医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

閲覧履歴

ボルヒール組織接着用

血漿分画製剤、(生体組織接着剤)

1組 11950.5円

作成又は改訂年月

**
2018年10月改訂
(第15版)
*
2018年7月改訂

日本標準商品分類番号

87799,876349

日本標準商品分類番号等

1996年3月

薬効分類名

血漿分画製剤
(生体組織接着剤)

承認等

販売名

ボルヒール組織接着用(0.5mL)

販売名コード

7990710X1039

承認・許可番号

22100AMX01038000
BOLHEAL

薬価基準収載年月

2009年9月

販売開始年月

1991年11月

貯法・使用期限等

貯法
10℃以下に凍結を避けて保存
使用期限
外箱に表示(製造後2年)

規制区分

特定生物由来製品
処方箋医薬品注)
注)注意-医師等の処方箋により使用すること

組成

 
本剤は、フィブリノゲン凍結乾燥粉末、フィブリノゲン溶解液、トロンビン凍結乾燥粉末、トロンビン溶解液から構成される。0.5mL製剤中に下記の成分、分量を含有する。
バイアル1(フィブリノゲン凍結乾燥粉末)
有効成分
人フィブリノゲン
40mg
バイアル1(フィブリノゲン凍結乾燥粉末)
有効成分
人血液凝固第XIII因子
37.5単位注1)
バイアル1(フィブリノゲン凍結乾燥粉末)
添加物
人血清アルブミン、グリシン、D-マンニトール、クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム
バイアル2(フィブリノゲン溶解液)
有効成分
局外規アプロチニン液
500KIE注2)/0.5mL
バイアル2(フィブリノゲン溶解液)
添加物
クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム
バイアル3(トロンビン凍結乾燥粉末)
有効成分
日本薬局方トロンビン
125単位
バイアル3(トロンビン凍結乾燥粉末)
添加物
クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム
バイアル4(トロンビン溶解液)
有効成分
日本薬局方塩化カルシウム水和物
2.95mg/0.5mL
本剤の有効成分である人フィブリノゲン、人血液凝固第XIII因子、日本薬局方トロンビン及び添加物である人血清アルブミンは、ヒトの血液(採血国:日本、採血方法:献血)を原材料としている。また、局外規アプロチニン液はウシの肺を原材料としている。人血液凝固第XIII因子、日本薬局方トロンビン、及び添加物である人血清アルブミンは、製造工程でブタの腸粘膜由来成分(ヘパリンナトリウム)を使用している。
注1)正常人血漿1mL中に含まれる血液凝固第XIII因子活性を1単位としたときの値。
注2)pH8、室温2時間でカリジノゲナーゼ2単位の効力を半減させる量を1KIE(カリジノゲナーゼ不活性化物質単位)としたときの値。

製剤の性状

フィブリノゲン凍結乾燥粉末(人血漿由来のフィブリノゲン及び血液凝固第XIII因子を含む)色、形状:白色〜淡黄色の凍結乾燥粉末
溶解時の色、形状:淡黄色の澄明あるいはわずかに混濁した液
フィブリノゲン溶解液(牛肺由来のアプロチニンを含む)色、形状:無色澄明の液
トロンビン凍結乾燥粉末(人血漿由来のトロンビンを含む)色、形状:白色の凍結乾燥粉末
溶解時の色、形状:無色澄明の液
トロンビン溶解液(塩化カルシウム水和物を含む)色、形状:無色澄明の液

販売名

ボルヒール組織接着用(1mL)

販売名コード

7990710X2035

承認・許可番号

22100AMX01038000
BOLHEAL

薬価基準収載年月

2009年9月

販売開始年月

1991年11月

貯法・使用期限等

貯法
10℃以下に凍結を避けて保存
使用期限
外箱に表示(製造後2年)

