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デュピクセント皮下注300mgシリンジ

ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体

1筒 53493円

添付文書番号

4490405G1024_1_15

企業コード

780069

作成又は改訂年月

2024年9月改訂
(第9版、効能変更、用法及び用量変更)

日本標準商品分類番号

87449

薬効分類名

ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体

承認等

販売名

デュピクセント皮下注300mgペン

販売名コード

4490405G2020

販売名英字表記

DUPIXENT S.C. Injection

販売名ひらがな

でゅぴくせんとひかちゅう300mgぺん

承認番号等

承認番号
30200AMX00926

販売開始年月

2020年11月

貯法、有効期間

貯法
凍結を避け、2~8℃にて保存
有効期間
36ヵ月

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること
生物由来製品

販売名

デュピクセント皮下注300mgシリンジ

販売名コード

4490405G1024

販売名英字表記

DUPIXENT S.C. Injection

販売名ひらがな

でゅぴくせんとひかちゅう300mgしりんじ

承認番号等

承認番号
23000AMX00015

販売開始年月

2018年4月

貯法、有効期間

貯法
凍結を避け、2~8℃にて保存
有効期間
36ヵ月

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること
生物由来製品

販売名

デュピクセント皮下注200mgシリンジ

販売名コード

4490405G3027

販売名英字表記

DUPIXENT S.C. Injection

販売名ひらがな

でゅぴくせんとひかちゅう200mgしりんじ

承認番号等

承認番号
30500AMX00261

販売開始年月

2023年12月

貯法、有効期間

貯法
凍結を避け、2~8℃にて保存
有効期間
36ヵ月

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注3)
注3)注意―医師等の処方箋により使用すること
生物由来製品

一般的名称

デュピルマブ(遺伝子組換え)

警告

本剤の投与は、適応疾患の治療に精通している医師のもとで行うこと。

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

デュピクセント皮下注300mgペン
有効成分
デュピルマブ(遺伝子組換え)注)  300mg
添加剤
L-ヒスチジン  5.4mg
L-ヒスチジン塩酸塩水和物  1.0mg
L-アルギニン塩酸塩  10.5mg
酢酸ナトリウム水和物  2.6mg
氷酢酸  0.3mg
精製白糖  100mg
ポリソルベート80  4mg
1製剤(2mL)中の分量
デュピクセント皮下注300mgシリンジ
有効成分
デュピルマブ(遺伝子組換え)注)  300mg
添加剤
L-ヒスチジン  5.4mg
L-ヒスチジン塩酸塩水和物  1.0mg
L-アルギニン塩酸塩  10.5mg
酢酸ナトリウム水和物  2.6mg
氷酢酸  0.3mg
精製白糖  100mg
ポリソルベート80  4mg
1製剤(2mL)中の分量
デュピクセント皮下注200mgシリンジ
有効成分
デュピルマブ(遺伝子組換え)注)  200mg
添加剤
L-ヒスチジン  3.10mg
L-ヒスチジン塩酸塩水和物  0.60mg
L-アルギニン塩酸塩  12.01mg
酢酸ナトリウム水和物  1.50mg
氷酢酸  0.19mg
精製白糖  57.00mg
ポリソルベート80  2.28mg
1製剤(1.14mL)中の分量
注)本剤は遺伝子組換え技術によりチャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される。

製剤の性状

デュピクセント皮下注300mgペン
pH5.6~6.2
浸透圧比約1.0(生理食塩液に対する比)
性状・剤形
無色~微黄色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液(注射剤)
デュピクセント皮下注300mgシリンジ
pH5.6~6.2
浸透圧比約1.0(生理食塩液に対する比)
性状・剤形
無色~微黄色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液(注射剤)
デュピクセント皮下注200mgシリンジ
pH5.6~6.2
浸透圧比約1.0(生理食塩液に対する比)
性状・剤形
無色~微黄色の澄明又はわずかに乳白光を呈する液(注射剤)

効能又は効果

300mgペン、300mgシリンジ
既存治療で効果不十分な下記皮膚疾患
  • アトピー性皮膚炎注)
  • 結節性痒疹
  • 特発性の慢性蕁麻疹
  • 気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)注)
  • 慢性閉塞性肺疾患(既存治療で効果不十分な患者に限る)注)
  • 鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)注)
200mgシリンジ
既存治療で効果不十分な下記皮膚疾患
  • アトピー性皮膚炎注)
  • 特発性の慢性蕁麻疹
注)最適使用推進ガイドライン対象

効能又は効果に関連する注意

〈アトピー性皮膚炎〉
  1. ステロイド外用剤やタクロリムス外用剤等の抗炎症外用剤による適切な治療を一定期間施行しても、十分な効果が得られず、強い炎症を伴う皮疹が広範囲に及ぶ患者に用いること。
  2. 原則として、本剤投与時にはアトピー性皮膚炎の病変部位の状態に応じて抗炎症外用剤を併用すること。
  3. 本剤投与時も保湿外用剤を継続使用すること。
〈結節性痒疹〉
  1. 「17. 臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景を十分に理解した上で、本剤はステロイド外用剤等による治療を施行しても、痒疹結節を主体とする病変が多発し、複数の部位に及ぶ患者に用いること。
  2. 最新の診療ガイドライン等を参考に、臨床症状及び全身検索に基づいて他の皮膚疾患との鑑別を行うこと。
〈特発性の慢性蕁麻疹〉
  1. 食物、物理的刺激等の蕁麻疹の症状を誘発する原因が特定されず、ヒスタミンH1受容体拮抗薬の増量等の適切な治療を行っても、日常生活に支障をきたすほどの痒みを伴う膨疹が繰り返して継続的に認められる場合に本剤を追加して投与すること。
〈気管支喘息〉
  1. 最新のガイドライン等を参考に、中用量又は高用量の吸入ステロイド薬とその他の長期管理薬を併用しても、全身性ステロイド薬の投与等が必要な喘息増悪をきたす患者に本剤を追加して投与すること。
  2. 本剤はIL-4及びIL-13シグナル伝達を阻害することにより、喘息の病態に関与する2型炎症反応を抑制することから、臨床試験で認められた本剤投与前の2型炎症に関連するバイオマーカー(血中好酸球数、FeNO、IgE等)の値と有効性の関係を十分に理解し、患者の当該バイオマーカーの値を考慮した上で、適応患者の選択を行うこと。
  3. 本剤は既に起きている気管支喘息の発作や症状を速やかに軽減する薬剤ではないので、急性の発作に対しては使用しないこと。
〈慢性閉塞性肺疾患〉
  1. 最新のガイドライン等を参考に、長時間作用性β2刺激薬(LABA)、長時間作用性抗コリン薬(LAMA)及び吸入ステロイド薬(吸入ステロイド薬が禁忌の場合はLABA及びLAMA)の併用療法で全身性ステロイド薬の投与等が必要な増悪をきたす患者に本剤を追加して投与すること。
  2. 本剤はIL-4及びIL-13シグナル伝達を阻害することにより、慢性閉塞性肺疾患の病態に関与する2型炎症反応を抑制することから、本剤投与前の2型炎症に関連するバイオマーカー(血中好酸球数等)を考慮した上で、適応患者の選択を行うこと。
  3. 本剤は慢性閉塞性肺疾患の症状の長期管理に用いること。本剤は慢性閉塞性肺疾患の増悪時における急性期治療を目的として使用する薬剤ではない。
〈鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉
  1. 本剤は全身性ステロイド薬、手術等ではコントロールが不十分な患者に用いること。

