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ザイザル錠5mg

持続性選択H1受容体拮抗・アレルギー性疾患治療剤

1錠 57.2円

添付文書番号

4490028F1027_1_10

企業コード

340278

作成又は改訂年月

2021年8月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87449

薬効分類名

持続性選択H1受容体拮抗・アレルギー性疾患治療剤

承認等

販売名

ザイザル錠5mg

販売名コード

4490028F1027

販売名英字表記

Xyzal Tablets 5mg

販売名ひらがな

ざいざるじょう5mg

承認番号等

承認番号
22200AMX00949

販売開始年月

2010年12月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

レボセチリジン塩酸塩

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分又はピペラジン誘導体(セチリジン、ヒドロキシジンを含む)に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 重度の腎障害(クレアチニンクリアランス10mL/min未満)のある患者

組成・性状

組成

ザイザル錠5mg
有効成分
1錠中
レボセチリジン塩酸塩  5mg
添加剤
結晶セルロース、軽質無水ケイ酸、乳糖水和物、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール400

製剤の性状

ザイザル錠5mg
剤形・性状
白色の両面割線入りのフィルムコーティング錠
識別コード
XX

(長径×短径)

8mm×4.5mm
側面
(厚さ)

3.2mm
質量
103mg

効能又は効果

[成人]
  • アレルギー性鼻炎
  • 蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症
[小児]
  • アレルギー性鼻炎
  • 蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒

用法及び用量

[成人]
通常、成人にはレボセチリジン塩酸塩として1回5mgを1日1回、就寝前に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最高投与量は1日10mgとする。
[小児]
通常、7歳以上15歳未満の小児にはレボセチリジン塩酸塩として1回2.5mgを1日2回、朝食後及び就寝前に経口投与する。

用法及び用量に関連する注意

  1. 腎障害患者では、血中濃度半減期の延長が認められ、血中濃度が増大するため、クレアチニンクリアランスに応じて、下表のとおり投与量の調節が必要である。
    成人患者の腎機能に対応する用法及び用量の目安
    クレアチニンクリアランス(mL/min)
    ≧80
    50~79
    30~49
    10~29
    推奨用量
    5mgを1日に1回
    2.5mgを1日に1回
    2.5mgを2日に1回
    2.5mgを週に2回
    (3~4日に1回)
    腎障害を有する小児患者では、各患者の腎クリアランスと体重を考慮して、個別に用量を調整すること。
  2. 高齢者では、低用量(例えば2.5mg)から投与を開始するなど慎重に投与すること。

重要な基本的注意

〈効能共通〉
  1. 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。
  2. 効果が認められない場合には、漫然と長期にわたり投与しないように注意すること。
〈アレルギー性鼻炎〉
  1. 季節性の患者に投与する場合は、好発季節を考えて、その直前から投与を開始し、好発季節終了時まで続けることが望ましい。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者
    痙攣を発現するおそれがある。

腎機能障害患者

  1. 重度の腎障害(クレアチニンクリアランス10mL/min未満)のある患者
    投与しないこと。高い血中濃度が持続するおそれがある。
  2. 腎障害のある患者(重度の腎障害のある患者を除く)
    高い血中濃度が持続するおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 肝障害のある患者
    高い血中濃度が持続するおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。動物実験(ラット)で胎盤を通過することが報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。セチリジン注)塩酸塩において、ヒト乳汁中へ移行することが報告されている。
注)ラセミ体であるセチリジンのR-エナンチオマーがレボセチリジンである。

