作成又は改訂年月
**
2022年4月改訂
(第14版)
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2020年2月改訂
日本標準商品分類番号
薬効分類名
承認等
販売名
アンペック注10mg
販売名コード
承認・許可番号
21600AMZ00648
ANPEC
薬価基準収載年月
販売開始年月
貯法・使用期限等
基準名
規制区分
劇薬
麻薬
処方箋医薬品注)
注)注意−医師等の処方箋により使用すること
組成
成分・含量
1アンプル1mL中モルヒネ塩酸塩水和物10mg(1%)
添加物
1アンプル1mL中pH調節剤適量
性状
剤形 | アンプル注射剤 アンプル内容物は無色〜微黄褐色澄明の液 光によって徐々に黄褐色を帯びる。 |
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pH | 2.5〜5.0 |
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浸透圧比 | 約0.2(生理食塩液に対する比) |
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販売名
アンペック注50mg
販売名コード
承認・許可番号
21600AMZ00649
ANPEC
薬価基準収載年月
販売開始年月
貯法・使用期限等
基準名
規制区分
劇薬
麻薬
処方箋医薬品注)
注)注意−医師等の処方箋により使用すること
組成
成分・含量
1アンプル5mL中モルヒネ塩酸塩水和物50mg(1%)
添加物
1アンプル5mL中pH調節剤適量
性状
剤形 | アンプル注射剤 アンプル内容物は無色〜微黄褐色澄明の液 光によって徐々に黄褐色を帯びる。 |
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pH | 2.5〜5.0 |
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浸透圧比 | 約0.2(生理食塩液に対する比) |
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一般的名称
警告
本剤の硬膜外及びくも膜下投与は、これらの投与法に習熟した医師のみにより、本剤の投与が適切と判断される患者についてのみ実施すること。
禁忌
〔皮下・静脈内、硬膜外及びくも膜下投与共通〕
重篤な呼吸抑制のある患者〔呼吸抑制を増強する。〕
気管支喘息発作中の患者〔気道分泌を妨げる。〕
重篤な肝障害のある患者〔昏睡に陥ることがある。〕
慢性肺疾患に続発する心不全の患者〔呼吸抑制や循環不全を増強する。〕
痙れん状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者〔脊髄の刺激効果があらわれる。〕
急性アルコール中毒の患者〔呼吸抑制を増強する。〕
本剤の成分及びアヘンアルカロイドに対し過敏症の患者
出血性大腸炎の患者〔腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。〕
*ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中又は投与中止後1週間以内の患者〔「相互作用」の項参照〕
〔硬膜外投与の場合〕
注射部位又はその周辺に炎症のある患者〔化膿性髄膜炎症状を起こすことがある。〕
敗血症の患者〔敗血症性の髄膜炎を生じるおそれがある。〕
〔くも膜下投与の場合〕
注射部位又はその周辺に炎症のある患者〔化膿性髄膜炎症状を起こすことがある。〕
敗血症の患者〔敗血症性の髄膜炎を生じるおそれがある。〕
中枢神経系疾患(髄膜炎、灰白脊髄炎、脊髄癆等)の患者〔くも膜下投与により病状が悪化するおそれがある。〕
脊髄・脊椎に結核、脊椎炎及び転移性腫瘍等の活動性疾患のある患者〔くも膜下投与により病状が悪化するおそれがある。〕
原則禁忌
〔皮下・静脈内、硬膜外及びくも膜下投与共通〕
細菌性下痢のある患者〔治療期間の延長をきたすおそれがある。〕
効能又は効果
〔皮下及び静脈内投与の場合〕
激しい疼痛時における鎮痛・鎮静
激しい咳嗽発作における鎮咳
激しい下痢症状の改善及び手術後等の腸管蠕動運動の抑制
麻酔前投薬、麻酔の補助
中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
〔硬膜外及びくも膜下投与の場合〕
激しい疼痛時における鎮痛
中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛
用法及び用量
〔皮下及び静脈内投与の場合〕
通常、成人には、モルヒネ塩酸塩水和物として、1回5〜10mgを皮下に注射する。また、麻酔の補助として、静脈内に注射することもある。なお、年齢、症状により適宜増減する。
中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛において持続点滴静注又は持続皮下注する場合には、通常、成人には、モルヒネ塩酸塩水和物として、1回50〜200mgを投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
〔硬膜外投与の場合〕
通常、成人には、モルヒネ塩酸塩水和物として、1回2〜6mgを硬膜外腔に注入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
硬膜外腔に持続注入する場合は、通常、成人には、モルヒネ塩酸塩水和物の1日量として2〜10mgを投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
