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閲覧履歴

注射用カタクロット40mg

トロンボキサン合成酵素阻害剤

1瓶 904円

添付文書番号

3999411D1056_2_03

企業コード

730119

作成又は改訂年月

2024年3月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87219

薬効分類名

トロンボキサン合成酵素阻害剤

承認等

販売名

注射用カタクロット20mg

販売名コード

3999411D1056

販売名英字表記

CATACLOT for Injection

販売名ひらがな

ちゅうしゃようかたくろっと20mg

承認番号等

承認番号
21300AMZ00828

販売開始年月

1988年4月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
4年

基準名

日本薬局方
注射用オザグレルナトリウム

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

注射用カタクロット40mg

販売名コード

3999411D2028

販売名英字表記

CATACLOT for Injection

販売名ひらがな

ちゅうしゃようかたくろっと40mg

承認番号等

承認番号
21400AMZ00076

販売開始年月

2002年8月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
4年

基準名

日本薬局方
注射用オザグレルナトリウム

規制区分

処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

オザグレルナトリウム

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 出血している患者:出血性脳梗塞、硬膜外出血、脳内出血又は原発性脳室内出血を合併している患者[出血を助長する可能性がある。]
  2. 重篤な意識障害を伴う大梗塞の患者、脳塞栓症の患者[出血性脳梗塞が発現しやすい。]
  3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

注射用カタクロット20mg
有効成分
1バイアル中
日局オザグレルナトリウム  20mg
添加剤
pH調節剤
注射用カタクロット40mg
有効成分
1バイアル中
日局オザグレルナトリウム  40mg
添加剤
pH調節剤

製剤の性状

注射用カタクロット20mg
剤形注射剤(バイアル)
pH7.7~8.7
(本品1バイアルに注射用水2mLを加えて溶かした液)
浸透圧比0.2~0.3
(本品1バイアルに注射用水2mLを加えて溶かした液)
性状
白色の塊又は粉末、凍結乾燥品
注射用カタクロット40mg
剤形注射剤(バイアル)
pH7.7~8.7
(本品1バイアルに注射用水4mLを加えて溶かした液)
浸透圧比0.2~0.3
(本品1バイアルに注射用水4mLを加えて溶かした液)
性状
白色の塊又は粉末、凍結乾燥品

効能又は効果

  • クモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善
  • 脳血栓症(急性期)に伴う運動障害の改善

用法及び用量

〈クモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善〉
通常成人に、オザグレルナトリウムとして1日量80mgを適当量の電解質液または糖液に溶解し、24時間かけて静脈内に持続投与する。投与はクモ膜下出血術後早期に開始し、2週間持続投与することが望ましい。なお、年齢、症状により適宜増減する。
〈脳血栓症(急性期)に伴う運動障害の改善〉
通常成人に、オザグレルナトリウムとして1回量80mgを適当量の電解質液または糖液に溶解し、2時間かけて1日朝夕2回の持続静注を約2週間行う。なお、年齢、症状により適宜増減する。

