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フェンタニル注射液0.1mg「第一三共」

麻酔用鎮痛剤

1管 276円

作成又は改訂年月

**
2018年2月改訂
(第21版)
*
2016年1月改訂

日本標準商品分類番号

878219

日本標準商品分類番号等

2004年2月(フェンタニル注射液0.1mg「第一三共」のみ)

薬効分類名

麻酔用鎮痛剤

承認等

販売名

フェンタニル注射液0.1mg「第一三共」

販売名コード

8219400A1063

承認・許可番号

22100AMX00476
FENTANYL INJECTION“DAIICHI SANKYO”

薬価基準収載年月

2009年11月

販売開始年月

2009年11月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
使用期限
包装に表示の使用期限内に使用すること。
注意
同一患者に対する一回の手術時の使用で残液がでた場合には、麻薬に関する所定の手続きにしたがって廃棄すること。

規制区分

劇薬
麻薬
処方箋医薬品
※注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

1アンプル中に次の成分を含有
有効成分
フェンタニルクエン酸塩(日局) 0.157mg/2mL(フェンタニルとして0.1mg/2mL)

性状

pH4.5〜6.5
浸透圧比(生理食塩液対比)約0.01
外観無色澄明な液

販売名

フェンタニル注射液0.25mg「第一三共」

販売名コード

8219400A2051

承認・許可番号

22100AMX00477
FENTANYL INJECTION“DAIICHI SANKYO”

薬価基準収載年月

2009年11月

販売開始年月

2009年11月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
使用期限
包装に表示の使用期限内に使用すること。
注意
同一患者に対する一回の手術時の使用で残液がでた場合には、麻薬に関する所定の手続きにしたがって廃棄すること。

規制区分

劇薬
麻薬
処方箋医薬品
※注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

1アンプル中に次の成分を含有
有効成分
フェンタニルクエン酸塩(日局) 0.3925mg/5mL(フェンタニルとして0.25mg/5mL)

性状

pH4.5〜6.5
浸透圧比(生理食塩液対比)約0.01
外観無色澄明な液

一般的名称

フェンタニルクエン酸塩注射液

警告

本剤の硬膜外及びくも膜下投与は、これらの投与法に習熟した医師のみにより、本剤の投与が適切と判断される患者についてのみ実施すること。

禁忌

○印は各投与方法での該当する項目
注射部位又はその周辺に炎症のある患者[硬膜外投与及びくも膜下投与により化膿性髄膜炎症状を起こすことがある。]
投与方法
○硬膜外投与
○くも膜下投与
敗血症の患者[硬膜外投与及びくも膜下投与により敗血症性の髄膜炎を生じるおそれがある。]
投与方法
○硬膜外投与
○くも膜下投与
中枢神経系疾患(髄膜炎、灰白脊髄炎、脊髄癆等)の患者[くも膜下投与により病状が悪化するおそれがある。]
投与方法
○くも膜下投与
脊髄・脊椎に結核、脊椎炎及び転移性腫瘍等の活動性疾患のある患者[くも膜下投与により病状が悪化するおそれがある。]
投与方法
○くも膜下投与
筋弛緩剤の使用が禁忌の患者(「副作用」の項参照)
投与方法
○静脈内投与
○硬膜外投与
○くも膜下投与
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
投与方法
○静脈内投与
○硬膜外投与
○くも膜下投与
頭部外傷、脳腫瘍等による昏睡状態のような呼吸抑制を起こしやすい患者[フェンタニル投与により重篤な呼吸抑制が起こることがある。]
投与方法
○静脈内投与
○硬膜外投与
○くも膜下投与
痙攣発作の既往歴のある患者[麻酔導入中に痙攣が起こることがある。]
投与方法
○静脈内投与
○硬膜外投与
○くも膜下投与
喘息患者[気管支収縮が起こることがある。]
投与方法
○静脈内投与
○硬膜外投与
○くも膜下投与

