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閲覧履歴

エムラクリーム

外用局所麻酔剤

1g 185.3円

添付文書番号

1219800N1023_1_10

企業コード

300089

作成又は改訂年月

2022年11月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

871219

薬効分類名

外用局所麻酔剤

承認等

販売名

エムラクリーム

販売名コード

1219800N1023

販売名英字表記

EMLA CREAM

承認番号等

承認番号
22400AMX00023000

販売開始年月

2012年5月

貯法、有効期間

貯法
凍結を避け、室温で保存する
有効期間
2年

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

リドカイン・プロピトカイン配合クリーム

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. メトヘモグロビン血症のある患者
    [プロピトカインの代謝物であるo-トルイジンがメトヘモグロビンを産生し、症状が悪化するおそれがある]
  2. 本剤の成分又はアミド型局所麻酔剤に対して過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

エムラクリーム
有効成分
1g中
日局 リドカイン  25mg
有効成分
1g中
プロピトカイン  25mg
添加剤
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、カルボキシビニルポリマー、pH調節剤

製剤の性状

エムラクリーム
性状
白色の均一なクリーム剤である。

効能又は効果

  • 皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和
  • 注射針・静脈留置針穿刺時の疼痛緩和

用法及び用量

〈成人〉
通常、成人には、レーザー照射予定部位又は注射針・静脈留置針穿刺予定部位に10cm2あたり本剤1gを、密封法(ODT)により60分間塗布する。なお、1回あたりの塗布量は10gまでとし、塗布時間は120分を超えないこと。
〈小児〉
通常、小児等には、レーザー照射予定部位又は注射針・静脈留置針穿刺予定部位に10cm2あたり本剤1gを、密封法(ODT)により60分間塗布する。なお、1回あたりの塗布量及び塗布時間は下表を超えないこと。
年齢(月齢)
体重
最大
塗布量
最大
塗布時間
0~2ヶ月
1g
60分
3~11ヶ月
5kg以下
1g
60分
5kg超
2g
60分
1~14歳
5kg以下
1g
60分
5kg超10kg以下
2g
120分
10kg超
10g
120分

用法及び用量に関連する注意

〈効能共通〉
  1. 本剤を60分間(最大120分間。ただし、0~11ヶ月、又は1~14歳で体重5kg以下の場合は最大60分間)ODTにより塗布後、本剤を除去し、直ちにレーザー照射又は注射針・静脈留置針穿刺を行う。
  2. 小児等における本剤の塗布量は、体重、患部の大きさを考慮し、必要最小限にとどめること。また、塗布時間を遵守すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G-6-PD)欠乏患者
    メトヘモグロビン血症が発現しやすい。
  2. 心刺激伝導障害のある患者
    症状を悪化させることがある。

腎機能障害患者

  1. 重篤な腎障害のある患者
    中毒症状が発現しやすくなる。

肝機能障害患者

  1. 重篤な肝障害のある患者
    中毒症状が発現しやすくなる。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。リドカインはヒト母乳中へ移行することが報告されている。

小児等

  1. 低出生体重児を対象とした臨床試験は実施していない。
  2. 海外において、特に低出生体重児、新生児又は乳児(1歳未満)では重篤なメトヘモグロビン血症が多く報告されている。

相互作用

リドカインは、主として肝代謝酵素CYP1A2及びCYP3A4で代謝される。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
クラスⅢ抗不整脈剤
アミオダロン等
心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと。
作用が増強することが考えられる。
サルファ剤
スルファメトキサゾール
エステル型局所麻酔薬
プロカイン、アミノ安息香酸エチル
硝酸薬
ニトログリセリン、亜硝酸アミル
メトヘモグロビン血症を起こすことがある。
チアノーゼ等の症状が認められた場合には、本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。
いずれも単独投与によりメトヘモグロビン血症が報告されている。
アミド型局所麻酔剤
メピバカイン、ブピバカイン
クラスⅠ抗不整脈薬
リドカイン、キニジン
中毒症状が相加的に起こるおそれがある。
併用により中毒症状が相加的に起こることが考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、全身潮紅、呼吸困難、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)、血圧低下、顔面蒼白、脈拍の異常、意識障害等の症状が認められた場合には本剤の投与を直ちに中止し、適切な処置を行うこと。
  2. 意識障害、振戦、痙攣(いずれも頻度不明)
    意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがある。
  3. メトヘモグロビン血症(頻度不明)
    チアノーゼ等の症状が認められた場合には本剤の投与を直ちに中止し、メチレンブルーを投与する等、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