規制区分

特定生物由来製品
処方箋医薬品注)
注)注意-医師等の処方箋により使用すること

組成

 
本剤は、フィブリノゲン凍結乾燥粉末、フィブリノゲン溶解液、トロンビン凍結乾燥粉末、トロンビン溶解液から構成される。1mL製剤中に下記の成分、分量を含有する。
バイアル1(フィブリノゲン凍結乾燥粉末)
有効成分
人フィブリノゲン
80mg
バイアル1(フィブリノゲン凍結乾燥粉末)
有効成分
人血液凝固第XIII因子
75単位注1)
バイアル1(フィブリノゲン凍結乾燥粉末)
添加物
人血清アルブミン、グリシン、D-マンニトール、クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム
バイアル2(フィブリノゲン溶解液)
有効成分
局外規アプロチニン液
1,000KIE注2)/1.0mL
バイアル2(フィブリノゲン溶解液)
添加物
クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム
バイアル3(トロンビン凍結乾燥粉末)
有効成分
日本薬局方トロンビン
250単位
バイアル3(トロンビン凍結乾燥粉末)
添加物
クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム
バイアル4(トロンビン溶解液)
有効成分
日本薬局方塩化カルシウム水和物
5.9mg/1.0mL
本剤の有効成分である人フィブリノゲン、人血液凝固第XIII因子、日本薬局方トロンビン及び添加物である人血清アルブミンは、ヒトの血液(採血国:日本、採血方法:献血)を原材料としている。また、局外規アプロチニン液はウシの肺を原材料としている。人血液凝固第XIII因子、日本薬局方トロンビン、及び添加物である人血清アルブミンは、製造工程でブタの腸粘膜由来成分(ヘパリンナトリウム)を使用している。
注1)正常人血漿1mL中に含まれる血液凝固第XIII因子活性を1単位としたときの値。
注2)pH8、室温2時間でカリジノゲナーゼ2単位の効力を半減させる量を1KIE(カリジノゲナーゼ不活性化物質単位)としたときの値。

製剤の性状

フィブリノゲン凍結乾燥粉末(人血漿由来のフィブリノゲン及び血液凝固第XIII因子を含む)色、形状:白色〜淡黄色の凍結乾燥粉末
溶解時の色、形状:淡黄色の澄明あるいはわずかに混濁した液
フィブリノゲン溶解液(牛肺由来のアプロチニンを含む)色、形状:無色澄明の液
トロンビン凍結乾燥粉末(人血漿由来のトロンビンを含む)色、形状:白色の凍結乾燥粉末
溶解時の色、形状:無色澄明の液
トロンビン溶解液(塩化カルシウム水和物を含む)色、形状:無色澄明の液

販売名

ボルヒール組織接着用(2mL)

販売名コード

7990710X3031

承認・許可番号

22100AMX01038000
BOLHEAL

薬価基準収載年月

2009年9月

販売開始年月

1991年11月

貯法・使用期限等

貯法
10℃以下に凍結を避けて保存
使用期限
外箱に表示(製造後2年)

規制区分

特定生物由来製品
処方箋医薬品注)
注)注意-医師等の処方箋により使用すること

組成

 
本剤は、フィブリノゲン凍結乾燥粉末、フィブリノゲン溶解液、トロンビン凍結乾燥粉末、トロンビン溶解液から構成される。2mL製剤中に下記の成分、分量を含有する。
バイアル1(フィブリノゲン凍結乾燥粉末)
有効成分
人フィブリノゲン
160mg
バイアル1(フィブリノゲン凍結乾燥粉末)
有効成分
人血液凝固第XIII因子
150単位注1)
バイアル1(フィブリノゲン凍結乾燥粉末)
添加物
人血清アルブミン、グリシン、D-マンニトール、クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム
バイアル2(フィブリノゲン溶解液)
有効成分
局外規アプロチニン液
2,000KIE注2)/2.0mL
バイアル2(フィブリノゲン溶解液)
添加物
クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム
バイアル3(トロンビン凍結乾燥粉末)
有効成分
日本薬局方トロンビン
500単位
バイアル3(トロンビン凍結乾燥粉末)
添加物
クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム
バイアル4(トロンビン溶解液)
有効成分
日本薬局方塩化カルシウム水和物
11.8mg/2.0mL
本剤の有効成分である人フィブリノゲン、人血液凝固第XIII因子、日本薬局方トロンビン及び添加物である人血清アルブミンは、ヒトの血液(採血国:日本、採血方法:献血)を原材料としている。また、局外規アプロチニン液はウシの肺を原材料としている。人血液凝固第XIII因子、日本薬局方トロンビン、及び添加物である人血清アルブミンは、製造工程でブタの腸粘膜由来成分(ヘパリンナトリウム)を使用している。
注1)正常人血漿1mL中に含まれる血液凝固第XIII因子活性を1単位としたときの値。
注2)pH8、室温2時間でカリジノゲナーゼ2単位の効力を半減させる量を1KIE(カリジノゲナーゼ不活性化物質単位)としたときの値。

