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フェノバルビタール散10%「ホエイ」

催眠・鎮静・抗てんかん剤

1g 7.3円

作成又は改訂年月

※※
2022年6月改訂
(第22版)
2021年7月改訂

日本標準商品分類番号

871125、871134

日本標準商品分類番号等

1997年6月

薬効分類名

催眠・鎮静・抗てんかん剤

承認等

販売名

フェノバルビタール「ホエイ」原末

販売名コード

1125003X1164

承認・許可番号

22700AMX00730
Phenobarbital Powder

薬価基準収載年月

2015年12月

販売開始年月

1953年12月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
使用期限
最終年月を外箱等に記載
(取扱い上の注意参照)

基準名

日本薬局方
フェノバルビタール

規制区分

劇薬
向精神薬
習慣性医薬品注1)
注1)注意−習慣性あり
処方箋医薬品注2)
注2)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

1g中:
有効成分
日局 フェノバルビタール 1g

性状

本剤は白色の結晶又は結晶性の粉末である。

販売名

フェノバルビタール散10%「ホエイ」

販売名コード

1125003B2120

承認・許可番号

21300AMZ00569
Phenobarbital Powder

薬価基準収載年月

1958年4月

販売開始年月

1953年12月

貯法・使用期限等

貯法
遮光、室温保存
使用期限
最終年月を外箱等に記載
(取扱い上の注意参照)

基準名

日本薬局方
フェノバルビタール散10%

規制区分

劇薬
向精神薬
習慣性医薬品注1)
注1)注意−習慣性あり
処方箋医薬品注2)
注2)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

1g中:
有効成分
日局 フェノバルビタール 100mg
添加物
軽質無水ケイ酸、赤色3号アルミニウムレーキ、乳糖水和物

性状

本剤は淡紅色の散剤である。

禁忌

本剤の成分又はバルビツール酸系化合物に対して過敏症の患者
急性間欠性ポルフィリン症の患者[ポルフィリン合成が増加し、症状が悪化するおそれがある。]
ボリコナゾール、タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)、アスナプレビル、ダクラタスビル、マシテンタン、エルバスビル、グラゾプレビル、チカグレロル、ドラビリン、アルテメテル・ルメファントリン、ダルナビル・コビシスタット、リルピビリン、リルピビリン・テノホビル ジソプロキシル・エムトリシタビン、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン、ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド、エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシル、ソホスブビル・ベルパタスビル、ドルテグラビル・リルピビリンを投与中の患者[「相互作用」の項参照]

効能又は効果

不眠症
不安緊張状態の鎮静
てんかんのけいれん発作
強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)
焦点発作(ジャクソン型発作を含む)
自律神経発作、精神運動発作

用法及び用量

フェノバルビタールとして、通常成人1日30〜200mgを1〜4回に分割経口投与する。
不眠症の場合は、フェノバルビタールとして、通常成人1回30〜200mgを就寝前に経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

不眠症には、就寝の直前に服用させること。また、服用して就寝した後、睡眠途中において一時的に起床して仕事等をする可能性があるときは服用させないこと。

使用上の注意

慎重投与

高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
虚弱者、呼吸機能の低下している患者[呼吸抑制を起こすことがある。]
頭部外傷後遺症又は進行した動脈硬化症の患者[本剤の作用が強くあらわれることがある。]
心障害のある患者[血圧低下や心拍数減少を起こすおそれがある。]
肝障害、腎障害のある患者[これらの症状の悪化、また血中濃度上昇のおそれがある。]
薬物過敏症の患者
アルコール中毒のある患者[中枢抑制作用が増強される。]
薬物依存の傾向又は既往歴のある患者[精神依存及び身体依存を示すことがある。]
重篤な神経症の患者[依存を示すおそれがある。]
甲状腺機能低下症の患者[甲状腺機能の異常をきたすおそれがある。]

重要な基本的注意

連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
なお、高齢者、虚弱者の場合は特に注意すること。
連用中は定期的に肝・腎機能、血液検査を行うことが望ましい。
連用により薬物依存を生じることがあるので、てんかんの治療に用いる場合以外は、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。[「重大な副作用」の項参照]
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