重要な基本的注意

本剤の投与により出血性脳梗塞、硬膜外出血、脳内出血を助長する可能性があるので、救急処置のとれる準備を行い投与すること。また、臨床症状及びコンピュータ断層撮影による観察を十分に行い、出血が認められた場合には直ちに投与を中止し適切な処置を行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 脳塞栓症のおそれのある患者:心房細動、心筋梗塞、心臓弁膜疾患、感染性心内膜炎及び瞬時完成型の神経症状を呈する患者
    脳塞栓症の患者は出血性脳梗塞が発現しやすいため、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
  2. 出血している患者:消化管出血、皮下出血等
    出血を助長する可能性がある。
  3. 出血の可能性のある患者:脳出血の既往歴のある患者、重症高血圧患者、重症糖尿病患者、血小板の減少している患者等
    出血を助長する可能性がある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗血小板剤
チクロピジン
アスピリン等
血栓溶解剤
ウロキナーゼ
アルテプラーゼ等
抗凝血剤
ヘパリン
ワルファリン
アルガトロバン等
これらの薬剤と併用することにより出血傾向の増強をきたすおそれがある。
観察を十分に行い、減量するなど用量を調節すること。
本剤は血小板凝集能を抑制するため、類似の作用を持つ薬剤を併用することにより作用を増強する可能性がある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 出血
    〈クモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善〉
    出血性脳梗塞・硬膜外血腫・脳内出血(1.9%)、消化管出血(0.8%)、皮下出血(0.8%)、血尿(頻度不明)等があらわれることがある。本剤は血小板凝集能を抑制する。
    〈脳血栓症(急性期)に伴う運動障害の改善〉
    出血性脳梗塞・硬膜外血腫・脳内出血(0.3%)、消化管出血(頻度不明)、皮下出血(0.3%)、血尿(頻度不明)等があらわれることがある。血小板凝集能を抑制する。
  2. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    血圧低下、呼吸困難、喉頭浮腫、冷感等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  3. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
    著しいAST・ALTの上昇等を伴う重症な肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
  4. 血小板減少(頻度不明)
  5. 白血球減少、顆粒球減少(いずれも頻度不明)
    発症時には発熱や悪寒等がみられることが多いので、これらの症状があらわれた時は本症を疑い血液検査を行うこと。
  6. 腎機能障害(頻度不明)
    重篤な腎機能障害(急性腎障害等)があらわれることがある。腎機能障害時には血小板減少を伴うことが多い。

その他の副作用

0.1%~3%未満
頻度不明
過敏症
発疹、蕁麻疹、紅斑
喘息(様)発作、瘙痒
循環器
上室性期外収縮、血圧下降
血液
貧血
肝臓
AST・ALT、LDH、アルカリホスファターゼ、ビリルビンの上昇等
腎臓
BUN、クレアチニン上昇
消化器
嘔気、嘔吐、下痢、食欲不振、膨満感
その他
発熱、頭痛、注射部の発赤・腫脹・疼痛
CK上昇、胸内苦悶感、ほてり、悪寒・戦慄、関節炎、CRP上昇

適用上の注意

薬剤調製時の注意
カルシウムを含む輸液での直接溶解は白濁するので避けること。なお、カルシウムを含む輸液(リンゲル液等)を希釈に用いるときは、カルシウムを含まない輸液又は注射用水であらかじめ溶解した後、本剤80mgあたり300mL以上の輸液で希釈すること。

薬物動態

血中濃度

  1. 健康成人
    健康成人にオザグレルナトリウムを1又は15μg/kg/分注)(それぞれ8例及び4例)で3時間静脈内持続投与した結果、血漿中濃度はそれぞれ2.1及び3.0時間で最高となり、その濃度は97.0及び1,657.3ng/mLであった。投与中止後の半減期は0.79及び0.66時間で、3時間後には6.7及び52.6ng/mLまで低下した。
    投与量
    (μg/kg/分)
    Tmax
    (hr)
    Cmax
    (ng/mL)
    AUC
    (ng・hr/mL)
    T1/2
    (hr)
    1
    2.07±0.79
    97.0±22.2
    281.0±58.5
    0.79±0.56
    15
    3.00±0.00
    1657.3±274.4
    4659.2±867.2
    0.66±0.04
    平均±標準偏差
  2. 脳血栓症患者
    脳血栓症患者5例に80mgを2時間かけて(体重換算13.1μg/kg/分)静脈内持続投与した結果、投与終了時の血漿中濃度は1,000ng/mLであった。