小児等

7歳未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

慎重に投与し、異常が認められた場合は減量又は休薬するなど適切な処置を行うこと。腎機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがある。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
テオフィリン
セチリジン注)塩酸塩との併用により、テオフィリンの薬物動態に変化はないが、セチリジン注)塩酸塩のクリアランスが16%減少する。
機序は明らかではない。
リトナビル
セチリジン注)塩酸塩との併用により、セチリジン注)塩酸塩の曝露量の増加(40%)及びリトナビルの曝露量のわずかな変化(-11%)が報告されている。
リトナビルによりセチリジン注)塩酸塩の腎排泄が阻害される可能性が考えられる。
中枢神経抑制剤
アルコール
中枢神経系に影響を与える可能性がある。
中枢神経抑制作用が増強される可能性がある。
ピルシカイニド塩酸塩水和物
セチリジン注)塩酸塩との併用により、両剤の血中濃度が上昇し、ピルシカイニド塩酸塩水和物の副作用が発現したとの報告がある。
機序は明らかではない。
注)ラセミ体であるセチリジンのR-エナンチオマーがレボセチリジンである。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、血圧低下、蕁麻疹、発赤等)があらわれることがある。
  2. 痙攣(頻度不明)
  3. 肝機能障害(0.6%)、黄疸(頻度不明)
    AST、ALT、γ-GTP、LDH、Al-Pの上昇等の肝機能障害(初期症状:全身倦怠感、食欲不振、発熱、嘔気等)、黄疸があらわれることがある。
  4. 血小板減少(頻度不明)

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
精神神経系
眠気、倦怠感
頭痛、頭重感、ふらふら感、しびれ感、めまい、浮遊感
不眠、振戦、抑うつ、激越、攻撃性、傾眠、疲労、無力症、睡眠障害、錯感覚、幻覚、自殺念慮、失神、健忘注)、不随意運動注)、意識消失注)、悪夢
消化器
口渇、嘔気、食欲不振
胃不快感、下痢、消化不良、腹痛、腹部不快感、胃痛、口唇炎、便秘、口唇乾燥感、嘔吐、味覚異常、口内炎
腹部膨満感、食欲亢進
循環器
動悸、血圧上昇、不整脈(房室ブロック注)、期外収縮、頻脈、発作性上室性頻拍注)、心房細動)
血液
好酸球増多注)
好中球減少、リンパ球増多注)、白血球増多、白血球減少、単球増多注)、血小板増加注)、血小板減少注)
過敏症
発疹、蕁麻疹、浮腫、かぶれ、そう痒感、血管性浮腫
多形紅斑、薬疹
結膜充血、霧視
視覚障害、眼球回転発作
肝臓
ALT上昇、AST上昇、総ビリルビン上昇
Al-P上昇
腎臓・泌尿器
尿蛋白注)、BUN上昇、尿糖注)、ウロビリノーゲンの異常注)、頻尿、血尿注)
排尿困難、尿閉、遺尿注)
その他
耳鳴、月経異常、胸痛、ほてり、息苦しさ
関節痛、手足のこわばり、嗅覚異常、鼻出血、脱毛、咳嗽、体重増加、筋肉痛、呼吸困難
注)セチリジン塩酸塩でのみ認められている副作用。
副作用発現頻度についてはセチリジン塩酸塩の発現状況に基づき記載した。

臨床検査結果に及ぼす影響

アレルゲン皮内反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査を実施する3~5日前より本剤の投与を中止することが望ましい。

過量投与

  1. 症状
    傾眠傾向があらわれることがある。特に小児では激越、落ち着きのなさがあらわれることがある。
  2. 処置
    本剤の特異的な解毒剤はなく、また本剤は透析で除去されない。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    健康成人男性20例にレボセチリジン塩酸塩5mgを空腹時単回経口投与した時、血漿中レボセチリジン濃度は投与後1時間には最高血漿中濃度232.6ng/mLに到達した。血漿中濃度の消失半減期は約7.3時間であった。また、10mgを単回経口投与した時、投与量増量に伴うCmaxの上昇及びAUCの増加が認められた。セチリジン塩酸塩10mgを空腹時単回経口投与した時、血漿中レボセチリジン濃度は投与後1時間には最高血漿中濃度228.3ng/mLに達し、消失半減期は約7.3時間であった。
    レボセチリジン塩酸塩はセチリジン塩酸塩の半量で同様の血漿中レボセチリジン濃度が得られ、血漿中レボセチリジンのCmax及びAUC0-48は同等であった。
    図1 血漿中レボセチリジン濃度推移(20例、平均値+標準偏差)
    表1 レボセチリジンの薬物動態パラメータ
    投与薬剤
    投与量
    tmax
    (hr)
    Cmax
    (ng/mL)
    t1/2
    (hr)
    AUC0-∞
    (ng.hr/mL)
    レボセチリジン
    5mg
    1.00
    (0.25-4.00)
    232.60±64.49
    7.33±0.98
    1814.06±392.49
    10mg
    0.75
    (0.50-2.00)
    480.00±104.01
    7.57±0.89
    3546.51±712.14
    セチリジン
    10mg
    1.00
    (0.50-2.00)
    228.30±40.67
    7.32±0.78
    1875.37±377.94
    20例、平均値±標準偏差、tmax:中央値(範囲)
  2. 反復投与
    健康成人20例にレボセチリジン塩酸塩5mgを1日1回8日間空腹時反復経口投与した時、血漿中レボセチリジン塩酸塩濃度は投与開始後2日までに定常状態に到達し、AUC0-24について算出した累積係数は1.08であった(外国人データ)。