相互作用

本剤は薬物代謝酵素CYP3A等の誘導作用を有する。

併用禁忌

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ボリコナゾール
 ブイフェンド
タダラフィル
 肺高血圧症を適応とする場合:アドシルカ
アスナプレビル
 スンベプラ
ダクラタスビル
 ダクルインザ
マシテンタン
 オプスミット
エルバスビル
 エレルサ
グラゾプレビル
 グラジナ
チカグレロル
 ブリリンタ
ドラビリン
 ピフェルトロ
アルテメテル・ルメファントリン
 リアメット配合錠
ダルナビル・コビシスタット
 プレジコビックス配合錠
これらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
リルピビリン
 エジュラント
リルピビリン・テノホビル ジソプロキシル・エムトリシタビン
 コムプレラ配合錠
リルピビリンの代謝が促進され、血中濃度が低下するおそれがある。本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による。
リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン
 オデフシィ配合錠
リルピビリン及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド
 ビクタルビ配合錠
ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するため、この薬剤の効果が減弱し、この薬剤に対する耐性が発現する可能性がある。本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド
 シムツーザ配合錠
ダルナビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド
 ゲンボイヤ配合錠
エルビテグラビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある。本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシル
 スタリビルド配合錠
エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が低下するおそれがある。本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ソホスブビル・ベルパタスビル
 エプクルーサ配合錠
ソホスブビル及びベルパタスビルの血中濃度が低下するおそれがある。本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ドルテグラビル・リルピビリン
 ジャルカ配合錠
ドルテグラビル及びリルピビリンの血中濃度が低下するおそれがある。本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。

併用注意

注:本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること。
薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
中枢神経抑制剤
 フェノチアジン誘導体
 バルビツール酸誘導体
 トランキライザー
 トピラマート等
抗ヒスタミン剤
 ジフェンヒドラミン等
アルコール
相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。相加的中枢神経抑制作用による。
MAO阻害剤相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。機序不明
三環系抗うつ剤
 イミプラミン等
四環系抗うつ剤
 マプロチリン等
(1)相互に作用が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。
(2)これらの抗うつ剤の血中濃度が低下することがある注)
(1)相加的中枢神経抑制作用による。
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
メチルフェニデート本剤の血中濃度が上昇することがあるので、本剤を減量するなど注意すること。メチルフェニデートが肝代謝を抑制すると考えられている。
バルプロ酸
スチリペントール
(1)本剤の血中濃度が上昇し、作用が増強されることがある1)
(2)これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注)
(1)これらの薬剤が肝代謝を抑制する。
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
クロバザム(1)本剤の血中濃度が上昇することがある。
(2)クロバザムの血中濃度が低下することがある注)
(1)機序不明
(2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
イリノテカンイリノテカンの活性代謝物の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、併用を避けることが望ましい。本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
主にCYP3Aの基質となる薬剤
 アゼルニジピン
 イグラチモド
 イマチニブ
 カルバマゼピン
 シクロスポリン
 ゾニサミド
 タクロリムス
 フェロジピン
 ベラパミル
 モンテルカスト等
 副腎皮質ホルモン剤
  デキサメタゾン等
 卵胞ホルモン剤・黄体ホルモン剤
  ノルゲストレル・エチニルエストラジオール等
 PDE5阻害剤
  タダラフィル
   勃起不全、前立腺肥大症に伴う排尿障害を適応とする場合:シアリス、ザルティア
  シルデナフィル
  バルデナフィル
これらの薬剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、用量に注意すること注)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
アミノフィリン水和物
クロラムフェニコール
テオフィリン
パロキセチン
フレカイニド
これらの薬剤の血中濃度が低下し、作用が減弱することがあるので、用量に注意すること注)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
ラモトリギン
デフェラシロクス
カナグリフロジン
ラルテグラビル
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注)本剤がこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進する。
ルフィナミドこれらの薬剤の血中濃度が低下することがある注)機序不明
アピキサバンこれらの薬剤の血中濃度が低下することがある注)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による。
ソホスブビル
レジパスビル・ソホスブビル
グレカプレビル・ピブレンタスビル
テノホビル アラフェナミド
これらの薬剤の血中濃度が低下することがある注)本剤のP糖蛋白誘導作用による。
ドルテグラビル
ドルテグラビル・ラミブジン
ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジン
ドルテグラビルの血中濃度が低下するおそれがある。本剤の肝薬物代謝酵素(CYP3A4)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による。
ドキシサイクリンドキシサイクリンの血中濃度半減期が短縮することがある2)本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
クマリン系抗凝血剤
 ワルファリン
クマリン系抗凝血剤の作用が減弱することがあるので、通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の用量を調整すること。本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用による。
アルベンダゾールアルベンダゾールの活性代謝物の血中濃度が低下し、効果が減弱することがある。機序不明
利尿剤
 チアジド系降圧利尿剤等
起立性低血圧が増強されることがあるので、減量するなど注意すること。機序は不明であるが、高用量の本剤は血圧を低下させることがある。
アセタゾラミドクル病、骨軟化症があらわれやすい。本剤によるビタミンDの不活性化促進、又はアセタゾラミドによる腎尿細管障害、代謝性アシドーシス等が考えられている。
アセトアミノフェン本剤の長期連用者は、アセトアミノフェンの代謝物による肝障害を生じやすくなる。本剤の肝薬物代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進されると考えられている。
セイヨウオトギリソウ(St. John’s Wort,セント・ジョーンズ・ワート)含有食品本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること。セイヨウオトギリソウの肝薬物代謝酵素誘導作用によると考えられている。