製剤の性状

フィブリノゲン凍結乾燥粉末(人血漿由来のフィブリノゲン及び血液凝固第XIII因子を含む)色、形状:白色〜淡黄色の凍結乾燥粉末
溶解時の色、形状:淡黄色の澄明あるいはわずかに混濁した液
フィブリノゲン溶解液(牛肺由来のアプロチニンを含む)色、形状:無色澄明の液
トロンビン凍結乾燥粉末(人血漿由来のトロンビンを含む)色、形状:白色の凍結乾燥粉末
溶解時の色、形状:無色澄明の液
トロンビン溶解液(塩化カルシウム水和物を含む)色、形状:無色澄明の液

販売名

ボルヒール組織接着用(3mL)

販売名コード

7990710X4038

承認・許可番号

22100AMX01038000
BOLHEAL

薬価基準収載年月

2009年9月

販売開始年月

1991年11月

貯法・使用期限等

貯法
10℃以下に凍結を避けて保存
使用期限
外箱に表示(製造後2年)

規制区分

特定生物由来製品
処方箋医薬品注)
注)注意-医師等の処方箋により使用すること

組成

 
本剤は、フィブリノゲン凍結乾燥粉末、フィブリノゲン溶解液、トロンビン凍結乾燥粉末、トロンビン溶解液から構成される。3mL製剤中に下記の成分、分量を含有する。
バイアル1(フィブリノゲン凍結乾燥粉末)
有効成分
人フィブリノゲン
240mg
バイアル1(フィブリノゲン凍結乾燥粉末)
有効成分
人血液凝固第XIII因子
225単位注1)
バイアル1(フィブリノゲン凍結乾燥粉末)
添加物
人血清アルブミン、グリシン、D-マンニトール、クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム
バイアル2(フィブリノゲン溶解液)
有効成分
局外規アプロチニン液
3,000KIE注2)/3.0mL
バイアル2(フィブリノゲン溶解液)
添加物
クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム
バイアル3(トロンビン凍結乾燥粉末)
有効成分
日本薬局方トロンビン
750単位
バイアル3(トロンビン凍結乾燥粉末)
添加物
クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム
バイアル4(トロンビン溶解液)
有効成分
日本薬局方塩化カルシウム水和物
17.7mg/3.0mL
本剤の有効成分である人フィブリノゲン、人血液凝固第XIII因子、日本薬局方トロンビン及び添加物である人血清アルブミンは、ヒトの血液(採血国:日本、採血方法:献血)を原材料としている。また、局外規アプロチニン液はウシの肺を原材料としている。人血液凝固第XIII因子、日本薬局方トロンビン、及び添加物である人血清アルブミンは、製造工程でブタの腸粘膜由来成分(ヘパリンナトリウム)を使用している。
注1)正常人血漿1mL中に含まれる血液凝固第XIII因子活性を1単位としたときの値。
注2)pH8、室温2時間でカリジノゲナーゼ2単位の効力を半減させる量を1KIE(カリジノゲナーゼ不活性化物質単位)としたときの値。

