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閲覧履歴

パルミコート200μgタービュヘイラー56吸入

ドライパウダー吸入式ステロイド薬

1瓶 1074.6円

添付文書番号

2290701G1039_1_15

企業コード

670227

作成又は改訂年月

2024年1月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

87229

薬効分類名

ドライパウダー吸入式ステロイド薬

承認等

販売名

パルミコート100µgタービュヘイラー112吸入

販売名コード

2290701G1039

販売名英字表記

Pulmicort 100µg Turbuhaler 112 doses

販売名ひらがな

ぱるみこーとたーびゅへいらー

承認番号等

承認番号
21900AMX00008

販売開始年月

2002年1月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
24箇月

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

パルミコート200µgタービュヘイラー56吸入

販売名コード

2290701G2035

販売名英字表記

Pulmicort 200µg Turbuhaler 56 doses

販売名ひらがな

ぱるみこーとたーびゅへいらー

承認番号等

承認番号
21900AMX00010

販売開始年月

2002年1月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
24箇月

規制区分

処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

パルミコート200µgタービュヘイラー112吸入

販売名コード

2290701G3031

販売名英字表記

Pulmicort 200µg Turbuhaler 112 doses

販売名ひらがな

ぱるみこーとたーびゅへいらー

承認番号等

承認番号
21900AMX00009

販売開始年月

2002年1月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
24箇月

規制区分

処方箋医薬品 注3)
注3)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

ブデソニド吸入剤

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の患者[症状を増悪するおそれがある。]
  2. 本剤の成分に対して過敏症(接触性皮膚炎を含む)の既往歴のある患者

組成・性状

組成

パルミコート100µgタービュヘイラー112吸入
有効成分
1容器中
ブデソニド  11.2mg
1回吸入量
(容器内で量り取られる量)
ブデソニド
100µg
パルミコート200µgタービュヘイラー56吸入
有効成分
1容器中
ブデソニド  11.2mg
1回吸入量
(容器内で量り取られる量)
ブデソニド
200µg
パルミコート200µgタービュヘイラー112吸入
有効成分
1容器中
ブデソニド  22.4mg
1回吸入量
(容器内で量り取られる量)
ブデソニド
200µg

製剤の性状

パルミコート100µgタービュヘイラー112吸入
剤形ドライパウダー式吸入剤
色調本体白色、回転グリップ茶色の合成樹脂製の吸入器(タービュヘイラー)に充てんされた吸入剤
内容物は白色~微黄白色の粒
パルミコート200µgタービュヘイラー56吸入
剤形ドライパウダー式吸入剤
色調本体白色、回転グリップこげ茶色の合成樹脂製の吸入器(タービュヘイラー)に充てんされた吸入剤
内容物は白色~微黄白色の粒
パルミコート200µgタービュヘイラー112吸入
剤形ドライパウダー式吸入剤
色調本体白色、回転グリップこげ茶色の合成樹脂製の吸入器(タービュヘイラー)に充てんされた吸入剤
内容物は白色~微黄白色の粒

効能又は効果

気管支喘息

効能又は効果に関連する注意

  1. 本剤の投与開始前には、患者の喘息症状を比較的安定な状態にしておくこと。特に、喘息発作重積状態又は喘息の急激な悪化状態のときには原則として本剤は使用しないこと。

用法及び用量

成人
通常、成人には、ブデソニドとして1回100~400µgを1日2回吸入投与する。
なお、症状に応じて増減するが、1日の最高量は1600µgまでとする。
小児
通常、小児には、ブデソニドとして1回100~200µgを1日2回吸入投与する。
なお、症状に応じて増減するが、1日の最高量は800µgまでとする。
また、良好に症状がコントロールされている場合は100µg1日1回まで減量できる。