用法及び用量

〈アトピー性皮膚炎〉
通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。
通常、生後6カ月以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として体重に応じて以下を皮下投与する。
5kg以上15kg未満:1回200mgを4週間隔
15kg以上30kg未満:1回300mgを4週間隔
30kg以上60kg未満:初回に400mg、その後は1回200mgを2週間隔
60kg以上:初回に600mg、その後は1回300mgを2週間隔
〈結節性痒疹〉
通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。
〈特発性の慢性蕁麻疹〉
通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。
通常、12歳以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として体重に応じて以下を皮下投与する。
30kg以上60kg未満:初回に400mg、その後は1回200mgを2週間隔
60kg以上:初回に600mg、その後は1回300mgを2週間隔
〈気管支喘息〉
通常、成人及び12歳以上の小児にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与する。
〈慢性閉塞性肺疾患〉
通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを2週間隔で皮下投与する。
〈鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉
通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として1回300mgを2週間隔で皮下投与する。なお、症状安定後には、1回300mgを4週間隔で皮下投与できる。

用法及び用量に関連する注意

〈アトピー性皮膚炎〉
  1. 本剤による治療反応は、通常投与開始から16週までには得られる。16週までに治療反応が得られない場合は、投与中止を考慮すること。
〈アトピー性皮膚炎、特発性の慢性蕁麻疹〉
  1. 200mgシリンジと300mgシリンジ又は300mgペンの生物学的同等性試験は実施していないため、600mgを投与する際には200mgシリンジを使用しないこと。
〈特発性の慢性蕁麻疹〉
  1. 臨床試験において、本剤の24週以降の使用経験は無いため、24週以降も継続して投与する場合は、患者の状態を考慮し、その必要性を慎重に判断すること。特に、用法及び用量どおり、24週間使用しても効果が認められない場合には、漫然と投与を続けないよう注意すること。

重要な基本的注意

〈効能共通〉
  1. 本剤の投与によって合併する他のアレルギー性疾患の症状が変化する可能性があり、当該アレルギー性疾患に対する適切な治療を怠った場合、症状が急激に悪化し、喘息等では死亡に至るおそれもある。本剤の投与間隔変更後及び投与中止後の疾患管理も含めて、本剤投与中から、合併するアレルギー性疾患を担当する医師と適切に連携すること。患者に対して、医師の指示なく、それらの疾患に対する治療内容を変更しないよう指導すること。
  2. ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、適切に対処できるようにしておくこと。
  3. 長期ステロイド療法を受けている患者において、本剤投与開始後にステロイド薬を急に中止しないこと。ステロイド薬の減量が必要な場合には、医師の管理下で徐々に行うこと。
  4. 本剤の臨床試験において、好酸球性肺炎及び好酸球性多発血管炎性肉芽腫症の発現が認められている。本剤投与中は、好酸球数の推移、並びに血管炎性皮疹、肺症状の悪化、心臓合併症及びニューロパチー等に注意すること。
  5. 本剤はIL-4及びIL-13の阻害作用により2型免疫応答を抑制する。2型免疫応答は寄生虫感染に対する生体防御機能に関与している可能性がある。患者が本剤投与中に寄生虫感染を起こし、抗寄生虫薬による治療が無効な場合には、寄生虫感染が治癒するまで本剤の投与を一時中止すること。
  6. 本剤投与中の生ワクチンの接種は、安全性が確認されていないので避けること。
  7. 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者又はその保護者が理解し、患者自ら又はその保護者が確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療機関へ連絡するよう患者又はその保護者に指導を行うこと。使用済みの注射器を再使用しないよう患者又はその保護者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導の徹底を行うとともに、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。
〈アトピー性皮膚炎〉
  1. 本剤が疾病を完治させる薬剤でなく、本剤投与中も保湿外用剤等を併用する必要があることを患者に対して説明し、患者が理解したことを確認したうえで投与すること。
〈気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患〉
  1. 本剤の投与開始後に症状がコントロール不良又は悪化した場合には、医師の診療を受けるよう患者に指導すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 寄生虫感染患者
    本剤を投与する前に寄生虫感染の治療を行うこと。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤はヒトIgG4モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは胎盤関門を通過することが知られている。また、本剤のサル相同抗体を妊娠カニクイザルへ投与した場合、胎盤を通過して胎児に移行することが確認されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。本剤のヒト乳汁への移行は不明であるが、本剤はヒトIgG4モノクローナル抗体であり、ヒトIgGは乳汁中に移行することが知られている。

小児等

〈アトピー性皮膚炎〉
低出生体重児、新生児及び生後6カ月未満の乳児を対象とした臨床試験は実施していない。
〈結節性痒疹、慢性閉塞性肺疾患、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
〈特発性の慢性蕁麻疹〉
6歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。臨床試験において、6歳以上12歳未満の小児に対する投与経験は極めて限られている。
〈気管支喘息〉
12歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

一般的に生理機能(免疫機能等)が低下している。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 重篤な過敏症
    アナフィラキシー(0.1%未満)が報告されている。血圧低下、呼吸困難、意識消失、めまい、嘔気、嘔吐、そう痒感、潮紅、血管性浮腫等があらわれる可能性がある。

その他の副作用

5%以上
5%未満
頻度不明
感染症および寄生虫症
結膜炎、口腔ヘルペス、単純ヘルペス
眼障害
アレルギー性結膜炎、眼瞼炎、眼乾燥
眼そう痒症、角膜炎、潰瘍性角膜炎
血液およびリンパ系障害
好酸球増加症
注射部位
注射部位紅斑
注射部位反応、注射部位そう痒感、注射部位浮腫、注射部位疼痛、注射部位硬結、注射部位内出血、注射部位発疹、注射部位皮膚炎
神経系障害
頭痛
皮膚および皮下組織障害
発疹
その他
発熱、関節痛
血清病、血清病様反応