吸収

  1. 食事の影響
    健康成人20例にレボセチリジン塩酸塩5mgを食後(高脂肪食)又は空腹時に単回経口投与した時、空腹時投与と比べ、食後投与の血漿中レボセチリジン塩酸塩のtmaxは約1.3時間遅延し、Cmaxが約35%低下したが、AUCに顕著な差はみられなかった(外国人データ)。

分布

  1. 分布容積
    健康成人男性20例にレボセチリジン塩酸塩5mgを空腹時単回経口投与した時、レボセチリジンの見かけの分布容積は25.14Lであった。
  2. 血漿蛋白結合率
    In vitroでの[14C]-レボセチリジン(0.2~5μg/mL)のヒト血漿蛋白結合率は約92%であった。

代謝

  1. 代謝酵素
    レボセチリジンの代謝経路はフェニル基の水酸化、N-及びO-脱アルキル化並びにタウリン抱合体の生成である。In vitroにおいて、レボセチリジンは主にCYP3A4で脱アルキル体に、複数のCYP分子種(未同定)でフェニル基の水酸化体に代謝された。
  2. 代謝酵素阻害・誘導
    In vitroにおいて、レボセチリジンは臨床用量のCmax付近の濃度でCYP1A2、2C9、2C19、2D6、2E1及び3A4を阻害せず、UGT1A並びにCYP1A2、2C9及び3A4を誘導しなかった。

排泄

  1. 健康成人男性20例にレボセチリジン塩酸塩5mg及び10mgを空腹時単回経口投与した時の見かけの全身クリアランスは、それぞれ2.435±0.567L/hr及び2.482±0.582L/hrであった。
  2. 健康成人20例にレボセチリジン塩酸塩5mgを空腹時単回経口投与した時の投与後48時間までのレボセチリジン塩酸塩の累積尿中排泄率は約73%であった(外国人データ)。
  3. 健康成人男性4例に[14C]-レボセチリジン塩酸塩溶液5mgを空腹時単回経口投与した時の投与後168時間までの尿及び糞中の放射能回収率はそれぞれ85.4%及び12.9%であった。

