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ジアゼパム注射液10mg「NIG」

マイナートランキライザー

1管 83円

作成又は改訂年月

**印:
2023年2月改訂
(第17版)
*印:
2022年8月改訂

日本標準商品分類番号

871124

日本標準商品分類番号等

1997年6月
2005年3月

薬効分類名

マイナートランキライザー

承認等

販売名

*ジアゼパム注射液10mg「NIG」

販売名コード

1124402A2070

承認・許可番号

21900AMX00191000
DIAZEPAM

薬価収載

*2022年8月

販売開始

1984年6月

使用期限等

貯 法
室温保存
使用期限
アンプル及び外装に表示の使用期限内に使用すること。

規制区分

向精神薬、処方箋医薬品
(注意−医師等の処方箋により使用すること)

組成

1管(2mL)中:
ジアゼパム…10mg
〈添加物〉
プロピレングリコール…800mg
ベンジルアルコール…40mg
安息香酸ナトリウム…76mg
安息香酸…5.5mg
無水エタノール…0.36mL

性状

淡黄色〜黄色澄明の注射液
pH
6.0〜7.0
浸透圧比
約30(日局生理食塩液に対する比)

一般的名称

ジアゼパム注射液

禁忌

急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]
重症筋無力症のある患者[本剤の筋弛緩作用により症状が悪化するおそれがある]
ショック、昏睡、バイタルサインの悪い急性アルコール中毒の患者[ときに頻脈、徐脈、血圧低下、循環性ショックがあらわれることがある]
**リトナビル(HIVプロテアーゼ阻害剤)、ニルマトレルビル・リトナビルを投与中の患者(「相互作用」の項参照)

効能・効果

神経症における不安・緊張・抑うつ
下記疾患及び状態における不安・興奮・抑うつの軽減
麻酔前、麻酔導入時、麻酔中、術後、アルコール依存症の禁断(離脱)症状、分娩時
下記状態における痙攣の抑制
てんかん様重積状態、有機リン中毒、カーバメート中毒

用法・用量

本剤は、疾患の種類、症状の程度、年齢及び体重等を考慮して用いる。一般に成人には、初回2mL(ジアゼパムとして10mg)を筋肉内又は静脈内にできるだけ緩徐に注射する。以後、必要に応じて3〜4時間ごとに注射する。なお、静脈内に注射する場合には、なるべく太い静脈を選んで、できるだけ緩徐に(2分間以上をかけて)注射する。

〈用法・用量に関連する使用上の注意〉

低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児には、筋肉内注射しないこと。
痙攣の抑制のために本剤を投与する時、特に追加投与を繰り返す際には、呼吸器・循環器系の抑制に注意すること。
有機リン中毒、カーバメート中毒患者に本剤を投与する際は、特に下記事項に注意すること。
有機リン中毒、カーバメート中毒における痙攣に対して投与する場合は、必ず呼吸状態の把握及び気道確保を行うこと。
本剤は直接的な解毒作用を有さないため、アトロピン及びプラリドキシムを投与した上で本剤を投与すること。

使用上の注意

慎重投与

心障害、肝障害、腎障害のある患者[心障害では症状が悪化、肝・腎障害では排泄が遅延するおそれがある]
脳に器質的障害のある患者[作用が強くあらわれる]
乳児、幼児[作用が強くあらわれる]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
衰弱患者[作用が強くあらわれる]
高度重症患者、呼吸予備力の制限されている患者[静脈内注射時、無呼吸、心停止が起こり易い]

重要な基本的注意

眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。
連用により薬物依存を生じることがあるので、漫然とした継続投与による長期使用を避けること。本剤の投与を継続する場合には、治療上の必要性を十分に検討すること。(「重大な副作用」の項参照)

相互作用

併用禁忌

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
リトナビル
 ノービア
**ニルマトレルビル・リトナビル
 パキロビッド
過度の鎮静や呼吸抑制等が起こる可能性がある。チトクロームP450に対する競合的阻害により、本剤の血中濃度が大幅に上昇することが予測されている。