適用上の注意

薬剤投与前の注意
  1. 投与前に300mgシリンジ及び300mgペンは45分以上、200mgシリンジは30分以上かけて室温に戻しておくことが望ましい。
  2. 溶液が白濁したり、着色したり、微粒子がみられた場合及びシリンジに損傷がみられた場合には本剤は使用しないこと。
  3. 投与直前まで本剤のキャップを外さないこと。キャップを外したら直ちに投与すること。
薬剤投与時の注意
  1. 皮下注射は腹部、大腿部又は上腕部に行うこと。腹部へ投与する場合は、へその周り5cmを外して投与すること。注射部位反応が報告されているので、同一箇所へ繰り返し注射することは避けること。
  2. 正常な皮膚の部位に注射すること。皮膚が敏感な部位、皮膚に損傷、打撲や傷のある部位、アトピー性皮膚炎の強い炎症を伴う部位には注射しないこと。
  3. 他の薬剤と混合しないこと。
  4. 本剤は1回で全量を使用する製剤であり、再使用しないこと。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
本剤を投与したときの抗薬物抗体(ADA)陽性反応発現割合、持続するADA陽性反応発現割合及び中和抗体陽性反応発現割合について、アトピー性皮膚炎患者では、成人はそれぞれ約6%、約2%及び約1%、12~17歳はそれぞれ約16%、約3%及び約5%、並びに生後6カ月~11歳はそれぞれ約2%、0%及び約1%であった。結節性痒疹患者では、それぞれ約8%、約1%及び約3%、特発性の慢性蕁麻疹患者では、それぞれ約7%、約1%及び約2%、気管支喘息患者では、それぞれ約5%、約2%及び約2%、慢性閉塞性肺疾患患者では、それぞれ約8%、約3%及び約3%、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者では、それぞれ約5%、約2%及び約3%であった。なお、プラセボ群のADA陽性反応発現割合、持続するADA陽性反応発現割合及び中和抗体陽性発現割合は、それぞれ約4%、約2%及び約1%であった。高抗体価(10,000超)のADAの発現例(発現頻度 1%未満)では、本剤の薬物動態及び有効性への影響が示唆された。加えて、高抗体価のADAに関連した血清病及び血清病様反応が認められた。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    日本人健康成人に本剤300mg又は600mgを単回皮下投与したときのデュピルマブの血清中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりであった 。
    本剤300mg又は600mgを単回皮下投与したときの薬物動態パラメータ
    投与量
    (mg)
    Cmax
    (mg/L)
    tmax注1)
    (day)
    AUClast
    (mg・day/L)
    t1/2z注2)
    (day)
    300
    (6例)
    38.3±15.3
    7.01
    (6.99-10.00)
    700±234
    5.13±1.42
    600
    (6例)
    70.1±24.1
    7.00
    (3.00-7.02)
    1780±699
    8.77±5.18
    (平均値±標準偏差)
    注1)中央値(最小値-最大値)
    注2)血清中薬物濃度の経時的推移を片対数プロットしたときの最終消失相の回帰直線の傾きから算出
  2. 反復投与(成人)
    アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、特発性の慢性蕁麻疹、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患及び鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者に本剤300mgを隔週で反復投与したときのデュピルマブのトラフ濃度(平均値±標準偏差)を効能別に示す,,,,, (日本人及び外国人データ)。
    デュピルマブのトラフ濃度
    効能
    例数
    (名)
    トラフ濃度
    (mg/L)
    アトピー性皮膚炎
    219
    73.3±40.0
    16
    結節性痒疹
    65
    60.2±34.7
    24
    特発性の慢性蕁麻疹
    62
    63.5±34.2
    24
    気管支喘息
    544
    69.0±37.8
    24
    慢性閉塞性肺疾患
    427
    62.1±34.4
    24
    鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎
    142
    80.2±35.3
    24
  3. 反復投与(小児)
    小児のアトピー性皮膚炎患者に本剤を反復投与したときのデュピルマブのトラフ濃度(平均値±標準偏差)を示す (日本人データ)。
    デュピルマブのトラフ濃度
    体重
    用量
    例数
    (名)
    トラフ濃度
    (mg/L)
    60kg以上
    300mg Q2W
    3
    90.1±26.2
    16
    30kg以上60kg未満
    200mg Q2W
    14
    62.5±29.7
    16
    15kg以上30kg未満
    300mg Q4W
    7
    86.6±29.9
    16
    5kg以上15kg未満
    200mg Q4W
    3
    95.7±38.6
    16
    Q2W:2週に1回投与、Q4W:4週に1回投与
  4. 母集団薬物動態解析
    本剤は主に血管内のコンパートメントに分布し、母集団薬物動態解析により推定される分布容積は約4.6Lであった。
    母集団薬物動態解析により、定常状態時の最終投与から本剤の血清中濃度が定量下限未満に低下する時間の中央値は、300mg隔週投与で10~12週間と推定された。