効能又は効果

全身麻酔、全身麻酔における鎮痛
局所麻酔における鎮痛の補助
激しい疼痛(術後疼痛、癌性疼痛など)に対する鎮痛

用法及び用量

全身麻酔、全身麻酔における鎮痛
通常、成人には、下記用量を用いる。なお、患者の年齢、全身状態に応じて適宜増減する。
〔バランス麻酔に用いる場合〕
麻酔導入時
フェンタニル注射液として0.03〜0.16mL/kg(フェンタニルとして1.5〜8μg/kg)を緩徐に静注するか、又はブドウ糖液などに希釈して点滴静注する。
麻酔維持
ブドウ糖液などに希釈して、下記1.又は2.により投与する。
間欠投与
フェンタニル注射液として0.5〜1mL(フェンタニルとして25〜50μg)ずつ静注する。
持続投与
フェンタニル注射液として0.01〜0.1mL/kg/h(フェンタニルとして0.5〜5μg/kg/h)の速さで点滴静注する。
〔大量フェンタニル麻酔に用いる場合〕
麻酔導入時
フェンタニル注射液として0.4〜3mL/kg(フェンタニルとして20〜150μg/kg)を緩徐に静注するか、又はブドウ糖液などに希釈して点滴静注する。
麻酔維持
必要に応じて、ブドウ糖液などに希釈して、フェンタニル注射液として0.4〜0.8mL/kg/h(フェンタニルとして20〜40μg/kg/h)の速さで点滴静注する。
通常、小児には、下記用量を用いる。なお、患者の年齢、全身状態に応じて適宜増減する。

〔バランス麻酔又は大量フェンタニル麻酔に用いる場合〕
麻酔導入時
フェンタニル注射液として0.02〜0.1mL/kg(フェンタニルとして1〜5μg/kg)を緩徐に静注するか、又はブドウ糖液などに希釈して点滴静注する。大量フェンタニル麻酔に用いる場合は、通常、フェンタニル注射液として2mL/kg(フェンタニルとして100μg/kg)まで投与できる。
麻酔維持
フェンタニル注射液として0.02〜0.1mL/kg(フェンタニルとして1〜5μg/kg)ずつ間欠的に静注するか、又はブドウ糖液などに希釈して点滴静注する。
局所麻酔における鎮痛の補助
通常、成人には、フェンタニル注射液として0.02〜0.06mL/kg(フェンタニルとして1〜3μg/kg)を静注する。なお、患者の年齢、全身状態、疼痛の程度に応じて適宜増減する。
激しい疼痛(術後疼痛、癌性疼痛など)に対する鎮痛
通常、成人には、下記用量を用いる。なお、患者の年齢、症状に応じて適宜増減する。
〔静脈内投与の場合〕
術後疼痛に用いる場合は、フェンタニル注射液として0.02〜0.04mL/kg(フェンタニルとして1〜2μg/kg)を緩徐に静注後、フェンタニル注射液として0.02〜0.04mL/kg/h(フェンタニルとして1〜2μg/kg/h)の速さで点滴静注する。
癌性疼痛に対して点滴静注する場合は、フェンタニル注射液として1日2〜6mL(フェンタニルとして0.1〜0.3mg)から開始し、患者の症状に応じて適宜増量する。
〔硬膜外投与の場合〕
単回投与法
フェンタニル注射液として1回0.5〜2mL(フェンタニルとして1回25〜100μg)を硬膜外腔に注入する。
持続注入法
フェンタニル注射液として0.5〜2mL/h(フェンタニルとして25〜100μg/h)の速さで硬膜外腔に持続注入する。
〔くも膜下投与の場合〕
単回投与法
フェンタニル注射液として1回0.1〜0.5mL(フェンタニルとして1回5〜25μg)をくも膜下腔に注入する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

