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20W/V%マスキン液

外用殺菌消毒剤(クロルヘキシジン製剤)

1mL 4.97円

添付文書番号

2619713Q1122_1_09

企業コード

730119

作成又は改訂年月

2023年10月作成
(第1版)

日本標準商品分類番号

872619

薬効分類名

外用殺菌消毒剤

承認等

販売名

20W/V%マスキン液

販売名コード

2619713Q1122

販売名英字表記

20W/V%MASKIN SOLUTION

販売名ひらがな

20W/V%ますきんえき

承認番号等

承認番号
16200AMZ00105

販売開始年月

1987年6月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
2年

一般的名称

日本薬局方 クロルヘキシジングルコン酸塩液

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者
  2. 脳、脊髄、耳(内耳、中耳、外耳)には使用しないこと[聴神経及び中枢神経に対して直接使用した場合は、難聴、神経障害を来すことがある。]
  3. 腟、膀胱、口腔等の粘膜面には使用しないこと[クロルヘキシジン製剤の左記部位への使用により、ショック、アナフィラキシーの症状の発現が報告されている。]

組成・性状

組成

20W/V%マスキン液
有効成分
1mL中 日局クロルヘキシジングルコン酸塩液1mL
(クロルヘキシジングルコン酸塩19.0~21.0w/v%)

製剤の性状

20W/V%マスキン液
性状
無色~微黄色の澄明な液で、においはなく、味は苦い。
水又は酢酸(100)と混和する。本剤1mLはエタノール(99.5)5mL以下又はアセトン3mL以下と混和するが、溶媒の量を増加するとき白濁する。
光によって徐々に着色する。
比重:1.06~1.07

効能又は効果

  • 手指・皮膚の消毒、手術部位(手術野)の皮膚の消毒、皮膚の創傷部位の消毒、医療機器の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒
  • 結膜嚢の洗浄・消毒、産婦人科・泌尿器科における外陰・外性器の皮膚消毒

用法及び用量

〈手指・皮膚の消毒〉
クロルヘキシジングルコン酸塩として0.1~0.5%水溶液を用いる。
〈手術部位(手術野)の皮膚の消毒及び医療機器の消毒〉
クロルヘキシジングルコン酸塩として0.1~0.5%水溶液又は0.5%エタノール溶液を用いる。
〈皮膚の創傷部位の消毒及び手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒〉
クロルヘキシジングルコン酸塩として0.05%水溶液を用いる。
〈結膜嚢の洗浄・消毒〉
クロルヘキシジングルコン酸塩として0.05%以下の水溶液を用いる。
〈産婦人科・泌尿器科における外陰・外性器の皮膚消毒〉
クロルヘキシジングルコン酸塩として0.02%水溶液を用いる。

重要な基本的注意

ショック、アナフィラキシー等の反応を予測するため、使用に際してはクロルヘキシジン製剤に対する過敏症の既往歴、薬物過敏体質の有無について十分な問診を行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 薬物過敏症の既往歴のある者(クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者を除く)
  2. 喘息等のアレルギー疾患の既往歴、家族歴のある者

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)
    血圧低下、じん麻疹、呼吸困難等があらわれた場合は、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1%未満
過敏症
発疹、じん麻疹
注)発現頻度は文献、自発報告等を参考にした。

