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プロスタールL錠50mg

徐放性前立腺肥大症治療剤

1錠 85.9円

添付文書番号

2478001G1143_1_06

企業コード

470007

作成又は改訂年月

2020年3月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

872478

薬効分類名

徐放性前立腺肥大症治療剤

承認等

販売名

プロスタールL錠50mg

販売名コード

2478001G1143

販売名英字表記

PROSTAL-L TABLETS

販売名ひらがな

ぷろすたーるえるじょう50みりぐらむ

承認番号等

承認番号
22100AMX00929

販売開始年月

1990年8月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

クロルマジノン酢酸エステル

禁忌(次の患者には投与しないこと)

重篤な肝障害・肝疾患のある患者

組成・性状

組成

プロスタールL錠50mg
有効成分
1錠中 日局クロルマジノン酢酸エステル  50mg
添加剤
メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、クロスカルメロースナトリウム、メタクリル酸コポリマーS、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロースフタル酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、酸化チタン、カルナウバロウ

製剤の性状

プロスタールL錠50mg
剤形微黄色徐放性フィルムコーティング錠
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
約9.2mm
大きさ(厚さ)
約4.6mm
質量約283mg
識別コードTZ326

効能又は効果

前立腺肥大症

効能又は効果に関連する注意

本剤による前立腺肥大症に対する治療は、根治療法ではないことに留意し、本剤投与により期待する効果が得られない場合には、手術療法等他の適切な処置を考慮すること。

用法及び用量

通常、成人にはクロルマジノン酢酸エステルとして1回50mgを1日1回食後経口投与する。

用法及び用量に関連する注意

投与期間は16週間を基準とし、期待する効果が得られない場合には、以後漫然と投与を継続しないこと。

重要な基本的注意

  1. 劇症肝炎等の重篤な肝機能障害による死亡例が報告されているので、投与開始後3カ月までは少なくとも1カ月に1回、それ以降も定期的に肝機能検査を行うこと。
  2. 糖尿病、糖尿病の悪化あるいは高血糖があらわれることがあるので、血糖値や尿糖に注意するなど観察を十分に行うこと。
  3. ポテンツ低下等があらわれた場合、治療上の有益性を考慮の上、必要に応じ休薬又は他の療法への変更を行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 心疾患又はその既往歴のある患者
    ナトリウムや体液の貯留により、症状が増悪することがある。
  2. 糖尿病患者
    耐糖能の低下があらわれることがある。

腎機能障害患者

  1. 腎疾患又はその既往歴のある患者
    ナトリウムや体液の貯留により、症状が増悪することがある。

肝機能障害患者

  1. 重篤な肝障害・肝疾患のある患者
    投与しないこと。代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。

高齢者

投与の際には投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多いため、血中濃度が持続するおそれがある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. うっ血性心不全(頻度不明)
  2. 血栓症(脳、心、肺、四肢等)(0.1%未満)
  3. 劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害、黄疸(ともに0.1%未満)
    本剤投与1~2カ月後に劇症肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、悪心・嘔吐、食欲不振、全身倦怠感等の異常が認められた場合には直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。
  4. 糖尿病、糖尿病の悪化、高血糖(いずれも頻度不明)
    昏睡、ケトアシドーシスを伴う重篤な症例も報告されている。

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
生殖器
インポテンス、性欲低下等
過敏症
瘙痒
発疹等
肝臓
肝機能異常等
腎臓
BUN、クレアチニンの上昇等
電解質代謝
体重増加等
浮腫等
循環器
動悸、息切れ等
心悸亢進、胸内苦悶等
血液
貧血
消化器
食欲不振、胃部不快感、口渇等
悪心、嘔吐、便秘、下痢、腹痛等
精神神経系
頭痛、眠気等
泌尿器
頻尿等
尿道不快感、下腹部痛等
脂質代謝
中性脂肪の上昇
内分泌
女性型乳房
血中FSH、LH、テストステロン値の低下、プロラクチン値の上昇
皮膚
脱毛
その他
微熱
倦怠感、発汗
肥満
注)発現頻度は使用成績調査を含む。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
海外の疫学調査において、クロルマジノン酢酸エステルの6カ月間の累積投与量が360mg超の女性では、360mg以下の女性と比較して髄膜腫の発生リスクが高く(ハザード比4.4(95%信頼区間:3.4-5.8))、累積投与量の増加に伴い発生リスクが高くなるとの報告がある 。
非臨床試験に基づく情報
ラット、ウサギ及びイヌにおいて精子形成異常が認められるという報告がある。
また、副腎皮質はラット及びイヌでは萎縮するという報告があるが、モルモットでは萎縮しないという報告がある。

薬物動態

血中濃度

健康成人男性に本剤1錠を空腹時に経口投与した結果、最高血中濃度到達時間(Tmax)は5.1時間、血中濃度半減期(T1/2)は10.2時間で、通常のクロルマジノン酢酸エステル錠に比し徐放性の血中濃度推移を示した。