特定の背景を有する患者

  1. 腎機能低下者
    クレアチニンクリアランスが45~90mL/min(軽度)、10~45mL/min(中等度)の腎機能低下者、及び血液透析を必要とする重度の腎機能低下者にレボセチリジン塩酸塩5mgを単回経口投与した時、腎機能正常者に比べ、腎機能低下者では、レボセチリジン塩酸塩のAUC0-∞は約1.8~5.7倍増加し、t1/2は約1.4~3.9倍に延長した(外国人データ)。
    表2 腎機能低下者におけるレボセチリジン塩酸塩の薬物動態パラメータ
    腎機能
    正常
    (6例)
    軽度低下
    (6例)
    中等度低下
    (6例)
    重度低下
    (5例)
    CLcr
    (mL/min/1.73m2
    98.7±7.2
    62.4±9.8
    26.4±10.3
    0
    Cmax
    (ng/mL)
    220.5±68.78
    295.2±60.76
    320.0±67.06
    358.0±90.64
    AUC0-∞
    (ng.hr/mL)
    2212.5±282.60
    3884.4±769.85
    8290.9±3653.54
    12579±3518.4
    t1/2(hr)
    10.4±2.76
    14.9±3.12
    25.2±9.73
    41.0±15.54
    CLr
    (mL/min/1.73m2
    25.6±4.64
    14.3±5.13
    4.2±2.33
    CL/f(L/hr)
    2.29±0.27
    1.33±0.25
    0.68±0.22
    0.43±0.15
    平均値±標準偏差
    CLcr:クレアチニンクリアランス
    CLr:腎クリアランス
    CL/f:全身クリアランス
  2. 肝障害のある患者
    肝機能低下者におけるレボセチリジン塩酸塩の薬物動態の検討は行われていない。
    なお、原発性胆汁性肝硬変患者にセチリジン塩酸塩10mgを単回経口投与した場合、肝機能正常者に比べ、血清中濃度消失半減期の延長、Cmaxの上昇、AUCの増大が認められた(外国人データ)。
    表3 肝障害のある患者におけるセチリジン塩酸塩の薬物動態パラメータ
    被験者
    tmax
    (hr)
    Cmax
    (ng/mL)
    t1/2
    (hr)
    AUC
    (mg.hr/L)
    健康成人
    (14例)
    1.0±0.5
    384±103
    7.4±1.6
    3.3±0.9
    原発性胆汁性肝硬変患者
    (6例)
    1.0±0.4
    498±118
    13.8±1.8
    6.4±1.6
    平均値±標準偏差
  3. 高齢者
    高齢者(年齢:平均68歳)9例にレボセチリジン塩酸塩30mg注)を1日1回6日間反復経口投与した時のレボセチリジン塩酸塩の全身クリアランスは、健康成人(年齢:平均40歳)と比較して約25%低かった(外国人データ)。
    注)本剤の承認用量は、通常、成人にはレボセチリジン塩酸塩として1回5mgを1日1回、就寝前に経口投与、最高投与量は1日10mgである。
    表4 高齢者におけるレボセチリジン塩酸塩の薬物動態パラメータ
    被験者
    tmax
    (hr)
    Cmax
    (ng/mL)
    t1/2
    (hr)
    AUC0-∞
    (ng.hr/mL)
    健康成人
    (27例)
    0.58
    (0.58-2.08)
    1635±268
    6.92±1.10
    13855±2340
    高齢者
    (9例)
    1.08
    (0.58-2.08)
    1596±287
    8.92±1.71
    20382±6025
    平均値±標準偏差、tmax:中央値(範囲)