10%以上注)
0.1~10%未満注)
頻度不明
精神神経系
錯感覚
浮動性めまい、感覚鈍麻、頭痛
消化器系
悪心、嘔吐
皮膚
紅斑、蒼白
潮紅、硬結、そう痒症
小水疱、発疹、蕁麻疹、接触皮膚炎、湿疹、皮膚灼熱感、皮膚炎、皮膚色素過剰、皮膚びらん、色素沈着
その他
ALT(GPT)増加
血腫、疼痛、変色、浮腫、倦怠感
注)副作用の頻度は、クリーム、パッチでの国内臨床試験の結果を合わせて算出した。

過量投与

局所麻酔剤の血中濃度の上昇に伴い、神経系興奮症状が発現し、重症例では中枢神経抑制及び循環抑制を呈する。また、高用量のプロピトカインは、メトヘモグロビン血症を引き起こすことがあり、本剤の大量投与によりメトヘモグロビン血症が報告されている。
  1. 症状
    〈中枢神経系・心血管系〉
    1. 中枢神経系
      初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲の知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等があらわれる。症状が進行すると意識消失、全身痙攣があらわれ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがある。より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある。
    2. 心血管系
      血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系の抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。
    〈メトヘモグロビン血症〉
    1. メトヘモグロビン血症では酸素運搬能力が減少し、めまい、悪心、頭痛、呼吸困難、錯乱、痙攣及び昏睡を起こす。
  2. 処置
    〈中枢神経系・心血管系〉
    1. 振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。
    〈メトヘモグロビン血症〉
    1. メトヘモグロビン血症の症状は通常、薬剤の中止により消失するが、重症の場合はメチレンブルーの投与等、適切な処置を行うこと。

適用上の注意

薬剤使用時の注意
  1. 損傷皮膚には使用しないこと。
  2. 性器皮膚及び粘膜に使用しないこと。国内における使用経験がない。
  3. 眼に入らないように注意すること。ウサギ眼粘膜刺激試験において、結膜充血、眼瞼腫脹、角膜損傷等の重度かつ持続性のある刺激反応が認められている。
  4. 中耳に入らないように注意すること。ラット及びモルモットの中耳及び内耳に投与した場合、形態的及び機能的変化を示すことが報告されている。
  5. 注射針・静脈留置針穿刺時の疼痛緩和に使用する場合、本剤を皮膚から除去した後、穿刺部位を消毒すること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. ポルフィリン症の患者に投与した場合、急性腹症、四肢麻痺、意識障害等の急性症状を誘発するおそれがある。
  2. 国内ではシミ、シワ、ニキビ跡、脱毛等(半導体レーザーや炭酸ガスレーザー等を用いた皮膚レーザー照射療法)に対する本剤の有効性及び安全性は検討されていない。
非臨床試験に基づく情報
動物実験(マウス・ラット)において、プロピトカインの代謝産物であるo-トルイジンの長期大量投与により肝、尿路上皮等に腫瘍が発生したとの報告があり、IARC(国際がん研究機関)においてグループ1(ヒトに対して発がん性がある物質)と評価されている。