吸収

  1. 食事の影響
    健康成人男性に本剤1錠を摂食時に投与した場合の血中濃度は、空腹時投与に比し最高血中濃度(Cmax)及び血中濃度-時間曲線下面積(AUC)で1.5~1.8倍と有意に高く、これは主として食事摂取により刺激された胆汁分泌によると考えられた。

分布

雄ラットにおける経口投与後の分布は肝臓に最も多く、次に腎臓、副腎、脂肪の順である。
血漿蛋白結合率は、約99%である(in vitro:平衡透析法)。

代謝

多種の代謝物が生成され、2位及び3位のヒドロキシ体が多い。
3β-hydroxy体は、未変化体であるクロルマジノン酢酸エステルの約0.7倍の活性を認めた。

排泄

健康成人男性8名に本剤1錠を経口投与した結果、24時間までの尿中への未変化体(クロルマジノン酢酸エステル)の総排泄量は70.7±9.2μgで投与量の約0.14%であった。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第III相試験
    1. 二重盲検比較試験
      排尿障害を訴える前立腺肥大症患者を対象に、本剤(50mg)1日1回1錠投与の効果についてクロルマジノン酢酸エステル25mg錠1日2回2錠投与を対照として(16週間投与)、二重盲検法で検討した結果、総合判定における有効率は次のとおりであった。副作用発現頻度は21.8%(24/110例)で、主な副作用はインポテンス及び性欲低下12.8%(14/110例)であった。
      主治医判定
      委員会判定
      本剤(50mg)1日1回1錠
      70.5%(62/88例)
      77.3%(58/75例)
      25mg錠1日2回2錠
      55.7%(49/88例)
      65.2%(43/66例)
    2. 一般臨床試験
      排尿障害を訴える前立腺肥大症患者に1錠を1日1回朝食後に12~16週間投与した結果、総合判定における有効率は65.8%(50/76例)であった。副作用発現頻度は8.9%(7/79例)で、インポテンス5.1%(4/79例)、性機能の低下3.8%(3/79例)であった,,

薬効薬理

作用機序
テストステロンの前立腺への選択的取込み阻害作用及び5α-ジヒドロテストステロン(5α-DHT)とアンドロゲン受容体との結合阻害作用によりアンチアンドロゲン作用を示す。
アンチアンドロゲン作用(直接的抗前立腺作用)
  1. 外因性アンドロゲンに拮抗して、前立腺の肥大を抑制する(去勢Wistar系雄ラット)。
  2. 内因性アンドロゲンに拮抗して、前立腺を萎縮させる(Wistar系雄ラット)。
テストステロン作用発現に対する阻害作用
  1. 前立腺内に選択的に取り込まれ、前立腺細胞レベルで抗前立腺作用をあらわす(Wistar系雄ラット)。
  2. 前立腺におけるテストステロンの選択的取込みを阻害する(去勢Wistar系雄ラット)。
  3. 5α-ジヒドロテストステロンとレセプターとの結合を阻害する,(去勢SD系雄ラット;前立腺腹葉細胞)。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
クロルマジノン酢酸エステル
(Chlormadinone Acetate)
化学名
6-Chloro-3,20-dioxopregna-4,6-dien-17-yl acetate
分子式
C23H29ClO4
分子量
404.93
性状
白色~淡黄色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。
クロロホルムに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
211~215℃

包装

100錠[10錠(PTP)×10]

主要文献

1
Pierre Nguyen, et al.:Utilisation prolongée de l’acétate de chlormadinone et risque de méningiome intracrânien:une étude de cohorte à partir des données du SNDS(Avril 2021 Rapport final)
2
木下裕三他:薬理と治療.1988;16(5):2079-2091
3
木下裕三他:薬理と治療.1988;16(5):2093-2108
4
神戸川 明他:基礎と臨床.1977;11(2):620-628
5
社内資料:Chlormadinone acetateの肝薬物代謝酵素活性に及ぼす影響と蛋白結合性の検討
6
Honma,S.et al.:Chem.Pharm.Bull.1977;25(8):2019-2031
7
志田圭三他:臨床医薬.1988;4(7):1145-1164
8
吉田和弘他:診療と新薬.1988;25(6):1239-1251
9
薄井昭博他:診療と新薬.1988;25(5):923-930
10
池本 庸他:臨床医薬.1988;4(9):1723-1729
11
三枝 衛他:基礎と臨床.1977;11(2):550-555
12
伊藤善一他:日本泌尿器科学会雑誌.1977;68(6):537-552
13
山中英寿他:ホルモンと臨床.1978;26(1):89-92

文献請求先及び問い合わせ先

あすか製薬株式会社 くすり相談室
〒108-8532 東京都港区芝浦二丁目5番1号
TEL 0120-848-339
FAX 03-5484-8358

製造販売業者等

製造販売元
あすか製薬株式会社
東京都港区芝浦二丁目5番1号
販売元
武田薬品工業株式会社
大阪市中央区道修町四丁目1番1号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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