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. セチリジン塩酸塩の臨床試験
    〈アレルギー性鼻炎〉
    1. 国内後期第Ⅱ相試験(二重盲検比較試験、成人)
      通年性アレルギー性鼻炎患者を対象として、セチリジン塩酸塩錠10mgを1日1回2週間投与した時、最終全般改善度の中等度改善以上の割合は53.8%(21/39例)であった。
      副作用発現頻度は13.0%(6/46例)であり、主な副作用は眠気4.3%(2/46例)であった。
    2. 国内第Ⅲ相試験(二重盲検比較試験、成人)
      通年性アレルギー性鼻炎患者を対象として、セチリジン塩酸塩錠10mgを1日1回4週間投与した時、最終全般改善度の中等度改善以上の割合は47.9%(45/94例)であった。
      副作用発現頻度は5.5%(6/110例)であり、主な副作用は眠気3.6%(4/110例)であった。
    3. 国内第Ⅲ相試験(二重盲検比較試験、小児)
      通年性アレルギー性鼻炎患者を対象として、セチリジン塩酸塩ドライシロップ[2歳以上7歳未満:1回0.2g(セチリジン塩酸塩として2.5mg)を1日2回、7歳以上15歳未満:1回0.4g(セチリジン塩酸塩として5mg)を1日2回]あるいはプラセボを2週間投与した。総合鼻症状スコア(くしゃみ発作、鼻汁、鼻閉、鼻内そう痒感)の変化量(解析対象122例)を表1に示した。その結果から、プラセボに対する本薬の優越性が検証された。
      表1 全治療評価期間における総合鼻症状スコア注1)の変化量
      例数
      ベースライン
      評価期間
      全治療
      評価期間
      変化量注2)
      平均値
      (標準偏差)
      平均値
      (標準偏差)
      平均値
      (標準偏差)
      調整済み平均値注3)
      (標準誤差)
      セチリジン
      塩酸塩
      122
      6.66
      (1.26)
      4.79
      (1.96)
      1.87
      (1.79)
      1.85
      (0.18)
      プラセボ
      117
      6.84
      (1.52)
      5.51
      (2.04)
      1.33
      (1.79)
      1.25
      (0.18)
      セチリジン塩酸塩
      vsプラセボ
      点推定値注3)
      95%信頼区間注3)
      p値
      0.60
      [0.15~1.05]
      p=0.0087
      注1)総合鼻症状スコアが10を超える患児は組入れから除外
      注2)変化量={ベースライン評価期間(治験薬投与開始日の前3日間)-全治療評価期間}
      注3)ベースライン評価期間スコア及び年齢層を共変量とした共分散分析により算出
      副作用発現頻度は9.8%(12/122例)であり、主な副作用はALT増加5.7%(7/122例)、AST増加1.6%(2/122例)であった。
    4. 国内第Ⅲ相試験(一般臨床試験、小児)
      通年性アレルギー性鼻炎患者を対象として、セチリジン塩酸塩ドライシロップ[2歳以上7歳未満:1回0.2g(セチリジン塩酸塩として2.5mg)を1日2回、7歳以上15歳未満:1回0.4g(セチリジン塩酸塩として5mg)を1日2回]を12週間投与した。総合鼻症状スコアのベースライン評価期間からの変化量の推移(平均値±標準偏差、解析対象36例)は、投与4週時:2.81±2.62、投与8週時:3.66±2.75、投与12週時:3.40±3.01であり、効果は投与終了時まで減弱することなく、安定していた。
      副作用発現頻度は2.8%(1/36例)であり、主な副作用は白血球数増加1例であった。
    〈蕁麻疹〉
    1. 国内後期第Ⅱ相試験(二重盲検比較試験、成人)
      セチリジン塩酸塩錠10mgを1日1回投与した時、投与3日後、投与1週後及び投与2週後における全般改善度の中等度改善以上の割合は、それぞれ、47.9%(34/71例)、64.9%(48/74例)及び71.6%(48/67例)であった。
      副作用発現頻度は10.8%(9/83例)であり、主な副作用は眠気4.8%(4/83例)であった。
    2. 国内第Ⅲ相試験(二重盲検比較試験、成人)
      セチリジン塩酸塩錠10mgを1日1回投与した時、投与3日後、投与1週後及び投与2週後における全般改善度の中等度改善以上の割合は、それぞれ、56.4%(53/94例)、71.3%(77/108例)及び82.2%(88/107例)であった。
      副作用発現頻度は15.9%(21/132例)であり、主な副作用は眠気10.6%(14/132例)であった。
