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リンゼス錠0.25mg

グアニル酸シクラーゼC受容体アゴニスト

1錠 73.4円

添付文書番号

2399017F1020_1_06

企業コード

800126

作成又は改訂年月

2020年3月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

872399

薬効分類名

グアニル酸シクラーゼC受容体アゴニスト

承認等

販売名

リンゼス錠0.25mg

販売名コード

2399017F1020

販売名英字表記

Linzess Tablets 0.25mg

販売名ひらがな

りんぜすじょう れいてんにごみりぐらむ

承認番号等

承認番号
22800AMX00726

販売開始年月

2017年3月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

リナクロチド錠Linaclotide

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 機械的消化管閉塞又はその疑いがある患者
  2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

リンゼス錠0.25mg
有効成分
(1錠中)
リナクロチド  0.25mg
添加剤
D-マンニトール
セルロース
クロスカルメロースナトリウム
イソマル水和物
ポリビニルアルコール(部分けん化物)
酸化チタン
マクロゴール
ステアリン酸マグネシウム
タルク
塩化カルシウム水和物
L-ロイシン
黄色三二酸化鉄

製剤の性状

リンゼス錠0.25mg
剤形フィルムコーティング錠
色調淡黄色
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
約6.6mm
大きさ(厚さ)
約3.1mm
質量約115mg
識別コード725

効能又は効果

  • 便秘型過敏性腸症候群
  • 慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)

効能又は効果に関連する注意

〈効能共通〉
  1. 治療の基本である食事指導及び生活指導を行った上で、症状の改善が得られない患者に対して、本剤の適用を考慮すること。
〈慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)〉
  1. 薬剤性及び症候性の慢性便秘症患者を対象に本剤の有効性及び安全性を評価する臨床試験は実施していない。

用法及び用量

通常、成人にはリナクロチドとして0.5mgを1日1回、食前に経口投与する。
なお、症状により0.25mgに減量する。

重要な基本的注意

重度の下痢があらわれるおそれがあるので、症状の経過を十分に観察し、本剤を漫然と投与しないよう、定期的に本剤の投与継続の必要性を検討すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(マウス)で胎児毒性(胎児体重の低値及び胎児の形態異常)が報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。2歳以下の乳幼児では成人に比べグアニル酸シクラーゼC受容体発現量が多いという報告があり、本剤の薬理作用の過剰発現によって重度な下痢のリスクが高まるおそれがある。動物実験(幼若マウス)で、重度の脱水による死亡例が報告されている。

高齢者

副作用の発現に注意すること。一般に高齢者は生理機能が低下している。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 重度の下痢(頻度不明)

その他の副作用

5%以上
1~5%未満
1%未満
血液及びリンパ系障害
貧血
胃腸障害
下痢(11.6%)
腹痛
腹部不快感、腹部膨満、上腹部痛、便意切迫、放屁、便秘型過敏性腸症候群の悪化、悪心、軟便
一般・全身障害及び投与部位の状態
発熱、口渇
肝胆道系障害
肝機能異常
臨床検査
ALT上昇、AST上昇、血中ビリルビン上昇、血中カリウム上昇、血中トリグリセリド上昇、γ-GTP上昇、白血球数減少、血中リン上昇、血小板数増加、尿中蛋白陽性
神経系障害
頭痛
腎及び尿路障害
尿閉
皮膚及び皮下組織障害
発疹、蕁麻疹

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

薬物動態

吸収

健康成人24例に本剤0.109~3.27mg注)を単回経口投与及び健康成人36例に本剤0.25~1mg注)を1日1回7日間反復経口投与した結果、本剤及び活性代謝物である脱チロシン体の血漿中濃度は、すべての時点で定量下限未満であった,。更に、便秘型過敏性腸症候群患者446例に本剤0.0625~0.5mg注)を1日1回4週間または8週間投与したときの本剤及び脱チロシン体血漿中濃度は、すべての時点で定量下限未満であった。この結果より、本剤の吸収性は非常に低いと推察された。
注)本剤の承認された1日通常用量は0.5mgである。

