本剤のHIV-2感染症患者に対する有効性・安全性は確認されていない。
本剤はHIV感染症治療の経験を有する医師が投与を行うこと。
本剤の再投与を考慮する際は、次のことに注意すること。
・アバカビルによる過敏症に関連する症状は、再投与により初回より重篤な再発が認められる。重篤な血圧低下をきたし死に至る可能性があるので、アバカビルによる過敏症が疑われた患者には、決して再投与しないこと。
・アバカビル含有製剤を中止した理由を再度検討し、アバカビルと過敏症との関連性が否定できない場合は再投与しないこと。
・投与中止前に過敏症の主な症状(皮疹、発熱、胃腸症状等)の1つのみが発現していた患者には、本剤の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ、必要に応じて入院のもとで投与を行うこと。
・過敏症の症状又は徴候が認められていなかった患者に対しても、直ちに医療施設に連絡できることを確認した上で投与を行うこと。
**,*本剤の使用に際しては、国内外のガイドライン等の最新の情報を参考に、患者又は患者に代わる適切な者に、次の事項についてよく説明し同意を得た後、使用すること。
本剤はHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、本剤投与開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告すること。
アバカビルの投与後過敏症が発現し、まれに致死的となることが報告されている。過敏症を注意するカードに記載されている徴候又は症状である発熱、皮疹、疲労感、倦怠感、胃腸症状(嘔気、嘔吐、下痢、腹痛等)及び呼吸器症状(呼吸困難、咽頭痛、咳等)等が発現した場合は、直ちに担当医に報告し、本剤の服用を中止すべきか否か指示を受けること。また、過敏症を注意するカードは常に携帯すること。
アバカビル含有製剤の再投与により重症又は致死的な過敏症が数時間以内に発現する可能性がある。したがって、本剤の服用を中断した後に再びアバカビル含有製剤を服用する際には、必ず担当医に相談すること。担当医又は医療施設を変わる場合には本剤の服用歴がある旨を新しい担当医に伝えること。
抗HIV療法による効果的なウイルス抑制は、性的接触による他者へのHIV感染の危険性を低下させることが示されているが、その危険性を完全に排除することはできないこと。
抗HIV療法が、血液等による他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていないこと。
本剤はラミブジン及びアバカビルの固定用量を含有する配合剤であるので、本剤に加えてラミブジン含有製剤又はアバカビル含有製剤をさらに追加して服用しないこと。
ラミブジン及びアバカビルを含むヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬の単独投与又はこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス(全身倦怠、食欲不振、急な体重減少、胃腸障害、呼吸困難、頻呼吸等)、肝毒性(脂肪沈着による重度の肝腫大、脂肪肝を含む)が、女性に多く報告されているので、上記の乳酸アシドーシス又は肝毒性が疑われる臨床症状や検査値異常が認められた場合には、本剤の投与を一時中止すること。
特に、肝疾患の危険因子を有する患者においては注意すること。
ラミブジンの薬剤耐性プロファイル等のウイルス学的特性はエムトリシタビンと類似しているので、本剤とエムトリシタビンを含む製剤を併用しないこと。また、エムトリシタビンを含む抗HIV療法においてウイルス学的効果が得られず、HIV-1逆転写酵素遺伝子のM184V/I変異が認められた場合、エムトリシタビンを本剤に変更するのみで効果の改善は期待できない。
本剤を含む抗HIV薬の多剤併用療法を行った患者で、免疫再構築症候群が報告されている。投与開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチス等によるもの)等に対する炎症反応が発現することがある。また、免疫機能の回復に伴い自己免疫疾患(甲状腺機能亢進症、多発性筋炎、ギラン・バレー症候群、ブドウ膜炎等)が発現するとの報告があるので、これらの症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮すること。
本剤の投与によりまれに膵炎があらわれることがある。膵炎を発症する可能性のある患者(膵炎の既往歴のある患者、膵炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法を受けている患者)では、本剤の適用を考える場合には、他に十分な効果の認められる治療法がない場合にのみ十分注意して行うこと。本剤投与中に膵炎を疑わせる重度の腹痛、悪心・嘔吐等又は血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセリド等の上昇があらわれた場合は、本剤の投与を直ちに中止し、画像診断等による観察を十分行うこと。