    3. 国内第Ⅲ相試験(一般臨床試験、成人)
      セチリジン塩酸塩錠10mgを1日1回投与した時、投与3日後、投与1週後及び投与2週後における全般改善度の中等度改善以上の割合は、それぞれ、46.7%(14/30例)、53.2%(33/62例)及び72.9%(43/59例)であった。
      副作用発現頻度は4.4%(3/68例)であり、主な副作用は眠気2.9%(2/68例)であった。
    4. 国内第Ⅲ相試験(一般臨床試験、成人)
      セチリジン塩酸塩錠10mgを1日1回投与した時、投与3日後、投与1週後及び投与2週後における全般改善度の中等度改善以上の割合は、それぞれ、66.7%(24/36例)、70.8%(34/48例)及び80.0%(32/40例)であった。
      副作用発現頻度は7.8%(4/51例)であり、主な副作用は眠気3.9%(2/51例)であった。
    〈湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症〉
    1. 国内第Ⅲ相試験(一般臨床試験、成人)
      セチリジン塩酸塩錠10mgを1日1回2週間投与した時、最終全般改善度の中等度改善以上の割合は、湿疹・皮膚炎群で65.9%(81/123例)、痒疹群で57.7%(30/52例)、皮膚そう痒症で74.5%(41/55例)であった。
      副作用発現頻度は全体で5.5%(13/236例)であり、主な副作用は眠気3.4%(8/236例)であった。
    〈蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒〉
    1. 国内第Ⅲ相試験(二重盲検比較試験、小児)
      アトピー性皮膚炎を対象とした二重盲検比較試験において、セチリジン塩酸塩ドライシロップ[3歳以上7歳未満:1回0.2g(セチリジン塩酸塩として2.5mg)を1日2回、7歳以上15歳未満:1回0.4g(セチリジン塩酸塩として5mg)を1日2回]あるいはケトチフェンフマル酸塩ドライシロップ[3歳以上7歳未満:1回0.6g(ケトチフェンとして0.6mg)を1日2回、7歳以上15歳未満:1回1g(ケトチフェンとして1mg)を1日2回]を2週間投与した。そう痒の重症度の変化量(解析対象134例)を表2に示した。その結果から、ケトチフェンフマル酸塩に対する本薬の非劣性が検証された。
      表2 全治療評価期間におけるそう痒の重症度の変化量
      例数注1)
      ベースライン
      評価期間
      全治療
      評価期間
      変化量注2)
      平均値
      (標準偏差)
      平均値
      (標準偏差)
      平均値
      (標準偏差)
      調整済み平均値注3)
      (標準誤差)
      セチリジン
      塩酸塩
      134
      2.41
      (0.52)
      1.96
      (0.64)
      0.45
      (0.67)
      0.43
      (0.05)
      ケトチフェン
      フマル酸塩
      126
      2.40
      (0.52)
      1.88
      (0.63)
      0.52
      (0.62)
      0.51
      (0.05)
      セチリジン塩酸塩
      vsケトチフェンフマル酸塩
      点推定値注3)
      95%信頼区間注3)
      -0.08
      [-0.22~0.06]
      注1)変化量が算出可能な被験者数
      注2)変化量={ベースライン評価期間(治験薬投与開始日の前3日間)-全治療評価期間}
      注3)ベースライン評価期間のそう痒の重症度及び年齢層を共変量とした共分散分析により算出
      副作用発現頻度は2.7%(4/148例)であり、主な副作用は傾眠1.4%(2/148例)であった。
    2. 国内第Ⅲ相試験(一般臨床試験、小児)
      蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、痒疹、皮膚そう痒症を対象とした試験において、セチリジン塩酸塩ドライシロップ[2歳以上7歳未満:1回0.2g(セチリジン塩酸塩として2.5mg)を1日2回、7歳以上15歳未満:1回0.4g(セチリジン塩酸塩として5mg)を1日2回]を12週間投与した。そう痒の重症度の治療期開始日からの変化量の推移(平均値±標準偏差)は、投与4週時:0.83±0.79、投与8週時:0.97±0.90、投与12週時:1.03±0.90であり、効果は投与終了時まで減弱することなく、安定していた。
      副作用発現頻度は1.4%(1/73例)であり、傾眠1例であった。
  2. レボセチリジン塩酸塩の臨床試験
