要量及び経口摂取量などを総合的に判断して、本剤の投与を行うこと。
  2. 本剤のみでは1日必要量のカロリー補給は行えないので、本剤の使用は短期間にとどめること。
  3. 手術後における本剤の単独投与はできるだけ短期間(3~5日間)とし、速やかに経口・経腸管栄養ないし他の栄養法に移行すること。

重要な基本的注意

  1. 本剤は500mL当たりビタミンB1のみをチアミン塩化物塩酸塩として1mg配合しているが、患者の状態に応じて、他のビタミンを投与(ビタミンB1の追加投与を含め)すること。
  2. 透析又は血液ろ過を実施している重篤な腎障害、高窒素血症又は乏尿のある患者における、水分、電解質、尿素等の除去量、蓄積量は透析の方法及び病態によって異なる。血液生化学検査、酸塩基平衡、体液バランス等の評価により患者の状態を確認した上で投与開始及び継続の可否を判断すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. アシドーシスのある患者
    アシドーシスが悪化するおそれがある。
  2. 糖尿病の患者
    血糖値が上昇することにより、症状が悪化するおそれがある。
  3. 心臓、循環器系に機能障害のある患者
    循環血液量の増加により、症状が悪化するおそれがある。

腎機能障害患者

  1. 重篤な腎障害、高窒素血症又は乏尿のある患者(いずれも透析又は血液ろ過を実施している患者を除く)
    投与しないこと。
  2. 透析又は血液ろ過を実施している重篤な腎障害、高窒素血症又は乏尿のある患者
    水分、電解質の過剰投与や、アミノ酸の代謝産物である尿素等の滞留がおこるおそれがある。
  3. 腎障害のある患者(重篤な腎障害、高窒素血症又は乏尿のある患者を除く)
    水分、電解質の過剰投与に陥りやすく、症状が悪化するおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者
    投与しないこと。アミノ酸の代謝が十分に行われないため、症状が悪化する又は誘発されるおそれがある。
  2. 肝障害のある患者(肝性昏睡又は肝性昏睡のおそれのある患者を除く)
    水分、電解質代謝異常が悪化する又は誘発されるおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

高齢者

投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック(頻度不明)
    血圧低下、胸内苦悶、呼吸困難等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹等
肝臓
γ-GTP増加
肝機能異常、AST増加、ALT増加、Al-P増加
代謝異常
血中トリグリセリド増加
循環器
胸部不快感、動悸
電解質異常
血中カリウム増加
大量・急速投与
アシドーシス、脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫、高カリウム血症、水中毒
その他
血管痛、静脈炎、注入部位紅斑、注入部位疼痛、注入部位腫脹
注入部位硬結、血管炎
悪寒、発熱、熱感、頭痛

適用上の注意

全般的な注意
  1. 使用時には、感染に対する配慮をすること。
  2. 注射針や輸液セットのびん針は、ゴム栓の刻印部(凹部)に垂直にゆっくりと刺すこと。斜めに刺した場合、削り片の混入及び液漏れの原因となるおそれがある。また、針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。
薬剤調製時の注意
  1. 調製手順
    1. 用時に外袋を開封し、容器を取り出す。
    2. 大室を両手で強く押し、大室と小室の間の隔壁を開通させる。
    3. 開通操作後は隔壁が開通していることを確認する。
    4. 両手で容器を持ち、転倒操作により十分に混合する。
  2. 薬剤を配合する場合には、配合変化に注意すること。
薬剤投与時の注意
  1. 血管痛があらわれた場合には、注射部位を変更すること。また、場合によっては投与を中止すること。
  2. 血管外漏出が原因と考えられる皮膚壊死、潰瘍形成が報告されているので、点滴部位の観察を十分に行い、発赤、浸潤、腫脹などの血管外漏出の徴候があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  3. ビタミンの光分解を防ぐため、遮光カバーを用いるなど十分に注意すること。
  4. 原則として、連結管を用いたタンデム方式による投与は行わないこと。輸液セット内に空気が流入するおそれがある。
  5. 容器の目盛りは目安として使用すること。
  6. 残液は使用しないこと。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅲ相試験
    末梢静脈栄養療法の適応となる消化器術後患者119例を対象に、本剤(61例)又は対照薬として市販の末梢静脈栄養輸液製剤(58例)を最大投与量は2500mL/日まで、投与期間は5日間(術後1日目並びに術後4日目からは病態に合わせて減量も可)で24時間持続投与する臨床試験を実施した。なお、術後1日目から術後3日目までは水分以外の経口摂取を禁止し、術後4日目以降についてはビタミンB1が添加された食品以外の食事は可とした。解析対象例数114例の主要評価項目として設定した血中ビタミンB1維持度については、本剤群の89.7%(52/58例)に対し、対照薬群では41.1%(23/56例)となり、本剤群において高い維持度を示した。栄養指標(総蛋白、アルブミン、プレアルブミン、レチノール結合蛋白、トランスフェリン)については、対照薬群と同様であり、投与期間中の推移においてもほぼ同程度であったことから、本剤が対照薬群と同程度の栄養効果を有していることが確認された。なお、本剤群及び対照薬群ともにビタミンB1欠乏症とみられる症状は認められなかった。
    副作用発現頻度は、49.2%(30/61例)53件(血管障害等18件、注入部位疼痛等18件、肝機能異常等14件、血中トリグリセリド増加2件、血中カリウム増加1件)であった。

薬効薬理

作用機序
本剤はアミノ酸、電解質、ビタミンB1及び水分の補給効果を示す。
栄養補給効果
正常ビーグル犬を用い、本剤と対照輸液である市販の末梢静脈栄養輸液製剤を投与し比較検討を行った。絶食下にて100mL/kg/dayの投与速度で8日間の持続投与した結果、同等の栄養補給効果及び血中ビタミンB1濃度の維持効果が認められた。

取扱い上の注意

  1. 液漏れの原因となるので、強い衝撃や鋭利なものとの接触等を避けること。
  2. 品質保持のために遮光性及びガスバリア性の外袋で包装し、脱酸素剤を封入しているので、外袋は使用時まで開封しないこと。
  3. 以下の場合には使用しないこと。
    • 外袋が破損している場合
    • 外袋内や容器表面に水滴や結晶が認められる場合
    • 容器から薬液が漏れている場合
    • 容器を振とうしても溶解しない結晶が認められる場合
    • 性状その他薬液に異状が認められる場合
    • ゴム栓部のシールがはがれている場合
    • 隔壁を開通する前に、既に隔壁が開通している場合

包装

500mL×20袋(プラスチックバッグ)[脱酸素剤入り]

主要文献

1
長谷部正晴, 他:日本臨床栄養学会雑誌. 2006;27(4):380-412
2
社内資料:正常ビーグル犬におけるTAJ-01投与時の血中ビタミンB1濃度の推移(2006年3月3日承認、申請資料概要 ホ.1)

文献請求先及び問い合わせ先

株式会社陽進堂 お客様相談室
富山県富山市婦中町萩島3697番地8号
 フリーダイヤル 0120-647-734

製造販売業者等

製造販売元
エイワイファーマ株式会社
東京都中央区日本橋浜町二丁目31番1号
販売元
株式会社陽進堂
富山県富山市婦中町萩島3697番地8号

(参考情報)

[混合方法]
容器を外袋から取り出した後、以下の図のように取り扱う。

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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