医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

閲覧履歴

ドボネックス軟膏50μg/g

尋常性乾癬治療剤

1g 76.3円

添付文書番号

2691701M1031_2_07

企業コード

870206

作成又は改訂年月

2023年1月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872691

薬効分類名

尋常性乾癬治療剤

承認等

販売名

ドボネックス軟膏50μg/g

販売名コード

2691701M1031

販売名英字表記

Dovonex Ointment 50μg/g

販売名ひらがな

どぼねっくすなんこう50μg/g

承認番号等

承認番号
22100AMX00631

販売開始年月

2000年6月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
(2年)

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

カルシポトリオールCalcipotriol

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

ドボネックス軟膏50μg/g
有効成分
カルシポトリオール  50μg(0.005%)
添加剤
1g中
エデト酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、トコフェロール、流動パラフィン、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、プロピレングリコール、白色ワセリン

製剤の性状

ドボネックス軟膏50μg/g
剤形軟膏剤
色・形状
白色~淡黄色半透明の軟膏

効能又は効果

尋常性乾癬

用法及び用量

通常1日2回適量を患部に塗布する。

用法及び用量に関連する注意

  1. 1週間に90gを超える使用は行わないこと。
  2. 本剤は、通常、投与後4~6週目までに効果が認められているので、治療にあたっては経過を十分に観察し、症状の改善がみられない場合には、漫然と使用を継続しないこと。

重要な基本的注意

  1. 本剤は活性型ビタミンD3製剤であり、血清カルシウム値が上昇する可能性がある。また、高カルシウム血症に伴い、腎機能が低下する可能性があるので、本剤の使用に際しては血清カルシウム及び腎機能(クレアチニン、BUN等)の検査を定期的(開始2~4週後に1回、その後は適宜)に行うこと。なおこれらの値に異常が認められた場合には正常域に戻るまで使用を中止すること。
  2. 皮疹が広範囲にある患者及び皮膚バリア機能が低下し本剤の経皮吸収が増加する可能性がある患者では、高カルシウム血症があらわれることがある 。
  3. 本剤の密封療法(ODT)における安全性は確立していない。(皮膚刺激があらわれやすい。また、単純塗布に比べて皮膚からの吸収が助長され、全身性の副作用が発現しやすくなるおそれがある。)

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 高カルシウム血症及びそのおそれのある患者
    血清カルシウム値を上昇させる可能性がある。

腎機能障害患者

血清カルシウム値を上昇させる可能性がある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。カルシポトリオールは動物試験(ラット)で胎盤を通じて胎児へ移行することが認められている 。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。カルシポトリオールは動物試験(ラット)で乳汁へ移行することが認められている 。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

使用が過度にならないように注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ビタミンD及びその誘導体
アルファカルシドール、カルシトリオール、タカルシトール、マキサカルシトール等
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
相加作用
シクロスポリン
高カルシウム血症があらわれるおそれがある。
本剤による血清カルシウム値の上昇が、シクロスポリンによる腎機能の低下によりあらわれやすくなる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 高カルシウム血症(頻度不明)
    高カルシウム血症及び高カルシウム血症によると考えられる臨床症状(倦怠感、脱力感、食欲不振、嘔吐、腹痛、筋力低下等)があらわれることがある。異常が認められた場合には、使用を中止し、血清カルシウム値、尿中カルシウム値等の生化学的検査を行い、必要に応じて輸液等の処置を行うこと。
  2. 急性腎障害(頻度不明)
    血清カルシウムの上昇を伴った急性腎障害があらわれることがある。血清クレアチニン上昇、BUN上昇等の異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

5~10%未満
1~5%未満
0.1~1%未満
頻度不明
皮膚
そう痒、紅斑・発赤、刺激感・ヒリヒリ感
落屑、皮疹、腫脹、毛囊炎
接触性皮膚炎、皮膚びらん、乾癬悪化、色素沈着、疼痛、灼熱感
肝臓
総ビリルビン、AST、ALTの上昇
γ-GTP、LDH、ALPの上昇
腎臓
尿中クレアチニン上昇
BUN、血清クレアチニンの上昇
血液
白血球減少・増多、ヘモグロビン減少、リンパ球減少、単球増多、好中球減少
その他
血清1α,25(OH)2D3低下
血清リン低下、血清1α,25(OH)2D3上昇
尿中カルシウム上昇、血清リン上昇、尿中リン低下
血清カルシウム上昇

