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モルヒネ塩酸塩錠10mg「DSP」

鎮痛剤

1錠 128.1円

作成又は改訂年月

**
2022年4月改訂
(第11版)
*
2020年2月改訂

日本標準商品分類番号

878114

薬効分類名

鎮痛剤

承認等

販売名

モルヒネ塩酸塩錠10mg「DSP」

販売名コード

8114003F1035

承認・許可番号

22000AMX01579
Morphine Hydrochloride

薬価基準収載年月

2008年4月保険適用

販売開始年月

1960年

貯法・使用期限等

貯法
遮光・気密容器・室温保存
使用期限
外箱等に記載

基準名

日本薬局方
モルヒネ塩酸塩錠

規制区分

劇薬
麻薬
処方箋医薬品注)
注)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

成分・含量
1錠中モルヒネ塩酸塩水和物10mg
添加物
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、アラビアゴム末、ステアリン酸マグネシウム

性状

剤形白色の素錠
外形
直径(mm)5.0
厚さ(mm)3.0
重さ(g)0.07

一般的名称

モルヒネ塩酸塩錠

禁忌

重篤な呼吸抑制のある患者〔呼吸抑制を増強する。〕
気管支喘息発作中の患者〔気道分泌を妨げる。〕
重篤な肝障害のある患者〔昏睡に陥ることがある。〕
慢性肺疾患に続発する心不全の患者〔呼吸抑制や循環不全を増強する。〕
痙れん状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者〔脊髄の刺激効果があらわれる。〕
急性アルコール中毒の患者〔呼吸抑制を増強する。〕
本剤の成分及びアヘンアルカロイドに対し過敏症の患者
出血性大腸炎の患者〔腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢患者では、症状の悪化、治療期間の延長をきたすおそれがある。〕
*ナルメフェン塩酸塩水和物を投与中又は投与中止後1週間以内の患者〔「相互作用」の項参照〕

原則禁忌

細菌性下痢のある患者〔治療期間の延長をきたすおそれがある。〕

効能又は効果

激しい疼痛時における鎮痛・鎮静
激しい咳嗽発作における鎮咳
激しい下痢症状の改善及び手術後等の腸管蠕動運動の抑制

用法及び用量

通常、成人には、モルヒネ塩酸塩水和物として、1回5〜10mg、1日15mgを経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意

慎重投与

心機能障害のある患者〔循環不全を増強するおそれがある。〕
呼吸機能障害のある患者〔呼吸抑制を増強するおそれがある。〕
肝・腎機能障害のある患者〔代謝・排泄が遅延し、副作用があらわれるおそれがある。〕
脳に器質的障害のある患者〔呼吸抑制や頭蓋内圧の上昇を起こすおそれがある。〕
ショック状態にある患者〔循環不全や呼吸抑制を増強するおそれがある。〕
代謝性アシドーシスのある患者〔呼吸抑制を起こすおそれがある。〕
甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者〔呼吸抑制や昏睡を起こすおそれがある。〕
副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者〔呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。〕
薬物依存の既往歴のある患者〔依存性を生じやすい。〕
高齢者〔「高齢者への投与」の項参照〕
新生児、乳児〔「小児等への投与」の項参照〕
衰弱者〔呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている。〕
前立腺肥大による排尿障害、尿道狭窄、尿路手術術後の患者〔排尿障害を増悪することがある。〕
器質的幽門狭窄、麻痺性イレウス又は最近消化管手術を行った患者〔消化管運動を抑制する。〕
痙れんの既往歴のある患者〔痙れんを誘発するおそれがある。〕
胆のう障害及び胆石のある患者〔胆道痙れんを起こすことがある。〕
重篤な炎症性腸疾患のある患者〔連用した場合、巨大結腸症を起こすおそれがある。〕
ジドブジン(アジドチミジン)を投与中の患者〔「相互作用」の項参照〕

重要な基本的注意

連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。〔「副作用」(1)-1)の項参照〕
眠気、眩暈が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。

相互作用

*併用禁忌

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ナルメフェン塩酸塩水和物
 セリンクロ
本剤の離脱症状(又はその悪化)が起こるおそれがある。また、本剤の効果が減弱するおそれがある。緊急の手術等によりやむを得ず本剤を投与する場合、患者毎に本剤の用量を漸増し、呼吸抑制等の中枢神経抑制症状を注意深く観察すること。手術等において本剤を投与することが事前にわかる場合には、少なくとも1週間前にはナルメフェン塩酸塩水和物の投与を中断すること。〔「禁忌」の項参照〕μ-受容体拮抗作用により、本剤の作用が競合的に阻害される。

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
中枢神経抑制剤
 フェノチアジン系薬剤
 バルビツール酸系薬剤等
吸入麻酔剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
三環系抗うつ剤
β-遮断剤
アルコール
呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある。相加的に中枢神経抑制作用が増強する。
クマリン系抗凝血剤
 ワルファリン
クマリン系抗凝血剤の作用を増強させることがある。機序は不明である。
抗コリン作用を有する薬剤麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こるおそれがある。相加的に抗コリン作用が増強する。
ジドブジン(アジドチミジン)ジドブジンの副作用(骨髄抑制等)を増強させるおそれがある。本剤はジドブジンのグルクロン酸抱合を競合的に阻害し、クリアランスを低下させる。
ブプレノルフィンブプレノルフィンの高用量(8mg連続皮下投与)において、本剤の作用に拮抗するとの報告がある。ブプレノルフィンは解離の遅い部分的μ-受容体作動薬で、モルヒネの投与前にブプレノルフィンを投与すると、その治療効果を減弱させる。