吸収

母集団薬物動態解析により推定される皮下投与時の絶対バイオアベイラビリティは、アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、特発性の慢性蕁麻疹、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患及び鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者の間で類似しており、61~64%であった。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈アトピー性皮膚炎〉
  1. 国際共同第III相併用療法試験(成人)
    日本の分類でストロングクラス以上に相当するステロイド外用薬で効果不十分な、18歳以上の中等症から重症注1) のアトピー性皮膚炎(AD)患者740例(日本人患者117例を含む)を対象に、ステロイド外用剤に上乗せして本剤300mgを2週に1回(Q2W)又は毎週1回(QW)、若しくはプラセボを52週間投与した。本剤群では投与1日目に初回用量として本剤600mgの投与を行った注2) 。ベースラインの医師による全般評価(IGA)スコアは3.5±0.5、Eczema Area and Severity Index(EASI)スコアは32.5±12.9であった。主要有効性評価項目とした投与後16週時点のIGA≦1達成率注3) 及びEASI-75達成率注4) において、本剤群はプラセボ群に比べ統計的に有意な(P<0.0001)改善効果を示した 。
    注1)IGAスコアが3以上、EASIスコアが16以上、及び体表面積に占めるAD病変の割合が10%以上、そう痒NRSスコアの日内最大値の週平均が3点以上
    注2)投与期間中は保湿剤の併用を必須とし、経口シクロスポリン、経口ステロイド等の全身療法及び光線療法の併用を禁止した。
    注3)IGAスコアが0(消失)又は1(ほぼ消失)かつベースラインから2点以上減少(改善)を達成した患者の割合
    注4)EASIスコアがベースラインから75%以上改善した患者の割合
    アトピー性皮膚炎・国際共同第III相併用療法試験の成績(成人)
    全体集団
    Q2W群
    プラセボ群
    プラセボ群との差
    [95%信頼区間]
    p値注5),注6)
    16週
    IGA≦1達成率
    38.7(41/106)
    12.4(39/315)
    26.3[16.3, 36.3]
    <0.0001
    EASI-75達成率
    68.9(73/106)
    23.2(73/315)
    45.7[35.7, 55.7]
    <0.0001
    そう痒NRS≧4点改善達成率注7)
    58.8(60/102)
    19.7(59/299)
    39.1[28.5, 49.7]
    52週
    IGA≦1達成率
    34.9(37/106)
    12.4(39/264)
    22.5[12.8, 32.3]
    EASI-75達成率
    62.3(66/106)
    21.9(69/315)
    40.4[30.1, 50.7]
    そう痒NRS≧4点改善達成率注7)
    48.0(49/102)
    13.4(40/299)
    34.7[24.2, 45.1]
    日本人部分集団
    Q2W群
    プラセボ群
    プラセボ群との差
    [95%信頼区間]
    16週
    IGA≦1達成率
    18.8(3/16)
    3.7(2/54)
    15.0[-13.2, 41.7]
    EASI-75達成率
    62.5(10/16)
    22.2(12/54)
    40.3[12.5, 65.0]
    そう痒NRS≧4点改善達成率注7)
    40.0(6/15)
    18.9(10/53)
    21.1[-7.82, 48.5]
    52週
    IGA≦1達成率
    31.3(5/16)
    11.1(6/54)
    20.1[-7.78, 46.5]
    EASI-75達成率
    50.0(8/16)
    24.1(13/54)
    25.9[-2.15, 52.3]
    そう痒NRS≧4点改善達成率注7)
    33.3(5/15)
    17.0(9/53)
    16.4[-12.5, 44.0]
    承認用法・用量である300mg Q2Wのみ提示
    %(例数)
    中止例又は救済治療例はNon-responderとした。
    注5)地域及びベースライン時の重症度(IGAスコア3又は4)を因子として考慮したCochran-Mantel-Haenszel検定(主要有効性評価項目についてのみ表中に表示)
    注6)プラセボ群と各本剤群の比較における有意水準をそれぞれ両側2.5%と設定することで、検定の多重性を調整
    注7)そう痒NRSスコアの日内最大値の週平均がベースラインから4点以上改善した患者の割合(スコアの最大は10)
    本剤Q2W群での副作用は33.6%(37/110例)に、プラセボ群の副作用は28.6%(90/315例)に認められ、主な副作用は本剤Q2W群で注射部位反応10.9%、アレルギー性結膜炎4.5%、眼瞼炎3.6%、アトピー性皮膚炎3.6%、頭痛3.6%であった。
  2. 国際共同第III相単独療法試験(成人)
    日本の分類でストロングクラス以上に相当するステロイド外用薬で効果不十分な、又は安全性上の理由等注8) からステロイド外用薬が推奨されない、18歳以上の中等症から重症注9) のAD患者671例(日本人患者106例を含む)を対象に、本剤300mgをQ2W又はQW、若しくはプラセボを16週間投与した注10) 。本剤群では投与1日目に初回用量として本剤600mgの投与を行った。ベースラインのIGAスコアは3.5±0.5、EASIスコアは33.6±14.0であった。主要有効性評価項目とした投与後16週時点のIGA≦1達成率注11) 及びEASI-75達成率注12) において、本剤群はプラセボ群に比べ統計的に有意な(P<0.0001)改善効果を示した 。
    注8)ステロイド外用薬治療により副作用(治療不耐容、過敏症反応、顕著な皮膚萎縮、全身性の影響など)を認めた患者
    注9)IGAスコアが3以上、EASIスコアが16以上、及び体表面積に占めるAD病変の割合が10%以上、そう痒NRSスコアの日内最大値の週平均が3点以上
    注10)投与期間中は保湿剤の併用を必須とし、経口シクロスポリン、経口ステロイド等の全身療法及び光線療法の併用を禁止した。
    注11)IGAスコアが0(消失)又は1(ほぼ消失)かつベースラインから2点以上減少(改善)を達成した患者の割合
    注12)EASIスコアがベースラインから75%以上改善した患者の割合
    アトピー性皮膚炎・国際共同第III相単独療法試験の成績(成人)
    全体集団
    Q2W群
    プラセボ群
    プラセボ群との差
    [95%信頼区間]
    p値注13),注14)
    IGA≦1達成率
    37.9(85/224)
    10.3(23/224)
    27.7[20.2, 35.2]
    <0.0001
    EASI-75達成率
    51.3(115/224)
    14.7(33/224)
    36.6[28.6, 44.6]
    <0.0001
    そう痒NRS≧4点改善達成率注15)
    40.8(87/213)
    12.3(26/212)
    28.6[20.7, 36.5]
    日本人部分集団
    Q2W群
    プラセボ群
    プラセボ群との差
    [95%信頼区間]
    IGA≦1達成率
    19.4(7/36)
    2.9(1/35)
    16.6[-6.36, 38.8]
    EASI-75達成率
    25.0(9/36)
    0.0(0/35)
    25.0[2.16, 46.5]
    そう痒NRS≧4点改善達成率注15)
    25.0(8/32)
    0.0(0/34)
    25.0[1.35, 47.6]
    承認用法・用量である300mg Q2Wのみ提示
    %(例数)
    中止例又は救済治療例はNon-responderとした。
    注13)地域及びベースライン時の重症度(IGAスコア3又は4)を因子として考慮したCochran-Mantel-Haenszel検定(主要有効性評価項目についてのみ)
    注14)プラセボ群と各本剤群の比較における有意水準をそれぞれ両側2.5%と設定することで、検定の多重性を調整
    注15)そう痒NRSスコアの日内最大値の週平均がベースラインから4点以上改善した患者の割合(スコアの最大は10)
    本剤Q2W群での副作用は28.8%(66/229例)に、プラセボ群に18.0%(40/222例)に認められ、主な副作用は本剤Q2W群に注射部位反応7.4%、アトピー性皮膚炎3.5%、頭痛3.1%であった。
  3. 国内第III相試験(生後6カ月以上18歳未満の小児)
    日本の分類でミディアムからストロングクラスのステロイド外用薬で効果不十分な、生後6カ月以上18歳未満の中等症から重症注16) の日本人AD患者62例を対象に、ステロイド外用剤に上乗せしてベースライン時の体重に応じて以下の用法・用量で本剤又はプラセボを16週間、盲検下で投与した注17)
    • 体重5kg以上15kg未満:1回200mgを4週に1回(Q4W)
    • 体重15kg以上30kg未満:1回300mgをQ4W
