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閲覧履歴

ホーリン錠1mg

卵胞ホルモン製剤

1錠 13.2円

添付文書番号

2475001F3050_1_17

企業コード

470007

作成又は改訂年月

2020年11月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

872475

薬効分類名

卵胞ホルモン製剤

承認等

販売名

ホーリン錠1mg

販売名コード

2475001F3050

販売名英字表記

HOLIN TABLETS

販売名ひらがな

ほーりんじょう1みりぐらむ

承認番号等

承認番号
14700AMZ02109

販売開始年月

1973年4月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

基準名

日本薬局方
エストリオール錠

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

エストリオール

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば、乳癌、子宮内膜癌)及びその疑いのある患者
    [腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]
  2. 未治療の子宮内膜増殖症のある患者
    [子宮内膜増殖症は細胞異型を伴う場合がある。]
  3. 乳癌の既往歴のある患者
    [乳癌が再発するおそれがある。]
  4. 血栓性静脈炎、肺塞栓症又はその既往歴のある患者
    [血液凝固能の亢進により、これらの症状が増悪することがある。]
  5. 動脈性の血栓塞栓疾患(例えば、冠動脈性心疾患、脳卒中)又はその既往歴のある患者
  6. 重篤な肝障害のある患者
  7. 診断の確定していない異常性器出血のある患者
    [出血が子宮内膜癌による場合は、癌の悪化あるいは顕性化を促すことがある。]
  8. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

組成・性状

組成

ホーリン錠1mg
有効成分
1錠中 日局エストリオール  1mg
添加剤
乳糖水和物、結晶セルロース、トウモロコシデンプン、タルク、ステアリン酸マグネシウム

製剤の性状

ホーリン錠1mg
剤形白色素錠(割線入り)
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
8.0mm
大きさ(厚さ)
3.1mm
質量200mg
識別コードTZ266

効能又は効果

更年期障害、腟炎(老人、小児及び非特異性)、子宮頸管炎並びに子宮腟部びらん、老人性骨粗鬆症

用法及び用量

〈更年期障害、腟炎(老人、小児及び非特異性)、子宮頸管炎並びに子宮腟部びらん〉
エストリオールとして、通常、成人1回0.1~1.0mgを1日1~2回経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
〈老人性骨粗鬆症〉
エストリオールとして、通常1回1.0mgを1日2回経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する注意

〈老人性骨粗鬆症〉
投与後6カ月~1年後に骨密度を測定し、効果が認められない場合には投与を中止し他の療法を考慮すること。

重要な基本的注意

  1. 外国において、卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を長期併用した女性では、乳癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなり、その危険性は併用期間が長期になるに従って高くなるとの報告があるので、本剤の投与にあたっては、患者に対し本剤のリスクとベネフィットについて十分な説明を行うとともに必要最小限の使用にとどめ、漫然と長期投与を行わないこと。
  2. 女性に投与する場合には、投与前に病歴、家族素因等の問診、乳房検診並びに婦人科検診(子宮を有する患者においては子宮内膜細胞診及び超音波検査による子宮内膜厚の測定を含む)を行い、投与開始後は定期的に乳房検診並びに婦人科検診を行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 乳癌家族素因が強い患者、乳房結節のある患者、乳腺症の患者又は乳房レントゲン像に異常がみられた患者
    症状が増悪するおそれがある。
  2. 術前又は長期臥床状態の患者
    血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがある。
  3. 子宮筋腫のある患者
    子宮筋腫の発育を促進するおそれがある。
  4. 子宮内膜症のある患者
    症状が増悪するおそれがある。
  5. 心疾患又はその既往歴のある患者
    ナトリウムや体液の貯留により、症状が増悪するおそれがある。
  6. てんかん患者
    体液の貯留により、症状が増悪するおそれがある。
  7. 糖尿病患者
    十分コントロールを行いながら投与すること。耐糖能が低下することがある。
  8. 全身性エリテマトーデスの患者
    症状が増悪するおそれがある。
  9. 骨成長が終了していない可能性がある患者、思春期前の患者
    骨端の早期閉鎖、性的早熟を来すおそれがある。

腎機能障害患者

  1. 腎疾患又はその既往歴のある患者
    ナトリウムや体液の貯留により、症状が増悪するおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 重篤な肝障害のある患者
    投与しないこと。代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。
  2. 肝障害のある患者(重篤な肝障害のある患者を除く)
    代謝能が低下しており肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがある。

妊婦

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。
  2. 卵胞ホルモン剤を妊娠動物(マウス)に投与した場合、児の成長後腟上皮及び子宮内膜の癌性変性を示唆する結果が報告されている, 。また、新生児(マウス)に投与した場合、児の成長後腟上皮の癌性変性を認めたとの報告がある 。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
血糖降下剤
インスリン製剤、
スルフォニル尿素系製剤、
ビグアナイド系製剤等
血糖降下剤の作用が減弱することがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、血糖降下剤の用量を調節するなど注意する。
卵胞ホルモン剤の血糖上昇作用による。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 血栓症(頻度不明)
    長期連用により、血栓症が起こることが報告されている。

