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グリメサゾン軟膏

グリテール含有副腎皮質ホルモン剤

1g 29.6円

添付文書番号

2649801M1028_1_11

企業コード

670126

作成又は改訂年月

2023年7月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872649

薬効分類名

グリテール含有副腎皮質ホルモン剤

承認等

販売名

グリメサゾン軟膏

販売名コード

2649801M1028

販売名英字表記

GLYMESASON

販売名ひらがな

ぐりめさぞんなんこう

承認番号等

承認番号
14200AZZ06055

販売開始年月

1968年2月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

一般的名称

脱脂大豆乾留タールデキサメタゾン

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症の患者[感染症を悪化させることがある。]
  2. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
  3. 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎の患者[鼓膜の再生を遅らせ、内耳に重篤な感染性疾患を起こすおそれがある。]
  4. 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷の患者[肉芽組織を抑制し、創傷治癒を妨げることがある。]

組成・性状

組成

グリメサゾン軟膏
有効成分
1g中
デキサメタゾン(日局) 1mg
グリテール 2mg
添加剤
β-シクロデキストリン、クロタミトン、ゲル化炭化水素

製剤の性状

グリメサゾン軟膏
剤形軟膏剤
淡黄褐色~黄褐色
におい
わずかにグリテールの特異なにおい

効能又は効果

  • 湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、ビダール苔癬、放射線皮膚炎、日光皮膚炎を含む)
  • 皮膚瘙痒症
  • 尋常性乾癬
  • 虫さされ

効能又は効果に関連する注意

皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎には使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤(全身適用)、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。

用法及び用量

通常、1日1~数回直接患部に塗布又は塗擦するか、あるいは無菌ガーゼ等にのばして貼付する。なお、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

  1. 大量又は長期にわたる広範囲の使用[特に密封法(ODT)]により、副腎皮質ステロイド剤を全身的投与した場合と同様な症状があらわれることがあるので、特別な場合を除き長期大量使用や密封法(ODT)を極力避けること。
  2. 本剤の使用により症状の改善がみられない場合又は症状の悪化をみる場合は使用を中止すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、大量又は長期にわたる広範囲の使用は避けること。

小児等

乳児、小児への長期・大量使用又は密封法(ODT)により、発育障害を来すおそれがある。また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること。

高齢者

大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては特に注意すること。一般に生理機能が低下している。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

頻度不明
皮膚の感染症注1)
皮膚の真菌性(カンジダ症、白癬等)及び細菌性(伝染性膿痂疹、毛のう炎等)の感染症
その他の皮膚症状注2)
長期連用による
ステロイド痤瘡(尋常性痤瘡に似るが、白色の面皰が多発する傾向がある。)
ステロイド酒皶・すなわち口囲皮膚炎(口囲、顔面全体に紅斑、丘疹、毛細血管拡張、痂皮、鱗屑を生じる。)
ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張)
魚鱗癬様皮膚変化
紫斑
多毛
色素脱失
過敏症
皮膚の発赤
瘙痒
刺激感
腫脹
光線過敏症
下垂体・副腎皮質系機能
大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)による
下垂体・副腎皮質系機能抑制
眼瞼皮膚への使用による
眼圧亢進
緑内障
大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)による
後囊白内障
緑内障
注1)適切な抗真菌剤、抗菌剤等を併用し、症状が速やかに改善しない場合には、使用を中止すること。密封法(ODT)の場合、起こり易い。
注2)徐々にその使用を差し控え、副腎皮質ステロイドを含有しない薬剤に切り換えること。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
患者に化粧下、ひげそり後などに使用することのないよう指導すること。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内一般臨床試験
    本剤の一般臨床試験は、国内30施設939例について実施され、急性湿疹・皮膚炎群(湿潤型)83.0%(279/336)、慢性湿疹・皮膚炎群(浸潤・苔癬化型)78.8%(298/378)という有効率が認められた。