過量投与

  1. 症状
    高カルシウム血症の主な症状は倦怠感、脱力感、食欲不振、嘔気、嘔吐、腹部膨満感、腹痛、頭痛、めまい、筋肉痛、筋力低下等である,
  2. 処置
    直ちに使用を中止すること。
    血清カルシウム、尿中カルシウム等の生化学的検査を行い、必要に応じて輸液等の処置を行うこと。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
誤用(内服等)防止のため、薬剤の保管に十分注意させること。特に、小児の手のとどかない所に保存させること。万一、誤って内服した場合には、高カルシウム血症等の全身性の副作用があらわれることがあるので、医療機関を受診する等、適切な処置を受けるよう指導すること。
薬剤使用時の注意
  1. 使用部位
    1. 顔面には使用しないこと。
    2. 眼科用として使用しないこと。
    3. 患部以外には使用しないこと。
  2. 使用時
    本剤に触れた手で、顔面、傷口等に触れないように注意すること。
  3. 使用後
    本剤使用後、顔面等への付着を避けるため、よく手を洗うこと。

その他の注意

非臨床試験に基づく情報
雌雄アルビノ無毛マウスを用いて40週間にわたり光線(キセノンランプ)照射しカルシポトリオール液剤を塗布した実験で、雄において皮膚腫瘍誘発に必要な光線照射時間の有意な短縮が認められたとの報告がある。しかし、同液剤をマウスに単独で塗布した実験では皮膚腫瘍誘発は認められていない。

薬物動態

血中濃度

健常成人男子にカルシポトリオールとして100、200及び400μgを単回塗布、あるいは200及び400μgを1日2回5日間塗布した試験において、血清中カルシポトリオール濃度はすべての測定時点で検出限界(13.3pg/mL)以下であった 。また、尋常性乾癬患者にカルシポトリオールとして200及び400μgを1日2回4週間塗布した試験において、血清中にカルシポトリオールが散発的に6.8~17.0pg/mL検出された(検出限界6.7pg/mL) 。

吸収

健常皮膚雄性ラットに3H-カルシポトリオール軟膏を単回投与(密封塗布)したとき、血漿中放射能濃度は投与後24時間で最高濃度に達し、半減期は2.9日であり、経皮吸収率は約18%であった 。

分布

健常皮膚雄性ラットに3H-カルシポトリオール軟膏を単回投与(密封塗布)したとき、各組織内放射能濃度は徐々に上昇し、大部分の組織において投与後24~96時間に最高濃度を示した。投与後24時間の濃度が最も高いのは投与部位皮膚であり、次いで肝臓であった。また、投与部位皮膚中には未変化体が主として認められた 。

代謝

雄性ラットに3H-カルシポトリオールを皮下投与したとき、血漿中には未変化体が認められたが、速やかに代謝された。また代謝物としてカルシトロン酸が認められた 。

排泄

健常皮膚雄性ラット及びイヌに3H-カルシポトリオール軟膏を単回投与(密封塗布)したとき、それぞれ投与後168時間までに糞中には13.3%及び5.3%、尿中には2.0%及び0.6%が排泄された,

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第III相試験
    尋常性乾癬患者157例を対象に、吉草酸ベタメタゾン軟膏(0.12%)を対照薬剤として、6週間投与による二重盲検左右比較試験を実施した。最終全般改善度は、有効性評価対象症例144例中、「中等度改善」以上の改善率は、本剤投与群では91.0%(131例/144例)で、吉草酸ベタメタゾン軟膏投与群では68.1%(98例/144例)であり、両群間に統計学的な有意差が認められた(p<0.001、U検定ならびにχ2検定) 。
    最終全般改善度
    薬剤群
    治癒
    著明
    改善
    中等度
    改善
    軽度
    改善
    変化
    なし
    悪化
    合計
    改善率*
    (%)
    U検定
    χ2検定
    (中等度以上改善)
    本剤投与群
    28
    (19.4)
    65
    (45.1)
    38
    (26.4)
    7
    (4.9)
    3
    (1.4)
    4
    (2.8)
    144
    91.0
    P<0.001
    吉草酸ベタメタゾン軟膏投与群
    8
    (5.6)
    44
    (30.6)
    46
    (31.9)
    41
    (28.5)
    5
    (3.5)
    0
    144
    68.1
    *:「中等度改善」以上の症例数/有効性評価対象症例( ):%
    副作用頻度は本剤投与群で4.0%(6/149例)であった。副作用の内訳は紅斑(発赤)4.0%(6/149例)、そう痒2.7%(4/149例)、刺激感(ヒリヒリ感)0.7%(1/149例)、鱗屑(落屑)0.7%(1/149例)であった。

