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閲覧履歴

プロスタール錠25

前立腺肥大症・癌治療剤

1錠 45.1円

添付文書番号

2478001F2179_1_12

企業コード

470007

作成又は改訂年月

2020年3月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

872478

薬効分類名

前立腺肥大症・癌治療剤

承認等

販売名

プロスタール錠25

販売名コード

2478001F2179

販売名英字表記

PROSTAL TABLETS

販売名ひらがな

ぷろすたーるじょう25

承認番号等

承認番号
15400AMZ00915

販売開始年月

1981年9月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

クロルマジノン酢酸エステル

禁忌(次の患者には投与しないこと)

重篤な肝障害・肝疾患のある患者

組成・性状

組成

プロスタール錠25
有効成分
1錠中 日局クロルマジノン酢酸エステル  25mg
添加剤
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、カルメロースカルシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム

製剤の性状

プロスタール錠25
剤形微黄色の素錠
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
8.0mm
大きさ(厚さ)
3.1mm
質量200mg
識別コードTZ 276

効能又は効果

前立腺肥大症、前立腺癌
但し、転移のある前立腺癌症例に対しては、他療法による治療の困難な場合に使用する。

効能又は効果に関連する注意

〈前立腺肥大症〉
本剤による前立腺肥大症に対する治療は、根治療法ではないことに留意し、本剤投与により期待する効果が得られない場合には、手術療法等他の適切な処置を考慮すること。

用法及び用量

〈前立腺肥大症〉
クロルマジノン酢酸エステルとして、1回25mgを1日2回食後に経口投与する。
〈前立腺癌〉
クロルマジノン酢酸エステルとして、1回50mgを1日2回食後に経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する注意

〈前立腺肥大症〉
投与期間は16週間を基準とし、期待する効果が得られない場合には、以後漫然と投与を継続しないこと。

重要な基本的注意

〈効能共通〉
  1. 劇症肝炎等の重篤な肝機能障害による死亡例が報告されているので、投与開始後3カ月までは少なくとも1カ月に1回、それ以降も定期的に肝機能検査を行うこと。
  2. 糖尿病、糖尿病の悪化あるいは高血糖があらわれることがあるので、血糖値や尿糖に注意するなど観察を十分に行うこと。
〈前立腺肥大症〉
  1. ポテンツ低下等があらわれた場合、治療上の有益性を考慮の上、必要に応じ休薬又は他の療法への変更を行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 心疾患又はその既往歴のある患者
    ナトリウムや体液の貯留により、症状が増悪することがある。
  2. 糖尿病患者
    耐糖能の低下があらわれることがある。

腎機能障害患者

  1. 腎疾患又はその既往歴のある患者
    ナトリウムや体液の貯留により、症状が増悪することがある。

肝機能障害患者

  1. 重篤な肝障害・肝疾患のある患者
    投与しないこと。代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。

高齢者

投与の際には用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。一般に生理機能が低下していることが多いため、血中濃度が持続するおそれがある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. うっ血性心不全(0.1%未満)
  2. 血栓症(脳、心、肺、四肢等)(0.1%未満)
  3. 劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害、黄疸(ともに0.1%未満)
    本剤投与1~2カ月後に劇症肝炎、肝機能障害、黄疸があらわれ、死亡に至った症例が報告されているので、悪心・嘔吐、食欲不振、全身倦怠感等の異常が認められた場合には直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。
  4. 糖尿病、糖尿病の悪化、高血糖(いずれも頻度不明)
    昏睡、ケトアシドーシスを伴う重篤な症例も報告されている.