バランス麻酔においては、適宜、全身麻酔剤や筋弛緩剤等を併用すること。
大量フェンタニル麻酔の導入時(開心術においては人工心肺開始時まで)には、適切な麻酔深度が得られるよう患者の全身状態を観察しながら補助呼吸下で緩徐に投与すること。また、必要に応じて、局所麻酔剤、静脈麻酔剤、吸入麻酔剤、筋弛緩剤等を併用すること。
硬膜外投与及びくも膜下投与時には局所麻酔剤等を併用すること。
患者の状態(呼吸抑制等)を観察しながら慎重に投与すること。特に癌性疼痛に対して追加投与及び他のオピオイド製剤から本剤へ変更する場合には、前投与薬剤の投与量、効力比及び鎮痛効果の持続時間を考慮して、副作用の発現に注意しながら、適宜用量調節を行うこと(ガイドライン参照)。
癌性疼痛に対して初めてオピオイド製剤として本剤を静注する場合には、個人差も踏まえ、通常よりも低用量(ガイドライン参照)から開始することを考慮し、鎮痛効果及び副作用の発現状況を観察しながら用量調節を行うこと。
※日本麻酔科学会-麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドライン1)(抜粋)
3)使用法(フェンタニル注射液について)
(3)激しい疼痛(術後疼痛、癌性疼痛など)に対する鎮痛
1 静注
a) 術後痛◆術後痛に対しては、初回投与量として1〜2μg/kgを静注し、引き続き1〜2μg/kg/hrで持続静注する。患者の年齢、症状に応じて適宜増減が必要である。患者自己調節鎮痛(PCA)を行う場合は、4〜60μg/hrで持続投与を行い、痛みに応じて5〜10分以上の間隔で7〜50μg(10〜20μgを用いることが多い)の単回投与を行う。
b) 癌性疼痛◆癌性疼痛に対して、経口モルヒネ製剤から切り替える場合は、1日量の1/300量から開始する。持続静注の維持量は、0.1〜3.9mg/dayと個人差が大きいので、0.1〜0.3mg/dayから開始し、投与量を滴定する必要がある。

使用上の注意

慎重投与

○印は各投与方法での該当する項目
中枢神経系疾患(髄膜炎、灰白脊髄炎、脊髄癆等)の患者[硬膜外投与により病状が悪化するおそれがある。]
投与方法
○硬膜外投与
(禁忌)注)くも膜下投与
注)「禁忌」の項参照
脊髄・脊椎に結核、脊椎炎及び転移性腫瘍等の活動性疾患のある患者[硬膜外投与により病状が悪化するおそれがある。]
投与方法
○硬膜外投与
(禁忌)注)くも膜下投与
注)「禁忌」の項参照
血液凝固障害のある患者又は抗凝血剤を投与中の患者[出血しやすく、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。]
投与方法
○硬膜外投与
○くも膜下投与
脊柱に著明な変形のある患者[硬膜外投与及びくも膜下投与により脊髄や神経根の損傷のおそれがある。]
投与方法
○硬膜外投与
○くも膜下投与
重症の高血圧症、心弁膜症等の心血管系に著しい障害のある患者[血圧低下や病状の悪化が起こりやすい。]
投与方法
○静脈内投与
○硬膜外投与
○くも膜下投与
慢性肺疾患等の呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強するおそれがある。]
投与方法
○静脈内投与
○硬膜外投与
○くも膜下投与
MAO阻害剤の投与を受けている患者(「相互作用」の項参照)
投与方法
○静脈内投与
○硬膜外投与
○くも膜下投与
肝・腎機能障害のある患者[血中濃度が高くなるため、副作用発現の危険性が増加する。]
投与方法
○静脈内投与
○硬膜外投与
○くも膜下投与
不整脈のある患者[徐脈を起こすことがある。]
投与方法
○静脈内投与
○硬膜外投与
○くも膜下投与
poor risk状態の患者(適宜減量すること。)[作用が強くあらわれることがある。]
投与方法
○静脈内投与
○硬膜外投与
○くも膜下投与
薬物依存の既往歴のある患者[依存性を生じやすい。]
投与方法
○静脈内投与
○硬膜外投与
○くも膜下投与
*肥満の患者[実体重に基づき投与した場合、過量投与となり呼吸抑制が発現するおそれがある。]
投与方法
○静脈内投与
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
投与方法
○静脈内投与
○硬膜外投与
○くも膜下投与
低出生体重児・新生児・乳児(「小児等への投与」の項参照)
投与方法
○静脈内投与
○硬膜外投与
○くも膜下投与

