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ペリオクリン歯科用軟膏

歯科用抗生物質製剤〈歯周炎治療薬〉

1シリンジ 608円

添付文書番号

2760804M1024_1_11

企業コード

300226

作成又は改訂年月

2022年8月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

872760

薬効分類名

歯科用抗生物質製剤〈歯周炎治療薬〉

承認等

販売名

ペリオクリン歯科用軟膏

販売名コード

2760804M1024

販売名英字表記

PERIOCLINE Dental Ointment

販売名ひらがな

ぺりおくりんしかようなんこう

承認番号等

承認番号
20200EMZ00010000

販売開始年月

1990年8月

貯法、有効期間

貯法
冷所保存
有効期間
2年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

歯科用塩酸ミノサイクリン軟膏

禁忌(次の患者には投与しないこと)

テトラサイクリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

ペリオクリン歯科用軟膏
有効成分
1シリンジ(0.5g)中、(日局)ミノサイクリン塩酸塩  10mg(力価)
添加剤
塩化マグネシウム、ヒドロキシエチルセルロース、アンモニオアルキルメタクリレートコポリマー、トリアセチン、濃グリセリン
口腔用シリンジ

製剤の性状

ペリオクリン歯科用軟膏
性状
淡黄色の軟膏剤

効能又は効果

〈適応菌種〉
ミノサイクリンに感性のアクチノバチラス・アクチノミセテムコミタンス、エイケネラ・コローデンス、カプノサイトファーガ属、プレボテラ属、ポルフィロモナス・ジンジバリス、フソバクテリウム・ヌクレアタム
〈適応症〉
歯周組織炎

用法及び用量

通常1週に1回、患部歯周ポケット内に充満する量を注入する。

用法及び用量に関連する注意

局所にミノサイクリン耐性菌又は非感性菌による感染症があらわれた場合には投与を中止すること。

重要な基本的注意

  1. 感作されるおそれがあるので、観察を十分に行い、感作されたことを示す兆候(そう痒、発赤、腫脹、丘疹、小水疱等)があらわれた場合には投与を中止すること。
  2. 過敏症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
  3. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
  4. 症状の改善が見られない場合は、漫然と使用しないこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦及び妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    蕁麻疹、そう痒、全身潮紅、喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1%以上
1%未満
頻度不明
口腔・粘膜障害
疼痛
刺激(発赤等)
知覚異常(歯の挺出感)
その他
片頭痛
発疹
倦怠感
発熱
悪心・嘔吐
注)発現頻度は使用成績調査を含む

適用上の注意

薬剤投与時の注意
  1. 本剤の投与に際しては、次のことに留意すること。
    1. ブラッシング等の歯肉縁上プラークコントロール下で本剤の投与を行うこと。
    2. 投与前にスケーリングを実施しておくことが望ましい。
    3. 歯周ポケット底に薬物が到達するよう注入器の先端部を十分な深さまで挿入し、注入すること。
    4. 注入直後の激しい洗口及び飲食は避けること。
    5. 本剤はディスポーザブル製品であるので1シリンジは1患者1回限りの使用とすること。
  2. 本剤を注入するとき、患部に一時的な疼痛・刺激があらわれることがあるので注意すること。

薬物動態

血中濃度

  1. 歯周炎患者3例の歯周ポケット内に本剤0.5g(ミノサイクリン塩酸塩10mg(力価))を週1回4週投与した場合、第1回目、第4回目投与とも投与後4時間で約0.1μg/mLの血清中ミノサイクリン濃度を示したが、第4回目投与直前には検出されなかった 。
  2. 健康成人2例に本剤0.5g(ミノサイクリン塩酸塩10mg(力価))を1回経口投与注) した場合、最高血清中ミノサイクリン濃度は0.19μg/mL、最高血清中濃度に達する時間は2時間であった 。
    注)歯周組織炎の治療に対して承認されている本剤の用法及び用量は、「通常1週に1回、患部歯周ポケット内に充満する量を注入する。」である。

分布

  1. 歯周ポケット内濃度
    歯周炎患者の歯周ポケット内に本剤を1歯あたり約0.05mL(ミノサイクリン塩酸塩1.3mg(力価))を投与したとき、歯周ポケット内ミノサイクリン濃度は、投与後長時間にわたって認められ、168時間において0.1μg/mLであった 。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第III相試験 二重盲検試験
    歯周炎患者62例124歯を対象とした二重盲検試験成績では、全有効性解析対象歯における本剤投与群の臨床症状に対する総合的な改善率は、下表のとおり、プラセボ群に比べ有意に高かった(p<0.01 Fisherの直接確率法) 。
    投与間隔・投与回数
    改善率(%)
    投与終了後1週
    投与終了後4週
    本剤投与群
    1週間隔・4回投与
    76.7
    (46/60歯)
    81.7
    (49/60歯)
    プラセボ群
    28.3
    (17/60歯)
    35.0
    (21/60歯)
    当該試験の副作用として、局所刺激が62例中1例に認められたが、歯周ポケット内への注入直後に発現し、発現後直ちに消失する一過性のものであった。
  2. 国内第III相試験 一般臨床試験
    歯周炎患者87例87歯を対象とした一般臨床試験において、全有効性解析対象歯における臨床症状に対する総合的な改善率は下表のとおりであった,
    投与間隔・投与回数
    改善率(%)
    投与終了後1週
    投与終了後4週
    ペリオクリン歯科用軟膏
    1週間隔・4回投与
    84.6
    (33/39歯)
    84.2
    (32/38歯)
    2週間隔・3回投与
    80.5
    (33/41歯)
    89.5
    (34/38歯)
    当該試験の副作用として、局所刺激が87例中3例に認められたが、いずれも歯周ポケット内への注入直後に発現し、発現後直ちに消失する一過性のものであった。