    • 体重30kg以上60kg未満:投与1日目に初回用量400mg、その後200mgをQ2W
    • 体重60kg以上:投与1日目に初回用量600mg、その後300mgをQ2W
    ベースライン時のEASIスコアは25.2±6.8であった。主要有効性評価項目とした投与後16週時点のEASI-75達成率注18) において、本剤群はプラセボ群に比べ統計的に有意な(P値:0.0304)改善効果を示した 。
    注16)IGAスコアが3以上、EASIスコアが16以上、体表面積に占めるAD病変の割合が10%超、そう痒NRSスコアの日内最大値の週平均が4点以上(12歳以上18歳未満)、痒みNRSスコアの日内最悪値の週平均が4点以上(6歳以上12歳未満)、又は掻破/痒みNRSスコアの日内最悪値の週平均が4点以上(生後6カ月以上6歳未満)
    注17)投与期間中は保湿剤の併用を必須とし、経口シクロスポリン、経口ステロイド等の全身療法及び光線療法の併用を禁止した。
    注18)EASIスコアがベースラインから75%以上改善した患者の割合
    アトピー性皮膚炎・国内第III相併用療法試験の成績(小児)
    日本人集団
    本剤群
    プラセボ群
    プラセボ群との差
    [95%信頼区間]
    p値注19)
    EASI-75達成率
    43.3(13/30)
    18.8(6/32)
    25.1
    [3.26,46.90]
    0.0304
    %(例数)
    注19)層別因子(ベースライン時で生後6カ月以上6歳未満、6歳以上12歳未満かつIGAスコアが3、6歳以上12歳未満かつIGAスコアが4、12歳以上)を因子として考慮したCochran-Mantel-Haenszel検定
    また、投与後52週時点(非盲検延長期)における本剤群のEASI-75達成率は62.9%であった。
    投与16週までの本剤群での副作用は16.7%(5/30例)、プラセボ群では9.4%(3/32例)に認められ、本剤群の主な副作用はアレルギー性結膜炎6.7%であった。
〈結節性痒疹〉
  1. 国際共同第III相試験
    日本の分類でウィークからベリーストロングのステロイド外用薬で効果不十分注20) な、又はステロイド外用薬が推奨されない、18歳以上の結節性痒疹注21) 患者151例(日本人患者16例を含む)を対象に、本剤300mgを2週に1回(Q2W)、又はプラセボを24週間投与した。本剤群では投与1日目に初回用量として本剤600mgの投与を行った。主要評価項目である投与後24週時点のWI-NRSスコア注22) がベースラインから4点以上改善した患者の割合において、本剤群はプラセボ群に比べ統計的に有意な(P<0.0001)改善を示した 。
    注20)ステロイド外用薬を2週間使用しても最悪のそう痒スコア(WI-NRSスコア)が週平均で7以上、両脚、両腕又は体幹の少なくとも2つの体表面領域に合計20か所以上の結節性痒疹の病変(IGA PN-Sスコアが3又は4相当)を有する患者
    注21)次の所見に基づき診断;6週間以上の持続する慢性そう痒がある、繰り返し掻く病歴又は徴候がある、多発性の限局性/全身性痒疹の結節性皮膚病変がある。
    投与後24週時点の有効性の成績(ITT集団)
    評価項目
    本剤群
    プラセボ群
    プラセボ群との差
    [95%信頼区間]
    p値注23)
    WI-NRS≧4点改善
    達成率注22)
    60.0
    (45/75)
    18.4
    (14/76)
    42.7
    (27.76, 57.72)
    <0.0001
    IGA PN-S(0又は1)
    達成率注22)
    48.0
    (36/75)
    18.4
    (14/76)
    28.3
    (13.41, 43.16)
    注22)WI-NRSスコア(0-10点のスケールで評価される過去24時間の最悪のそう痒の程度の週平均);IGA PN-Sスコア(0-4点のスケールで評価される結節性痒疹の病期に関する医師による全般評価)
    WI-NRSスコア、IGA PN-Sスコアはスコアの減少が改善を意味する。
    注23)アトピーの既往の有無、外用ステロイド薬又は外用カルシニューリン阻害薬の使用の有無、地域及びベースライン時の抗うつ薬使用の有無を因子として考慮したCochran-Mantel-Haenszel検定(主要有効性評価項目についてのみ表示)
    本剤群での副作用は14.7%(11/75例)、プラセボ群では13.3%(10/75例)に認められ、本剤群の主な副作用は注射部位反応4.0%であった。
〈特発性の慢性蕁麻疹〉
  1. 国際共同第III相試験
    第二世代ヒスタミンH1受容体拮抗薬の使用で効果不十分注24) な6歳以上の特発性の慢性蕁麻疹患者138例(12歳以上の小児患者4名及び6歳以上12歳未満の小児患者2名注25) を含む、そのうち12名の日本人[いずれも成人]を含む)を対象に、本剤300mgを2週に1回(成人及び60kg以上の12歳以上の小児患者)又は本剤200mgを2週に1回(60kg未満の12歳以上の小児患者及び30kg以上の6歳以上12歳未満の小児患者)、又はプラセボを24週間投与した。本剤群では投与1日目に初回用量として本剤600mg(300mgを2週に1回の場合)又は400mg(200mgを2週に1回の場合)の投与を行った。主要評価項目である投与24週時における7日間のそう痒重症度スコア(ISS7)のベースラインからの変化量(減少)において、本剤群はプラセボ群に比べ統計的に有意な(P=0.0005)改善効果を示した 。
    注24)ランダム化前のUAS7及びISS7がそれぞれ16及び8以上を有するオマリズマブの投与歴のない患者
    注25)6歳以上12歳未満の小児患者はいずれも治験薬投与を早期に中止した
    投与24週後のISS7注26) の変化量(ITT集団)
    全体集団
    本剤群
    プラセボ群
    ベースライン
    16.10±3.98(70)
    15.74±4.11(68)
    投与24週後注27)
    5.28±5.88(64)
    8.06±6.64(53)
    ベースラインからの変化量
    -10.24[-12.03, -8.46]
    -6.01[-7.85, -4.17]
    プラセボ群との差注28)
    [95%信頼区間]
    p値
    -4.23
    [-6.63, -1.84]
    0.0005
    平均値±標準偏差(例数)又は最小二乗平均値[95%CI]
    注26)0-3点のスケールで評価される過去24時間のそう痒の程度を毎日同じ時間に記録して7日間合計したそう痒重症度スコア(範囲は0~21)
    注27)救済治療を受けた患者を含む実測値
    注28)補完された完全データの各々についてベースライン値、投与群、ベースライン時の血管性浮腫の有無、および地域を共変量とした共分散分析により解析を行った。
    本剤投与群での副作用は14.3%(10/70例)、プラセボ群では23.5%(16/68例)に認められ、本剤群の主な副作用は注射部位紅斑4.3%、及び注射部位反応4.3%であった。
〈気管支喘息〉
  1. 国際共同第III相試験
    中用量又は高用量の吸入ステロイド薬及び他の長期管理薬で治療しても喘息増悪をきたす12歳以上の気管支喘息患者1902例注29) (日本人患者114例を含む)を対象に、既存治療の併用下で、本剤200mg注30) 又は300mg注31) 、もしくはそれぞれと対応するプラセボを52週間Q2W投与した。主要有効性評価項目とした喘息増悪(全身ステロイド薬による3日間以上の治療、又は全身ステロイド薬による治療が必要な喘息による入院若しくは救急外来の受診)の発生率注31) 及び12週時点のFEV1の変化量注32) で、本剤300mg群はプラセボ群と比べて統計的に有意な効果を示した 。
    注29)ベースライン時の血中好酸球数が1,500/μL超の患者は除外した。
    注30)投与開始時には初回用量としてそれぞれ400mg又は600mgを投与
    注31)52週間の治験薬投与期間中における重度喘息増悪の年換算発生率
    注32)投与開始後12週時点における気管支拡張薬投与前のFEV1のベースラインからの変化量
    投与52週後までの年間重度喘息増悪発生率(ITT集団)
    全体集団
    300mg群
    (633例)
    プラセボ群
    (321例)
    総観察期間(人・年)
    612.5
    313.2
    喘息増悪発生件数(回)
    343
    342
    年間増悪発生率(回/人・年)
    0.560
    1.092
    年間増悪発生率注33) (回/人・年)
    [95%信頼区間]
    0.524
    [0.450, 0.611]
    0.970
    [0.810, 1.160]
    プラセボ群との比注33)
    [95%信頼区間]
    p値注33)
    0.540
    [0.430, 0.680]
    <0.0001
    日本人部分集団
    300mg群
    (41例)
    プラセボ群
    (17例)
    総観察期間(人・年)
    40.2
    17.0
    喘息増悪発生件数(回)
    17
    21
    年間増悪発生率(回/人・年)
    0.423
    1.238
    年間増悪発生率注33) (回/人・年)
    [95%信頼区間]
    0.309
    [0.139, 0.687]
    1.232
    [0.502, 3.025]
