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閲覧履歴

ジブカルソー注

疼痛治療剤

1管 59円

作成又は改訂年月

**
2021年2月改訂
(第12版)
*
2018年8月改訂

日本標準商品分類番号

871149

薬効分類名

疼痛治療剤

承認等

販売名

ジブカルソー注

販売名コード

1149502A1038
1149503A1032

承認・許可番号

20900AMZ00053000
Dibcalsor Inj.

薬価基準収載年月

1997年7月

販売開始年月

1997年7月

貯法・使用期限等

貯法
遮光・室温保存
使用期限
3年(外箱に記載)
注意
「取扱い上の注意」の項参照

規制区分

劇薬
処方箋医薬品(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

1管2mL、5mL中に下表の成分を含有する。
添加物として、等張化剤及びpH調整剤を含有する。

性状

性状無色澄明な水性注射剤である。
pH4.0〜6.0
浸透圧比(生理食塩液に対する比)0.9〜1.1
有効成分2mL5mL
日局ジブカイン塩酸塩2mg5mg
日局サリチル酸ナトリウム6mg15mg
臭化カルシウム4mg10mg

警告

本剤を脊椎麻酔に使用しないこと。

禁忌

*[共通<硬膜外ブロック、浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)に使用時>]
本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者
[硬膜外ブロックに使用時]
1
大量出血やショック状態の患者[過度の血圧低下が起こることがある。]
2
注射部位又はその周辺に炎症のある患者[化膿性髄膜炎症状を起こすことがある。]
3
敗血症の患者[敗血症性の髄膜炎を生じるおそれがある。]

効能又は効果

症候性神経痛、筋肉痛、腰痛症、肩関節周囲炎

用法及び用量

血管内を避けて局所に注射する。
(イ)顔面頸骨各部 0.5〜1.0mL
(ロ)肩甲部    1.0〜2.0mL
(ハ)胸・腰各部  1.0〜2.5mL
(ニ)その他局所  0.5〜1.0mL

使用上の注意

慎重投与

[共通<硬膜外ブロック、浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)に使用時>]
1
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー反応を起こしやすい体質を持つ患者[ショックや発疹等のアレルギー反応を起こすおそれがある。]
2
潰瘍性大腸炎の患者、クローン病の患者[他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。]
3
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
[硬膜外ブロックに使用時]
1
中枢神経系疾患:髄膜炎、灰白脊髄炎等の患者[硬膜外ブロックにより症状が悪化するおそれがある。]
2
妊産婦[妊娠末期は、ブロック範囲が広がり、仰臥性低血圧を起こすことがある。]
3
血液疾患や抗凝血剤治療中の患者[出血しやすいので、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。]
4
重篤な高血圧症の患者[硬膜外ブロックにより低血圧が起こりやすい。]
5
脊柱の著明な変形のある患者[脊髄や神経根の損傷のおそれがある。]

重要な基本的注意

[共通<硬膜外ブロック、浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)に使用時>]
1
サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告があるので、本剤を15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。[ライ症候群:小児において極めてまれに水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST(GOT)・ALT(GPT)・LDH・CK(CPK)の急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である。]
2
まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので本剤の投与に際しては、常時、直ちに救急処置のとれる準備が望ましい。
3
本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために次の諸点に留意すること。
1
患者の全身状態の観察を十分に行うこと。
2
できるだけ必要最少量にとどめること。
3
注射針が血管又はくも膜下腔に入っていないことを確かめるため、一度吸引し、血液や脊髄液の逆流がないことを必ず確かめてから注射すること。
4
注射の速度はできるだけ遅くすること。
4
本剤に血管収縮剤(アドレナリン等)を添加して投与する場合には、血管収縮剤の添付文書に記載されている禁忌、慎重投与、重大な副作用等の使用上の注意を必ず確認すること。
[硬膜外ブロックに使用時]
ショックあるいは中毒症状がみられた際に、迅速な処置が行えるように、原則として事前の静脈の確保が望ましい。
[浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)に使用時]
血管の多い部位(頭部、顔面、扁桃等)に注射する場合には、吸収が早いのでできるだけ少ない量で使用すること。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

**ショック、アナフィラキシー(頻度不明):ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあり、また心停止に至ることがあるので、観察を十分に行い、脈拍の異常、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害、喘鳴、眼瞼浮腫、発赤、蕁麻疹等があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

重大な副作用(類薬)

悪性高熱:類薬(リドカイン)で原因不明の頻脈・不整脈・血圧変動、急激な体温上昇、筋強直、血液の暗赤色化(チアノーゼ)、過呼吸、発汗、アシドーシス、高カリウム血症、ミオグロビン尿(ポートワイン色尿)等を伴う重篤な悪性高熱がまれにあらわれることが報告されている。本剤を使用中、悪性高熱に伴うこれらの症状を認めた場合は、直ちに中止し、ダントロレンナトリウムの静注、全身冷却、純酸素での過換気、酸塩基平衡の是正等、適切な処置を行うこと。また、本症は腎不全を続発することがあるので、尿量の維持を図ること。