排泄

健康成人に1又は15μg/kg/分注)(それぞれ8例及び4例)で3時間静脈内持続投与した結果、オザグレルナトリウムはアシル鎖のα位のオレフィンの還元反応及びβ酸化により代謝され、投与終了後24時間までにほとんどが尿中に排泄された。
注)本剤の承認用量は、クモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状に対しては1日量80mg、脳血栓症に対しては1回量80mgである。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈クモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状の改善〉
  1. 国内第Ⅲ相試験
    脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血患者を対象とした二重盲検比較試験において、本剤を1日量として80mg及び400mgを24時間かけて持続静脈内投与した。投与は、手術後可及的速やかに開始し、投与期間は10日間以上14日間までとした注)。その結果、クモ膜下出血術後の脳血管攣縮の程度がなし~軽度であった割合は、1日80mg群59%及び1日400mg群48%であり、プラセボに比較して1日80mg群で脳血管攣縮の発生が有意に抑制された(p<0.05)。また、運動麻痺レベルの推移及び脳梗塞の出現頻度についてもプラセボ群との間に有意な差が認められ、臨床症状、機能予後及び脳血管撮影初見等より総合的に評価した有効率は、1日80mg群62%及び1日400mg群56%であり、プラセボに比較して1日80mg群で有意差が認められた(p<0.01)。なお、機能予後についてはプラセボ群との有意な差は確認されていない。副作用は、1日80mg群で19%(16/85例)及び1日400mg群で20%(17/87例)に認められ、主な副作用は、肝機能異常(6例及び3例)、硬膜外血腫(1例及び3例)、出血傾向(1例及び3例)、皮下出血(1例及び2例)であった。
    注)本剤のクモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状に対する承認用量は1日量80mgである。
  2. 国内第Ⅲ相試験及び一般臨床試験
    二重盲検比較試験を含む臨床試験において有用率は66.3%(161/243例)であった。
〈脳血栓症(急性期)に伴う運動障害の改善〉
  1. 国内第Ⅲ相試験
    脳血栓症患者を対象とした二重盲検比較試験において、1日量160mgを1日朝夕2回に2時間かけて持続静注(投与期間:14日間)したときの脳血栓症急性期の運動障害の改善度は、7日後で18.1%、14日後で41.0%、28日後で55.4%であり、プラセボに比較して有意に優れていた。また、神経症候、自覚症状及び日常生活動作の改善度についてプラセボ群との間に有意な差が認められた。副作用は、5.1%(7/138例)に認められ、発現した副作用は、肝機能障害、発疹、LDH上昇、貧血、薬疹、頭痛、頻尿及び口内炎(各1例)であった。
  2. 国内第Ⅲ相試験及び一般臨床試験
    二重盲検比較試験を含む臨床試験において全般改善度は49.4%(120/243例)であった。