薬物動態

血中濃度

健康成人男子に本剤を顔面(頬部)に2.5g/25cm2(顔面低用量群)、5g/50cm2(顔面中用量群)、10g/100cm2(顔面高用量群)及び手背及び前腕部に各2.5g/25cm2(合計5g/50cm2)を2時間密封塗布し、リドカイン及びプロピトカインの薬物動態の検討を行った。顔面低用量群、顔面中用量群及び顔面高用量群の平均血漿中リドカイン及びプロピトカイン濃度は、3群ともおよそ塗布2時間後にピーク値が認められ、薬剤除去後、急速に低下した。
本剤を塗布したときのリドカイン及びプロピトカインの薬物動態パラメータ
測定対象
投与群
Cmax
(ng/mL)
AUC0-24h
(ng・h/mL)
tmax
(h)
t½
(h)
リドカイン
顔面低用量
(2.5g/25cm2
42.3±27.5
149.8±68.6
1.59±0.50
3.20±0.93
顔面中用量
(5g/50cm2
62.3±15.9
266.3±78.4
1.84±0.41
3.62±0.76
顔面高用量
(10g/100cm2
98.9±21.8
440.1±68.2
2.10±0.20
4.10±0.42
手背・前腕部
(5g/50cm2
8.2±1.6
75.0±7.8
4.83±1.83
5.90±1.42
プロピトカイン
顔面低用量
(2.5g/25cm2
26.7±16.0
82.8±34.9
1.84±0.52
1.99±0.39
顔面中用量
(5g/50cm2
35.1±8.9
123.2±28.6
1.59±0.49
2.40±0.49
顔面高用量
(10g/100cm2
60.1±8.4
233.5±17.9
1.93±0.38
2.41±0.41
手背・前腕部
(5g/50cm2
5.4±1.8
37.1±3.0
3.83±0.41
4.08±1.81
平均値±標準偏差、n=6
血漿中リドカイン濃度の経時的推移(平均値±標準偏差、n=6)
血漿中プロピトカイン濃度の経時的推移(平均値±標準偏差、n=6)
小児顔面血管腫患者7例(3~12歳)に本剤0.1~10g(10cm2あたり1g)を60分間密封塗布し、本剤除去直後の血漿中薬物濃度を測定した。平均血漿中リドカイン及びプロピトカイン濃度は、24.2±27.8ng/mL及び13.1±13.9ng/mLであり、その最大値は、年齢12歳、塗布量10g(10cm2あたり1g)の症例での血漿中リドカイン濃度79.5ng/mL、血漿中プロピトカイン濃度40.3ng/mLであった。

分布

  1. リドカイン
    ヒト血漿における蛋白結合率は、1~5μg/mLにおいて40.7~58.1%であり、α1-酸性糖蛋白及びアルブミンと結合する。血液/血漿中濃度比は0.8である。妊婦にリドカイン塩酸塩を断続的に硬膜外投与したところ、リドカイン225~1200mgの用量において、出産時の母体血中リドカイン濃度は0.0~6.7μg/mL、新生児の血中リドカイン濃度は0.0~3.6μg/mLで、胎盤を通過する。
  2. プロピトカイン
    ヒト血漿における蛋白結合率は、0.5~16μg/mLにおいて約30%であり、ほぼ一定であった。α1-酸性糖蛋白及びアルブミンと結合する。血液/血漿中濃度比は1.1である。妊婦にプロピトカイン塩酸塩を断続的に硬膜外投与したところ、320~1260mgの用量において、出産時の母体血中プロピトカイン濃度は0.0~5.0μg/mL、新生児の血中プロピトカイン濃度は0.0~3.4μg/mLで、胎盤を通過する。

代謝

  1. リドカイン
    リドカインは主として肝臓でN-脱メチル体monoethyl glycinexylidide(MEGX)に代謝された後、glycinexylidide(GX),2,6-xylidineに代謝され、投与量の約70%が4-hydroxy-2,6-xylidineとして尿中に排泄される。
  2. プロピトカイン
    プロピトカインは肝臓でN-propylalanineとo-toluidineに加水分解された後、o-toluidineは6-hydroxy-o-toluidine及び4-hydroxy-o-toluidineに代謝される。