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
生殖器
インポテンス等
性欲低下等
過敏症
発疹等
瘙痒
肝臓
肝機能異常等
腎臓
BUN、クレアチニンの上昇等
電解質代謝
浮腫、体重増加等
循環器
動悸、心悸亢進、胸内苦悶、息切れ等
血液
貧血
消化器
胃部不快感等
悪心、便秘、下痢、食欲不振、口渇等
嘔吐、腹痛等
精神神経系
頭痛、眠気等
泌尿器
頻尿、尿道不快感、下腹部痛等
脂質代謝
中性脂肪の上昇
内分泌
女性型乳房
血中FSH、LH、テストステロン値の低下、プロラクチン値の上昇
皮膚
脱毛
その他
倦怠感、微熱、発汗、肥満
注)発現頻度は使用成績調査を含む。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
海外の疫学調査において、クロルマジノン酢酸エステルの6カ月間の累積投与量が360mg超の女性では、360mg以下の女性と比較して髄膜腫の発生リスクが高く(ハザード比4.4(95%信頼区間:3.4-5.8))、累積投与量の増加に伴い発生リスクが高くなるとの報告がある 。
非臨床試験に基づく情報
ラット、ウサギ及びイヌにおいて精子形成異常が認められるという報告がある。
また、副腎皮質はラット及びイヌでは萎縮するという報告があるが、モルモットでは萎縮しないという報告がある。

薬物動態

血中濃度

健康成人男性に本剤1錠(25mg)を空腹時に経口投与した結果、最高血中濃度到達時間(Tmax)は3.8時間、血中濃度半減期(T1/2)は6.9時間であった。

吸収

  1. 食事の影響
    健康成人男性に本剤1錠(25mg)を摂食時に投与した場合の血中濃度は空腹時投与に比し最高血中濃度(Cmax)及び血中濃度-時間曲線下面積(AUC)で有意に高く、これは主として食事摂取により刺激された胆汁分泌によると考えられた。

分布

雄ラットにおける経口投与後の分布は肝臓に最も多く、次に腎臓、副腎、脂肪の順である。
血漿蛋白結合率は、約99%である(in vitro:平衡透析法)。

代謝

多種の代謝物が生成され、2位及び3位のヒドロキシ体が多い。
3β-hydroxy体は、未変化体であるクロルマジノン酢酸エステルの約0.7倍の活性を認めた。

排泄

前立腺癌患者6名に[3H]-クロルマジノン酢酸エステルを100mg経口投与したとき、投与3日後まで尿中に11.2%、糞中に25.7%排泄された。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第III相試験
    〈前立腺肥大症〉
    1. 二重盲検比較試験
      排尿困難の改善と肥大結節の縮小効果を指標にした2種の二重盲検比較試験(1日2錠、16週間)において、有用性が認められた。有効率はそれぞれの試験において66.7%(32/48)、69.2%(27/39)であった。
    2. 一般臨床試験
      1回1錠、1日2回投与した結果、有効率は59.7%(92/154)であった,,,,,,,
    〈前立腺癌〉
    1. 一般臨床試験
      多施設共同一般臨床試験で、100mg/日投与を中心とし3カ月以上経過観察がなされた186例での有効率は、63.4%〔このうち病期A~Dの未治療における有効率は67.1%(114/170)〕であった。