製剤の性状

フィブリノゲン凍結乾燥粉末(人血漿由来のフィブリノゲン及び血液凝固第XIII因子を含む)色、形状:白色〜淡黄色の凍結乾燥粉末
溶解時の色、形状:淡黄色の澄明あるいはわずかに混濁した液
フィブリノゲン溶解液(牛肺由来のアプロチニンを含む)色、形状:無色澄明の液
トロンビン凍結乾燥粉末(人血漿由来のトロンビンを含む)色、形状:白色の凍結乾燥粉末
溶解時の色、形状:無色澄明の液
トロンビン溶解液(塩化カルシウム水和物を含む)色、形状:無色澄明の液

販売名

ボルヒール組織接着用(5mL)

販売名コード

7990710X5034

承認・許可番号

22100AMX01038000
BOLHEAL

薬価基準収載年月

2009年9月

販売開始年月

1991年11月

貯法・使用期限等

貯法
10℃以下に凍結を避けて保存
使用期限
外箱に表示(製造後2年)

規制区分

特定生物由来製品
処方箋医薬品注)
注)注意-医師等の処方箋により使用すること

組成

 
本剤は、フィブリノゲン凍結乾燥粉末、フィブリノゲン溶解液、トロンビン凍結乾燥粉末、トロンビン溶解液から構成される。5mL製剤中に下記の成分、分量を含有する。
バイアル1(フィブリノゲン凍結乾燥粉末)
有効成分
人フィブリノゲン
400mg
バイアル1(フィブリノゲン凍結乾燥粉末)
有効成分
人血液凝固第XIII因子
375単位注1)
バイアル1(フィブリノゲン凍結乾燥粉末)
添加物
人血清アルブミン、グリシン、D-マンニトール、クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム
バイアル2(フィブリノゲン溶解液)
有効成分
局外規アプロチニン液
5,000KIE注2)/5.0mL
バイアル2(フィブリノゲン溶解液)
添加物
クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム
バイアル3(トロンビン凍結乾燥粉末)
有効成分
日本薬局方トロンビン
1,250単位
バイアル3(トロンビン凍結乾燥粉末)
添加物
クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム
バイアル4(トロンビン溶解液)
有効成分
日本薬局方塩化カルシウム水和物
29.5mg/5.0mL
本剤の有効成分である人フィブリノゲン、人血液凝固第XIII因子、日本薬局方トロンビン及び添加物である人血清アルブミンは、ヒトの血液(採血国:日本、採血方法:献血)を原材料としている。また、局外規アプロチニン液はウシの肺を原材料としている。人血液凝固第XIII因子、日本薬局方トロンビン、及び添加物である人血清アルブミンは、製造工程でブタの腸粘膜由来成分(ヘパリンナトリウム)を使用している。
注1)正常人血漿1mL中に含まれる血液凝固第XIII因子活性を1単位としたときの値。
注2)pH8、室温2時間でカリジノゲナーゼ2単位の効力を半減させる量を1KIE(カリジノゲナーゼ不活性化物質単位)としたときの値。

製剤の性状

フィブリノゲン凍結乾燥粉末(人血漿由来のフィブリノゲン及び血液凝固第XIII因子を含む)色、形状:白色〜淡黄色の凍結乾燥粉末
溶解時の色、形状:淡黄色の澄明あるいはわずかに混濁した液
フィブリノゲン溶解液(牛肺由来のアプロチニンを含む)色、形状:無色澄明の液
トロンビン凍結乾燥粉末(人血漿由来のトロンビンを含む)色、形状:白色の凍結乾燥粉末
溶解時の色、形状:無色澄明の液
トロンビン溶解液(塩化カルシウム水和物を含む)色、形状:無色澄明の液

特殊記載項目

本剤は、貴重なヒト血液を原材料として製剤化したものである。有効成分及び添加物としてヒト血液由来成分を含有しており、原材料となったヒト血液を採取する際には、問診、感染症関連の検査を実施するとともに、製造工程における一定の不活化・除去処理などを実施し、感染症に対する安全対策を講じているが、ヒト血液を原材料としていることによる感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため、疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、必要最小限の使用にとどめること。(「使用上の注意」の項参照)

