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イミダフェナシンOD錠0.1mg「TCK」

過活動膀胱治療剤

1錠 20.2円

添付文書番号

2590013F2058_1_02

企業コード

400278

作成又は改訂年月

2023年12月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87259

薬効分類名

過活動膀胱治療剤

承認等

販売名

イミダフェナシンOD錠0.1mg「TCK」

販売名コード

2590013F2058

販売名英字表記

Imidafenacin OD Tablets 「TCK」

販売名ひらがな

いみだふぇなしんODじょう

承認番号等

承認番号
30200AMX00155000

販売開始年月

2020年6月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

イミダフェナシン口腔内崩壊錠

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 尿閉を有する患者
    [抗コリン作用により排尿時の膀胱収縮が抑制され、症状が悪化するおそれがある。]
  2. 幽門、十二指腸又は腸管が閉塞している患者及び麻痺性イレウスのある患者
    [抗コリン作用により胃腸の平滑筋の収縮及び運動が抑制され、症状が悪化するおそれがある。]
  3. 消化管運動・緊張が低下している患者
    [抗コリン作用により胃腸の平滑筋の収縮及び運動が抑制され、症状が悪化するおそれがある。]
  4. 閉塞隅角緑内障の患者
    [抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状が悪化するおそれがある。]
  5. 重症筋無力症の患者
    [抗コリン作用により、症状が悪化するおそれがある。]
  6. 重篤な心疾患の患者
    [期外収縮等の心電図異常が報告されており、症状が悪化するおそれがある。]
  7. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

イミダフェナシンOD錠0.1mg「TCK」
有効成分
イミダフェナシン  0.1mg
添加剤
乳糖水和物、結晶セルロース、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル、クロスポビドン、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、スクラロース

製剤の性状

イミダフェナシンOD錠0.1mg「TCK」
剤形素錠
色調白色
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
7.5mm
大きさ(厚さ)
4.0mm
重量
174mg

効能又は効果

過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁

効能又は効果に関連する注意

  1. 本剤を適用する際、十分な問診により臨床症状を確認するとともに、類似の症状を呈する疾患(尿路感染症、尿路結石、膀胱癌や前立腺癌等の下部尿路における新生物等)があることに留意し、尿検査等により除外診断を実施すること。なお、必要に応じて専門的な検査も考慮すること。
  2. 下部尿路閉塞疾患(前立腺肥大症等)を合併している患者では、それに対する治療を優先させること。
  3. 過活動膀胱の症状を明確に認識できない認知症又は認知機能障害患者は本剤の投与対象とはならない。

用法及び用量

通常、成人にはイミダフェナシンとして1回0.1mgを1日2回、朝食後及び夕食後に経口投与する。効果不十分な場合は、イミダフェナシンとして1回0.2mg、1日0.4mgまで増量できる。

用法及び用量に関連する注意

  1. イミダフェナシンとして1回0.1mgを1日2回投与し、効果不十分かつ安全性に問題がない場合に増量を検討すること。本剤を1回0.2mg1日2回で投与開始した場合の有効性及び安全性は確立していない。
  2. 中等度以上の肝障害のある患者については、1回0.1mgを1日2回投与とする。
  3. 重度の腎障害のある患者については、1回0.1mgを1日2回投与とする。

重要な基本的注意

  1. 眼調節障害(羞明、霧視、眼の異常感等)、めまい、眠気があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に注意させること。
  2. 本剤投与により効果が認められない場合には、漫然と投与せず、適切な治療を考慮すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 前立腺肥大症等の下部尿路閉塞疾患を有する患者
    本剤投与前に残尿量測定を実施し、必要に応じて、専門的な検査をすること。投与後は残尿量の増加に注意し、十分な経過観察を行うこと。
  2. 排尿困難のある患者
    抗コリン作用により、症状が悪化するおそれがある。
  3. 不整脈のある患者
    抗コリン作用により、症状が悪化するおそれがある。
  4. 認知症又は認知機能障害のある患者
    抗コリン作用により、症状が悪化するおそれがある。
  5. パーキンソン症状又は脳血管障害のある患者
    症状の悪化あるいは精神神経症状があらわれるおそれがある。
  6. 潰瘍性大腸炎の患者
    中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。
  7. 甲状腺機能亢進症の患者
    抗コリン作用により、頻脈等の交感神経興奮症状が悪化するおそれがある。

腎機能障害患者

  1. 重度の腎障害のある患者
    腎排泄が遅延するおそれがある。
  2. 軽度又は中等度の腎障害のある患者
    腎排泄が遅延するおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 中等度以上の肝障害のある患者
    主として肝で代謝されるため、副作用が発現しやすくなるおそれがある。
  2. 軽度の肝障害のある患者
    主として肝で代謝されるため、副作用が発現しやすくなるおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。動物実験(ラット)において胎児への移行が報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