薬効薬理

作用機序
本剤はトロンボキサン合成酵素を選択的に阻害してトロンボキサンA2の産生を抑制し、プロスタサイクリンの産生を促進して、両者のバランス異常を改善するとともに血小板凝集抑制作用を示す。さらに、脳血管攣縮及び脳血流量の低下を抑制し、脳の微小循環障害やエネルギー代謝異常を改善して、クモ膜下出血術後の脳血管攣縮およびこれに伴う脳虚血症状を改善すること並びに脳血栓症急性期に伴う運動障害を改善する。
トロンボキサンA2(TXA2)、プロスタサイクリン(PGI2)の産生に対する作用
健康成人に静脈内持続投与(1μg/kg/分、3時間)すると、TXA2の産生が著明に抑制され、PGI2の産生促進傾向が認められ、脳血栓症患者に静脈内持続投与(80mg、2時間)すると、TXA2の産生が著明に抑制され、PGI2の産生促進が認められる。また、ラット中大脳動脈閉塞・再開通モデルに閉塞後静脈内持続注入(100μg/kg/分)すると、再開通後の血漿中PGI2/TXA2濃度比の低下を改善する。
アラキドン酸代謝酵素に対する作用
ウサギ及びヒト血小板のTXA2合成酵素に対し強い阻害作用を示す(in vitro,。一方、シクロオキシゲナーゼ、PGI2合成酵素、PGE2イソメラーゼ及び12-リポキシゲナーゼに対しては影響を及ぼさない(in vitro)。
血小板凝集に対する作用
ウサギ多血小板血漿におけるアラキドン酸及びコラーゲンによる凝集を10-5~10-4Mで濃度依存的に抑制し、また、ヒト多血小板血漿におけるアラキドン酸、コラーゲン及びADPによる凝集並びに血小板からのセロトニン遊離を抑制する(in vitro)。
サイクリックAMP産生に対する作用
10-4Mを添加したウサギ多血小板血漿をアラキドン酸で刺激すると、血小板中サイクリックAMPが増加する(in vitro)。
脳血管攣縮及び脳血流量に対する作用
脳血栓症患者に静脈内投与すると、白質脳血流量が増加する。また、自家血を大槽内に注入したイヌのクモ膜下出血モデルに静脈内持続投与又は大槽内に直接注入すると、脳底動脈の攣縮及び脳血流量の低下を著明に抑制し,、高血圧自然発症ラットの両側総頸動脈閉塞・再開通モデルに閉塞前より静脈内持続注入(100μg/kg/分)すると、局所脳血流量の低下を抑制する。
ネコ脳軟膜血管内皮傷害モデルに静脈内投与(10mg/kg)すると、脳軟膜動脈を拡張する。
血栓形成に対する作用
ネコ脳軟膜血管内皮傷害モデルに静脈内投与(10mg/kg)すると、血栓形成を抑制する。
脳梗塞形成に対する作用
アラキドン酸を持続注入したウサギの脳梗塞モデルに静脈内へ前処置(0.3、1mg/kg)すると、脳梗塞巣の形成を著明に抑制する。また、ラット中大脳動脈閉塞・再開通モデルに閉塞後静脈内持続注入(100μg/kg/分)すると、脳梗塞巣の形成を抑制する。
脳エネルギー代謝に対する作用
高血圧自然発症ラットの両側総頸動脈閉塞・再開通モデルに閉塞前より静脈内持続注入(100μg/kg/分)すると、局所脳ブドウ糖代謝の低下を抑制する。また、閉塞前に静脈内投与(5、30mg/kg)すると、脳内ATPの減少及び乳酸の増加を抑制する。
運動機能障害に対する作用
ラット中大脳動脈閉塞・再開通モデルに閉塞後静脈内持続注入(100μg/kg/分)すると、運動機能障害を改善する。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
オザグレルナトリウム(Ozagrel Sodium)
化学名
Monosodium(2E)-3-[4-(1H-imidazol-1-ylmethyl)phenyl]prop-2-enoate
分子式
C13H11N2NaO2
分子量
250.23
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。
水に溶けやすく、メタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
約300℃
分配係数
0.188(pH4.4、n-オクタノール/緩衝液)
0.085(pH7.3、n-オクタノール/緩衝液)
0.038(pH8.9、n-オクタノール/緩衝液)

包装

〈注射用カタクロット20mg〉
10バイアル、50バイアル
〈注射用カタクロット40mg〉
10バイアル、50バイアル

主要文献

1
福島雅夫他:薬理と治療, 1986;14:1373[CAT0860070]
2
目時弘文他:薬理と治療, 1991;19:547[CAT0910045]
3
佐野圭司他:医学のあゆみ, 1986;138:455[CAT0860081]
4
社内資料:〈クモ膜下出血術後〉臨床成績集計
5
大友英一他:臨床医薬, 1991;7:353[CAT0910029]
6
社内資料:〈脳血栓症急性期〉臨床成績集計
7
町井浩司他:基礎と臨床, 1991;25:183[CAT0910015]
8
平工誠治他:Jpn. J. Pharmacol., 1986;41:393[CAT0860012]
9
内藤 惇他:Eur. J. Pharmacol., 1983;91:41[CAT0830003]
10
小松英忠他:基礎と臨床, 1986;20:2923[CAT0860065]
11
二瓶忠精他:Geriat. Med., 1986;24:463[CAT0860072]
12
大杉繁昭:日本外科宝函, 1986;55:297[CAT0860063]
13
小松英忠他:Jpn. J. Pharmacol., 1986;41:381[CAT0860064]
14
石川敏三他:基礎と臨床, 1991;25:201[CAT0910018]
15
小原克之他:脈管学, 1988;28:447[CAT0880016]
16
佐渡島省三他:脳卒中, 1989;11:373[CAT0890014]

文献請求先及び問い合わせ先

丸石製薬株式会社 学術情報部
〒538-0042 大阪市鶴見区今津中2-4-2
TEL. 0120-014-561

製造販売業者等

製造販売元
丸石製薬株式会社
大阪市鶴見区今津中2-4-2

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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