重要な基本的注意

本剤の使用に際しては、一般の全身麻酔剤と同様、必ず気道確保、呼吸管理等の蘇生設備の完備された場所で、厳重な管理の下に使用すること
特に全身麻酔時は麻酔医の管理の下に使用すること
まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合には直ちに救急処置のとれるよう、常時準備をしておくこと。なお、事前の静脈路確保が望ましい。
バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸、意識レベル)及び麻酔高に注意し、患者の全身状態の観察を十分に行い、必要に応じて適切な処置を行うこと。
麻酔の深度は手術、検査に必要な最低の深さにとどめること
硬膜外投与及びくも膜下投与の場合には、重篤な呼吸抑制が投与から数時間以上経過した後に発現することがあるので、十分に注意すること。
本剤の影響が完全に消失するまでは、自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。

相互作用

本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4で代謝される。

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
中枢神経系抑制剤
  フェノチアジン系薬剤、ベンゾジアゼピン系薬剤、バルビツール酸系薬剤等
**全身麻酔剤
MAO阻害剤
三環系抗うつ剤
骨格筋弛緩剤
鎮静抗ヒスタミン剤
アルコール
オピオイド剤
中枢神経抑制作用が増強されることがあるので、減量投与など注意すること。相加的に中枢神経抑制作用が増強される。
セロトニン作用薬
   選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、MAO阻害剤等
セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、錯乱、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクローヌス等)があらわれるおそれがある。相加的にセロトニン作用が増強するおそれがある。
CYP3A4阻害作用を有する薬剤
  リトナビル、フルコナゾール、ボリコナゾール等
本剤のAUCが上昇し、呼吸抑制等の副作用が発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。肝代謝酵素CYP3A4に対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害される。
CYP3A4誘導作用を有する薬剤
   リファンピシン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン等
本剤の血中濃度が低下し、治療効果が減弱するおそれがある。必要に応じて本剤の用量調整を行うこと。肝代謝酵素CYP3A4に対する誘導作用により、本剤の代謝が促進される。

副作用

副作用等発現状況の概要

(本項には頻度が算出できない副作用報告を含む。)
成人
総症例7,249例中副作用が報告されたのは1,174例(16.20%)であった。その主なものは、発汗(3.31%)、悪心・嘔吐(2.44%)、血圧降下(1.77%)、呼吸抑制(1.36%)等であった。〔承認時及び承認後3年間の市販後調査結果〕
小児
総症例103例中副作用が報告されたのは20例(19.4%)であった。その主なものは、嘔吐(5.8%)、そう痒症(4.9%)、呼吸抑制(2.9%)等であった。〔小児適応追加時〕

重大な副作用

依存性
頻度不明
モルヒネ様の薬物依存を起こすことがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
呼吸抑制(1.39%)、無呼吸(頻度不明)
呼吸抑制、無呼吸があらわれることがある。
術中の場合は補助呼吸、調節呼吸を、また術後の場合は麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)の投与又は補助呼吸等の処置を行うこと。
換気困難
頻度不明
筋強直による換気困難がみられることがある。
このような場合には筋弛緩剤の投与及び人工呼吸等の処置を行うこと。
血圧降下
1.77%
血圧降下がみられることがある。
このような場合には輸液を行い、更に必要な場合は昇圧剤(アドレナリンを除く)又は麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)の投与を行うこと。なお、本剤を腰椎麻酔、硬膜外麻酔に併用すると、更に血圧降下を招くおそれがあるので、このような場合には慎重に投与すること。
ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(血圧低下、蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
不整脈、期外収縮、心停止
頻度不明
不整脈、期外収縮、心停止があらわれることがある。
興奮、筋強直
0.1%未満
興奮、筋強直があらわれることがある。
チアノーゼ
0.48%
チアノーゼがあらわれることがある。

その他の副作用

過敏症注1)
0.1%未満
蕁麻疹
過敏症注1)
頻度不明
そう痒症、発疹、紅斑
循環器系
0.1〜1%未満
血圧上昇
循環器系
頻度不明
起立性低血圧注2)、頻脈、徐脈
精神神経系
0.1〜1%未満
頭痛、ふるえ
精神神経系
0.1%未満
錐体外路症状、精神症状、不眠、後睡眠、気分の動揺、眩暈、四肢振戦
精神神経系
頻度不明
視力障害、多幸症、譫言、傾眠、しびれ
その他
1%以上
悪心・嘔吐、発汗
その他
0.1〜1%未満
咽頭痛、喀痰排出増加、喀痰排出困難、体温降下・悪寒、四肢冷感、喘鳴、吃逆、口渇
その他
0.1%未満
嗄声、発熱
その他
頻度不明
尿閉、咳嗽
注1)投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注2)術後患者を動かしたり、体位を変えるときには注意すること。