適用上の注意

薬剤調製時の注意
  1. 本剤は下記の濃度(クロルヘキシジングルコン酸塩として)に希釈し、水溶液又はエタノール溶液として使用すること。
    効能又は効果
    用法及び用量
    使用例
    手指・皮膚の消毒
    0.1~0.5%水溶液
    (本剤の200倍~40倍希釈)
    通常時
    0.1%水溶液
    (30秒以上)
    汚染時
    0.5%水溶液
    (30秒以上)
    手術部位(手術野)の皮膚の消毒
    0.1~0.5%水溶液
    (本剤の200倍~40倍希釈)
    又は0.5%エタノール溶液
    (本剤の40倍希釈)
    0.5%エタノール溶液
    皮膚の創傷部位の消毒
    0.05%水溶液
    (本剤の400倍希釈)
    0.05%水溶液
    医療機器の消毒
    0.1~0.5%水溶液
    (本剤の200倍~40倍希釈)
    又は
    0.5%エタノール溶液
    (本剤の40倍希釈)
    通常時
    0.1%水溶液
    (10~30分)
    汚染時
    0.5%水溶液
    (30分以上)
    緊急時
    0.5%
    エタノール溶液
    (2分以上)
    手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒
    0.05%水溶液
    (本剤の400倍希釈)
    0.05%水溶液
    結膜嚢の洗浄・消毒
    0.05%以下の水溶液
    (本剤の400倍以上希釈)
    0.02%水溶液
    産婦人科・泌尿器科における外陰・外性器の皮膚消毒
    0.02%水溶液
    (本剤の1000倍希釈)
    0.02%水溶液
  2. 創傷部位又は結膜嚢に使用する希釈水溶液は、調製後必ず滅菌処理すること。
  3. 本剤は、常水や生理食塩液等に含まれる陰イオンにより難溶性の塩を生成することがあるので、希釈水溶液を調製する際には、新鮮な蒸留水を使用することが望ましい。
  4. 手洗い等に使用する本剤の希釈液は、少なくとも毎日新しい溶液と取換えること。
  5. 本剤の希釈水溶液は安定であるが、高温に長時間保つことは避けること。高圧蒸気滅菌を行う場合は115℃ 30分、121℃ 20分、126℃ 15分で滅菌処理することができる。
  6. 本剤を取扱う容器類は常に清浄なものを使用すること。
  7. 本剤の希釈水溶液は調製後直ちに使用すること。やむを得ず消毒用綿球等に長時間使用する希釈水溶液は微生物汚染を防止するために、希釈水溶液にアルコールを添加することが望ましい。エタノールの場合7vol%以上、イソプロパノールの場合4vol%以上になるように添加する。
  8. 器具類の保存に使用する場合は、腐食を防止するために、高濃度希釈液(目安として本液0.3%以上)を使用し、微生物汚染を防止するために、希釈水溶液にアルコールを添加することが望ましい。(アルコール添加量は上記14.1.7と同じ)本液は毎週新しい溶液と取換えること。
  9. 綿球・ガーゼ等は本剤を吸着するので、これらを希釈液に浸漬して用いる場合には、有効濃度以下にならないように注意すること。
薬剤使用前の注意
  1. 血清・膿汁等の有機性物質は殺菌作用を減弱させるので、これらが付着している場合は十分に洗い落としてから使用すること。
  2. 石鹸類は本剤の殺菌作用を弱めるので、石鹸分を洗い落としてから使用すること。
薬剤使用時の注意
  1. 本剤は外用剤であるので、経口投与や注射をしないこと。誤飲した場合には、牛乳、生卵、ゼラチン等を用いて、胃洗浄を行うなど適切な処置を行う。誤って静注した場合には溶血反応を防ぐために、輸血等を行う。
  2. 結膜嚢等特に敏感な組織に使用しなければならない場合には、濃度に注意し、使用後滅菌水で水洗すること。
  3. 原液や高濃度液が眼に入らないように注意すること。眼に入った場合は直ちによく水洗すること。
  4. 溶液の状態で長時間皮膚と接触させた場合に皮膚化学熱傷を起こしたとの報告があるので、注意すること。
薬剤使用後の注意
  1. 注射器、カテーテル等の神経や粘膜面に接触する可能性のある器具を本剤で消毒した場合は、滅菌水でよく洗い流した後使用すること。
  2. 本剤の付着したカテーテルを透析に用いると、透析液の成分により難溶性の塩を生成することがあるので、本剤で消毒したカテーテルは、滅菌水でよく洗い流した後使用すること。
  3. 本剤のエタノール溶液で術野消毒後、処置の前に乾燥させておくこと。電気メス等による発火事故が報告されている。
  4. 本剤の付着した白布を次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系漂白剤で漂白すると、褐色のシミができることがある。漂白には過炭酸ナトリウム等の酸素系漂白剤が適当である。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
クロルヘキシジングルコン酸塩製剤の使用によりショック症状を起こした患者のうち数例について、血清中にクロルヘキシジンに特異的なIgE抗体が検出されたとの報告がある。