〔くも膜下投与の場合〕
通常、成人には、モルヒネ塩酸塩水和物として、1回0.1〜0.5mgをくも膜下腔に注入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
〔皮下及び静脈内投与の場合〕
200mg注射液(4%製剤)は、10mgあるいは50mg注射液(1%製剤)の4倍濃度であるので、1%製剤から4%製剤への切り替えにあたっては、持続注入器の注入速度、注入量を慎重に設定し、過量投与とならないように注意して使用すること。
〔硬膜外投与の場合〕
200mg注射液(4%製剤)は硬膜外投与には使用しないこと。
オピオイド系鎮痛薬を使用していない患者に対しては、初回投与時には、24時間以内の総投与量が10mgを超えないこと。
硬膜外投与で十分な鎮痛効果が得られず、さらに追加投与が必要な場合には、患者の状態(呼吸抑制等)を観察しながら慎重に投与すること。
〔くも膜下投与の場合〕
200mg注射液(4%製剤)はくも膜下投与には使用せず、原則として10mg注射液(1%製剤)を使用すること。
患者の状態(呼吸抑制等)を観察しながら慎重に投与すること。
原則として追加投与や持続投与は行わないが、他の方法で鎮痛効果が得られない場合には、患者の状態を観察しながら、安全性上問題がないと判断できる場合にのみ、その実施を考慮すること。
使用上の注意
慎重投与
〔皮下・静脈内、硬膜外及びくも膜下投与共通〕
心機能障害のある患者〔循環不全を増強するおそれがある。〕
呼吸機能障害のある患者〔呼吸抑制を増強するおそれがある。〕
肝・腎機能障害のある患者〔代謝・排泄が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。〕
脳に器質的障害のある患者〔呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある。〕
ショック状態にある患者〔循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。〕
代謝性アシドーシスのある患者〔呼吸抑制を起こすおそれがある。〕
甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者〔呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。〕
副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者〔呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。〕
薬物依存の既往歴のある患者〔依存性を生じやすい。〕
高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
新生児、乳児〔「小児等への投与」の項参照〕
衰弱者〔呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。〕
前立腺肥大による排尿障害、尿道狭窄、尿路手術術後の患者〔排尿障害を増悪することがある。〕
器質的幽門狭窄、麻痺性イレウス又は最近消化管手術を行った患者〔消化管運動を抑制する。〕
痙れんの既往歴のある患者〔痙れんを誘発するおそれがある。〕
胆のう障害及び胆石のある患者〔胆道痙れんを起こすことがある。〕
重篤な炎症性腸疾患のある患者〔連用した場合、巨大結腸症を起こすおそれがある。〕
ジドブジン(アジドチミジン)を投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕
〔硬膜外投与の場合〕
中枢神経系疾患(髄膜炎、灰白脊髄炎、脊髄癆等)の患者〔硬膜外投与により病状が悪化するおそれがある。〕
脊髄・脊椎に結核、脊椎炎及び転移性腫瘍等の活動性疾患のある患者〔硬膜外投与により病状が悪化するおそれがある。〕
血液凝固障害のある患者又は抗凝血剤を投与中の患者〔出血しやすく、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。〕
脊柱に著明な変形のある患者〔脊髄や神経根の損傷のおそれがある。〕
〔くも膜下投与の場合〕
血液凝固障害のある患者又は抗凝血剤を投与中の患者〔出血しやすく、血腫形成や脊髄への障害を起こすことがある。〕
脊柱に著明な変形のある患者〔脊髄や神経根の損傷のおそれがある。〕
重要な基本的注意
〔皮下・静脈内、硬膜外及びくも膜下投与共通〕
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。〔「副作用」(1)-1)の項参照〕
眠気、眩暈が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
〔硬膜外投与の場合〕
本剤の使用に際しては、初回投与あるいは導入時から、鎮痛状態が安定し、安全性上問題ないと判断できるまでは、必ず気道確保、呼吸管理等の蘇生設備の完備された場所で、厳重な管理の下に使用すること。
重篤な呼吸抑制が投与から数時間以上経過した後に発現することがあるので、十分に注意すること。
硬膜外腔内留置カテーテルを介した投与により、肉芽腫等の腫瘤が生じることがあるので、十分に注意すること。〔「副作用」(2)の項参照〕
〔くも膜下投与の場合〕
本剤の使用に際しては、必ず気道確保、呼吸管理等の蘇生設備の完備された場所で、厳重な管理の下に使用すること。
重篤な呼吸抑制が投与から数時間以上経過した後に発現することがあるので、十分に注意すること。
くも膜下腔内留置カテーテルを介した投与により、肉芽腫等の腫瘤が生じることがあるので、十分に注意すること。〔「副作用」(2)の項参照〕
相互作用