禁忌

(次の患者には適用しないこと)
本剤の成分又は牛肺を原料とする製剤(アプロチニン等)に対し過敏症の既往歴のある患者
下記の薬剤による治療を受けている患者 〔「相互作用」の項参照〕
 凝固促進剤(蛇毒製剤)、抗線溶剤、アプロチニン製剤

効能・効果

組織の接着・閉鎖
(ただし、縫合あるいは接合した組織から血液、体液または体内ガスの漏出をきたし、他に適切な処置法のない場合に限る。)

用法・用量

フィブリノゲン凍結乾燥粉末(バイアル1)をフィブリノゲン溶解液(バイアル2)全量で溶解し、A液とする。
トロンビン凍結乾燥粉末(バイアル3)をトロンビン溶解液(バイアル4)全量で溶解し、B液とする。溶解した両液の等容量を接着・閉鎖部位に重層又は混合して適用する。
通常、10cmあたりA液B液各々1mLを適用する。
なお、接着・閉鎖部位の状態、大きさなどに応じて適宜増減する。

使用上の注意

慎重投与

(次の患者には慎重に適用すること)
重篤な肝障害、汎発性血管内凝固症候群(DIC)が考えられる病態を有する患者〔血管内への流入により、血栓の形成あるいはDIC状態を悪化させるおそれがある。〕
溶血性・失血性貧血の患者〔ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。〕
免疫不全患者・免疫抑制状態の患者〔ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。〕

重要な基本的注意

[患者への説明]
本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際しては感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているものの、ヒトの血液を原材料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを患者に対して説明し、その理解を得るよう努めること。
**本剤の構成成分である人フィブリノゲン、人血液凝固第XIII因子及びトロンビンの原材料となる献血者の血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体、抗HIV-2抗体及び抗HTLV-1抗体陰性で、かつALT(GPT)値でスクリーニングを実施している。さらに、HBV、HCV及びHIVについては個別の試験血漿で、HAV及びヒトパルボウイルスB19についてはプールした試験血漿で核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。また、混入の可能性のあるウイルスの不活化を目的として、最終製造段階でフィブリノゲン(血液凝固第XIII因子を含む)には65℃、144時間、トロンビンには65℃、96時間の加熱処理を施し、また、各成分には製造工程においてウイルス除去膜処理を導入しているが、投与に際しては次の点に十分注意すること。
血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。
肝炎ウイルス等のウイルス感染の可能性を完全には否定できないので、観察を十分に行うこと。
現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。
本剤を血管内に投与しないこと 〔血管内への流入により、血栓を形成するおそれがある。〕
アナフィラキシーを起こすおそれがあるので、観察を十分に行うこと。
現在の知見では、本剤の使用によりヒトに伝達性海綿状脳症(TSE)を伝播するとの疫学的データはなく、また、本剤に含まれる牛由来アプロチニンは、製造工程においてTSE原因物質の除去処理を行っている。しかしながら、TSE伝播についての理論的な危険性を完全に否定することはできず、また、TSE原因物質がマウス脳内に直接投与されたとき感染が認められたとの報告もあるので、頭蓋腔内、脊椎腔内及び眼球内への使用においては、治療上の有益性を勘案した上で本剤を使用すること。

相互作用

併用禁忌

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
凝固促進剤
 ヘモコアグラーゼ(レプチラーゼ)
抗線溶剤
 イプシロンアミノカプロン酸(イプシロン)
 トラネキサム酸等(トランサミン)
血栓形成傾向があらわれるおそれがある。凝固促進剤、抗線溶剤は血栓形成を促進する薬剤であり、併用により血栓形成傾向が相加的に増大する。
アプロチニン製剤(トラジロール)血栓形成傾向があらわれるおそれがある。アプロチニンは抗線溶作用を有するため、併用により血栓形成傾向が増大する。

副作用

副作用等発現状況の概要
総症例1,452例中、副作用は5例(0.34%)に5件みられ、その内訳は肝機能障害3件(0.21%)、ALT(GPT)上昇1件(0.07%)、発熱1件(0.07%)であった。[再審査終了時]

