添付文書番号
2646722M1186_1_03
企業コード
130202
作成又は改訂年月
日本標準商品分類番号
872646
薬効分類名
副腎皮質ホルモン外用剤
承認等
販売名
クロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05%「イワキ」
販売名コード
販売名英字表記
Clobetasone Butyrate Ointment 0.05% "IWAKI"
販売名ひらがな
くろべたぞんらくさんえすてるなんこう 0.05%「いわき」
承認番号等
販売開始年月
貯法、有効期間
販売名
クロベタゾン酪酸エステルクリーム0.05%「イワキ」
販売名コード
販売名英字表記
Clobetasone Butyrate Cream 0.05% "IWAKI"
販売名ひらがな
くろべたぞんらくさんえすてるくりーむ 0.05%「いわき」
承認番号等
販売開始年月
貯法、有効期間
販売名
クロベタゾン酪酸エステルローション0.05%「イワキ」
販売名コード
販売名英字表記
Clobetasone Butyrate Lotion 0.05% "IWAKI"
販売名ひらがな
くろべたぞんらくさんえすてるろーしょん 0.05%「いわき」
承認番号等
販売開始年月
貯法、有効期間
一般的名称
クロベタゾン酪酸エステル
禁忌(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒が遅れるおそれがある。また、感染のおそれがある。]
潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が著しく遅れるおそれがある。]
組成・性状
組成
クロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05%「イワキ」
有効成分 | 1g中 クロベタゾン酪酸エステル 0.5mg(0.05%) |
---|
添加剤 | 流動パラフィン、白色ワセリン、ミリスチン酸イソプロピル |
---|
クロベタゾン酪酸エステルクリーム0.05%「イワキ」
有効成分 | 1g中 クロベタゾン酪酸エステル 0.5mg(0.05%) |
---|
添加剤 | セタノール、中鎖脂肪酸トリグリセリド、ポリオキシエチレンセチルエーテル、セトマクロゴール1000、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、プロピレングリコール、エデト酸ナトリウム水和物、pH調節剤2成分、その他1 成分 |
---|
クロベタゾン酪酸エステルローション0.05%「イワキ」
有効成分 | 1g中 クロベタゾン酪酸エステル 0.5mg(0.05%) |
---|
添加剤 | セタノール、流動パラフィン、サラシミツロウ、中鎖脂肪酸トリグリセリド、ポリオキシエチレンセチルエーテル、セトマクロゴール1000、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、プロピレングリコール、エデト酸ナトリウム水和物、pH調節剤2成分、その他1成分 |
---|
製剤の性状
クロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05%「イワキ」
性状・剤形 | 白色~微黄色、半透明の油性の軟膏剤で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。 |
---|
クロベタゾン酪酸エステルクリーム0.05%「イワキ」
性状・剤形 | 白色のクリーム剤でにおいはないか、又はわずかに特異なにおいがある。 |
---|
クロベタゾン酪酸エステルローション0.05%「イワキ」
性状・剤形 | 乳白色のローション剤で、においはないか、又はわずかに特異なにおいがある。 |
---|
効能又は効果
〇アトピー性皮膚炎(乳幼児湿疹を含む)
〇顔面、頸部、腋窩、陰部における湿疹・皮膚炎
用法及び用量
通常1日1〜数回適量を患部に塗布する。なお、症状により適宜増減する。
重要な基本的注意
大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用により、副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様な症状があらわれることがある。
顔面、頸部の病巣に長期間使用する場合には、慎重に使用すること。
本剤の使用により症状の改善がみられない場合又は症状の悪化をみる場合は使用を中止すること。