高齢者への投与

減量するなど注意すること。[一般に高齢者では生理機能が低下している。]

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊婦に対する安全性は確立されていない。また、動物実験(マウス、ラット)で生児平均体重の低下が報告されている。]
*本剤は胎盤を通過するため、分娩時の投与により新生児に呼吸抑制があらわれることがある。また、分娩時を含む妊娠中の投与により胎児に徐脈があらわれることがある。
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。[ヒトで母乳中への移行が報告されている。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児及び乳児に自発呼吸下で投与する場合は、低用量から開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。[呼吸抑制を起こしやすい。]

過量投与

症状
フェンタニルの過量投与時の症状として、薬理作用の増強により重篤な換気低下を示す。
処置
過量投与時には以下の治療を行うこと。
換気低下又は無呼吸の場合には酸素吸入を行い、必要に応じて呼吸の補助又はコントロールを行う。必要に応じて麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)の投与を行う。呼吸抑制は麻薬拮抗剤の作用より長く続くおそれがあるため、必要に応じて当該麻薬拮抗剤の追加投与を行う。
筋強直による呼吸抑制の場合には筋弛緩剤の投与を行い、呼吸の補助又はコントロールを行う。
患者を注意深く観察し、保温及び適切な水分摂取を維持する。
重度かつ持続的な低血圧が続く場合には、循環血液量減少の可能性を考慮し、循環血液量減少が見られた場合には、適切な輸液療法を行う。

適用上の注意

硬膜外投与時
注射針又はカテーテル先端が、血管又はくも膜下腔に入っていないことを確かめること。
試験的に注入(test dose)し、注射針又はカテーテルが適切に留置されていることを確認すること。
くも膜下投与時
髄液の漏出を最小に防ぐために、脊髄くも膜下麻酔針は、できるだけ細いものを用いること。(脊髄くも膜下腔穿刺により脊髄麻酔後頭痛が、また、まれに一過性の外転神経麻痺等があらわれることがある。なお、このような症状があらわれた場合には輸液投与を行うなど適切な処置を行うこと。)
まれに脊髄神経障害があらわれることがあるので、穿刺に際して患者が放散痛を訴えた場合、脳脊髄液が出にくい場合又は血液混入を認めた場合には、本剤を注入しないこと。
アンプルカット時
本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルの首部をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
本剤が皮膚に触れた場合には、水で洗い流すこと。本剤の皮膚からの吸収が増加する可能性があるため、石けん、アルコール等は使用しないこと。

薬物動態

血漿中濃度2)
健康男子5例に3H-フェンタニル6.4μg/kgを静注投与した場合、フェンタニルの血漿中濃度は投与後60分以内に急速に低下し、投与量の約98%が消失した。その後は徐々に低下した。
また、AUC(0-8)は平均約551ng/mL・minを示し、半減期は平均約3.6時間であった。(外国人のデータ)

健康人3H-フェンタニル6.4μg/kg静注投与時血漿中濃度

代謝・排泄2)
健康男子5例に3H-フェンタニル6.4μg/kgを静注投与した場合、72時間以内に投与量の約85%が代謝物として尿糞中に排泄され、未変化体は8%未満であった。(外国人のデータ)
薬物代謝酵素3)
フェンタニルは主に肝臓で代謝され、主代謝物はノルフェンタニルである。また、ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro 代謝試験において、フェンタニルはCYP3A4によりノルフェンタニルに代謝されるとの報告がある。