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

依存性
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与すること。
また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、せん妄、振戦、全身の筋肉・関節痛、呼吸促迫等の退薬症候があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、1日用量を徐々に減量するなど、患者の状態を観察しながら行うこと。
呼吸抑制
呼吸抑制があらわれることがあるので、息切れ、呼吸緩慢、不規則な呼吸、呼吸異常等があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する。
錯乱、せん妄
錯乱、せん妄があらわれることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
無気肺、気管支痙れん、喉頭浮腫
無気肺、気管支痙れん、喉頭浮腫があらわれるとの報告がある。
麻痺性イレウス、中毒性巨大結腸
炎症性腸疾患の患者に投与した場合、麻痺性イレウス、中毒性巨大結腸があらわれるとの報告がある。

その他の副作用

循環器
頻度不明
不整脈、血圧変動、顔面潮紅
精神神経系
頻度不明
眠気、眩暈、不安、不穏、興奮、視調節障害、発汗
消化器
頻度不明
悪心、嘔吐、便秘、口渇
過敏症(注)
頻度不明
発疹、そう痒感
その他
頻度不明
排尿障害、頭蓋内圧の亢進
注:このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。

高齢者への投与

低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。〔一般に高齢者では生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い。〕

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔動物実験(マウス、ラット)で胎児奇形(脳脱、軸骨格癒合)が報告されている。〕
分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)があらわれることがある。
分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制があらわれることがある。
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。〔ヒト母乳中へ移行することがある。〕

小児等への投与

新生児、乳児には、低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。〔呼吸抑制の感受性が高い。〕

過量投与

症状
呼吸抑制、意識不明、痙れん、錯乱、血圧低下、重篤な脱力感、重篤なめまい、嗜眠、心拍数の減少、神経過敏、不安、縮瞳、皮膚冷感等を起こすことがある。
処置
過量投与時には以下の治療を行うことが望ましい。
投与を中止し、気道確保、補助呼吸及び呼吸調節により適切な呼吸管理を行う。
麻薬拮抗剤投与を行い、患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用が発現しないよう慎重に投与する。なお、麻薬拮抗剤の作用持続時間はモルヒネのそれより短いので、患者のモニタリングを行うか又は患者の反応に応じて、初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する。
必要に応じて、補液、昇圧剤等の投与又は他の補助療法を行う。

適用上の注意

患者等に対する指導
本剤の投与にあたっては、具体的な服用方法、服用時の注意点、保管方法等を十分に説明し、本剤の目的以外への使用あるいは他人への譲渡をしないよう指導するとともに、本剤を子供の手の届かないところに保管するよう指導すること。
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。〔PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。〕
本剤が不要となった場合には、病院又は薬局へ返却するなどの処置について適切に指導すること。

薬物動態

血漿中濃度1)
表1参照
主な代謝産物及び代謝経路
モルヒネは肝臓で3位又は6位の水酸基がグルクロン酸抱合を受け、モルヒネ-3-グルクロニド(活性なし)又はモルヒネ-6-グルクロニド(活性あり)になる。
表1 血漿中濃度〔手術前癌患者5例(t1/2は4例)、10mg 1回投与〕
Tmax(h)Cmax(ng/mL)t1/2(h)
1.3±0.313.1±1.92.1±0.3
平均値±標準誤差

薬効薬理

鎮痛作用2)
中枢性の強力な鎮痛作用を有し、意識、知覚、運動に影響を与えない量で痛覚を減弱させる。
鎮咳作用3)
延髄の咳嗽中枢を抑制することにより鎮咳作用をあらわす。
止瀉作用4)
消化管の運動と分泌を抑制し、肛門括約筋の緊張を高め、止瀉作用をあらわす。

有効成分に関する理化学的知見

一般名
モルヒネ塩酸塩水和物 Morphine Hydrochloride Hydrate
化学名
(5R, 6S)-4,5-Epoxy-17-methyl-7,8-didehydromorphinan-3, 6-diol monohydrochloride trihydrate
分子式
C17H19NO3・HCl・3H2O
分子量
375.84
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。ギ酸に溶けやすく、水にやや溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくい。光によって徐々に黄褐色を帯びる。

包装

モルヒネ塩酸塩錠10mg「DSP」:
 [PTP]80錠(10錠×8)
 [バラ]100錠

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
水口公信:薬理と臨床,13:15,2003
2
細谷英吉:臨床薬理学大系,第4巻,中山書店,p.18,1963
3
加瀬佳年:臨床薬理学大系,第6巻,中山書店,p.292,1969
4
寺田安一:臨床薬理学大系,第8巻,中山書店,p.192,1966

**製品に関するお問い合わせ先・文献請求先

住友ファーマ株式会社
〒541-0045 大阪市中央区道修町2-6-8
くすり情報センター
TEL 0120-034-389

長期投与医薬品に関する情報

投薬期間制限医薬品に関する情報
本剤は厚生労働省告示第75号(平成24年3月5日付)に基づき、投薬は1回30日分を限度とされています。
**製造販売元
住友ファーマ株式会社
大阪市中央区道修町2-6-8

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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