製造販売後調査等

再審査申請のために実施した使用成績調査の全有効性解析対象歯における臨床症状に対する総合的な改善率は下表のとおりであった。
判定日/改善率(%)
有効性・安全性調査
副作用調査
投与終了後1週
67.2
(479/713歯)
62.7
(1772/2828歯)
投与終了後4週
75.4
(535/710歯)
当該調査の安全性解析対象症例3291例における副作用発現頻度は1.19%(39/3291)で、主な副作用は投与部位の疼痛1.03%(34/3291)であった。

薬効薬理

作用機序
細菌の蛋白合成阻害により抗菌作用を発揮する。
抗菌作用
ミノサイクリン塩酸塩は、ブドウ球菌、肺炎球菌などのグラム陽性菌及び大腸菌、クレブシエラ、エンテロバクターなどのグラム陰性菌に対して広範な抗菌作用を示す 。歯科領域におけるミノサイクリン塩酸塩の抗菌作用については、上田ら 、石川ら 、中島ら の報告があり、歯周炎の病原性菌並びに歯肉縁下プラーク中の細菌に対する抗菌力が強いことが認められている。又、実験的イヌ歯周炎モデルにおいて、ペリオクリン歯科用軟膏の投与により、臨床的及び微生物学的効果が認められた。
コラゲナーゼ活性阻害作用
ミノサイクリン塩酸塩は歯周組織破壊や歯周ポケット形成に関与するコラゲナーゼ活性を阻害した(in vitro)。ミノサイクリン塩酸塩50μg/mLの濃度でポルフィロモナス・ジンジバリス由来のコラゲナーゼ活性を約50%、100μg/mLの濃度でヒト好中球由来コラゲナーゼ活性を約65%阻害した 。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ミノサイクリン塩酸塩(Minocycline Hydrochloride)(JAN)
化学名
(4S,4aS,5aR,12aS)-4,7-Bis(dimethylamino)-3,10,12,12a-tetrahydroxy-1,11-dioxo-1,4,4a,5,5a,6,11,12a-octahydrotetracene-2-carboxamide monohydrochloride
分子式
C23H27N3O7・HCl
分子量
493.94
性状
黄色の結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、水にやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくい。
化学構造式

取扱い上の注意

本剤は遮光保存のため、アルミパウチは使用直前に開封すること。

包装

1シリンジ(0.5g)×10本

主要文献

1
社内資料:承認申請時の概要 ヘ 吸収、分布
2
里見綾子 他.:日歯周誌. 1987;29(3):937-943
3
村山洋二 他.:日歯周誌. 1988;30(1):206-222
4
上田雅俊 他.:日歯周誌. 1988;30(1):223-235
5
石川烈 他.:日歯保誌. 1988;31(2):636-648
6
小林稔 他.:Jpn J Antibiot. 1972;25(5):283-287
7
中島光一 他.:日歯周誌. 1987;29(2):463-471
8
前原玲子 他.:日歯周誌. 1988;30(1):182-190

文献請求先及び問い合わせ先

サンスター株式会社 医薬品インフォメーションセンター
〒569-1195 大阪府高槻市朝日町3-1
TEL 072-682-4815

保険給付上の注意

歯科診療報酬点数表 区分「I 010」歯周病処置
歯周病処置は、歯周病の症状の改善を目的として、歯周ポケット内へ特定薬剤を注入した場合に、1口腔を単位として算定する。なお、歯周病処置を算定する場合は、使用薬剤名を診療録に記載すること。
歯周病処置を算定する歯周ポケット内に特定薬剤を注入する場合は、用法用量に従い使用した場合に限り特定薬剤料として別に算定する。
歯周基本治療の後の歯周病検査の結果、期待された臨床症状の改善がみられず、かつ歯周ポケットが4ミリメートル以上の部位に対して、十分な薬効が期待できる場合において、計画的に1月間特定薬剤を注入した場合は、本区分により算定する。なお、当該処置後、再度の歯周病検査の結果、臨床症状の改善はあるが、歯周ポケットが4ミリメートル未満に改善されない場合であって、更に1月間継続して薬剤注入を行った場合は同様に算定する。
歯周病による急性症状時に症状の緩解を目的として、歯周ポケット内へ薬剤注入を行った場合は、本区分により算定する。
糖尿病を有する患者であって、歯周ポケットが4ミリメートル以上の歯周病を有するものに対して、歯周基本治療と並行して計画的に1月間特定薬剤(歯科用抗生物質製剤に限る。)の注入を行った場合は、本区分により算定する。ただし、医科の保険医療機関又は医科歯科併設の保険医療機関の医師からの診療情報提供(診療情報提供料の様式に準ずるもの)に基づく場合に限る。

製造販売業者等

製造販売元
サンスター株式会社
〒569-1195 大阪府高槻市朝日町3-1

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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