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
中枢神経抑制剤
 フェノチアジン誘導体
 バルビツール酸誘導体等
モノアミン酸化酵素阻害剤
**オピオイド鎮痛剤
アルコール(飲酒)
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている。
シメチジン
オメプラゾール
**エソメプラゾール
**ランソプラゾール
眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。**本剤のクリアランスがシメチジン、オメプラゾールとの併用により減少することが報告されている。
本剤の代謝、排泄を遷延させるおそれがある。
シプロフロキサシン眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。本剤のクリアランスが減少することが報告されている。
フルボキサミンマレイン酸塩眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。本剤のクリアランスが減少することが報告されている。
**強いCYP3Aを阻害する薬剤
 コビシスタットを含有する製剤
 ボリコナゾール
 等
**本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。**これら薬剤のCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害されるため。
**CYP3A4で代謝される薬剤
 アゼルニジピン
 ホスアンプレナビル
 等
**本剤又はこれらの薬剤の作用が増強されるおそれがある。**本剤とこれらの薬剤がCYP3A4を競合的に阻害することにより、相互のクリアランスが低下すると考えられる。
**エトラビリン**本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。**エトラビリンのCYP2C9、CYP2C19阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
マプロチリン塩酸塩1)眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が増強することがある。
2)併用中の本剤を急速に減量又は中止すると痙攣発作が起こる可能性がある。
1)相互に中枢神経抑制作用を増強することが考えられている。
2)本剤の抗痙攣作用により抑制されていたマプロチリン塩酸塩の痙攣誘発作用が本剤の減量・中止によりあらわれることが考えられている。
**ミルタザピン**鎮静作用が増強されるおそれがある。
また、ミルタザピンとの併用により精神運動機能及び学習獲得能力が減退するとの報告がある。
**相加的な鎮静作用を示すことが考えられる。
**バルプロ酸ナトリウム**本剤の作用が増強することがある。**本剤の非結合型の血中濃度を上昇させる。
ダントロレンナトリウム水和物
**ボツリヌス毒素製剤
筋弛緩作用が増強する可能性がある。相互に筋弛緩作用を増強することが考えられている。
**リファンピシン**本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。**リファンピシンのCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が誘導され、血中濃度が低下する可能性がある。
**アパルタミド**本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。**アパルタミドのCYP2C19誘導作用により、本剤の代謝が誘導され、血中濃度が低下する可能性がある。
**シナカルセト
**エボカルセト
**これら薬剤の血中濃度に影響を与えるおそれがある。**血漿蛋白結合率が高いことによる。
**無水カフェイン**本剤の血中濃度が減少することがある。**不明

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用(頻度不明)

連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には徐々に減量するなど慎重に行うこと。
舌根の沈下による上気道閉塞が、また、慢性気管支炎等の呼吸器疾患に用いた場合、呼吸抑制があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
刺激興奮、錯乱等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
循環性ショックがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

精神神経系
頻度不明
眠気、ふらつき、眩暈、頭痛、言語障害、振戦、複視、霧視、眼振、失神、失禁、歩行失調、多幸症
肝臓注1)
頻度不明
黄疸
血液注1)
頻度不明
顆粒球減少、白血球減少
循環器
頻度不明
血圧低下、頻脈、徐脈
消化器
頻度不明
悪心、嘔吐、便秘、口渇、食欲不振
過敏症注2)
頻度不明
発疹
その他
頻度不明
倦怠感、脱力感、浮腫
注1)観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注2)このような場合には投与を中止すること。

高齢者への投与

高齢者へ投与する場合には、少量から投与を開始するなど慎重に投与すること。[運動失調等の副作用が発現しやすい]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦(3ヵ月以内)又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中に本剤の投与を受けた患者の中に奇形を有する児等の障害児を出産した例が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある]
妊娠後期の婦人には治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されている。なお、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある。ベンゾジアゼピン系化合物で新生児に黄疸の増強を起こすことが報告されている。また、分娩時に静脈内注射した例にSleeping babyが報告されている。]
分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系化合物で報告されている。
授乳婦への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を避けさせること。[ヒト母乳中へ移行し、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことがあり、また、黄疸を増強する可能性がある]

小児等への投与

低出生体重児、新生児に使用する場合には十分注意すること。[外国において、ベンジルアルコールの静脈内大量投与(99〜234mg/kg)により、中毒症状(あえぎ呼吸、アシドーシス、痙攣等)が低出生体重児に発現したとの報告がある。本剤は添加剤としてベンジルアルコールを含有している。]

過量投与

本剤の過量投与が明白又は疑われた場合の処置としてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与する場合には、使用前にフルマゼニルの使用上の注意(禁忌、慎重投与、相互作用等)を必ず読むこと。