一般に、生理機能が低下している。

相互作用

本剤は、主として肝の薬物代謝酵素CYP3A4により代謝される。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP3A4を阻害する薬剤
イトラコナゾール
エリスロマイシン
クラリスロマイシン等
健康成人男性においてイトラコナゾールと併用したとき、本剤のCmaxは約1.3倍上昇し、AUCは約1.8倍に上昇した。
本剤は主としてCYP3A4で代謝されるので、これらの薬剤により本剤の代謝が阻害される。
抗コリン作用を有する薬剤
三環系抗うつ剤
フェノチアジン系薬剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
口内乾燥、便秘、排尿困難等があらわれるおそれがある。
抗コリン作用が増強されるおそれがある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 急性緑内障(0.06%)
    眼圧亢進があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、直ちに適切な処置を行うこと。
  2. 尿閉(頻度不明)
  3. 肝機能障害(頻度不明)
    AST、ALT、ビリルビンの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある。
  4. 麻痺性イレウス(頻度不明)
    著しい便秘、腹部膨満感等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  5. 幻覚・せん妄(頻度不明)
  6. QT延長、心室性頻拍(頻度不明)
    QT延長、心室性頻拍、房室ブロック、徐脈等があらわれるとの報告がある。

その他の副作用

5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
発疹、そう痒 等
精神神経系
眠気、味覚異常、めまい、頭痛
しびれ
消化器
便秘
胃・腹部不快感、悪心、腹痛、腹部膨満、下痢、食欲不振、消化不良、胃炎、嘔吐、口唇乾燥、異常便、口内炎
循環器
動悸、期外収縮、血圧上昇
呼吸器
咽喉頭疼痛、咳嗽、咽喉乾燥、嗄声
血液
赤血球減少、白血球減少、血小板減少
泌尿器・腎臓
排尿困難、残尿、尿中白血球・赤血球陽性、尿路感染(膀胱炎、腎盂腎炎等)、尿中蛋白陽性、クレアチニン増加
羞明、霧視、眼の異常感、眼球乾燥、眼精疲労、眼瞼浮腫、複視
肝臓
γ-GTP、アルカリホスファターゼ、AST、ALT、ビリルビンの上昇
その他
口渇・口内乾燥
(33.1%)
トリグリセリド増加、浮腫、LDH増加、血中尿酸上昇、倦怠感、コレステロール増加、胸痛、背部痛、脱力感、皮膚乾燥

過量投与

  1. 症状
    尿閉、散瞳、興奮、頻脈等
  2. 処置
    胃洗浄又は活性炭投与を行い、次にアトロピン過量投与の場合と同様の処置を行う。また、尿閉に対しては導尿等、散瞳に対してはピロカルピン投与等、各症状に応じて適切な処置を行う。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
  1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。
  2. 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である。また、水で服用することもできる。
  3. 寝たままの状態では、水なしで服用させないこと。

その他の注意

非臨床試験に基づく情報
マウスに2年間経口投与したがん原性試験(30、100及び300mg/kg)において、雌雄の300mg/kg群で肝細胞腺腫の増加が認められたとの報告がある。また、ラットに2年間経口投与したがん原性試験(3、7、15及び30mg/kg)において、肝細胞腺腫の増加は認められなかったとの報告がある。

薬物動態

血中濃度

  1. 生物学的同等性試験
    イミダフェナシンOD錠0.1mg「TCK」とウリトスOD錠0.1mgを、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(イミダフェナシン0.1mg)健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
判定パラメータ
参考パラメータ
AUC0→12hr
(ng・hr/mL)
Cmax
(ng/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
水なし投与
イミダフェナシンOD錠0.1mg「TCK」
1.80±0.39
0.44±0.08
1.4±0.7
2.8±0.3
ウリトスOD錠0.1mg
1.75±0.34
0.43±0.11
1.4±0.8
2.8±0.4
水あり投与
イミダフェナシンOD錠0.1mg「TCK」
1.78±0.41
0.47±0.13
1.1±0.3
2.9±0.3
ウリトスOD錠0.1mg
1.73±0.40
0.48±0.13
1.0±0.3
3.0±0.3
(水なし投与:Mean±S.D.,n=18)
(水あり投与:Mean±S.D.,n=18)
水なし投与
水あり投与
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

薬効薬理

作用機序
膀胱収縮は、アセチルコリンにより誘発され、膀胱平滑筋のムスカリン性アセチルコリン受容体サブタイプM3を介していることが知られている。また、膀胱の神経終末からのアセチルコリン遊離はムスカリン性アセチルコリン受容体サブタイプM1刺激により促進されると考えられている。
イミダフェナシンはin vitroにおいて受容体サブタイプM3及びM1に対して拮抗作用を示し、膀胱においてはM1拮抗によるアセチルコリン遊離抑制とM3拮抗による膀胱平滑筋収縮抑制作用を示す。唾液腺の分泌抑制作用に比べ膀胱の収縮抑制作用が相対的に強く、臨床における本剤の有効性と安全性に寄与していることが推察される 。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
イミダフェナシン(Imidafenacin)
化学名
4-(2-Methyl-1H-imidazol-1-yl)-2,2-diphenylbutanamide
分子式
C20H21N3O
分子量
319.40
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
酢酸(100)に溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミド又はメタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、アセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式

取扱い上の注意

アルミピロー開封後は、湿気を避けて保存すること。

包装

100錠(10錠×10)
500錠(10錠×50)

主要文献

1
社内資料:生物学的同等性試験
2
小林文義, 他. :日本排尿機能学会誌. 2007 ;18(2):292-298

文献請求先及び問い合わせ先

辰巳化学株式会社 薬事・学術課
〒921-8164 金沢市久安3丁目406番地
TEL 076-247-2132
FAX 076-247-5740

製造販売業者等

製造販売元
辰巳化学株式会社
金沢市久安3丁目406番地

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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