用法及び用量に関連する注意

  1. 症状の緩解がみられた場合は、治療上必要最小限の用量を投与すること。

重要な基本的注意

  1. 本剤は気管支拡張剤並びに全身性ステロイド剤のように既に起きている発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、毎日規則正しく使用すること。なお、本剤による著明な改善効果は通常1~2週間以上の継続投与で得られる。
  2. 本剤の投与期間中に発現する急性の発作に対しては、短時間作用性気管支拡張剤等の他の適切な薬剤を使用するよう患者に注意を与えること。また、その薬剤の使用量が増加したり、効果が十分でなくなってきた場合には、喘息の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し治療を求めるように患者に注意を与えると共に、そのような状態がみられた場合には、生命を脅かす可能性があるので、本剤の増量あるいは気管支拡張剤・全身性ステロイド剤を短期間併用し、症状の軽減に合わせて併用薬剤を徐々に減量すること。
  3. 喘息患者において、感染を伴う喘息症状の増悪がみられた場合には、ステロイド療法の強化と感染症の治療を考慮すること。
  4. 本剤の投与を突然中止すると喘息の急激な悪化を起こすことがあるので、投与を中止する場合には患者の喘息症状を観察しながら徐々に減量すること。
  5. 全身性ステロイド剤と比較して可能性は低いが、本剤の高用量を長期間投与する場合には、副腎皮質機能低下等の全身作用が発現する可能性があるので、定期的に検査を行うことが望ましい。また、異常が認められた場合には、患者の喘息症状を観察しながら徐々に減量するなど適切な処置を行うこと。
  6. 全身性ステロイド剤の減量は本剤吸入開始後症状の安定をみて徐々に行うこと。減量にあたっては一般のステロイド剤の減量法に準ずる。
  7. 本剤を含む吸入ステロイド剤投与後に、潜在していた基礎疾患である好酸球性多発血管炎性肉芽腫症にみられる好酸球増多症がまれにあらわれることがある。この症状は通常、全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って発現しており、本剤との直接的な因果関係は確立されていない。本剤の投与期間中は、好酸球数の推移や、他の好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の症状(しびれ、発熱、関節痛、肺の浸潤等の血管炎症状等)に注意すること。
  8. 全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って、鼻炎、湿疹、蕁麻疹、眩暈、動悸、倦怠感、顔のほてり、結膜炎等の症状が発現・増悪することがあるので、このような症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 結核性疾患の患者
    症状を増悪するおそれがある。
  2. 感染症(有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症を除く)の患者
    症状を増悪するおそれがある。
  3. 気管支粘液の分泌が著しい患者
    本剤の肺内での作用を確実にするため本剤の吸入に先立って、分泌がある程度減少するまで他剤を使用することが望ましい。
  4. 長期又は大量の全身性ステロイド療法を受けている患者
    全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行い、外傷、手術、重症感染症等の侵襲には十分に注意を払うこと。また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行うこと。これらの患者では副腎皮質機能不全となっていることが考えられる。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験で催奇形作用が報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。海外で実施された授乳中の喘息患者の本剤の乳汁移行を検討した臨床薬理試験において、ブデソニドは乳汁中に移行することが認められた 。

小児等

  1. 国内において、低出生体重児、新生児、乳児又は4歳以下の幼児に対する臨床試験は実施していない。
  2. 全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いが、吸入ステロイド剤の投与により小児の成長遅延をきたすおそれがある。本剤を長期にわたり投与する場合には、身長等の経過の観察を十分に行うこと。

高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝される。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3A4阻害剤
イトラコナゾール等
副腎皮質ステロイド剤を全身投与した場合と同様の症状があらわれる可能性がある。
CYP3A4による本剤の代謝が阻害されることにより、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1~5%未満
1%未満
頻度不明
過敏症
発疹、蕁麻疹、接触性皮膚炎、血管浮腫等の過敏症状
口腔・呼吸器
嗄声、咽喉頭症状(刺激感、疼痛)
咳嗽、口腔カンジダ症、味覚異常、感染、気管支痙攣注)
消化器
悪心
精神神経系
神経過敏、情緒不安、抑うつ、行動障害、不眠
その他
皮膚挫傷
注)短時間作用性気管支拡張剤を投与するなどの適切な処置を行うこと。

