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閲覧履歴

ウトロゲスタン腟用カプセル200mg

天然型黄体ホルモン製剤

1カプセル 361.2円

作成又は改訂年月

**
2022年4月改訂
(第3版)
*
2022年1月改訂

日本標準商品分類番号

872477

日本標準商品分類番号等

*2021年12月
1980年1月

薬効分類名

天然型黄体ホルモン製剤

承認等

販売名

ウトロゲスタン腟用カプセル200mg(添加物:ラッカセイ油)

販売名コード

2477700H1020

承認・許可番号

22800AMX00019
ウトロゲスタン
UTROGESTAN

薬価基準収載年月

**2022年4月

販売開始年月

2016年2月

貯法・使用期限等

貯法
遮光・室温保存
使用期限
外箱に表示

規制区分

処方箋医薬品注)
注) 注意―医師等の処方箋により使用すること

組成

有効成分
日局 プロゲステロン
含量(1カプセル中)
200mg
添加物
ラッカセイ油、大豆レシチン
添加物(カプセル本体)
ゼラチン、濃グリセリン、酸化チタン

性状

色・剤形淡黄色の楕円球状の軟カプセル剤で、内容物は白色の粘稠な懸濁状油性液又は半固形物である。
外形
大きさ長径:14.5mm
短径:8.6mm
質量:720mg
識別コード(PTPシート)FJ69

一般的名称

プロゲステロン腟用カプセル

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
診断未確定の性器出血のある患者[病因を見のがすおそれがある。]
稽留流産又は子宮外妊娠の患者[妊娠維持作用により死亡している胎児の排出が困難になるおそれがある。]
重度の肝機能障害のある患者[作用が増強されるおそれがある。]
乳癌又は生殖器癌の既往歴又は疑いがある患者[症状が悪化するおそれがある。]
動脈又は静脈の血栓塞栓症あるいは重度の血栓性静脈炎の患者又は既往歴のある患者[血栓症を起こすおそれがある。]
ポルフィリン症の患者[症状が悪化するおそれがある。]

効能又は効果

生殖補助医療における黄体補充

用法及び用量

プロゲステロンとして1回200mgを1日3回、胚移植2〜7日前より経腟投与する。妊娠が確認できた場合は、胚移植後9週(妊娠11週)まで投与を継続する。

使用上の注意

慎重投与

中等度以下の肝機能障害のある患者[作用が増強されるおそれがある。]
てんかん、うつ病又はその既往歴のある患者[副腎皮質ホルモン様作用により病態に影響を及ぼすおそれがある。]
片頭痛、喘息又はその既往歴のある患者[病態に影響を及ぼすおそれがある。]
心機能障害又は腎機能障害のある患者[体液貯留を引き起こすおそれがある。]
糖尿病の患者[糖尿病が悪化するおそれがある。]

重要な基本的注意

うつ病又はその既往歴のある患者は注意深く観察し、症状の悪化を認めた場合は投与を中止するなど注意すること。
投与の中止により、不安、気分変化、発作感受性の増大を引き起こす可能性があるので、投与中止の際には注意するよう患者に十分説明すること。
傾眠状態や浮動性めまいを引き起こすことがあるので、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分説明すること。

相互作用

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
他の腟剤(抗真菌剤など)本剤の作用が増強又は減弱する可能性がある。本剤からのプロゲステロン放出及び吸収を変化させる可能性がある。

副作用

副作用等発現状況の概要

承認時までの試験における安全性評価対象例160例中、臨床検査値異常変動を含む副作用は、27例(16.9%)に認められ、主なものは卵巣過剰刺激症候群4例(2.5%)、外陰腟そう痒症3例(1.9%)、不正子宮出血3例(1.9%)、性器出血3例(1.9%)であった(承認時)。

重大な副作用

血栓症
(頻度不明)
本剤成分の投与で、心筋梗塞、脳血管障害、動脈又は静脈の血栓塞栓症(静脈血栓塞栓症又は肺塞栓症)、血栓性静脈炎、網膜血栓症があらわれたとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状又は初期症状があらわれた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。

その他の副作用

皮膚
1%未満
発疹
循環器
1%未満
心電図異常、WPW症候群
消化器
1%未満
腹痛
*消化器
頻度不明注1)
下痢、腹部膨満感、悪心・嘔吐
肝臓
1%未満
ALT(GPT)増加
代謝異常
1%未満
血中トリグリセリド減少
血液
1%未満
白血球数増加
精神神経系
1〜5%未満
浮動性めまい
*精神神経系
頻度不明注1)
頭痛、感覚鈍麻
生殖系
1〜5%未満
不正子宮出血、卵巣過剰刺激症候群、外陰腟そう痒症、性器出血、生化学的妊娠
生殖系
1%未満
子宮頸管ポリープ、腟感染、多胎妊娠
*生殖系
頻度不明注1)
紅斑、灼熱感、腟分泌物、外陰部炎、腟びらん
*注1) 自発報告又は海外でのみ認められている副作用を頻度不明とした。
以上のような症状があらわれた場合には、症状に応じて減量・休薬等の適切な処置を行うこと。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

母乳中に移行することがあるので、授乳中の女性に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[授乳期にある新生児及び乳児に対する安全性は確立していない。]