薬効薬理

作用機序
  1. グリテール
    1. グリテールによるAryl hydrocarbon receptorの活性化によりフィラグリン蛋白の増強及び発現を増加させ、Tヘルパー2サイトカインによるフィラグリン蛋白の発現抑制を回復させる,
    2. グリテールは、アトピー性皮膚炎に関与するTヘルパー2サイトカイン産生の阻害作用がある。
    3. グリテールは、アトピー性皮膚炎発症に重要な役割が考えられているインターロイキン33への阻害作用がある。
  2. デキサメタゾン
    デキサメタゾンは合成副腎皮質ホルモンで、天然の糖質コルチコイドと同じ機序により抗炎症作用を発現する。糖質コルチコイドは受容体に結合して特定の遺伝子の転写を開始あるいは阻害する。その結果、起炎物質の生合成抑制と炎症細胞の遊走抑制により抗炎症作用を現すと考えられる。
薬理作用
  1. 血管透過性亢進抑制作用
    グリテールはHartley系白色雄性モルモットにおいて、ヒスタミン、ブラジキニン誘発血管透過性亢進に対し濃度依存性抑制作用を示した。
  2. 足浮腫抑制作用
    グリテールはWistar系雄性ラットにおいて、カラゲニン足浮腫に対し抑制作用を示した。
  3. 紫外線紅斑及びアラキドン酸皮膚発赤抑制作用
    グリテールはHartley系白色雄性モルモットにおいて、紫外線紅斑及びアラキドン酸皮膚発赤に対し抑制作用を示した。
  4. 蛋白滲出及び白血球遊走抑制作用
    グリテールはWistar系雄性ラットを用いたCMC-pouch法において、蛋白滲出及び白血球遊走に対し抑制作用を示した。
  5. Ⅰ型及びⅣ型アレルギー反応抑制作用
    グリテールはWistar系雄性ラットにおいて、Ⅰ型アレルギーの48時間homologousPCA反応に対し抑制作用を示した。また、Jcl:ICR系雄性マウスにおいて、オキサゾロン誘発Ⅳ型アレルギー性皮膚炎に対し抑制作用を示した。
  6. 抗乾癬作用
    グリテールはddY系雄性マウスにおいて、乾癬モデルとして有効なTPA誘発皮膚反応である浮腫及び表皮増殖に対し抑制作用を示した。
  7. 抗炎症作用
    雄の白色モルモットにNicole Hunzikerの方法にならい1%DNCBアセトン溶液を連日塗布し、後約2週間放置して感作を待ち、皮膚炎惹起3日前から、抜毛した5カ所にグリメサゾン軟膏とその主成分である0.1%デキサメタゾン軟膏、0.2%グリテール軟膏、基剤プラスチベースを塗布した。対照に無処置のコントロール部を設けた。0.1%DNCBアセトン溶液を滴下して皮膚炎を惹起し、惹起後6、12、24、48時間毎の皮膚を生検して、各軟膏の抗炎症作用を経時的、組織学的に①リンパ球表皮内遊出②表皮細胞間浮腫③表皮肥厚④真皮内小円形細胞浸潤を観察、効果を比較した。48時間後の組織所見を下表に示した。
    (炎症の程度は、著明なもの+++、中等度のもの++、軽度のもの+、正常あるいは僅少なものを±と判定した。)
    表皮内遊出
    細胞間浮腫
    表皮肥厚
    血管周囲炎症
    その他
    グリメサゾン軟膏
    0.2%グリテール軟膏
    0.1%デキサメタゾン軟膏
    プラスチベース
    コントロール
    +~±

    ++
    ++
    +++


    ++
    ++
    +++
    +~±
    ++

    ++
    ++



    ++
    ++
    一部痂皮



    一部水疱
    すなわち、グリメサゾン軟膏処置の部分は、治癒の段階を思わせる所見が観察された。

有効成分に関する理化学的知見

グリテール
一般的名称
脱脂大豆乾留タール
性状
脱脂大豆を乾留精製して得た褐色の液で、特異なにおいがある。
メタノール、エタノール(95)又はジエチルエーテルに混和し、水にほとんど溶けない。
大気中に放置すると、酸素を摂取して漸次紅色を帯びてくる。
デキサメタゾン
一般的名称
デキサメタゾン(Dexamethasone)
化学名
9-Fluoro-11β,17,21-trihydroxy-16α-methylpregna-1,4-diene-3,20-dione
分子式
C22H29FO5
分子量
392.46
性状
白色~微黄色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノール、エタノール(95)又はアセトンにやや溶けにくく、アセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
結晶多形が認められる。
化学構造式
融点
約245℃(分解)

包装

(アルミチューブ)5g×10、10g×10
(瓶)100g

主要文献

1
Takei K, Mitoma C, Hashimoto-Hachiya A, et al.:J Dermatol. 2015;42:171-180
2
Tsuji G, Hashimoto-Hachiya A, Kiyomatsu-Oda M, et al.:Cell Death Dis. 2017;8:e2931
3
Takemura M, Nakahara T, Hashimoto-Hachiya A, et al.:Int J Mol Sci. 2018;19:1169
4
Tsuji G, Hashimoto-Hachiya A, Yen VH, et al.:J Clin Med. 2020;9:891
5
第十八改正日本薬局方解説書:廣川書店. 2021:C3305-C3313
6
第十八改正日本薬局方解説書:廣川書店. 2021:C4346-C4353
7
竹内久米司ほか:日本薬理学雑誌 1985;85(5):397-406
8
竹内久米司ほか:日本薬理学雑誌 1988;91(1):1-7
9
竹内久米司ほか:日本薬理学雑誌 1990;95(4):149-157
10
伊藤幸次ほか:日本薬理学雑誌 1992;99(1):55-62
11
藤永製薬社内資料:抗炎症作用に関する資料

文献請求先及び問い合わせ先

藤永製薬株式会社 くすり相談室
〒103-0027 東京都中央区日本橋2-14-1
フロントプレイス日本橋
TEL:03-6327-2478 FAX:03-6327-2479

製造販売業者等

製造販売元
藤永製薬株式会社
東京都中央区日本橋2-14-1
販売元
第一三共株式会社
東京都中央区日本橋本町3-5-1

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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