*併用禁忌
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
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ナルメフェン塩酸塩水和物 セリンクロ | 本剤の離脱症状(又はその悪化)が起こるおそれがある。また、本剤の効果が減弱するおそれがある。緊急の手術等によりやむを得ず本剤を投与する場合、患者毎に本剤の用量を漸増し、呼吸抑制等の中枢神経抑制症状を注意深く観察すること。手術等において本剤を投与することが事前にわかる場合には、少なくとも1週間前にはナルメフェン塩酸塩水和物の投与を中断すること。〔「禁忌」の項参照〕 | μ-受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される。 |
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併用注意
薬剤名等 | 臨床症状・措置方法 | 機序・危険因子 |
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中枢神経抑制剤 フェノチアジン系薬剤 バルビツール酸系薬剤等 吸入麻酔剤 モノアミン酸化酵素阻害剤 三環系抗うつ剤 β-遮断剤 アルコール | 呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある。 | 相加的に中枢神経抑制作用が増強する。 |
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クマリン系抗凝血剤 ワルファリン | クマリン系抗凝血剤の作用を増強させることがある。 | 機序は不明である。 |
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抗コリン作用を有する薬剤 | 麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがある。 | 相加的に抗コリン作用が増強する。 |
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ジドブジン(アジドチミジン) | ジドブジンの副作用(骨髄抑制等)を増強させるおそれがある。 | 本剤はジドブジンのグルクロン酸抱合を競合的に阻害し、クリアランスを低下させる。 |
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ブプレノルフィン | ブプレノルフィンの高用量(8mg連続皮下投与)において、本剤の作用に拮抗するとの報告がある。 | ブプレノルフィンは解離の遅い部分的μ-受容体作動薬で、モルヒネの投与前にブプレノルフィンを投与すると、その治療効果を減弱させる。 |
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副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
依存性
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、せん妄、振戦、全身の筋肉・関節痛、呼吸促迫等の退薬症候があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、1日用量を徐々に減量するなど、患者の状態を観察しながら行うこと。
呼吸抑制
呼吸抑制があらわれることがあるので、息切れ、呼吸緩慢、不規則な呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する。
錯乱、せん妄
錯乱、せん妄があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
無気肺、気管支痙れん、喉頭浮腫
無気肺、気管支痙れん、喉頭浮腫があらわれるとの報告がある。
麻痺性イレウス、中毒性巨大結腸
炎症性腸疾患の患者に投与した場合、麻痺性イレウス、中毒性巨大結腸があらわれるとの報告がある。
その他の副作用
循環器
頻度不明
不整脈、血圧変動、顔面潮紅
精神神経系
頻度不明
眠気、眩暈、不安、不穏、興奮、視調節障害、発汗
消化器
頻度不明
悪心、嘔吐、便秘、口渇
過敏症(注)
頻度不明
発疹、そう痒感
投与部位
頻度不明
発赤、腫脹、硬結、疼痛、肉芽腫等の腫瘤
その他
頻度不明
排尿障害、尿閉、頭蓋内圧の亢進、脱力
注:このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
高齢者への投与
低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。〔一般に高齢者では生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い。〕
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔動物実験(マウス、ラット)で胎児奇形(脳脱、軸骨格癒合)が報告されている。〕
分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれることがある。
分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれることがある。
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。〔ヒト母乳中へ移行することがある。〕
小児等への投与