その他の副作用

頻度不明
過敏症
発疹等
子宮
不正出血、帯下増加等
乳房
乳房痛、乳房緊満感等
肝臓
AST、ALTの上昇等
消化器
悪心、嘔吐、食欲不振等
その他
めまい、脱力感、全身熱感、体重増加

適用上の注意

薬剤投与時の注意
生理的月経の発現に障害を及ぼすような投与を避けること。
薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. ホルモン補充療法(HRT)と子宮内膜癌の危険性
    卵胞ホルモン剤を長期間(約1年以上)使用した閉経期以降の女性では、子宮内膜癌になる危険性が対照群の女性と比較して高く、この危険性は、使用期間に相関して上昇し(1~5年間で2.8倍、10年以上で9.5倍)、黄体ホルモン剤の併用により抑えられる(対照群の女性と比較して0.8倍)との疫学調査の結果が報告されている 。
  2. HRTと乳癌の危険性
    1. 米国における閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験〔Women’s Health Initiative(WHI)試験〕の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、乳癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.24)との報告がある 。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、乳癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意差はない(ハザード比:0.80)との報告がある,
    2. 英国における疫学調査〔Million Women Study(MWS)〕の結果、卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を併用している女性では、乳癌になる危険性が対照群と比較して有意に高くなり(2.00倍)、この危険性は、併用期間が長期になるに従って高くなる(1年未満:1.45倍、1~4年:1.74倍、5~9年:2.17倍、10年以上:2.31倍)との報告がある 。
  3. HRTと冠動脈性心疾患の危険性
    米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して高い傾向にあり、特に服用開始1年後では有意に高くなる(ハザード比:1.81)との報告がある 。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、冠動脈性心疾患の危険性がプラセボ投与群と比較して有意差はない(ハザード比:0.91)との報告がある 。
  4. HRTと脳卒中の危険性
    米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.31)との報告がある 。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、脳卒中(主として脳梗塞)の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.37)との報告がある,
  5. HRTと認知症の危険性
    米国における65歳以上の閉経後女性を対象とした無作為化臨床試験〔WHI Memory Study(WHIMS)〕の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群では、アルツハイマーを含む認知症の危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:2.05)との報告がある 。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、アルツハイマーを含む認知症の危険性がプラセボ投与群と比較して有意ではないが、高い傾向がみられた(ハザード比:1.49)との報告がある 。
  6. HRTと卵巣癌の危険性
    1. 卵胞ホルモン剤を長期間使用した閉経期以降の女性では、卵巣癌になる危険性が対照群の女性と比較して高くなるとの疫学調査の結果が報告されている,,
    2. 米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群において、卵巣癌になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意ではないが、高い傾向がみられた(ハザード比:1.58)との報告がある 。
  7. HRTと胆嚢疾患の危険性
    米国におけるWHI試験の結果、結合型エストロゲン・黄体ホルモン配合剤投与群において、胆嚢疾患になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.59)との報告がある 。並行して行われた子宮摘出者に対する試験の結果、結合型エストロゲン単独投与群では、胆嚢疾患になる危険性がプラセボ投与群と比較して有意に高くなる(ハザード比:1.67)との報告がある 。

薬物動態

代謝

肝において3位水酸基のグルクロン酸抱合などを受けた後、胆汁排泄などにより消失する 。

排泄

子宮全摘出を行った女性に、摘出1~2週間後、1日3mg注) 、1週間連日経口投与を行ったところ、尿中エストリオール値の著しい上昇が認められた 。
注)本剤の承認最大用量は1日2mgである。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈更年期障害〉
更年期障害患者30例に1日2錠、14~20日間経口投与した結果、有効率は73%で、特に血管運動神経障害様症状、精神神経障害様症状、疲労感などに効果がみられた 。

薬効薬理

作用機序
エストラジオールが肝臓で代謝されて出来る物質で、エストロゲンとしての作用を現す 。
子宮及び腟に対する作用
  1. 子宮頸部・腟部を軟化させるが、子宮肥大作用は弱い(ラット 、モルモット,, 、家兎 、ヒト,,, )。
  2. 腟粘膜上皮の肥厚・増殖、血管形成を促す(マウス 、ラット 、ヒト,,, )。
  3. 子宮頸部のアミノ態窒素及びリンの取込みを増加させる(モルモット )。
ゴナドトロピン分泌抑制作用
脳下垂体性ゴナドトロピンの分泌を抑制する(ラット, 、ヒト )。
骨密度減少抑制作用
卵巣摘出により作製した骨粗鬆症モデルで、骨密度の減少を抑制する(ラット )。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
エストリオール(Estriol)
化学名
Estra-1,3,5 (10) -triene-3,16α,17β-triol
分子式
C18H24O3
分子量
288.38
性状
白色の結晶性の粉末で、においはない。
メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
281~286℃

包装

100錠[10錠(PTP)×10]
500錠[10錠(PTP)×50]

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文献請求先及び問い合わせ先

あすか製薬株式会社 くすり相談室
〒108-8532 東京都港区芝浦二丁目5番1号
TEL 0120-848-339
FAX 03-5484-8358

製造販売業者等

製造販売元
あすか製薬株式会社
東京都港区芝浦二丁目5番1号
販売元
武田薬品工業株式会社
大阪市中央区道修町四丁目1番1号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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