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)
(頻度不明)
観察を十分に行い、発熱、紅斑、水疱・びらん、そう痒感、咽頭痛、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと3)
過敏症症候群
(頻度不明)
初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
依存性
(頻度不明)
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、不安、不眠、けいれん、悪心、幻覚、妄想、興奮、錯乱又は抑うつ状態等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
顆粒球減少、血小板減少
(頻度不明)
観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
肝機能障害
(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
呼吸抑制
(頻度不明)
観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

過敏症注1)
(頻度不明)
猩紅熱様発疹、麻疹様発疹、中毒疹様発疹
血液注2)
(頻度不明)
血小板減少、巨赤芽球性貧血
肝臓注3)
(頻度不明)
AST(GOT)・ALT(GPT)・γ-GTPの上昇等の肝機能障害、黄疸
腎臓注4)
(頻度不明)
蛋白尿等の腎障害
精神神経系
(頻度不明)
眠気、アステリキシス(asterixis)4)、眩暈、頭痛、せん妄、昏迷、鈍重、構音障害、知覚異常、運動失調、精神機能低下、興奮、多動
消化器
(頻度不明)
食欲不振
骨・歯
(頻度不明)
クル病注5)、骨軟化症注5)、歯牙の形成不全注5)、低カルシウム血症
内分泌系
(頻度不明)
甲状腺機能検査値(血清T4値等)の異常
その他
(頻度不明)
血清葉酸値の低下、ヘマトポルフィリン尿注4)、発熱
その他の副作用の注意
注1:投与を中止すること。
注2:投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注3:観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注4:連用によりあらわれることがある。
注5:連用によりあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常(血清アルカリフォスファターゼ値の上昇、血清カルシウム・無機リンの低下等)があらわれた場合には、減量又はビタミンDの投与等適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。なお、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。[高齢者では、呼吸抑制、興奮、抑うつ、錯乱等があらわれやすい。(「重要な基本的注意」の項参照)]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中に本剤を単独、又は併用投与された患者の中に、奇形を有する児(口唇裂、口蓋裂、心奇形、大動脈縮窄症等)を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。]
妊娠中の投与により、新生児に出血傾向、呼吸抑制等を起こすことがある。
分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状(多動、振戦、反射亢進、過緊張等)があらわれることがある。
妊娠中の投与により、葉酸低下が生じるとの報告がある5)
授乳中の女性への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合には、授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行し、新生児、乳児に傾眠、哺乳量低下を起こすことがある。]