過量投与

  1. 症状
    過量投与により副腎皮質系機能が低下することがある。
  2. 処置
    患者の症状を観察しながら徐々に減量するなど適切な処置を行うこと。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
  1. 吸入前
    1. 患者に本剤を交付する際には、包装中に添付している患者用説明文書「パルミコートタービュヘイラーを使用される患者さんへ」の内容を患者に説明のうえ、その文書を本剤とともに患者に渡すこと。
    2. 本剤の投与にあたって、吸入器の操作法・吸入法等を十分に説明すること。
    3. 初めて本剤を投与する患者には、本剤が十分に気道に到達するよう、吸入方法をよく説明したうえ、吸入の訓練をさせること。
    4. 本剤の投与に際しては、医師の指示による用法・用量を守るよう指示すること。また患者自らの判断で吸入量の増減、吸入の中止を行わないよう注意すること。
    5. 本剤は既に起こっている発作を抑える薬剤ではないことを説明すること。
  2. 吸入後
    口腔カンジダ症又は嗄声の予防のため、本剤吸入後に、うがいを実施するよう指示すること。
    ただし、うがいが困難な患者には、うがいではなく、口腔内をすすぐよう指示すること。
  3. 保管時
    1. 使用後は必ずキャップ(カバー)を閉めて保管すること。
    2. マウスピースの外側を週に1~2回乾燥した布で清拭すること(水洗いはしないこと)。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 外国における疫学調査で、吸入ステロイド剤投与によりまれに白内障が発現するとの報告がある。
  2. 海外で実施された二重盲検試験において、ブデソニド群(本剤1日400µg)ならびにプラセボ群にランダムに割り付けられた軽~中程度の喘息罹患児(5-13歳)の平均身長を評価したところ、投与開始2年後の時点ではブデソニド群の平均身長がプラセボ群に比べて低かった(プラセボ群と比較した平均身長差:-1.3cm)。また、その後の長期観察を行った疫学調査においても、成人期(女性18歳以上、男性20歳以上)の平均身長に同様の差が認められた(プラセボ群と比較した成人期の平均身長差:-1.2cm、95%信頼区間: -1.9, -0.5)。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回吸入投与時の血漿中濃度
    健康成人男子に本剤1000µgを単回吸入投与したとき、血漿中ブデソニド濃度は投与後約10分で最高濃度(4.8±1.0nmol/L)に達した後、2相性で消失し、終末相の半減期は約2時間、バイオアベイラビリティは40%であった。
    吸入投与時のブデソニドの血漿中動態パラメータ
    Cmax(nmol/L)
    Tmax(min)
    AUC(nmol・h/L)
    F(%)
    4.8±1.0
    12.6±4.5
    12.8±3.5
    40±11
    F:バイオアベイラビリティ
    (平均値±標準偏差、n=12)
  2. 反復吸入投与時の血漿中濃度
    外国人の喘息患者に本剤1日量800、1600及び3200µgを1日2回に分け3週間反復吸入投与したとき、初回投与時及び3週間投与後のブデソニドの最高血漿中濃度及び血漿中濃度-時間曲線下面積は、投与量に依存して増加した。また、初回投与時と3週間投与後の血漿中濃度に顕著な差を認めず、蓄積傾向はみられなかった。(本剤の承認された用法・用量は、通常成人にはブデソニドとして1回100~400µgを1日2回、症状に応じて適宜増減するが、最高用量は1日1600µgまでである。)

分布

  1. 肺への到達性
    外国人の健康成人にブデソニドをタービュヘイラーを用いて吸入投与したときの肺への到達率は約30%であった(加圧式定量噴霧吸入器の約2倍)。
  2. 血漿蛋白結合率
    in vitro試験において、ヒト血漿蛋白質との結合率は、1~100nmol/Lの濃度範囲で約90%であった。

代謝

外国人の健康成人男子に3H標識ブデソニド100µgを静脈内投与したときの血漿及び尿中の主要代謝物は、16α-ヒドロキシプレドニゾロン及び6β-ヒドロキシブデソニドであり、尿中に未変化体は検出されなかった。これらの主要代謝物の糖質コルチコイド活性は未変化体の1%以下であった。代謝にはチトクロームP450のCYP3A4が関与する。