症状改善後は、できるだけ速やかに使用を中止すること。
特定の背景を有する患者に関する注意
合併症・既往歴等のある患者
細菌、真菌、ウイルス皮膚感染症の患者
病期あるいは症状に応じて使用すること。感染を悪化させるおそれがある。
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。動物実験(ラット)で胎児異常が認められている。
小児等
長期・大量使用又は密封法(ODT)により発育障害を来すおそれがある。また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること。
高齢者
大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては特に注意すること。一般に、副作用があらわれやすい。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
眼圧亢進、緑内障、後囊白内障(いずれも頻度不明)
眼瞼皮膚への使用に際して、眼圧亢進、緑内障を起こすことがある。大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により緑内障、後囊白内障等があらわれることがある。
その他の副作用
| 頻度不明 |
---|
皮膚の感染症注1) | 真菌症(カンジダ症、白癬等)、細菌感染症(伝染性膿痂疹、毛のう炎等)、ウイルス感染症 |
---|
過敏症注2) | 紅斑、発疹、蕁麻疹、そう痒、皮膚灼熱感、接触性皮膚炎 |
---|
その他の皮膚症状 | ステロイドざ瘡注3)、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎注3)(ほほ、口囲等に潮紅、丘疹、膿疱、毛細血管拡張)、ステロイド皮膚注3)(皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫斑)、魚鱗癬様皮膚変化注3)、多毛注3)、色素脱失注3)、一過性の刺激感、乾燥 |
---|
その他 | 下垂体・副腎皮質系機能抑制注4)、中心性漿液性網脈絡膜症 |
---|
注1)密封法(ODT)の場合に起こりやすい。このような症状があらわれた場合には、適切な抗真菌剤、抗菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には、使用を中止すること。
注2)これらの症状は原疾患の症状に類似している場合がある。
注3)長期連用によりあらわれることがある。このような症状があらわれた場合には徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り替えること。
注4)大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)によりあらわれることがある。また、このような場合において、使用中止により急性副腎皮質機能不全に陥る危険性があるため、使用を中止する際は患者の状態を観察しながら徐々に減量すること。
適用上の注意
薬剤交付時の注意
〈製剤共通〉
患者に治療以外の目的(化粧下、ひげそり後など)には使用しないよう注意すること。
乳幼児や小児の手の届かない所に保管させること。
〈軟膏〉
本剤の基剤として使用されている油脂性成分は、コンドーム等の避妊用ラテックスゴム製品の品質を劣化・破損する可能性があるため、これらとの接触を避けさせること。
薬剤投与時の注意
眼科用として使用しないこと。
薬物動態
血中濃度
ラットの背部(10cm2)に3H-クロベタゾン酪酸エステル0.05%含有軟膏0.2g(1g/kg)を塗布し、24時間密封した結果、クロベタゾン酪酸エステルの血中濃度は投与24時間後に最高値2.38ng/mLを示し、以後漸減した 。
分布
ラットの背部(10cm2)に3H-クロベタゾン酪酸エステル0.05%含有軟膏 0.2g(1g/kg)を塗布し、24時間密封した後、全身オートラジオグラムにて体内分布を検討した。投与後24時間(密封終了時)では投与部位に高い放射活性が認められた以外、小腸、盲腸内容物、肝臓に弱い放射活性が認められた。96時間後では投与部位以外では腸内容物に低い放射活性が認められたにすぎなかった 。
代謝
排泄
ラットに3H-クロベタゾン酪酸エステル0.05%含有軟膏を経皮投与した場合、投与後96時間までの糞中及び尿中排泄率の合計は9%未満であった 。
薬効薬理
作用機序