その他の副作用

分類/頻度頻度不明
中枢神経系振戦、痙攣等の中毒症状  注1)
中枢神経系眠気、不安、興奮、霧視、めまい、悪心、嘔吐、頭痛、気分不良   注2)
過敏症蕁麻疹、湿疹、全身のかゆみ、全身の発赤等の皮膚症状、全身性発熱、浮腫
その他一過性の麻痺、注射部位の疼痛、腫脹、発赤、熱感
注1)このような症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)投与等の適切な処置を行うこと。
注2)ショックあるいは中毒への移行に注意し、必要に応じて適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

[共通<硬膜外ブロック、浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)に使用時>]
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
[硬膜外ブロックに使用時]
高齢者では一般にブロック範囲が広がりやすいので、用量に留意して慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1
本剤を投与する場合には慎重に投与すること。[アスピリン等のサリチル酸製剤には、動物実験で催奇形作用が報告されているものがある。]
2
妊娠末期のラットに投与した実験で、胎児動脈管の軽度収縮が報告されている。
3
**妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。投与する際には、必要最小限にとどめ、適宜羊水量を確認するなど慎重に投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。シクロオキシゲナーゼ阻害剤(経口剤、坐剤)を妊婦に使用し、胎児の腎機能障害及び尿量減少、それに伴う羊水過少症が起きたとの報告がある。

小児等への投与

小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

過量投与

血中濃度の上昇に伴い、中毒症状が発現するとされている。その症状は、主に中枢神経系及び心血管系の症状としてあらわれる。
徴候・症状
中枢神経系の症状:初期症状として不安、興奮、多弁、口周囲の知覚麻痺、舌のしびれ、ふらつき、聴覚過敏、耳鳴、視覚障害、振戦等があらわれる。症状が進行すると意識消失、全身痙攣があらわれ、これらの症状に伴い低酸素血症、高炭酸ガス血症が生じるおそれがある。より重篤な場合には呼吸停止を来すこともある。
心血管系の症状:血圧低下、徐脈、心筋収縮力低下、心拍出量低下、刺激伝導系の抑制、心室性頻脈及び心室細動等の心室性不整脈、循環虚脱、心停止等があらわれる。
処置
呼吸を維持し、酸素を十分投与することが重要である。必要に応じて人工呼吸を行う。振戦や痙攣が著明であれば、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)を投与する。心機能抑制に対しては、カテコールアミン等の昇圧剤を投与する。心停止を来した場合には直ちに心マッサージを開始する。

適用上の注意

[共通<硬膜外ブロック、浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)に使用時>]
アンプルカット時
本剤はワンポイントアンプルであるが、アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭し、カットすることが望ましい。
[浸潤・伝達ブロック(トリガーポイント注射等)に使用時]
筋肉内注射時
筋肉内注射により局所の硬結、発赤、腫脹、熱感などがみられることがある。

その他の注意

非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。

薬効薬理

1
鎮痛作用(Randall−Selitto法)
ラットにジブカルソー注を皮下投与した時、カラゲニン誘発の疼痛に対し抑制効果を示した。1)
2
抗炎症作用(カラゲニン足浮腫法)
ラットにジブカルソー注を皮下投与した時、カラゲニン誘発の浮腫に対し抑制効果を示した。1)

有効成分に関する理化学的知見

1
ジブカイン塩酸塩(Dibucaine Hydrochloride)
化学名
2-Butyloxy-N-(2-diethylaminoethyl)-4-quinolinecarboxamide monohydrochloride
分子式
C20H29N3O2・HCl
分子量
379.92
構造式
性 状
本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。水、エタノール(95)又は酢酸(100)に極めて溶けやすく、無水酢酸に溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は吸湿性である。
融 点
95〜100℃
2
サリチル酸ナトリウム(Sodium Salicylate)
化学名
Monosodium 2-hydroxybenzoate
分子式
C7H5NaO3
分子量
160.10
構造式
性 状
本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。水に極めて溶けやすく、酢酸(100)に溶けやすく、エタノール(95)にやや溶けやすい。
本品は光によって徐々に着色する。
3
臭化カルシウム(Calcium Bromide)
分子式
CaBr2・2H2O
分子量
235.92
性 状
本品は白色の塊又は粒状の結晶で、においはなく、味はわずかに苦い。水又はメタノールに極めて溶けやすく、エタノール(95)に溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
本品は極めて吸湿性である。

取扱い上の注意

1
取扱い上の注意
光により分解着色するので、遮光に注意すること。また、着色の認められるものは使用しないこと。
2
安定性試験2)
最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、ジブカルソー注は、遮光保存において3年間安定であることが推測された。
また、最終包装製品を用いた長期保存試験(遮光保存、3年)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、ジブカルソー注の遮光保存における3年間の安定性が確認された。

包装

ジブカルソー注(2mL):50管
ジブカルソー注(5mL):50管

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
日新製薬株式会社 社内資料:生物学的同等性に関する資料
2
日新製薬株式会社 社内資料:安定性に関する資料

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
日新製薬株式会社 安全管理部
〒994-0069 山形県天童市清池東二丁目3番1号
TEL 023-655-2131  FAX 023-655-3419
E-mail:d-info@yg-nissin.co.jp

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
日新製薬株式会社
山形県天童市清池東二丁目3番1号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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