排泄

  1. リドカイン
    14C-リドカインを有色雄性ラットに5mg/kgの用量で単回静脈内投与したところ、投与後24時間までに投与放射能の68~72%が尿中に、13~18%が糞中に排泄された。
  2. プロピトカイン
    14C-プロピトカイン塩酸塩をラットに単回腹腔内投与したところ、投与後6時間までに約25%が尿中に排泄され、その大部分が代謝物であった。糞中には投与後24時間までにほとんど排泄されなかった。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和〉
  1. 国内第Ⅲ相試験(成人)
    皮膚レーザー照射療法を受ける太田母斑、扁平母斑、単純性血管腫及び毛細血管拡張症患者58例を対象として、本剤又はプラセボをレーザー照射予定部位10cm2あたり1g(最大10g/100cm2)60分間密封塗布した無作為化二重盲検並行群間比較試験において、痛みの程度を示すVAS(Visual Analogue Scale)値注1)は、プラセボと比較して有意に低かった。
    症例数
    VAS値注1)
    P
    エムラクリーム
    28
    18.1±20.09
    P<0.001
    プラセボ
    30
    49.6±26.09
    副作用の発現はなかった。
  2. 国内第Ⅲ相試験(小児)
    皮膚レーザー照射療法を受ける単純性血管腫、苺状血管腫、毛細血管拡張症、太田母斑、扁平母斑、異所性蒙古斑小児患者30例(0~14歳、うち0歳児6例は安全性のみ評価)を対象として、本剤をレーザー照射予定部位10cm2あたり1g(小児における用法及び用量どおり)60分間密封塗布した一般臨床試験において、痛みの程度を示す4段階VRS(Verbal Rating Scale)有効率注2)は70.8%であった。
    副作用の発現はなかった。
〈注射針・静脈留置針穿刺時の疼痛緩和〉
  1. 国内第Ⅲ相試験(成人)
    静脈穿刺予定の患者86例を対象として、静脈穿刺予定部位20cm2に本剤又はプラセボ2gを60分間密封塗布したプラセボ対照二重盲検比較試験において、VAS値注1)、4段階VRS有効率注2)ともプラセボと比較して有意に高い局所麻酔効果を示した。
    VAS値
    症例数
    VAS値注1)
    P
    エムラクリーム
    42
    18.8±17.86
    P<0.001
    プラセボ
    44
    39.6±22.94
    4段階VRS有効率
    症例数
    4段階VRS
    有効率注2)
    P
    エムラクリーム
    42
    95.2%
    P<0.001
    プラセボ
    44
    61.4%
    また、硬膜外ブロック前及び動脈穿刺前の局所浸潤麻酔注射予定、トリガーポイント注射予定の成人患者それぞれ23例、21例、23例を対象として、穿刺予定部位20cm2に本剤2gを60分間密封塗布した各一般臨床試験において、4段階VRS有効率注2)は95.2~100.0%であった。
    穿刺の種類
    症例数
    4段階VRS有効率注2)
    局所浸潤麻酔注射(硬膜外ブロック前)
    23
    95.7%
    局所浸潤麻酔注射(動脈穿刺前)
    21
    95.2%
    トリガーポイント注射
    23
    100.0%
    注1)VAS値:疼痛の程度を0~100mm(0:痛くない、100:これ以上ない痛み)のスケールで評価。
    平均値±標準偏差
    注2)4段階VRS有効率:疼痛の程度を1:痛くない、2:すこし痛い、3:痛い、4:すごく痛いの4段階で評価。うち1及び2を有効症例とする。
    本剤群の副作用発現頻度は、17.4%(19/109例)であった。その内訳は、適用部位蒼白11.9%(13/109例)、適用部位紅斑5.5%(6/109例)、適用部位硬結0.9%(1/109例)、そう痒症0.9%(1/109例)であった。

製造販売後調査等

  1. 特定使用成績調査(小児)
    有効性解析対象症例316例のうち、4段階VRS有効率注3)は87.3%(276/316例)であり、使用目的別の有効率は、「皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和」の症例で90.7%(175/193例)、「注射針・静脈留置針穿刺時の疼痛緩和」の症例で82.1%(101/123例)であった。
    安全性解析対象症例376例における副作用発現頻度は0.5%(2/376例)で、その内訳は、接触皮膚炎0.27%(1/376例)、適用部位疼痛0.27%(1/376例)であった。
    注3)4段階VRS有効率:処置中の疼痛の程度を4段階(痛くない又は処置等の感覚はあるが痛くはない、少し痛い、痛い、すごく痛い)で評価。うち痛くない又は処置等の感覚はあるが痛くはない、少し痛いを有効症例とする。