代謝

本剤は腸液において、タンパク質分解酵素により、活性代謝物である脱チロシン体に代謝され、更に小ペプチドや天然型アミノ酸に代謝された(in vitro試験)。

薬物相互作用

本剤はCYPの基質にはならず、また、本剤並びに活性代謝物である脱チロシン体はCYP分子種(CYP1A2、2B6、2C8、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4/5)に対する阻害作用は弱く、CYP1A2、2B6及び3A4/5に対する誘導作用も示さなかった,,in vitro試験)。
本剤はP-gpの基質にはならず、排出又は取り込みトランスポーターのうち、OATP2B1に対して阻害作用(10μmol/Lにて55%の阻害)を示したが、P-gp、BCRP、MRP2、MRP3、MRP4、OATP1B1、OATP1B3、PEPT1及びOCTN1に対しては阻害作用を示さなかった(IC50値>10μmol/L),。また、脱チロシン体は排出又は取り込みトランスポーターに対して阻害作用を示さなかった(IC50値>10μmol/L)(in vitro試験)。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈便秘型過敏性腸症候群〉
国内で実施された便秘型過敏性腸症候群患者を対象とした第Ⅲ相プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験及び長期投与試験における成績は以下のとおりであった。
  1. 国内第Ⅲ相プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験
    本剤0.5mgもしくはプラセボを1日1回12週間、朝食前に経口投与したときの結果は、2つの主要評価項目である12週間における過敏性腸症候群症状の全般改善効果のレスポンダー率及び12週間における完全自然排便のレスポンダー率に関して、本剤0.5mg群はプラセボ群を上回り有意な差が認められた。臨床検査値異常を含む副作用の発現割合はプラセボ群で5.2%(13/251例)、本剤0.5mg群で14.1%(35/249例)であり、本剤0.5mg群で2%以上認められた副作用は、下痢(9.2%、23/249例)のみであった。
    12週間における過敏性腸症候群症状の全般改善効果のレスポンダー率
    投与群
    症例数
    レスポンダー率
    両側95%信頼区間
    P値
    プラセボとの差
    下限
    上限
    プラセボ
    251
    17.5%
    13.0
    22.8
    <0.001
    16.2%
    本剤0.5mg
    249
    33.7%
    27.9
    40.0
    ※:Fisher’s exact検定(有意水準:0.05)
    12週間における完全自然排便のレスポンダー率
    投与群
    症例数
    レスポンダー率
    両側95%信頼区間
    P値
    プラセボとの差
    下限
    上限
    プラセボ
    251
    19.1%
    14.4
    24.5
    <0.001
    15.8%
    本剤0.5mg
    249
    34.9%
    29.0
    41.2
    ※:Fisher’s exact検定(有意水準:0.05)
  2. 国内長期投与試験
    上記の第Ⅲ相プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を完了した被験者のうち、移行基準を満たした症例を対象として、本剤0.5mgを1日1回朝食前に、プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を含めて52週間経口投与した。本剤が52週間投与された164例における過敏性腸症候群症状の全般改善効果の週間レスポンダー率及び完全自然排便の週間レスポンダー率は、本剤投与開始後、経時的に上昇し、その後、概ね一定に推移した。臨床検査値異常を含む副作用の発現割合は23.2%(38/164例)であり、2%以上の副作用は、下痢(11.6%、19/164例)であった。
〈慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)〉
国内で実施された慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)患者を対象とした第Ⅲ相プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験及び長期投与試験における成績は以下のとおりであった。
  1. 国内第Ⅲ相プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験
    本剤0.5mgもしくはプラセボを1日1回4週間、朝食前に経口投与したときの結果は、主要評価項目である評価期第1週における自然排便頻度(週平均値)の観察期からの変化量に関して、本剤0.5mg群はプラセボ群を上回り有意な差が認められた。臨床検査値異常を含む副作用の発現割合はプラセボ群で2.2%(2/90例)、本剤0.5mg群で19.6%(18/92例)であり、本剤0.5mg群で2%以上認められた副作用は、下痢(13.0%、12/92例)、血中カリウム増加(2.2%、2/92例)であった。
    評価期第1週における自然排便頻度(週平均値)の観察期からの変化量
    投与群
    症例数
    観察期の自然排便頻度
    評価期第1週の自然排便頻度
    観察期からの変化量
    プラセボとの調整済み平均値の差
    [95%信頼区間]
    P値
    プラセボ
    88
    1.74±0.64
    3.22±1.78
    1.48±1.84
    2.53[1.64,3.42]
    <0.001
    本剤0.5mg
    91
    1.67±0.75
    5.69±3.92
    4.02±3.82
    (平均値±標準偏差)
    ※:共分散分析(投与群、ベースライン値をモデルに含む)(有意水準:0.05)
  2. 国内長期投与試験
    上記の第Ⅲ相プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を完了した被験者のうち、移行基準を満たした症例を対象として、本剤0.5mgを1日1回朝食前に、プラセボ対照二重盲検並行群間比較試験を含めて56週間経口投与した。本剤が56週間投与された65例における自然排便頻度の週平均値の変化量は、本剤投与開始後、早期に増加し、その後、概ね一定に推移した。臨床検査値異常を含む副作用の発現割合は本剤0.5mg群で30.4%(28/92例)であり、2%以上の副作用は、下痢(17.4%、16/92例)、軟便(4.3%、4/92例)、血中カリウム増加(2.2%、2/92例)であった。