    プラセボ群との比注33)
    [95%信頼区間]
    0.251
    [0.072, 0.874]
    注33)投与群、年齢、地域、ベースライン時の血中好酸球数区分、ベースライン時のICS用量、1年以内の重度喘息増悪の発生回数を説明変数とし、観察期間の対数変換値をオフセット変数とした負の二項回帰モデル
    投与12週後の気管支拡張薬投与前FEV1(L)の変化量(ITT集団)
    全体集団
    300mg群
    プラセボ群
    ベースライン
    1.78±0.60(633)
    1.75±0.57(321)
    投与12週後
    2.09±0.70(610)
    1.93±0.68(313)
    ベースラインからの変化量
    0.31±0.43(610)
    0.18±0.39(313)
    プラセボ群との差注34)
    [95%信頼区間]
    p値注34)
    0.13
    [0.08, 0.18]
    <0.0001
    日本人部分集団
    300mg群
    プラセボ群
    ベースライン
    1.75±0.64(41)
    1.76±0.43(17)
    投与12週後
    2.02±0.63(41)
    1.88±0.55(17)
    ベースラインからの変化量
    0.28±0.43(41)
    0.12±0.32(17)
    プラセボ群との差注34)
    [95%信頼区間]
    0.17
    [-0.04, 0.37]
    平均値±標準偏差(例数)
    注34)投与群、年齢、性別、身長、地域、ベースライン時の血中好酸球数区分、ベースライン時のICS用量、評価時点、投与群と評価時点の交互作用、ベースライン値、ベースライン値と評価時点の交互作用を説明変数としたMMRM法、相関構造にはunstructuredを仮定した。
    バイオマーカーの区分別の投与52週後までの年間重度喘息増悪発生率(ITT集団)
    マーカー
    区分
    (ベースライン時)
    重度喘息増悪の年間発生率
    プラセボ群との比注35)
    [95%信頼区間]
    300mg群
    プラセボ群
    血中好酸球数
    150/μL未満
    0.805(181)
    0.779(83)
    1.149[0.747, 1.767]
    150/μL以上
    300/μL未満
    0.475(175)
    0.845(95)
    0.557[0.350, 0.888]
    300/μL以上
    500/μL未満
    0.496(136)
    1.393(68)
    0.366[0.225, 0.596]
    500/μL以上
    0.413(141)
    1.486(74)
    0.287[0.184, 0.449]
    FeNO
    25ppb未満
    0.639(317)
    0.863(144)
    0.792[0.572, 1.098]
    25ppb以上
    50ppb未満
    0.489(186)
    1.183(97)
    0.442[0.282, 0.693]
    50ppb以上
    0.485(124)
    1.444(75)
    0.305[0.188, 0.494]
    総IgE濃度
    61IU/mL未満
    0.681(149)
    0.792(83)
    0.817[0.511, 1.307]
    61IU/mL以上
    167IU/mL未満
    0.535(156)
    1.344(74)
    0.420[0.275, 0.641]
    167IU/mL以上
    449IU/mL未満
    0.616(164)
    1.008(84)
    0.685[0.424, 1.106]
    449IU/mL以上
    0.402(157)
    1.291(77)
    0.375[0.232, 0.606]
    回/人・年(例数)
    注35)投与群、年齢、地域、ベースライン時の血中好酸球数区分、ベースライン時のICS用量、1年以内の重度喘息増悪の発生回数を説明変数とし、観察期間の対数変換値をオフセット変数とした負の二項回帰モデル
    バイオマーカーの区分別の投与12週後の気管支拡張薬投与前FEV1(L)の変化量(ITT集団)
    マーカー
    区分
    (ベースライン時)
    ベースラインからの変化量
    プラセボ群との差注36)
    [95%信頼区間]
    300mg群
    プラセボ群
    血中好酸球数
    150/μL未満
    0.19±0.37(176)
    0.11±0.41(83)
    0.09[-0.01, 0.18]
    150/μL以上
    300/μL未満
    0.22±0.45(168)
    0.22±0.36(90)
    -0.00[-0.10, 0.10]
    300/μL以上
    500/μL未満
    0.36±0.39(131)
    0.17±0.39(66)
    0.18[0.07, 0.30]
    500/μL以上
    0.50±0.45(135)
    0.22±0.41(73)
    0.30[0.19, 0.42]
    FeNO
    25ppb未満
    0.20±0.37(309)
    0.17±0.36(141)
    0.03[-0.04, 0.10]
    25ppb以上
    50ppb未満
    0.32±0.40(182)
    0.18±0.37(94)
    0.12[0.03, 0.21]
    50ppb以上
    0.59±0.51(113)
    0.20±0.48(73)
    0.39[0.26, 0.52]
    総IgE濃度
    61IU/mL未満
    0.21±0.36(143)
    0.19±0.39(78)
    0.05[-0.04, 0.14]
    61IU/mL以上
    167IU/mL未満
    0.28±0.38(151)
    0.23±0.40(73)
    0.05[-0.05, 0.15]
    167IU/mL以上
    449IU/mL未満
    0.34±0.47(156)
    0.08±0.31(83)
    0.26[0.15, 0.36]
    449IU/mL以上
    0.39±0.49(154)
    0.24±0.46(76)
    0.13[0.01, 0.25]
    平均値±標準偏差(例数)
    注36)投与群、年齢、性別、身長、地域、ベースライン時の血中好酸球数区分、ベースライン時のICS用量、評価時点、投与群と評価時点の交互作用、ベースライン時のFEV1値、ベースラインと評価時点の交互作用を説明変数としたMMRM法、相関構造にはunstructuredを仮定した。
    本剤300mg群での副作用は22.6%(143/632例)に、プラセボ群では14.0%(45/321例)に認められ、主な副作用は本剤300mgに注射部位紅斑14.9%、注射部位浮腫5.9%、注射部位そう痒症4.7%であった。
〈慢性閉塞性肺疾患〉
  1. 国際共同第III相試験
    LABA、LAMA及び吸入ステロイド薬(吸入ステロイド薬が禁忌の場合はLABA及びLAMA)の併用療法で効果不十分注37) な、40歳以上の慢性閉塞性肺疾患患者931例(日本人患者13例を含む)を対象に、既存治療の併用下で、本剤300mgを2週に1回、又はプラセボを52週間投与した。主要評価項目である中等度又は重度の慢性閉塞性肺疾患増悪イベントの年間発現率注38) において、本剤群はプラセボ群と比べて統計的に有意な効果を示した(P値:0.0005) 。
    注37)気管支拡張薬投与後のFEV1/努力肺活量比が0.70未満かつ気管支拡張薬投与後のFEV1が予測値の30%超70%以下の気流閉塞、組入れ前の1年以内に中等度の増悪が2回以上又は重度の増悪が1回以上かつMRC息切れスケールでGrade 2以上、スクリーニング時の血中好酸球数が300/μL以上の患者
    注38)中等度の増悪は全身性ステロイド薬及び/又は抗菌薬の投与を必要とする増悪イベント、重度の増悪は入院若しくは救急治療部/救急処置室での24時間を超える観察を必要とする、又は死亡に至った増悪イベント
    投与52週後までの中等度又は重度の慢性閉塞性肺疾患増悪イベントの年間発現率(ITT集団)
    本剤群
    (463例)
    プラセボ群
    (468例)
    総観察期間(人・年)
    453.1
    451.8
    増悪発生件数(回)
    296
    422
    年間増悪発生率注39)
    (回/人・年)
    0.65
    0.93
    年間増悪発生率注40)
    (回/人・年)
    [95.1%信頼区間]
    0.788
    [0.655, 0.949]
    1.113
    [0.941, 1.316]
    プラセボ群との比注41)
    [95.1%信頼区間]
    p値注41)
    0.708
    [0.583, 0.861]
    0.0005
    注39)52週間の治験薬投与期間中に発生した増悪イベントの総数を、52週間の治療期間中に追跡された患者人年の総数で割ったもの
    注40)52週間の治験薬投与期間中に発現した増悪イベントの総数を目的変数とし、投与群、地域、ICS用量、スクリーニング時の喫煙状況、ベースライン時の疾患重症度、試験開始前1年以内の中等度から重度のCOPD増悪の発生回数を説明変数とし、観察期間の対数変換値をオフセット変数とした負の二項回帰モデル