薬効薬理

作用機序
リドカイン及びプロピトカインは、細胞膜上のナトリウムチャネルを可逆的に阻害し、神経細胞の脱分極時に起こる一過性のナトリウムイオン膜透過性亢進を抑制させ、神経インパルスの発生及び伝導を抑制することにより麻酔作用を発現する。
局所麻酔効果
0.55~10%リドカイン/プロピトカイン配合剤、10%リドカイン単剤、10%プロピトカイン単剤を用いたモルモット背部皮膚ピンプリック法による局所麻酔作用の評価では、1.5%、2.5%、5%及び10%リドカイン/プロピトカイン配合剤は、10%リドカイン単剤及び10%プロピトカイン単剤より有意に高い局所麻酔効果を示した。
なお、ここでいう1.5%、2.5%、5%及び10%リドカイン/プロピトカイン配合剤とは、リドカイン/プロピトカインをそれぞれ、0.74%/0.76%、1.24%/1.26%、2.5%/2.5%及び5%/5%を含む配合剤を示し、配合剤の濃度はリドカインとプロピトカインの総量である。

有効成分に関する理化学的知見

19.1 リドカイン
一般的名称
リドカイン(Lidocaine)(JAN)
化学名
2-Diethylamino-N-(2,6-dimethylphenyl)acetamide
分子式
C14H22N2O
分子量
234.34
性状
リドカインは白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又はエタノール(95)に極めて溶けやすく、酢酸(100)又はジエチルエーテルに溶けやすく、水にほとんど溶けない。希塩酸に溶ける。
化学構造式
融点
66~69℃
19.2 プロピトカイン
一般的名称
プロピトカイン(Propitocaine)(JAN)
化学名
(2RS)-N-(2-Methylphenyl)-2-(propylamino)propanamide
分子式
C13H20N2O
分子量
220.31
性状
プロピトカインは白色の結晶性の粉末である。エタノール(95)又はアセトンに極めて溶けやすく、水に溶けにくい。
化学構造式
融点
36~39℃

包装

5g×5、10g×10(アルミチューブ)

主要文献

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IARC:IARC MONOGRAPHS. 2010;99:395-457
2
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3
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Tucker GT, et al.:Anesthesiology. 1970;33:304-314
5
Arthur GR, et al.:Baillieres Clin Anaesthesiol. 1991;5:635-658
6
Burm AG:Clin Pharmacokinet. 1989;16:283-311
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Epstein BS, et al.:Anesth Analg. 1968;47:223-227
8
Bachmann B, et al.:Acta Anaesthesiol Scand. 1990;34:311-314
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西村清司ほか:麻酔. 1975;24:245-252
10
Keenaghan JB, et al.:J Pharmacol Exp Ther. 1972;180:454-463
11
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13
Akerman B, et al.:Acta Pharmacol et Toxicol. 1966;24:389-403
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花岡一雄ほか:臨床医薬. 2015;31:699-711
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花岡一雄ほか:臨床医薬. 2015;31:713-724
18
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19
Ragsdale DS, et al.:Science. 1994;265:1724-1728
20
社内資料:薬理試験(モルモットの正常皮膚におけるSKA-01乳剤の局所麻酔作用)(承認年月日:2012年1月18日、CTD2.6.2.2.1)

文献請求先及び問い合わせ先

佐藤製薬株式会社 医薬事業部
〒107-0051 東京都港区元赤坂1丁目5番27号
フリーダイヤル 0120-310-656

製造販売業者等

製造販売元
佐藤製薬株式会社
東京都港区元赤坂1丁目5番27号
提携
アストラゼネカ社(英国)
AstraZeneca

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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