過量投与

症状
中枢神経系及び心血管系抑制。血中濃度40〜45μg/mL以上で眠気、眼振、運動失調が起こり、重症の中毒では昏睡状態となる。呼吸は早期より抑制され、脈拍は弱く、皮膚には冷汗があり、体温は下降する。肺の合併症や腎障害の危険性もある。
処置
呼吸管理。消化管に薬物が残留している場合は、胃洗浄、活性炭投与を行う。また、炭酸水素ナトリウム投与による尿アルカリ化、利尿剤投与により薬物の排泄を促進させる。重症の場合は、血液透析や血液灌流を考慮すること。

その他の注意

ラット及びマウスに長期間大量投与(ラット:25mg/kg、マウス:75mg/kg)したところ、対照群に比較して肝腫瘍の発生が有意に増加したとの報告がある6, 7)
血清免疫グロブリン(IgA、IgG等)の異常があらわれることがある。
本剤と他の抗てんかん薬(フェニトイン、カルバマゼピン)との間に交差過敏症(過敏症症候群を含む皮膚過敏症)を起こしたとの報告がある。
海外で実施された複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6-3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されている。

薬効薬理

バルビツール酸誘導体としての共通の作用機序により鎮静、催眠作用を現す。すなわち、GABAA受容体のサブユニットに存在するバルビツール酸誘導体結合部位に結合することにより、抑制性伝達物質GABAの受容体親和性を高め、Clチャネル開口作用を増強して神経機能抑制作用を促進する。バルビツール酸誘導体はその作用時間によって分類されるが、本剤は長時間作用型に属する。抗てんかん薬としても用いられる8)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
フェノバルビタール(Phenobarbital)
化学名
5-Ethyl-5-phenylpyrimidine-2,4,6(1H,3H,5H)-trione
分子式
C12H12N2O3
分子量
232.24
構造式
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
N,N-ジメチルホルムアミドに極めて溶けやすく、エタノール(95)又はアセトンに溶けやすく、アセトニトリルにやや溶けにくく、水に極めて溶けにくい。
水酸化ナトリウム試液に溶ける。
飽和水溶液のpHは5.0〜6.0である。
融点
175〜179℃

取扱い上の注意

フェノバルビタール散10%「ホエイ」
本剤は光によって徐々に退色(主薬の含量に影響はありません)することがあるので、開封後は湿気を避け、遮光して保存すること。

包装

フェノバルビタール「ホエイ」原末:25g
フェノバルビタール散10%「ホエイ」:500g

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
楠 祐一ほか:日本小児科学会 第89回総会:775, 1986
2
Neuvonen, P. J., et al.:Brit. Med. J. 1:535-536, 1974
3
松本 鐐一ほか:皮膚科の臨床 12(11):973-983, 1970
4
金山 隆夫ほか:精神神経学雑誌 83(7):448-458, 1981
竹下 久由ほか:精神医学 26(12):1299-1308, 1984
舟木 久敏ほか:埼玉県医学会雑誌 21(5):1072-1075, 1987
5
Delgado-Escueta, A. V., et al.:Neurology 42(Suppl 5):149-160, 1992
6
Thorpe, E., et al.:Food Cosmet. Toxicol. 11:433-442, 1973
7
Rossi, L., et al.:Int. J. Cancer, 19:179-185, 1977
8
第十七改正 日本薬局方解説書 廣川書店:C-4403, 2016

文献請求先

※※ヴィアトリス製薬株式会社 メディカルインフォメーション部
〒105-0001 東京都港区虎ノ門5丁目11番2号
フリーダイヤル 0120-419-043

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

※※製造販売元
マイランEPD合同会社
東京都港区虎ノ門5丁目11番2号
※※販売元
ヴィアトリス製薬株式会社
東京都港区虎ノ門5丁目11番2号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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