適用上の注意

投与経路:
経口投与が困難な場合や、緊急の場合、また、経口投与で効果が不十分と考えられる場合にのみ使用すること。なお、経口投与が可能で効果が十分と判断された場合には、速やかに経口投与にきりかえること。
投与経路は静脈内注射を原則とすること。
投与方法:
筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため下記の点に注意すること。
筋肉内注射は、やむを得ない場合にのみ、必要最小限に行うこと。なお、特に同一部位への反復注射は行わないこと。
神経走行部位を避けるよう注意すること。
注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
急速に静脈内に注射した場合、あるいは細い静脈内に注射した場合には、血栓性静脈炎を起こすおそれがある。
動脈内に注射した場合には、末梢の壊死を起こすおそれがあるので、動脈内には絶対に注射しないこと。
投与部位:静脈内注射時に血管痛が、また、筋肉内注射時に注射部痛、硬結がみられることがある。
配合変化:他の注射液と混合又は希釈して使用しないこと。
アンプルカット時:アンプルカット部分をエタノール綿等で清拭してから、ヤスリを用いないで、アンプル頭部のマークの反対方向に折ること。

その他の注意

投与した薬剤が特定されないままにフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を投与された患者で、新たに本剤を投与する場合、本剤の鎮静・抗痙攣作用が変化、遅延するおそれがある。

薬物動態

血中濃度(参考)1)
ジアゼパム注射液10mg「NIG」をイヌに筋肉内投与したとき、投与後3時間で最高血中濃度に達し、生物学的半減期は約16時間であった。

薬効薬理

ベンゾジアゼピン系薬物として、鎮静、抗不安、催眠、抗痙攣、などの作用を表す。2)3)
精神安定化作用
条件反射抑制作用
ジアゼパム(20mg/kg,p.o.)は、ラットを用いたShuttlebox法において、著明な条件反射抑制作用を示した。
馴化作用
ジアゼパム(5mg/kg,p.o.)は、YEN等の方法による闘争ラットに対し馴化作用を示した。
筋弛緩作用
ジアゼパムは、主として脊髄反射を抑制することにより筋弛緩作用をあらわすと考えられ、マウス斜板法においてペントバルビタールと同程度又はそれ以上の筋弛緩作用を示した。
抗痙攣作用
ジアゼパムは、特に間代性痙攣抑制作用に優れ、マウスを用いた電撃痙攣及びピクロトキシン痙攣に対し、オキサゼパムの約5倍の抗痙攣作用を示した。
催眠増強作用
ジアゼパム(25mg/kg,i.p.)は、マウスを用いたペントバルビタール(50mg/kg,i.p.)催眠に対し、有意な睡眠延長作用を示した。
子宮筋に対する作用
ジアゼパムは、子宮筋の異常緊張を抑制することが認められている。ジアゼパム(10−3g/mL)は、マウス摘出子宮のACh拘縮(Magnus法)に対し、有意な抑制効果を示した。

有効成分に関する理化学的知見

一般名
ジアゼパム(Diazepam)
化学名
7-Chloro-1-methyl-5-phenyl-1,3-dihydro-2H-1,4-benzodiazepin-2-one
分子式
C16H13ClN2O
分子量
284.74
融 点
130〜134℃
性 状
白色〜淡黄色の結晶性の粉末で、においはなく、味は僅かに苦い。アセトンに溶けやすく、無水酢酸又はエタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
構造式

取扱い上の注意

安定性試験結果の概要4)
長期保存試験(3年)の結果、ジアゼパム注射液10mg「NIG」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。

包装

ジアゼパム注射液10mg「NIG」(1管2mL中10mg)
50管

主要文献

1
日医工岐阜工場(株)社内資料(薬物動態試験)
2
第十七改正日本薬局方解説書
3
日医工岐阜工場(株)社内資料(薬効薬理試験)
4
日医工岐阜工場(株)社内資料(安定性試験)

文献請求先・製品情報お問い合わせ先

*主要文献欄に記載の文献・社内資料は下記にご請求下さい。

日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
TEL (0120) 517-215
FAX (076) 442-8948

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

販売
武田薬品工業株式会社
大阪市中央区道修町四丁目1番1号
*発売元
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21
*製造販売元
日医工岐阜工場株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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