    〈アレルギー性鼻炎〉
    1. 海外第Ⅲ相試験(二重盲検比較試験、成人)
      季節性アレルギー性鼻炎患者を対象として、レボセチリジン塩酸塩錠5mg群とセチリジン塩酸塩錠10mg群の臨床的同等性を検討した。主要評価項目である4症状(くしゃみ発作、鼻汁、鼻のそう痒及び眼のそう痒)の合計スコアの調整済み平均値の差は‐0.12であり、レボセチリジン塩酸塩錠5mg群とセチリジン塩酸塩錠10mg群は臨床的に同等であることが示された。また、両剤はプラセボ群に比較して有意に4症状の合計スコアを改善した。
      表3 4症状の合計スコアによる同等性分析(Per Protocol解析集団)
      期間
      投与群
      症例数
      平均値
      調整済み平均値
      調整済み平均値の差注)
      (90%CI)
      投与前
      レボセチリジン5mg
      281
      7.91
      セチリジン10mg
      278
      7.81
      全治療期間
      レボセチリジン5mg
      280
      4.03
      4.00
      ‐0.12
      (‐0.41,0.17)
      セチリジン10mg
      278
      3.87
      3.89
      4症状の合計スコアの調整済み平均値の差の90%CIがセチリジン10mgの4症状の合計スコアの平均値から算出した20%の範囲(‐0.78,0.78)に含まれた。
      注)セチリジン10mgの調整済み平均値からレボセチリジン5mgの調整済み平均値を減じた。
      主な副作用は、レボセチリジン塩酸塩錠5mg群(解析対象319例)で傾眠26件、頭痛9件、口内乾燥8件であり、セチリジン塩酸塩錠10mg群(解析対象318例)で傾眠20件、頭痛11件、口内乾燥6件であった。
    2. 海外第Ⅲ相試験(二重盲検比較試験、成人)
      季節性アレルギー性鼻炎患者を対象として、レボセチリジン塩酸塩錠5mgを1日1回、2週間投与した時、レボセチリジン塩酸塩錠5mg群はプラセボ群に比し主要評価項目とした4症状(くしゃみ発作、鼻汁、鼻のそう痒及び眼のそう痒)の合計スコアを有意に改善した。
      表4 4症状の合計スコアの平均値
      投与群
      症例数
      投与前
      全治療期間
      調整済み平均値
      p値注)
      プラセボ
      117
      8.50
      6.09
      0.003
      レボセチリジン5mg
      118
      8.40
      5.20
      注)共分散分析(共変量:投与群、投与前値、施設)
      主な副作用は、レボセチリジン塩酸塩錠5mg群(解析対象119例)で傾眠6件、頭痛5件であった。
    3. 海外第Ⅲ相試験(二重盲検比較試験、成人)
      通年性アレルギー性鼻炎患者を対象として、レボセチリジン塩酸塩錠5mgを1日1回、6週間投与した時、レボセチリジン塩酸塩錠5mg群はプラセボ群に比し主要評価項目とした4症状(くしゃみ発作、鼻汁、鼻のそう痒及び眼のそう痒)の合計スコアを有意に改善した。
      表5 4症状の合計スコアの平均値
      投与群
      症例数
      投与前
      全治療期間
      調整済み平均値
      p値注)
      プラセボ
      142
      7.44
      5.10
      <0.001
      レボセチリジン5mg
      150
      7.69
      3.93
      注)共分散分析(共変量:投与群、投与前値、施設)
      主な副作用は、レボセチリジン塩酸塩錠5mg群(解析対象150例)で傾眠8件、頭痛6件、口内乾燥6件であった。
    〈蕁麻疹〉
    1. 海外第Ⅲ相試験(二重盲検比較試験、成人)
      慢性特発性蕁麻疹患者を対象として、レボセチリジン塩酸塩錠5mgを1日1回、4週間投与した時、レボセチリジン塩酸塩錠5mg群はプラセボ群に比し主要評価項目としたそう痒重症度スコアを有意に改善した。
      表6 そう痒重症度スコアの平均値
      投与群
      症例数
      投与前
      全治療期間
      調整済み平均値
      p値注)
      プラセボ
      82
      2.06
      1.56
      <0.001
      レボセチリジン5mg
      80
      2.07
      0.94
      注)共分散分析(共変量:投与群、投与前値、施設)
      副作用発現頻度は、レボセチリジン塩酸塩錠5mg群で18.5%(15/81例)であり、主な副作用は疲労9.9%(8/81例)、頭痛6.2%(5/81例)であった。