重大な副作用

ショック:ショック(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

(頻度不明)
配合成分の一つであるトロンビン製剤で過敏症、発熱、嘔吐、頭痛等が報告されている。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。〕

小児等への投与

低出生体重児・新生児に対する安全性は確立していない。

適用上の注意

調製時:
本剤の調製は「使用方法説明書」に従って行うこと。
適用時:
溶解時に著しい沈殿の見られるものは使用しないこと。また、一度溶解したものは時間をおいて再使用しないこと。
本剤を体外循環終了時等の噴出性あるいは流出性出血の激しい部位の接着・閉鎖に使用する場合は、適切な方法で血流を遮断した上で適用すること。
本剤の過量使用は避けること。

薬物動態

(参考)
本剤で作製したフィブリンゲルをラット腹腔内に挿入した場合、7日目までに50〜60%のフィブリンが吸収された。
125I標識フィブリノゲンを含む本剤をラット胃あるいは筋肉に塗布したところ、塗布部の放射活性は尿を介して排泄され、3日目に1/2となり、7日目までにはほとんど消失した。1)

臨床成績

承認時までに国内延べ42施設で実施された一般臨床試験、有効性評価対象例数382例における成績の概要は下記の通りであった。
消化器・一般外科2)
消化管縫合部補強
有効率(%)[有効以上]:90.8(138/152)
組織閉鎖
有効率(%)[有効以上]:79.5(62/78)
組織接合
有効率(%)[有効以上]:100.0(2/2)
心臓・血管外科3)
有効率(%)[有効以上]:93.8(75/80)
肺外科4)
有効率(%)[有効以上]:69.2(27/39)
脳神経外科5)
有効率(%)[有効以上]:100.0(25/25)
微小血管外科6)
有効率(%)[有効以上]:100.0(12/12)
産婦人科7)
有効率(%)[有効以上]:100.0(16/16)

薬効薬理

フィブリノゲンはトロンビンの作用により可溶性フィブリンとなる。さらに、カルシウムイオンの存在下で、血液凝固第XIII因子はトロンビンにより活性化され、フィブリンを尿素不溶性の安定化フィブリン塊とし、組織の接着・閉鎖が行われる。この安定化フィブリン塊内で、線維芽細胞が増殖し、膠原線維や肉芽基質成分が産生され、組織修復を経て、治癒に至る。8)

取扱い上の注意

[記録の保存]
本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を使用した場合は、医薬品名(販売名)、その製造番号又は製造記号(ロット番号)、使用年月日、使用した患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。

包装

0.5mL製剤:調製器セット
    (移注針・抜き取りセット)添付
1mL製剤:調製器セット
    (移注針・抜き取りセット・2液混合セット)添付
2mL製剤:調製器セット
    (移注針・抜き取りセット・2液混合セット)添付
3mL製剤:調製器セット
    (移注針・抜き取りセット・2液混合セット)添付
5mL製剤:調製器セット
    (移注針・抜き取りセット・2液混合セット)添付

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
松井 元ほか:基礎と臨床,23(10)3775,1989
2
長尾房大ほか:基礎と臨床,23(12)4645,1989
3
新井達太ほか:基礎と臨床,23(12)4669,1989
4
新妻雅行ほか:基礎と臨床,23(14)5553,1989
5
片倉隆一ほか:基礎と臨床,23(12)4679,1989
6
上石 弘ほか:基礎と臨床,23(13)5186,1989
7
寺脇信二ほか:基礎と臨床,23(12)4685,1989
8
中村紀夫ほか:臨床外科, 40(1)161,1985

文献請求先

帝人ファーマ株式会社 メディカル情報グループ
〒100-8585 東京都千代田区霞が関3丁目2番1号
フリーダイヤル 0120-189-315

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売
*KMバイオロジクス株式会社
熊本市北区大窪一丁目6番1号
販売
帝人ファーマ株式会社
東京都千代田区霞が関3丁目2番1号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

MESSAGE

MESSAGE

LABEL