臨床成績

一般臨床試験4〜7)
ドロペリドールとの併用すなわちNeuroleptanalgesiaは国内7施設にて1,413例について、導入麻酔、維持麻酔及び局所麻酔の補助剤としてなどの臨床試験が実施された結果、すぐれた鎮静効果と鎮痛効果が認められた。
本剤の鎮痛作用は通常用量では30〜45分持続するが、麻酔導入後麻酔深度の低下を示す症状が発現した場合、本剤2〜4μg/kgずつの追加投与により、良好な麻酔状態の持続が得られる。
なお、成人においては、全身麻酔・全身麻酔における鎮痛[バランス麻酔・大量フェンタニル麻酔に用いる場合]、局所麻酔における鎮痛の補助、激しい疼痛(術後疼痛、癌性疼痛など)に対する鎮痛[静脈内投与・硬膜外投与及びくも膜下投与の場合]に関する臨床試験は実施されていない。
小児を対象とした臨床試験8)
フェンタニル注射液を全身麻酔時の鎮痛に使用した6歳以下の小児患者103例を対象に、医師主導治験が実施された。
フェンタニル注射液は静脈内投与により、初回時にフェンタニルとして1.9〜6.0μg/kg、追加時にフェンタニルとして1回あたり0.6〜5.2μg/kgが用いられ(総量1.9〜12.1μg/kg)、評価対象症例84例中77例(91.7%)が有効と判定された。
※初回投与後の最初の外科・処置侵襲開始後20分以内の最大変動を示す収縮期血圧、脈拍数(心拍数)を指標とした医師の総合判定による

薬効薬理

薬効薬理9,10,11)
鎮痛作用
本剤の鎮痛作用は、マウスによる動物実験(Haffner変法)でモルヒネと比較すると約200倍に相当する効力を示す。また、フェンタニルクエン酸塩の治療係数(LD50/ED50)は775であり、モルヒネの31.3に比べ大である。

※毒性(マウスLD50値)/有効量(マウスHaffner変法によるED50値) により算出
効果の発現と持続
作用の発現は、静注では投与後ただちにあらわれ、通常用量(成人0.5〜1.0mg)では、効果は30〜45分(surgical analgesiaの状態)持続する。
本剤は上記のような作用から、麻酔用鎮痛剤として、手術侵襲時における鎮痛剤としてのみでなく、神経遮断剤ドロペリドールとの併用により、いわゆるNeuroleptanalgesia注)の状態を得ることができる。
注)Neuroleptanalgesiaの特長は、意識の消失なしに鎮痛効果と鎮静効果の得られることで、無痛状態を得ると同時に、安静、周囲の環境に対する無関心、自律神経系の安定、さらに高度の非被刺激性が得られ、精神科領域でいうMineralizationの状態−無生物のように情動表出のなくなった状態−となり、この状態では、患者は手術に伴う苦痛もなく、患者と術者との間に意志の疎通のある状態で手術を行うことができる。

有効成分に関する理化学的知見

一般名
フェンタニルクエン酸塩(Fentanyl Citrate)
化学名
N - (1-Phenethylpiperidin-4-yl)-N -phenylpropanamide monocitrate
分子式
C22H28N2O・C6H8O7
分子量
528.59
構造式
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノール又は酢酸(100)に溶けやすく、水又はエタノール(95)にやや溶けにくく、ジエチルエーテルに極めて溶けにくい。

包装

フェンタニル注射液0.1mg「第一三共」 2mL 10アンプル
フェンタニル注射液0.25mg「第一三共」 5mL 5アンプル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
日本麻酔科学会−麻酔薬および麻酔関連薬使用ガイドライン改訂第3版 2012:59-61
2
McClain DA, et al.:Clin Pharmacol Ther. 1980;28(1):106-114
3
Labroo RB, et al.:Drug Metab Dispos. 1997;25(9):1072-1080
4
池田重政ほか:麻酔 1968;17(7):673-679
5
高橋長雄ほか:麻酔 1968;17(13):1311-1319
6
岩月賢一ほか:麻酔 1968;17(6):580-588
7
西邑信男ほか:麻酔 1968;17(11):1177-1185
8
第一三共社内資料
9
Gardocki JF, et al.:Toxicol Appl Pharmacol. 1964;6:48-62
10
Gardocki JF, et al.:Toxicol Appl Pharmacol. 1964;6:593-601
11
岩月賢一ほか:麻酔 1967;16(11):933-945

文献請求先・製品情報お問い合わせ先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。

第一三共株式会社 製品情報センター
〒103-8426 東京都中央区日本橋本町3-5-1
TEL:0120-189-132

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
第一三共プロファーマ株式会社
東京都中央区日本橋本町3-5-1
販売元
第一三共株式会社
東京都中央区日本橋本町3-5-1

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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