その他

  1. 眠気に対する影響(小児)
    国内4つの小児臨床試験の併合解析の結果、セチリジン塩酸塩の眠気の発現率は1.0%(5/480例)と低かった,,,。小児通年性アレルギー性鼻炎に対するプラセボを対照とした二重盲検比較試験の結果、セチリジン塩酸塩の眠気の発現率は1.0%未満(1/122例)であり、プラセボ(0/117例)と同程度であった。

薬効薬理

作用機序
レボセチリジンは、ラセミ体であるセチリジンのR-エナンチオマーであり、セチリジンと同様に、持続性選択ヒスタミンH1受容体拮抗・アレルギー性疾患治療薬である。
ヒスタミンH1受容体拮抗作用
ヒスタミンH1受容体に選択的に結合することにより、ヒスタミンの作用を阻害する。ヒスタミンH1受容体に対する親和性はセチリジンよりも約2倍高い。ヒスタミンH2、ヒスタミンH3、アドレナリン、ドパミン、アセチルコリン、セロトニンの各受容体に対する親和性は低い(ヒト、ラット、モルモット)。摘出臓器(モルモット気管)のヒスタミン反応を濃度依存的に抑制した。また、ヒスタミン誘発皮膚反応における膨疹及び発赤抑制作用は投与後1時間から認められ、投与後32時間まで持続した(ヒト)。
好酸球に対する作用
In vitroにおいて、エオタキシン刺激による好酸球の血管内皮細胞間隙遊走を抑制した(ヒト)。
細胞接着分子産生抑制作用
花粉抗原刺激による皮膚血管内皮細胞からのVCAM-1産生を抑制した(ヒト)。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
レボセチリジン塩酸塩(Levocetirizine Hydrochloride)
化学名
2-(2-{4-[(R)-(4-Chlorophenyl)phenylmethyl]piperazin-1-yl}ethoxy)acetic acid dihydrochloride
分子式
C21H25ClN2O3・2HCl
分子量
461.81
性状
白色の粉末である。
化学構造式
分配係数(logP)
1.32(pH7.4、1-オクタノール/水系)

包装

100錠[10錠(PTP)×10]
500錠[10錠(PTP)×50]

主要文献

1
井野比呂子ほか:臨床薬理.2010;41:309-315
2
Benedetti MS, et al.:Eur J Clin Pharmacol.2001;57:571-582
3
奥田 稔ほか:耳鼻咽喉科展望.1994;37:754-779
4
奥田 稔ほか:耳鼻咽喉科展望.1995;38:116-136
5
斎藤博久:臨床医薬.2010;26:141-154
6
斎藤博久ほか:臨床医薬.2010;26:127-139
7
吉田彦太郎ほか:基礎と臨床.1994;28:2107-2129
8
吉田彦太郎ほか:基礎と臨床.1994;28:2131-2145
9
吉田彦太郎ほか:基礎と臨床.1994;28:2163-2173
10
社内資料:セチリジン円形錠(5mg錠)の慢性蕁麻疹に対する臨床試験
11
吉田彦太郎ほか:基礎と臨床.1994;28:2147-2162
12
中川秀己ほか:臨床医薬.2010;26:155-167
13
中川秀己ほか:臨床医薬.2010;26:169-181
14
Potter PC, et al.:Allergy.2003;58:893-899
15
Kapp A, et al.:Int J Dermatol.2006;45:469-474
16
社内資料:小児アレルギー性鼻炎を対象とした二重盲検比較試験(2009年4月22日承認、セチリジン塩酸塩CTD 2.7.6.3)
17
Gillard M,et al.:Mol Pharmacol.2002;61:391-399
18
Christophe B,et al.:Eur J Pharmacol.2003;470:87-94
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Devalia JL,et al.:Allergy.2001;56:50-57
20
Thomson L,et al.:Clin Exp Allergy.2002;32:1187-1192

文献請求先及び問い合わせ先

グラクソ・スミスクライン株式会社
東京都港区赤坂1-8-1
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