排泄

外国人の健康成人男子に3H標識ブデソニド100µgを静脈内投与したとき、96時間までに投与量の57%が尿中に、34%が糞中に排泄された。

薬物相互作用

外国人の健康成人にブデソニド3mg(カプセル剤)とケトコナゾール200mgを併用経口投与したとき、ブデソニドの平均AUCはブデソニド単剤投与時に比べて6.8倍上昇した。また、ブデソニド1000µg(加圧式定量噴霧吸入器)を吸入時にイトラコナゾール200mgを経口投与したとき、ブデソニドの平均AUCはブデソニド単剤投与時に比べて4.2倍上昇した。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第II相試験[成人]
    軽症から中等症の日本人気管支喘息患者172例に本剤を1日量200µg、400µg、800µgもしくはプラセボを、1日2回、6週間投与したとき、朝のPEF値の投与前からの増加量はそれぞれ43.8L/分、53.4L/分、70.1L/分及び16.2L/分であり、用量依存的な肺機能の改善が認められた。
    副作用発現頻度は、200µg群で8.1%(5/62例)、400µg群で7.6%(5/66例)及び800µg群で7.8%(5/64例)であった。本剤投与群で認められた主な副作用は、咽頭痛(200µg群3.2%[2/62例]、400µg群3.0%[2/66例]、800µg群0%)及び嗄声(200µg群0%、400µg群3.0%[2/66例]、800µg群3.1%[2/64例])等であった。
  2. 国内第II相試験[成人]
    ステロイド依存性の中等症から重症の日本人気管支喘息患者91例に本剤を1日量800µg、1600µgもしくはプラセボを、1日2回、6ヵ月間投与したとき、経口ステロイド剤の減量率はそれぞれ35.4%、59.8%及び8.5%であった。
    副作用発現頻度は、800µg群で2.7%(1/37例)及び1600µg群で2.7%(1/37例)であった。本剤投与群で認められた副作用は、嗄声(800µg群2.7%[1/37例]、1600µg群0%)、右耳下腺炎(800µg群0%、1600µg群2.7%[1/37例])及び口腔内カンジダ症(800µg群0%、1600µg群2.7%[1/37例])であった。
  3. 国内第III相試験[成人]
    ベクロメタゾンプロピオン酸エステルとの比較試験において、日本人気管支喘息患者152例に本剤を1日量200µg又は800µg、1日2回、6週間投与したとき、いずれの投与量においても、朝のPEF値は投与期間を通じて、投与前に比べて有意な増加を示した。
    副作用発現頻度は、200µg群で5.9%(7/119例)及び800µg群で7.7%(9/117例)であった。主な副作用は、咽頭痛(200µg群0.8%[1/119例]、800µg群2.6%[3/117例])等であった。
  4. 長期投与試験[成人]
    日本人気管支喘息患者28例に本剤を1日量800µg、1日2回、6ヵ月間投与したとき、rapid ACTH試験において血漿コルチゾール値に変動はみられなかった。
    安全性評価対象60例中2例(3.3%)に副作用が認められた。内訳は、呼吸困難1.7%(1/60例)及び肺炎1.7%(1/60例)であった。
  5. 国内第III相試験[小児]
    1. フルチカゾンプロピオン酸エステルを参照薬とした第III相試験
      軽症から重症の日本人気管支喘息患者120例に本剤を1日量200µgもしくは400µgを、1日2回、6週間投与したとき、正常予測値に対する朝のPEF値は、投与前に比べて有意な増加を示した。
    2. 第III相試験からの継続投与試験(長期投与試験)
      軽症から重症の日本人気管支喘息患者121例に本剤を1日量100µg、200µg、400µgもしくは800µgを54週間投与(第III相試験の投与期間を含む)したとき、肺機能及び喘息症状に関連した評価項目において、投与前からの改善が投与後54週間まで維持された。
      投与後54週時(第III相試験の投与期間を含む)までに、安全性評価対象121例中4例(3.3%)に副作用が認められた。内訳は、発声障害2例(1.7%)、血中コルチゾール減少1例(0.8%)、鼻出血1例(0.8%)及び咽頭炎1例(0.8%)であった。

