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クロルヘキシジングルコン酸塩消毒用液5%「NP」

外用殺菌消毒剤

1mL 1.94円

添付文書番号

2619702Q3232_3_05

企業コード

530100

作成又は改訂年月

2023年10月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872619

薬効分類名

外用殺菌消毒剤

承認等

販売名

クロルヘキシジングルコン酸塩消毒用液5%「NP」

販売名コード

2619702Q3232

販売名英字表記

Chlorhexidine Gluconate Solution for Disinfection

販売名ひらがな

くろるへきしじんぐるこんさんえんしょうどくようえき5%「NP」

承認番号等

承認番号
22500AMX00773

販売開始年月

1990年8月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

クロルヘキシジングルコン酸塩液剤

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者
  2. 脳、脊髄、耳(内耳、中耳、外耳)には使用しないこと[聴神経及び中枢神経に対して直接使用した場合は、難聴、神経障害を来すことがある。]
  3. 腟、膀胱、口腔等の粘膜面には使用しないこと[クロルヘキシジン製剤の左記部位への使用により、ショック、アナフィラキシーの症状の発現が報告されている。]
  4. 眼には使用しないこと[角膜障害等の眼障害を来すおそれがある。]

組成・性状

組成

クロルヘキシジングルコン酸塩消毒用液5%「NP」
有効成分
1000mL中日本薬局方 クロルヘキシジングルコン酸塩液  250mL
クロルヘキシジングルコン酸塩として  50g
添加剤
ラウロマクロゴール、赤色227号、香料

製剤の性状

クロルヘキシジングルコン酸塩消毒用液5%「NP」
性状
赤色透明の液で、芳香がある。

効能又は効果

手指・皮膚の消毒、手術部位(手術野)の皮膚の消毒、皮膚の創傷部位の消毒、医療機器の消毒、手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒

用法及び用量

〈手指・皮膚の消毒〉
クロルヘキシジングルコン酸塩として0.1~0.5%水溶液を用いる。
〈手術部位(手術野)の皮膚の消毒及び医療機器の消毒〉
クロルヘキシジングルコン酸塩として0.1~0.5%水溶液又は0.5%エタノール溶液を用いる。
〈皮膚の創傷部位の消毒及び手術室・病室・家具・器具・物品などの消毒〉
クロルヘキシジングルコン酸塩として0.05%水溶液を用いる。

重要な基本的注意

ショック、アナフィラキシー等の反応を予測するため、使用に際してはクロルヘキシジン製剤に対する過敏症の既往歴、薬物過敏体質の有無について十分な問診を行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 薬物過敏症の既往歴のある者(クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者を除く)
  2. 喘息等のアレルギー疾患の既往歴、家族歴のある者

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)
    血圧低下、じん麻疹、呼吸困難等があらわれた場合は、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1%未満
過敏症
発疹、じん麻疹
注)発現頻度は文献、自発報告等を参考にした。