    注41)有意水準両側4.9%
    気管支拡張薬投与前FEV1(L)の変化量(ITT集団)
    本剤群
    プラセボ群
    ベースライン
    1.28±0.45(462)
    1.32±0.46(468)
    投与12週後
    1.43±0.55(444)
    1.38±0.51(437)
    ベースラインからの変化量
    0.14±0.37(444)
    0.06±0.30(437)
    プラセボ群との差注42)
    [95%信頼区間]
    0.080
    [0.038, 0.122]
    投与52週後
    1.44±0.57(421)
    1.39±0.53(418)
    ベースラインからの変化量
    0.14±0.39(421)
    0.05±0.32(418)
    プラセボ群との差注42)
    [95%信頼区間]
    0.076
    [0.031, 0.121]
    平均値±標準偏差(例数)
    注42)12週後又は52週後の気管支拡張薬投与前FEV1(L)の変化量を目的変数とし、投与群、年齢、性別、身長、地域、ICS用量、スクリーニング時の喫煙状況、評価時点、投与群と評価時点の交互作用、ベースライン時の気管支拡張薬投与前FEV1、FEV1のベースライン値と評価時点の交互作用を説明変数としたMMRM法
    本剤群での副作用は7.5%(35/464例)、プラセボ群では3.9%(18/467例)に認められ、本剤群で最も多く見られた副作用は注射部位反応1.5%であった。
〈鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎〉
  1. 国際共同第III相試験
    手術や全身ステロイド薬(推奨されない場合を除く)によっても効果不十分注43) な、18歳以上の鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者448例(日本人患者49例を含む)を対象に、鼻噴霧用ステロイド薬に追加して本剤300mgを52週間2週に1回(Q2W)(Q2W群)又は最初の24週間はQ2Wその後52週まで4週に1回(Q4W)投与(Q2W-Q4W群)、若しくはプラセボを52週間投与した。3つの主要有効性評価項目である投与後24週時点の鼻茸スコア、鼻閉重症度スコア、Lund-Mackay(LMK)スコアのベースラインからの変化量において、本剤併合群(Q2W群及びQ2W-Q4W群)はプラセボ群に比べ統計的に有意な改善を示した(全てp<0.0001) 。
    注43)両側鼻茸スコアが5以上(各鼻孔スコアは2以上)、鼻閉重症度スコアが2以上で週平均が1を超える、嗅覚障害や鼻漏(前鼻漏/後鼻漏)といったその他の症状を有する患者
    ベースラインからの変化量の調整平均及び群間差(ITT集団)
    評価項目
    本剤併合群注48)
    (295例)
    プラセボ群
    (153例)
    投与後24週時点
    鼻茸スコア注44)
    投与前注45)
    6.18
    5.96
    変化量注46)
    -1.71
    0.10
    プラセボ群との差
    [95%信頼区間]注47)
    -1.80
    [-2.10, -1.51]
    鼻閉重症度注44)
    投与前注45)
    2.46
    2.38
    変化量注46)
    -1.25
    -0.38
    プラセボ群との差
    [95%信頼区間]注47)
    -0.87
    [-1.03, -0.71]
    LMKスコア注44)
    投与前注45)
    18.12
    17.65
    変化量注46)
    -5.21
    -0.09
    プラセボ群との差
    [95%信頼区間]注47)
    -5.13
    [-5.80, -4.46]
    UPSIT注44)
    投与前注45)
    13.53
    13.78
    変化量注46)
    9.71
    -0.81
    プラセボ群との差
    [95%信頼区間]注47)
    10.52
    [8.98, 12.07]
    評価項目
    本剤
    Q2W群
    (150例)
    本剤
    Q2W-Q4W群
    (145例)
    プラセボ群
    (153例)
    投与後52週時点
    鼻茸スコア注44)
    投与前注45)
    6.07
    6.29
    5.96
    変化量注46)
    -2.24
    -2.06
    0.15
    プラセボ群との差
    [95%信頼区間]注47)
    -2.40
    [-2.77, -2.02]
    -2.21
    [-2.59, -1.83]
    鼻閉重症度注44)
    投与前注45)
    2.48
    2.44
    2.38
    変化量注46)
    -1.35
    -1.48
    -0.37
    プラセボ群との差
    [95%信頼区間]注47)
    -0.98
    [-1.17, -0.79]
    -1.10
    [-1.29, -0.91]
    LMKスコア注44)
    投与前注45)
    18.42
    17.81
    17.65
    変化量注46)
    -6.83
    -5.60
    0.11
    プラセボ群との差
    [95%信頼区間]注47)
    -6.94
    [-7.87, -6.01]
    -5.71
    [-6.64, -4.77]
    UPSIT注44)
    投与前注45)
    13.46
    13.60
    13.78
    変化量注46)
    9.53
    9.99
    -0.77
    プラセボ群との差
    [95%信頼区間]注47)
    10.30
    [8.50, 12.10]
    10.76
    [8.95, 12.57]
    注44)鼻茸スコア(0-8点); 鼻閉重症度(0-3点); LMK(sinus opacification on the Lund-MacKay total CT)スコア(0-24点); UPSIT(University of Pennsylvania smell identification test)(0-40点)
    鼻茸スコア、鼻閉重症度スコア、LMKスコアはスコアの減少が、UPSITはスコアの増加が改善を意味する。
    注45)平均値
    注46)調整平均
    注47)WOCF法及び多重代入法を合わせた混成手法により、投与群、喘息の状態、手術歴及び地域を要因とし、ベースライン値を共変量とした共分散分析で解析した。
    注48)Q2W群とQ2W-Q4W群の併合
    本剤Q2W群での副作用は24.2%(36/149例)、Q2W-Q4W群では27.7%(41/148例)、プラセボ群では22.0%(33/150例)に認められ、本剤Q2W群及びQ2W-Q4W群の主な副作用は注射部位紅斑7.4%及び6.8%、及び注射部位反応3.4%及び5.4%であった。
  2. 国内第IV相試験
    手術や全身ステロイド薬(推奨されない場合を除く)によっても効果不十分注49) な、18歳以上の日本人の鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者25例を対象に、鼻噴霧用ステロイド薬非併用下で本剤300mgを2週に1回、52週間投与した。なお、投与16週及び24週の両時点の鼻茸スコアがベースラインから2点以上改善した被験者では、投与24週以降、本剤300mgを4週に1回投与に変更することが許容された。主要有効性評価項目である投与後24週時点の鼻茸スコアがベースラインから1点以上改善した被験者の割合は92.0%(23/25例)であった 。
    注49)両側鼻茸スコアが5以上(各鼻孔スコアは2以上)、鼻閉重症度スコアが2以上で週平均が1を超える、嗅覚障害や鼻漏(前鼻漏/後鼻漏)といったその他の症状を有する患者
    ベースラインからの変化量
    評価項目
    本剤群(25例)
    鼻茸スコア注50)
    投与前
    6.4±1.4
    投与24週時点の変化量注51)
    -2.4±1.7
    投与52週時点の変化量注51)
    -2.2±2.0注52)
    鼻閉重症度注50)
    投与前
    2.7±0.6
    投与24週時点の変化量注51)
    -1.6±1.1
    投与52週時点の変化量注51)
    -1.8±1.2注52)
    LMKスコア注50)
    投与前
    18.3±4.2
    投与24週時点の変化量注51)
    -5.6±4.5
    投与52週時点の変化量注51)
    -7.0±4.4注52)
    平均値±標準偏差
    注50)鼻茸スコア(0-8点);鼻閉重症度(0-3点);LMK(sinus opacification on the Lund-MacKay total CT)スコア(0-24点)
    スコアの減少が改善を意味する。
    注51)WOCF法及び多重代入法を合わせた混成手法により解析した。
    注52)投与24週以降、本剤300mgを4週に1回投与に変更した3例の成績を含む。
    副作用は8%(2/25例)に認められ、頭部不快感(1件)、鼻痛(1件)及び注射部位紅斑(1件)であった。