薬効薬理

作用機序
ブデソニドは、特有の動態学的特性を示す糖質コルチコイドである。吸入ブデソニドは、主に気道組織内で可逆的脂肪酸エステル化を受けるが、この特性はブデソニドの持続的な局所組織結合及び抗炎症作用に寄与すると考えられる。
喘息抑制作用
  1. ブデソニドは、喘息モデルへの吸入投与により、即時型及び遅発型喘息反応(ヒツジ)並びにアセチルコリン(イヌ)及びセロトニン(ラット)吸入刺激による気道過敏反応をそれぞれ抑制した。
  2. 外国人の成人気管支喘息患者を対象とした臨床薬理試験において、ブデソニド(1日用量1000µg、加圧式定量噴霧式吸入器)は、吸入投与により、即時型及び遅発型喘息反応を抑制した。また、1日用量1600µgをタービュヘイラーによって吸入投与したとき、メタコリン、メタ重亜硫酸ナトリウム及び5'-AMPによる気道収縮反応を抑制した。更に、ブデソニド(1日用量1200µg、加圧式定量噴霧式吸入器)の吸入投与により、気道上皮病変の改善並びに治療開始後1年以内に気道過敏反応性の改善が認められた。
抗炎症作用
  1. ブデソニドは、in vitro試験系において、喘息の肺気道炎症反応で重要な役割を果たす各種炎症性メディエーターの産生及び遊離を抑制した。また、ブデソニドは、各種動物モデルにおいて、吸入、気管内又は局所投与により、気道内好酸球数増加,、血管透過性亢進、炎症性肺浮腫形成及び気道粘液繊毛輸送能低下に対して抑制作用を示した。
  2. ブデソニドは、外国人健康成人の皮膚血管収縮試験(皮膚蒼白度を指標)において、ベクロメタゾンプロピオン酸エステルの約2倍の局所抗炎症作用を示した。また、外国人の成人気管支喘息患者への吸入投与により、気道上皮における好酸球及びリンパ球等の炎症細胞を減少させた。
  3. ラットにおいて、吸入ブデソニドは気道組織の細胞内で不活性な脂肪酸エステルを生成し、不活性なエステル体は気道内局所に長時間保持され,、細胞内リパーゼの作用によって活性なブデソニドが徐々に遊離され、持続的な局所抗炎症作用を示した,,
全身への影響
  1. ブデソニドは、モルモット、マウスなどの動物モデルにおいて、ベクロメタゾンプロピオン酸エステルに比して、局所投与時の抗炎症作用が強く、下垂体-副腎機能抑制を含む全身作用は弱かった,
  2. 外国人の健康成人を対象とした臨床薬理試験において、ブデソニド(1日用量800及び2500µg、加圧式定量噴霧吸入器)の吸入投与による健康成人の骨代謝及び下垂体-副腎機能に及ぼす影響はベクロメタゾンプロピオン酸エステルより弱かった。更に、 外国人成人気管支喘息患者にタービュヘイラーを用いて1日用量1600µgを6週間吸入投与しても下垂体-副腎機能に影響を与えなかった。(本剤の承認された用法・用量は、通常成人にはブデソニドとして1回100~400µgを1日2回、症状に応じて適宜増減するが、最高用量は1日1600µgまでである。)

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ブデソニド(Budesonide)(JAN)(日局)
化学名
16α,17-[(1RS)-Butylidenebis(oxy)]-11β,21-dihydroxypregna-1,4-diene-3,20-dione
分子式
C25H34O6
分子量
430.53
性状
ブデソニドは白色~微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
ブデソニドはメタノールにやや溶けやすく、アセトニトリル又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
約240℃(分解)

包装

〈パルミコート100µgタービュヘイラー112吸入 〉
11.2mg[1本、乾燥剤入り]
〈パルミコート200µgタービュヘイラー56吸入〉
11.2mg[1本、乾燥剤入り]
11.2mg[10本、乾燥剤入り]
〈パルミコート200µgタービュヘイラー112吸入〉
22.4mg[1本、乾燥剤入り]
22.4mg[10本、乾燥剤入り]

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文献請求先及び問い合わせ先

アストラゼネカ株式会社 メディカルインフォメーションセンター
〒530-0011 大阪市北区大深町3番1号
TEL 0120-189-115
https://www.astrazeneca.co.jp

製造販売業者等

製造販売元
アストラゼネカ株式会社
大阪市北区大深町3番1号

(参考情報)

本剤のブデソニド用量は、容器(タービュヘイラー)内で量り取られる薬剤量として表記しており、シムビコートタービュヘイラーのブデソニド用量は容器(タービュヘイラー)から放出される薬剤量として表記している。
両薬剤の用量対応は、以下のとおりである。
パルミコートタービュヘイラーとシムビコートタービュヘイラーの
ブデソニドに関する用量対応表

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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