過量投与

過量投与の場合は、本剤を中止し、症状に応じて対症療法等の適切な処置を行うこと。

適用上の注意

本剤はPTP シートから取り出して腟内にのみ投与するよう指導すること。

その他の注意

黄体ホルモン剤の投与と先天異常児出産との因果関係はいまだ確立されたものではないが、心臓・四肢等の先天異常児を出産した母親では、対照群に比して妊娠初期に黄体ホルモン剤又は黄体・卵胞ホルモン剤を投与していた率に有意差があるとする疫学調査の結果が報告されている。1)
外国において妊娠初期を超えて本剤が処方された事例で、重篤でない可逆的な肝異常(妊娠性胆汁うっ滞様)がごくまれに報告されている。

薬物動態

血中濃度
月経開始から4〜8日目に月経が終了した日本人健康成人女性10例に、プロゲステロン200mgを、朝昼晩1日3回、投与開始から5日目の朝まで反復経腟投与したときの血清中濃度及び薬物動態パラメータを図1・表1に示した。また、投与2〜5日目の投与前最低血中濃度は8.43±3.70ng/mLであった。

代謝
主に肝臓において代謝される。代表的な代謝産物はプレグナノロン及びプレグナンジオールであり、これらはさらにグルクロン酸抱合体及び硫酸抱合体に代謝される。2)
排泄
14C-標識プロゲステロンをヒトに静脈内投与した際、尿中に投与した放射能の約50%、胆汁中に約30%、糞中に約13%が排泄された。3)
蛋白結合率
in vitro 試験において、ヒト血清蛋白への結合率は約97%と報告されている。4)

臨床成績

国内第III相試験
新鮮胚もしくは凍結胚移植を行う日本人不妊患者を対象に、本剤を1日3回、胚移植2〜7日前より経腟投与し、妊娠が確認できた場合は胚移植後9週(妊娠11週)6日夜まで投与を継続した。胚移植例あたりの臨床的妊娠率は40.97%(59/144例)であった。また胚移植例あたりの胚移植後10週までの妊娠継続率、流産率はそれぞれ29.86%(43/144例)、11.11%(16/144例)であった。
海外第III相試験5)
本剤とプロゲステロンゲルとの比較を行った試験において、新鮮胚移植を行った女性に、本剤を1日3回、もしくはプロゲステロンゲルを1日2回胚移植実施日の夜より経腟投与を開始し、胚移植後9週(妊娠11週)6日夜まで投与を継続した。
本剤投与群及びプロゲステロンゲル投与群における妊娠12週時の妊娠継続率は、それぞれ25.2%(55/218例)、22.2%(47/212例)であり、本剤のプロゲステロンゲルに対する非劣性が示された。

薬効薬理

子宮内膜細胞増殖作用6)
未成熟ウサギにエストラジオール0.25μg/動物/日を6日間皮下投与した後、プロゲステロンを5日間皮下投与した。プロゲステロンは0.1mg/動物/日以上で子宮内膜細胞を増殖させ、胚が着床しやすい状態にした。
脱落膜腫形成作用6)
卵巣摘出ラットにエストラジオール1μg/動物/日を4日間皮下投与した後、プロゲステロンを8日間皮下投与した。プロゲステロンは2.0mg/動物/日で子宮内膜の障害後の脱落膜腫を形成させ、薬理作用が確認された。
妊娠維持作用7)
ウサギの受胎直後に、その卵巣を摘出すると、その受精卵は胚盤胞以後の発育はできなく、着床も妨げられ変性する。しかし、受胎後に卵巣を摘出してもプロゲステロンを投与しておけば妊娠は維持される。ヒトの場合にも妊娠2〜3ヵ月以内に卵巣を摘出すると、プロゲステロンの分泌が中断されて流産を起こす。プロゲステロンは妊娠全経過を通じて妊娠の維持に大きな役割を果たしている。

有効成分に関する理化学的知見

一般名
プロゲステロン(Progesterone)
化学名
Pregn-4-ene-3,20-dione
構造式
分子式
C21H30O2
分子量
314.46
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
結晶多形が認められる。
融点
128〜133℃

包装

24カプセル(6カプセル×4)(PTP)

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
Janerich DT,et al:N.Engl.J.Med.,291(14),697,1974
2
梅原千治 他:ステロイドホルモン:製剤・生理・臨床.第4(黄体ホルモン),576,(南江堂)1967
3
Sandberg AA and Slaunwhite WR: J.Clin.Endocr.,18(3),253,1958
4
Hammond GL,et al: J.Biol.Chem.,255(11),5023,1980
5
Kleinstein J; Luteal Phase Study Group. Efficacy and tolerability of vaginal progesterone capsules (Utrogest200) compared with progesterone gel (Crinone 8%) for luteal phase support during assisted reproduction.Fertil.Steril.,83(6),1641,2005
6
富士製薬工業株式会社 社内資料
7
梅原千治 他:ステロイドホルモン:製剤・生理・臨床.第4(黄体ホルモン),603,(南江堂)1967

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。

富士製薬工業株式会社 富山工場 学術情報課
〒939-3515 富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地
*(TEL)0120-956-792
(FAX)076-478-0336

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元(輸入)
富士製薬工業株式会社
富山県富山市水橋辻ヶ堂1515番地

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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