薬効薬理

作用機序
デュピルマブは、ヒトインターロイキン-4及びインターロイキン-13受容体の複合体が共有しているIL-4受容体αサブユニットに特異的に結合することにより、IL-4及びIL-13の両シグナル伝達を阻害する遺伝子組換えヒトIgG4モノクローナル抗体である。IL-4及びIL-13はアトピー性皮膚炎、結節性痒疹、特発性の慢性蕁麻疹、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患及び鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎の病態において重要な役割を担うType 2サイトカインである 。
IL-4及びIL-13シグナル伝達に対する作用
デュピルマブは高親和性にヒトIL-4Rαに結合し、IL-4及びIL-13を介したシグナル伝達をin vitro及びin vivoで抑制した 。
2型炎症モデルにおける炎症抑制作用
内因性マウスIL-4及びIL-4Rαの外部領域の両方を、相当するヒト配列で置換した遺伝子改変マウスを用いたチリダニアレルゲン誘発性Type 2炎症モデルにおいて、デュピルマブは、血清中IgE濃度、アレルゲン特異的IgG1濃度等を低下させるとともに、肺好酸球浸潤、杯細胞化生並びに肺機能障害を抑制した 。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
デュピルマブ(遺伝子組換え)
Dupilumab(Genetical Recombination)
本質
デュピルマブは、ヒトインターロイキン-4受容体のαサブユニットに対する遺伝子組換えヒトIgG4モノクローナル抗体であり、H鎖233番目のアミノ酸残基がProに置換されている。デュピルマブは、チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される。デュピルマブは、452個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ4鎖)2本及び219個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2本で構成される糖タンパク質(分子量:約152,000)である。

取扱い上の注意

  1. 冷蔵庫から取り出した後は、外箱に入れたまま25℃以下で保存し、14日以内に使用すること。
  2. 外箱開封後は遮光して保存すること。
  3. 本剤を温めたり、直射日光に晒さないこと。また、本剤を振とうしないこと。

承認条件

医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。

包装

〈デュピクセント皮下注300mgペン〉
2mL×1本
〈デュピクセント皮下注300mgシリンジ〉
2mL×1本
〈デュピクセント皮下注200mgシリンジ〉
1.14mL×1本

主要文献

1
社内資料:国内第I相単回投与試験(2018年1月19日承認、CTD2.7.2.2)
2
社内資料:アトピー性皮膚炎患者を対象とした国際共同第III相単独療法試験(2018年1月19日承認、CTD2.7.2.2)
3
社内資料:アトピー性皮膚炎患者を対象とした国際共同第III相併用療法試験(2018年1月19日承認、審査報告書p.33-34)
4
Simpson E L, et al.:N Engl J Med. 2016;375(24):2335-48
5
社内資料:生後6カ月以上18歳未満のアトピー性皮膚炎患者を対象とした国内第III相併用療法試験(2023年9月25日承認、審査報告書p.8-11)
6
社内資料:結節性痒疹患者を対象とした国際共同第III相試験(2023年6月26日承認、審査報告書p.8-9)
7
社内資料:特発性の慢性蕁麻疹患者を対象とした国際共同第III相試験(2024年2月9日承認、審査報告書p.7-9)
8
社内資料:気管支喘息患者を対象とした国際共同第III相試験(2019年3月26日承認、審査報告書p.15)
9
社内資料:慢性閉塞性肺疾患患者を対象とした国際共同第III相試験(2025年3月27日承認、審査報告書p.8-10)
10
Bachert C, et al.:Lancet. 2019;394(10209):1638-50
11
社内資料:鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎患者を対象とした国内第IV相試験
12
社内資料:非臨床薬効薬理試験(2018年1月19日承認、CTD2.6.2.1)

文献請求先及び問い合わせ先

サノフィ株式会社
くすり相談室
〒163-1488 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号
フリーダイヤル0120-109-905

製造販売業者等

製造販売元
サノフィ株式会社
〒163-1488 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号
販売提携
リジェネロン・ジャパン株式会社

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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