薬効薬理

作用機序
本剤の腸管分泌及び腸管輸送能促進作用並びに大腸痛覚過敏改善作用が、排便異常及び腹痛・腹部不快感の改善に寄与すると考えられる。
薬理作用
  1. グアニル酸シクラーゼC(GC-C)受容体親和性
    本剤は、受容体結合実験において、ヒトGC-C受容体に高い親和性を示した(in vitro試験)。
  2. GC-C受容体刺激作用
    本剤は、ヒト結腸上皮細胞において、細胞内サイクリックGMP濃度を増加させた(in vitro試験)。
  3. 腸管分泌及び腸管輸送能に対する作用
    本剤は、ラット及びマウスにおいて、腸管分泌を促進するとともに、小腸輸送能を促進させた,,,
  4. 大腸痛覚過敏に対する作用
    本剤は、ラット及びマウスにおいて、ストレスや大腸炎によって引き起こされる大腸痛覚過敏を抑制した,,

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
リナクロチド(Linaclotide)
分子式
C59H79N15O21S6
分子量
1526.74
性状
リナクロチドは白色の粉末である。ジメチルスルホキシドに溶けやすく、水及びエタノール(99.5)に溶けにくい。
化学構造式
本質
リナクロチドは、グアニル酸シクラーゼC受容体アゴニストであり、14個のアミノ酸残基からなる合成ペプチドである。化学名は以下のとおりである。
L-Cysteinyl-L-cysteinyl-L-α-glutamyl-L-tyrosyl-L-cysteinyl-L-cysteinyl-L-asparaginyl-L-prolyl-L-alanyl-L-cysteinyl-L-threonylglycyl-L-cysteinyl-L-tyrosine cyclic(1➝6),(2➝10),(5➝13)-tris(disulfide)

取扱い上の注意

本品はアルミ包装で品質保持をはかっているので、服用直前に錠剤を取り出すこととし、無包装状態、あるいは別容器に移しての保存はしないこと。

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

包装

100錠(10錠×10)