薬効薬理

作用機序
低濃度では細菌の細胞膜に障害を与え、細胞質成分の不可逆的漏出や酵素阻害を起こし、抗菌作用(殺菌作用)を示す。高濃度では細胞内のタンパク質や核酸の沈着を起こすことにより、抗菌作用を示す。
殺菌効果
  1. 広範囲の微生物に作用するが、特にグラム陽性菌には低濃度でも有効である。グラム陰性菌にも比較的低濃度で殺菌作用を示すが、グラム陽性菌に比べて抗菌力に幅がある。グラム陰性菌のうちAlcaligenesPseudomonasAchromobacterFlavobacterium属などにはまれに抵抗菌株もある。芽胞形成菌の芽胞には無効である。結核菌に対し水溶液では静菌作用、アルコール溶液では迅速な殺菌作用がある。真菌類の多くに対し抗菌力を示すが細菌類より弱い。ウイルスに対する効力は確定していない。
  2. In vitro試験における細菌および真菌に対する最小殺菌濃度(MBC)は以下の通りであった。
    菌種
    MBC(μg/mL)
    グラム陽性菌
    Staphylococcus aureus IFO 13276
    15.6
    グラム陰性菌
    Escherichia coli NIHJC
    3.9
    Pseudomonas aeruginosa IFO 13275
    31.3
    Serratia marcescens IFO 12648
    31.3
    真菌
    Candida albicans IFO 1061
    62.5
    ※MBCは、クロルヘキシジングルコン酸塩としての濃度を示す。
生物学的同等性
本剤および標準製剤は、in vivoにおけるFDAのグローブ・ジュース法に準じた殺菌効力比較試験、およびin vitroにおける下表の細菌および真菌を用いた最小発育阻止濃度試験および最小殺菌濃度試験のいずれの試験の結果にも有意な差が認められず、両者は生物学的に同等であった。
菌種
グラム陽性菌
Staphylococcus aureus IFO 13276
グラム陰性菌
Escherichia coli NIHJC
Pseudomonas aeruginosa IFO 13275
Serratia marcescens IFO 12648
真菌
Candida albicans IFO 1061

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
クロルヘキシジングルコン酸塩
(Chlorhexidine Gluconate)
化学名
1,1'-Hexamethylenebis[5-(4-chlorophenyl)biguanide],di-D-gluconate
分子式
C22H30Cl2N10・2C6H12O7
分子量
897.76
性状
通常、水溶液として存在し、その20w/v%液は、無色~微黄色の澄明な液で、においはなく、味は苦い。
水又は酢酸(100)と混和する。20w/v%液1mLはエタノール(99.5)5mL以下又はアセトン3mL以下と混和するが、溶媒の量を増加するとき白濁する。
光によって徐々に着色する。
比重:1.06~1.07
化学構造式

取扱い上の注意

使用期限内であっても容器開封後はなるべく速やかに使用すること。

包装

500mL[ポリ容器]

主要文献

1
大利隆行 他:アレルギー.1984;33(9):707[M1190003]
2
第十八改正日本薬局方解説書.廣川書店.2021;C-1877-C-1881
3
社内資料:20W/V%マスキン液の最小殺菌濃度(MBC)試験
4
社内資料:20W/V%マスキン液の生物学的同等性試験

文献請求先及び問い合わせ先

丸石製薬株式会社 学術情報部
〒538-0042 大阪市鶴見区今津中2-4-2
TEL.0120-014-561

製造販売業者等

製造販売元
丸石製薬株式会社
大阪市鶴見区今津中2-4-2

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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