クロベタゾン酪酸エステルは合成コルチコステロイドの一種であり、炎症性サイトカイン産生の抑制及びアラキドン酸代謝の阻害等のメカニズムを介して抗炎症作用を示すと考えられる。
局所抗炎症作用
血管収縮作用
クロベタゾン酪酸エステルはMcKenzieらの方法による健康成人皮膚(皮膚蒼白度を指標)における血管収縮試験においてフルオシノロンアセトニドの約2.6倍の血管収縮作用を示した 。
クロトン油耳浮腫抑制作用
0.05%クロベタゾン酪酸エステル軟膏はラットにおけるクロトン油耳浮腫に対し、0.1%ヒドロコルチゾン酪酸エステル軟膏と同等の抑制作用を示した。
皮膚局所への影響
0.05%クロベタゾン酪酸エステル軟膏を健康成人の前腕屈側部に7週間連続塗布した場合、皮膚萎縮、皮膚潮紅、毛細血管拡張等の皮膚局所に及ぼす影響は0.1%ヒドロコルチゾン酪酸エステル軟膏より低かった 。
全身への影響
尋常性乾癬の成人患者に0.05%クロベタゾン酪酸エステル軟膏及び0.1%ヒドロコルチゾン酪酸エステル軟膏をそれぞれ1日10g又は30gを5日間夜間密封法で塗布し、血漿コルチゾール値への影響を検討した結果、その低下の程度は10g投与群では両者間に差は認められなかったが、30g投与群では0.05%クロベタゾン酪酸エステル軟膏は0.1%ヒドロコルチゾン酪酸エステル軟膏に比し、有意に低かった 。
生物学的同等性試験
ラットを用いたクロトン油耳浮腫抑制試験及びペーパーディスク肉芽形成抑制試験において、クロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05%「イワキ」、クロベタゾン酪酸エステルクリーム0.05%「イワキ」及びクロベタゾン酪酸エステルローション0.05%「イワキ」並びにキンダベート軟膏0.05%を塗布し、浮腫抑制率及び肉芽形成抑制率を指標に統計解析した結果、いずれの製剤もキンダベート軟膏0.05%との生物学的同等性が確認された 。
| 浮腫抑制率(%) (平均値、n=10) | 肉芽形成抑制率(%) (平均値、n=12) |
クロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05%「イワキ」 | 49.2 | 26.5 |
キンダベート軟膏0.05% | 42.2 | 32.6 |
クロベタゾン酪酸エステルクリーム0.05%「イワキ」 | 54.1 | 26.2 |
キンダベート軟膏0.05% | 42.2 | 32.6 |
クロベタゾン酪酸エステルローション0.05%「イワキ」 | 36.1 | 27.0 |
キンダベート軟膏0.05% | 42.2 | 26.0 |
有効成分に関する理化学的知見
一般的名称
クロベタゾン酪酸エステル
(Clobetasone Butyrate)
化学名
21-Chloro-9-fluoro-17-hydroxy-16β-methyl-1,4-pregnadiene-3,11,20-trione 17-butyrate
分子式
C26H32ClFO5
性状
白色~微黄色の結晶性の粉末で、においはない。クロロホルムに極めて溶けやすく、アセトン又は1,4-ジオキサンに溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。光により極めて徐々に着色する。
化学構造式
融点
約178℃
包装
〈クロベタゾン酪酸エステル軟膏0.05%「イワキ」〉
10本[5g(チューブ)×10]
50本[5g(チューブ)×50]
10本[10g(チューブ)×10]
50本[10g(チューブ)×50]
500g[ボトル]
〈クロベタゾン酪酸エステルクリーム0.05%「イワキ」〉
10本[5g(チューブ)×10]
50本[5g(チューブ)×50]
10本[10g(チューブ)×10]
50本[10g(チューブ)×50]
600g[ボトル]
〈クロベタゾン酪酸エステルローション0.05%「イワキ」〉
10本[10g(ボトル)×10]
50本[10g(ボトル)×50]
主要文献
1
北川晴雄ほか:医薬品研究.1981;12:172-190
2
Munro DD,et al.:Br Med J.1975;3:626-628
3
石原勝:西日本皮膚科.1981;43:66-74
4
Clobetasone 17-butyrate 外用剤の全身影響研究班:日本皮膚科学会雑誌.1980;90:491-502
5
岩城製薬株式会社 社内資料(生物学的同等性試験)
文献請求先及び問い合わせ先
〒103-8434 東京都中央区日本橋本町4-8-2
製造販売業者等
岩城製薬株式会社
〒103-8434 東京都中央区日本橋本町4-8-2