主要文献

1
社内報告書:マウス・生殖発生毒性試験(2016年12月19日承認 CTD 2.6.6.6、CTD 2.6.7.12~CTD 2.6.7.14)(DIR160112)
2
Cohen, M. B. et al.:Gastroenterology 1988;94(2):367-373[R-07344]
3
社内報告書:マウス・幼若毒性試験(2016年12月19日承認 CTD 2.6.6.6.6、CTD 2.6.7.15)(DIR160113)
4
社内報告書:健康成人・第Ⅰ相単回投与試験(2016年12月19日承認 CTD 2.7.6.2)(DIR160072)
5
社内報告書:健康成人・第Ⅰ相反復投与試験(2016年12月19日承認 CTD 2.7.6.3)(DIR160073)
6
社内報告書:便秘型過敏性腸症候群患者・第Ⅱ相試験(2016年12月19日承認 CTD 2.7.6.6)(DIR160078)
7
社内報告書:ヒト腸液中安定性・薬物動態(2016年12月19日承認 CTD 2.7.2.2.1.2)(DIR160104)
8
社内報告書:ヒト小腸ミクロソーム中安定性・薬物動態(2016年12月19日承認 CTD 2.7.2.2.1.3)(DIR160092)
9
社内報告書:ヒト肝臓CYP阻害・薬物動態(2016年12月19日承認 CTD 2.6.4.5.2.3)(DIR160093)
10
社内報告書:ヒト小腸CYP阻害・薬物動態(2016年12月19日承認 CTD 2.6.4.5.2.2)(DIR160094)
11
社内報告書:ヒト肝臓CYP誘導・薬物動態(2016年12月19日承認 CTD 2.6.4.5.2.1)(DIR160095)
12
社内報告書:ヒトP-gp基質・阻害・薬物動態(2016年12月19日承認 CTD 2.7.2.2.1.4)(DIR160096)
13
社内報告書:ヒトトランスポーター阻害・薬物動態(2016年12月19日承認 CTD 2.7.2.2.1.5)(DIR160097)
14
社内報告書:便秘型過敏性腸症候群患者・第Ⅲ相試験(2016年12月19日承認 CTD 2.7.6.7)(DIR160071)
15
社内報告書:慢性便秘症患者・第Ⅲ相試験(2018年8月21日承認 CTD 2.7.6.2)(DIR170080)
16
社内報告書:ヒトGC-C受容体親和性・薬理作用(2016年12月19日承認 CTD 2.6.2.2.1.1~CTD 2.6.2.2.1.2)(DIR160081)
17
社内報告書:ヒトGC-C受容体刺激・薬理作用(2016年12月19日承認 CTD 2.6.2.2.3.1)(DIR160083)
18
社内報告書:マウス腸管分泌・薬理作用(2016年12月19日承認 CTD 2.6.2.2.4.1)(DIR160084)
19
社内報告書:ラット腸管分泌・薬理作用(2016年12月19日承認 CTD 2.6.2.2.4.2)(DIR160085)
20
社内報告書:マウス腸管輸送能・薬理作用(2016年12月19日承認 CTD 2.6.2.2.5.1)(DIR160086)
21
社内報告書:ラット腸管輸送能・薬理作用(2016年12月19日承認 CTD 2.6.2.2.5.2)(DIR160087)
22
社内報告書:ラットストレス誘発大腸痛覚過敏・薬理作用(2016年12月19日承認 CTD 2.6.2.2.6.2)(DIR160089)
23
社内報告書:ラット大腸炎誘発大腸痛覚過敏・薬理作用(2016年12月19日承認 CTD 2.6.2.2.6.4)(DIR160090)
24
社内報告書:マウス大腸炎誘発大腸痛覚過敏・薬理作用(2016年12月19日承認 CTD 2.6.2.2.6.5)(DIR160091)

文献請求先及び問い合わせ先

アステラス製薬株式会社 メディカルインフォメーションセンター
〒103‐8411 東京都中央区日本橋本町2丁目5番1号
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製造販売
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