薬効薬理

作用機序
カルシポトリオールは活性型ビタミンD受容体に結合し、細胞増殖抑制作用、細胞周期調節作用、細胞分化誘導作用を示すことが報告されている,,
  1. 細胞増殖抑制作用
    1. ヒト組織球性リンパ腫細胞系U937を用いたin vitro試験において、増殖細胞数及びDNA合成の抑制が認められた 。
    2. ヒト正常角化細胞を用いたin vitro試験において、DNA中への3H-チミジンの取り込み及び細胞数増加の用量依存的な抑制が認められた,
  2. 細胞周期調節作用
    ヒト正常角化細胞を用いたin vitro試験において、細胞周期の変化が認められ、S期細胞が減少し、G1/G0期及びG2+M期細胞が増加した。更に細胞周期の促進に関連する網膜芽細胞腫遺伝子産物(pRB)の活性(リン酸化)阻害が認められた 。
  3. 細胞分化誘導作用
    1. ヒト組織球性リンパ腫細胞系U937を用いたin vitro試験において、付着細胞数及びエステラーゼ活性陽性細胞数の用量依存的な増加が認められた 。
    2. ヒト正常角化細胞を用いたin vitro試験において、細胞内不溶性膜(コーニファイドエンベロープ)の形成促進及び細胞内不溶性膜の前駆体であるインボルクリン陽性細胞の増加並びにトランスグルタミナーゼ活性の上昇が認められた,
  4. 1α,25(OH)2D3レセプターに対する親和性
    ヒト組織球性リンパ腫細胞系U937を用いたin vitro試験において、細胞に存在する1α,25(OH)2D3レセプターに対する親和性が認められ、その程度は1α,25(OH)2D3と同等であった 。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
カルシポトリオール(Calcipotriol)(JAN)
(WHO recommended INN:Calcipotriol)
化学名
(+)-(5Z,7E,22E,24S)-24-Cyclopropyl-9,10-secochola-5,7,10(19),22-tetraene-1α,3β,24-triol
分子式
C27H40O3
分子量
412.60
性状
カルシポトリオールは、白色の結晶性の粉末で、N,N-ジメチルホルムアミドに極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすく、クロロホルム及びプロピレングリコールにやや溶けやすく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水及び流動パラフィンにほとんど溶けない。
化学構造式

包装

10g、30g

主要文献

1
Russell, S. et al.:Br J Dermatol. 1994; 130(6):795-796
2
富田 正俊ほか:薬物動態. 1996; 11(1):57-80
3
Dwyer, C. et al.:Lancet. 1991; 338(8769):764-765
4
Cunliffe, W. J. et al.:J Am Acad Dermatol. 1992; 26(5):736-743
5
東  純一ほか:臨床医薬. 1995; 11(11):2341-2366
6
MC903軟膏研究会:臨床医薬. 1995; 11(11):2379-2389
7
富田 正俊ほか:薬物動態. 1996; 11(1):81-92
8
富田 正俊ほか:薬物動態. 1996; 11(1):106-118
9
MC903軟膏研究会:臨床医薬. 1995; 11(12):2573-2587
10
Binderup, L. et al.:Biochem Pharmacol. 1988; 37(5):889-895
11
Kragballe, K. et al.:Arch Dermatol Res. 1990; 282(3):164-167
12
Kobayashi, T. et al.:J Eur Acad Dermatol Venereol. 1995; 5(2):132-138

文献請求先及び問い合わせ先

レオ ファーマ株式会社 カスタマーコールセンター
〒101-0051 東京都千代田区神田神保町1-105
TEL 0120-89-0056

製造販売業者等

製造販売元
レオ ファーマ株式会社
東京都千代田区神田神保町1-105

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

MESSAGE

MESSAGE

LABEL