薬効薬理

作用機序
テストステロンの前立腺への選択的取込み阻害作用及び5α-ジヒドロテストステロン(5α-DHT)とアンドロゲン受容体との結合阻害作用によりアンチアンドロゲン作用を示す。また視床下部-下垂体系の抑制作用及び精巣でのテストステロン生合成抑制作用により血中テストステロン低下作用を示す。
アンチアンドロゲン作用(直接的抗前立腺作用)
  1. 外因性アンドロゲンに拮抗して、前立腺の肥大を抑制する(去勢Wistar系雄ラット,,)。
  2. 内因性アンドロゲンに拮抗して、前立腺を萎縮させる(前立腺肥大症・癌患者,、Wistar系雄ラット)。
  3. アンドロゲン依存性腫瘍(S-115)の増殖を抑制する(dds系雌雄マウス)。
  4. アンドロゲン依存性ヒト前立腺癌(CWR22)の増殖を抑制する(BALB/c系雄ヌードマウス)。
テストステロン作用発現に対する阻害作用
  1. 前立腺内に選択的に取り込まれ、前立腺細胞レベルで抗前立腺作用をあらわす(Wistar系雄ラット)。
  2. 前立腺におけるテストステロンの選択的取込みを阻害する(去勢Wistar系雄ラット)。
  3. 5α-ジヒドロテストステロンとレセプターとの結合を阻害する(去勢SD系雄ラット;前立腺腹葉細胞,)。
血中テストステロン低下作用
  1. 精巣におけるテストステロンの生合成を抑制する(Wistar系雄ラット;精巣ホモジネート)。
  2. FSH、LHの分泌は低下傾向を示す(前立腺癌患者,、Wistar系雄ラット)。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
クロルマジノン酢酸エステル
(Chlormadinone Acetate)
化学名
6-Chloro-3,20-dioxopregna-4,6-dien-17-yl acetate
分子式
C23H29ClO4
分子量
404.93
性状
白色~淡黄色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。
クロロホルムに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けやすく、エタノール(95)又はジエチルエーテルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
211~215℃

包装

100錠[10錠(PTP)×10]
500錠[10錠(PTP)×50]

主要文献

1
Pierre Nguyen, et al.:Utilisation prolongée de l'acétate de chlormadinone et risque de méningiome intracrânien:une étude de cohorte à partir des données du SNDS(Avril 2021 Rapport final)
2
木下裕三他:薬理と治療.1988;16(5):2079-2091
3
木下裕三他:薬理と治療.1988;16(5):2093-2108
4
神戸川 明他:基礎と臨床.1977;11(2):620-628
5
社内資料:Chlormadinone acetateの肝薬物代謝酵素活性に及ぼす影響と蛋白結合性の検討
6
Honma,S.et al.:Chem.Pharm.Bull.1977;25(8):2019-2031
7
社内資料:CMAの体内動態(第4報)Chlormadinone Acetate(CMA)のヒトにおける吸収、血中濃度、排泄および代謝
8
志田圭三他:臨床薬理.1977;8(3):285-299
9
志田圭三他:ホルモンと臨床.1979;27(10):1159-1172
10
碓井 亜他:泌尿器科紀要.1981;27(3):327-333
11
松田 稔他:泌尿器科紀要.1981;27(6):737-746
12
大見嘉郎他:泌尿器科紀要.1981;27(8):1011-1015
13
斉藤雅人他:泌尿器科紀要.1981;27(9):1147-1152
14
棚橋善克他:西日本泌尿器科.1981;43(5):1077-1083
15
新島端夫他:西日本泌尿器科.1981;43(6):1323-1328
16
山川義憲他:診療と新薬.1982;19(3):751-757
17
和志田裕人他:泌尿器科紀要.1983;29(6):715-725
18
志田圭三他:泌尿器科紀要.1980;26(12):1553-1574
19
伊藤善一他:日本泌尿器科学会雑誌.1977;68(6):537-552
20
三枝 衛他:基礎と臨床.1977;11(2):550-555
21
志田圭三他:日本泌尿器科学会雑誌.1972;63(2):109-128
22
近藤 厚他:西日本泌尿器科.1974;36(6):730-739
23
渡辺順一他:泌尿器外科.2007;20(1):75-81
24
山中英寿他:ホルモンと臨床.1978;26(1):89-92
25
本間誠次郎他:日本内分泌学会雑誌.1977;53(5):703-718
26
大橋輝久他:臨床泌尿器科.1977;31(1):59-63

文献請求先及び問い合わせ先

あすか製薬株式会社 くすり相談室
〒108-8532 東京都港区芝浦二丁目5番1号
TEL 0120-848-339
FAX 03-5484-8358

製造販売業者等

製造販売元
あすか製薬株式会社
東京都港区芝浦二丁目5番1号
販売元
武田薬品工業株式会社
大阪市中央区道修町四丁目1番1号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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