適用上の注意

薬剤調製時の注意
  1. 本剤は下記の濃度(クロルヘキシジングルコン酸塩として)に希釈し、水溶液又はエタノール溶液として使用すること。
    濃度
    0.05%
    0.1%
    0.5%
    希釈倍数
    100倍
    50倍
    10倍
  2. 創傷部位に使用する希釈水溶液は、調製後必ず滅菌処理すること
  3. 本剤は、常水や生理食塩液等に含まれる陰イオンにより難溶性の塩を生成することがあるので、希釈水溶液を調製する際には、新鮮な蒸留水を使用することが望ましい。
  4. 手洗い等に使用する本剤の希釈液は、少なくとも毎日新しい溶液と取換えること。
  5. 本剤の希釈水溶液は安定であるが、高温に長時間保つことは避けること。高圧蒸気滅菌を行う場合は115℃ 30分、121℃ 20分、126℃ 15分で滅菌処理することができる。
  6. 本剤を取扱う容器類は常に清浄なものを使用すること。
  7. 本剤の希釈水溶液は調製後直ちに使用すること。やむを得ず消毒用綿球等に長時間使用する希釈水溶液は微生物汚染を防止するために、希釈水溶液にアルコールを添加することが望ましい。エタノールの場合7vol%以上、イソプロパノールの場合4vol%以上になるように添加する。
  8. 器具類の保存に使用する場合は、腐食を防止するために、高濃度希釈液(目安として本液0.3%以上)を使用し、微生物汚染を防止するために、希釈水溶液にアルコールを添加することが望ましい。(アルコール添加量は上記14.1.7と同じ)本液は毎週新しい溶液と取換えること。
  9. 綿球・ガーゼ等は本剤を吸着するので、これらを希釈液に浸漬して用いる場合には、有効濃度以下にならないように注意すること。
薬剤使用前の注意
  1. 血清・膿汁等の有機性物質は殺菌作用を減弱させるので、これらが付着している場合は十分に洗い落としてから使用すること。
  2. 石鹸類は本剤の殺菌作用を弱めるので、石鹸分を洗い落としてから使用すること。
薬剤使用時の注意
  1. 本剤は外用剤であるので、経口投与や注射をしないこと。誤飲した場合には、牛乳、生卵、ゼラチン等を用いて、胃洗浄を行うなど適切な処置を行う。誤って静注した場合には溶血反応を防ぐために、輸血等を行う。
  2. 産婦人科用(腟・外陰部の消毒等)、泌尿器科用(膀胱・外性器の消毒等)には使用しないこと。
  3. 眼に入らないように注意すること。眼に入った場合は直ちによく水洗すること。
  4. 溶液の状態で長時間皮膚と接触させた場合に皮膚化学熱傷を起こしたとの報告があるので、注意すること。
  5. 本剤に含有される界面活性剤は、希釈した場合でも長期保存の間に接着剤を侵すことがあるため、接着剤を使用したガラス器具等の長期保存には使用しないこと。
薬剤使用後の注意
  1. 注射器、カテーテル等の神経や粘膜面に接触する可能性のある器具を本剤で消毒した場合は、滅菌水でよく洗い流した後使用すること。
  2. 本剤の付着したカテーテルを透析に用いると、透析液の成分により難溶性の塩を生成することがあるので、本剤で消毒したカテーテルは、滅菌水でよく洗い流した後使用すること。
  3. 本剤のエタノール溶液で術野消毒後、処置の前に乾燥させておくこと。電気メス等による発火事故が報告されている。
  4. 本剤の付着した白布を次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系漂白剤で漂白すると、褐色のシミができることがある。漂白には過炭酸ナトリウム等の酸素系漂白剤が適当である。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
クロルヘキシジングルコン酸塩製剤の使用によりショック症状を起こした患者のうち数例について、血清中にクロルヘキシジンに特異的なIgE抗体が検出されたとの報告がある。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床試験
    0.1%水溶液による手指消毒試験、0.5%水溶液による手術部位(手術野)の皮膚消毒試験、0.5%エタノール溶液による医療機器の消毒試験等で、いずれも本剤の消毒効果が認められた,,