新生児、乳児には、低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。〔呼吸抑制の感受性が高い。〕
過量投与
症状
呼吸抑制、意識不明、痙れん、錯乱、血圧低下、重篤な脱力感、重篤なめまい、嗜眠、心拍数の減少、神経過敏、不安、縮瞳、皮膚冷感等を起こすことがある。
処置
過量投与時には以下の治療を行うことが望ましい。
投与を中止し、気道確保、補助呼吸及び呼吸調節により適切な呼吸管理を行う。
麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)投与を行い、患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用が発現しないよう慎重に投与する。なお、麻薬拮抗剤の作用持続時間はモルヒネのそれより短いので、患者のモニタリングを行うか又は患者の反応に応じて、初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する。
必要に応じて、補液、昇圧剤等の投与又は他の補助療法を行う。
適用上の注意
調製時
低温下では結晶が析出することがあるので、このような場合には体温付近まで加温し、溶解後使用する。
皮下及び静脈内投与時
投与経路
モルヒネ製剤の癌疼痛における臨床使用方法としては、経口投与又は直腸内投与が不可能なとき、初めて注射を用いる。
*投与速度
急速静注により、アナフィラキシー、重篤な呼吸抑制、低血圧、末梢循環虚脱、心停止が起こるおそれがあるので、静注する場合には、緩徐に行うことが望ましい。
硬膜外投与時
調製時
5〜10mLの生理食塩液等に希釈し投与すること。持続投与する場合には、生理食塩液等に希釈し投与すること。
投与時
注射針又はカテーテル先端が、血管又はくも膜下腔に入っていないことを確かめること。
試験的に注入(test dose)し、注射針又はカテーテルが適切に留置されていることを確認すること。
くも膜下投与時
調製時
生理食塩液等に希釈し投与すること。なお、本剤と混合又は希釈する液の種類及び比重により、鎮痛効果の持続時間、鎮痛領域(分節性)に違いが生じる可能性があるので、疼痛の種類、患者の状態に応じて、適切な希釈液を選択すること。
投与時
髄液の漏出を最小に防ぐために、脊髄くも膜下麻酔針は、できるだけ細いものを用いること。〔脊髄くも膜下腔穿刺により脊髄麻酔後頭痛が、また、まれに一過性の外転神経麻痺等があらわれることがある。なお、このような症状があらわれた場合には輸液投与を行うなど適切な処置を行うこと。〕
まれに脊髄神経障害があらわれることがあるので、穿刺に際して患者が放散痛を訴えた場合、脳脊髄液が出にくい場合又は血液混入を認めた場合には、本剤を注入しないこと。
アンプルカット時
本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルの首部をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
患者等に対する指導
本剤の投与にあたっては、具体的な使用方法、使用時の注意点、保管方法等を十分に説明し、本剤の目的以外への使用あるいは他人への譲渡をしないよう指導するとともに、本剤を子供の手の届かないところに保管するよう指導すること。
本剤が不要となった場合には、病院又は薬局へ返却するなどの処置について適切に指導すること。
薬物動態
血中濃度
主な代謝産物及び代謝経路
モルヒネは肝臓で3位又は6位の水酸基がグルクロン酸抱合を受け、モルヒネ-3-グルクロニド(活性なし)又はモルヒネ-6-グルクロニド(活性あり)になる。
薬効薬理
鎮痛作用1)
中枢性の強力な鎮痛作用を有し、意識、知覚、運動に影響を与えない量で痛覚を減弱させる。
鎮咳作用2)
延髄の咳嗽中枢を抑制することにより鎮咳作用をあらわす。
止瀉作用3)
消化管の運動と分泌を抑制し、肛門括約筋の緊張を高め、止瀉作用をあらわす。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
モルヒネ塩酸塩水和物 Morphine Hydrochloride Hydrate
化学名
(5R, 6S)-4,5-Epoxy-17-methyl-7,8-didehydromorphinan-3, 6-diol monohydrochloride trihydrate
分子式
C17H19NO3・HCl・3H2O
分子量
375.84
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。ギ酸に溶けやすく、水にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくい。光によって徐々に黄褐色を帯びる。
包装
アンペック注10mg :10アンプル
アンペック注50mg :5アンプル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1
細谷英吉:臨床薬理学大系,第4巻,中山書店,p. 18,1963
2
加瀬佳年:臨床薬理学大系,第6巻,中山書店,p. 292,1969
3
寺田安一:臨床薬理学大系,第8巻,中山書店,p. 192,1966
**製品に関するお問い合わせ先・文献請求先
住友ファーマ株式会社
〒541-0045 大阪市中央区道修町2-6-8
くすり情報センター
TEL 0120-034-389
投薬期間制限医薬品に関する情報
本剤は厚生労働省告示第75号(平成24年3月5日付)に基づき、投薬は1回30日分を限度とされています。
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
**製造販売元
住友ファーマ株式会社
大阪市中央区道修町2-6-8