薬効薬理

作用機序
作用機序は十分には解明されていないが、比較的低濃度では細菌の細胞膜に障害を与え、細胞質成分の不可逆的漏出や酵素阻害を起こし、比較的高濃度では細胞内の蛋白質や核酸の沈着を起こすことが報告されている,
抗菌作用
  1. クロルヘキシジングルコン酸塩は広範囲の微生物に作用し、グラム陽性菌には低濃度でも迅速な殺菌作用を示す,in vitro)。
  2. グラム陰性菌には比較的低濃度で殺菌作用を示すが、グラム陽性菌に比べ抗菌力に幅がみられる。グラム陰性菌のうち、AlcaligenesPseudomonasAchromobacterFlavobacterium属等には、まれにクロルヘキシジングルコン酸塩に抵抗する菌株もある,,in vitro)。
  3. 芽胞形成菌の芽胞には効力を示さない(in vitro)。
  4. 結核菌に対して水溶液では静菌作用を示し、アルコール溶液では迅速な殺菌作用を示す,in vitro)。
  5. 真菌類の多くに抗菌力を示すが、全般的に細菌類よりも抗菌力は弱い,in vitro)。
  6. ウイルスに対する効力は確定していない。
  7. 各種臨床分離株に対するクロルヘキシジングルコン酸塩の殺菌力(in vitro
    接種菌量:約107cfu/mL  温度:室温中和剤:SCDLP液体培地(日本製薬)
    試験菌株
    作用濃度(%)
    殺菌率(%)
    1分
    10分
    30分
    MSSA No.1
    0.050.10.5
    99.86199.923>99.985
    >99.985>99.985>99.985
    >99.985>99.985>99.985
    MRSA No.2
    0.050.10.5
    32.53077.10897.952
    99.976>99.988>99.988
    >99.988>99.988>99.988
    Escherichia coli No.1
    0.050.10.5
    >99.983>99.983>99.983
    >99.983>99.983>99.983
    >99.983>99.983>99.983
    Serratia marcescens No.2
    0.050.10.5
    >99.993>99.993>99.993
    >99.993>99.993>99.993
    >99.993>99.993>99.993
    Enterobacter cloacae No.1
    0.050.10.5
    >99.988>99.988>99.988
    >99.988>99.988>99.988
    >99.988>99.988>99.988
    Pseudomonas aeruginosa No.1
    0.050.10.5
    >99.984>99.984>99.984
    >99.984>99.984>99.984
    >99.984>99.984>99.984
    Burkholderia cepacia No.3
    0.050.10.5
    96.66797.87999.985
    99.970>99.985>99.985
    99.985>99.985>99.985
生物学的同等性試験
  1. と5%ヒビテン液の殺菌力試験[最小発育阻止濃度(MIC)測定法・フェノール係数値測定法・Kelsey-Sykes改良法]を行った結果、in vitroにおいて両剤の生物学的同等性が確認された。また、グローブジュース改変法による殺菌効力の比較試験を行った結果、消毒後の手指菌数対数値の平均値の差の95%信頼区間は±20%の範囲にあり、in vivoにおいて両剤の生物学的同等性が確認された。
    のMIC
    MIC試験菌株
    MIC(μg/mL)注)
    P. aeruginosa IFO 13275
    25
    P. vulgaris IFO 3988
    100
    E. coli IFO 3806
    1.56
    S. aureus IFO 12732
    1.56
    E. cloacae IFO 13595
    6.25
    S. marcescens IFO 12498
    50
    注)MIC(μg/mL)はクロルヘキシジングルコン酸塩としての濃度を示す。
    最小発育阻止濃度は有効成分の希釈回数、時間、試験日程等の試験条件により異なる可能性がある。
  2. 処方変更時の生物学的同等性試験
    の添加物変更品は、変更前製剤を対照とした殺菌力試験を行い、処方変更前後での両剤の生物学的同等性が確認された。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
クロルヘキシジングルコン酸塩(Chlorhexidine Gluconate)
化学名
1,1'-Hexamethylenebis[5-(4-chlorophenyl)biguanide]di-D-gluconate
分子式
C22H30Cl2N10・2C6H12O7
分子量
897.76
性状
クロルヘキシジングルコン酸塩液・無色~微黄色の澄明な液で、においはなく、味は苦い。・水又は酢酸(100)と混和する。・1mLはエタノール(99.5)5mL以下又はアセトン3mL以下と混和するが、溶媒の量を増加するとき白濁する。・光によって徐々に着色する。・比重 d2020:1.06~1.07
化学構造式

包装

500mL[プラスチックボトル]5L[プラスチック容器]18L[プラスチック容器]

主要文献

1
Ohtoshi T., et al.: Clin. Allergy. 1986; 16: 155-161(L20230209)
2
永井 勲ほか: 外科診療. 1984; 26(9): 1224-1228(L20230210)
3
古橋正吉: 外科治療. 1972; 26(4): 407-415(L20230211)
4
千葉豊昭ほか: 診療と新薬. 1971; 8(2): 331-333(L20230212)
5
Hugo W. B., et al.: J. Pharm. Pharmacol. 1966; 18: 569-578(L20230213)
6
市川 晃ほか: 日本口腔科学会雑誌. 1975; 24(1): 55-60(L20230214)
7
Davies G. E., et al.: Br. J. Pharmacol. 1954; 9: 192-196(L20230215)
8
阿多実茂ほか: 総合医学. 1961; 18(4): 268-270(L20230216)
9
Hennessey T. D.: J. Periodont. Res. 1973; 8(Suppl. 12): 61-67(L20230217)
10
金 兌貞ほか: 感染症学雑誌. 1978; 52(1): 10-15(L20230218)
11
西岡きよほか: 臨床病理. 1978; 26(8): 721-725(L20230219)
12
全田 浩ほか: 臨床泌尿器科. 1981; 35(7): 627-636(L20230220)
13
Mitchell J. A.: Aust. J. Pharm. 1962; 43: 1139-1143(L20230221)
14
山根 績: 薬の知識. 1968; 19(5): 22-24(L20230222)
15
第十八改正日本薬局方解説書.2021:C-1877-C-1881(L20230207)
16
宮崎 洋ほか: 歯科医学. 1965; 28(4): 395-401(L20230223)
17
金澤勝則ほか: Jpn. J. Antibiot. 2004; 57(5): 449-464(L20230224)
18
社内資料:生物学的同等性試験
19
社内資料:生物学的同等性試験(処方変更品)

文献請求先及び問い合わせ先

ニプロ株式会社 医薬品情報室
〒566-8510 大阪府摂津市千里丘新町3番26号
TEL 0120-226-898FAX 050-3535-8939

製造販売業者等

製造販売元
ニプロ株式会社
大阪府摂津市千里丘新町3番26号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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