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閲覧履歴

ノーモサング点滴静注250mg

ヘミン製剤

1管 103144円

作成又は改訂年月

**
2015年5月改訂
(第4版)
*
2014年12月改訂

日本標準商品分類番号

876349

日本標準商品分類番号等

1985年10月

薬効分類名

ヘミン製剤

承認等

販売名

ノーモサング点滴静注250mg

販売名コード

6349400A1026

承認・許可番号

22500AMX00873000
Normosang Infusion 250mg

薬価基準収載年月

2013年5月

販売開始年月

2013年8月

貯法・使用期限等

貯法 
遮光して2〜8℃で保存
有効期間
2年間(外箱に表示の使用期限内に使用すること)

規制区分

生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品注)
注)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

有効成分 含量(1アンプル10mL中)
ヘミン 250mg
備考
ヒト血液由来成分
採血国:フィンランド
採血方法:献血注)
注):「献血又は非献血の区別の考え方」の項を参照。
添加物 含量(1アンプル10mL中)
L-アルギニン 267mg
エタノール 1000mg
プロピレングリコール 4000mg

性状

本剤は黒色の液である。
剤形 注射剤(アンプル)
pH 8.5〜9.5
浸透圧比(生理食塩液に対する比) 本剤は、用時に生理食塩液に希釈して用いる。

組成及び性状の表

本剤を生理食塩液100mLに希釈した時の浸透圧比
本剤 生理食塩液 浸透圧比
6mL 100mL 約2.5
9mL 100mL 約3.2
12mL 100mL 約3.8

一般的名称

ヘミン注射液

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

効能又は効果に関連する使用上の注意

本剤は臨床症状及び生化学検査等により急性ポルフィリン症と診断された患者に投与すること。
本剤による急性発作の予防効果は確認されていないことから、予防的には使用しないこと。

効能又は効果/用法及び用量

急性ポルフィリン症患者における急性発作症状の改善

用法及び用量

通常、ヘミンとして3mg/kgを1日1回、4日間点滴静注する。
ただし、1日あたりの投与量は250mgを超えないこと。

用法及び用量に関連する使用上の注意

希釈方法
患者の体重あたりで計算した必要量を取り、日局生理食塩液100mLで希釈する。(「適用上の注意」の項参照)
投与時の留意点
本剤投与時に注射部位反応や静脈炎の合併が報告されていることから、できるだけ太い静脈を選び、少なくとも30分以上かけて点滴静注すること。本剤投与後は、続けて日局生理食塩液等を静脈内投与することにより薬液を洗い流すことが望ましい。(「適用上の注意」の項参照)
本剤は1アンプルあたり21.4mgの鉄を含有している。再投与による鉄蓄積の懸念があるため、血清フェリチン値等の鉄の体内蓄積量に関する検査を行い、適切な処置を行うこと。

使用上の注意

慎重投与

血管炎、静脈炎の合併症を有する患者又はその既往歴のある患者[血管炎、静脈炎を悪化、再燃させる恐れがある。(<用法・用量に関連する使用上の注意>、「重要な基本的注意」の項参照)]

重要な基本的注意

血管炎、静脈炎、血管障害
本剤投与時に血管炎、静脈炎が発現することがあるので観察を十分に行い、異常が見られた場合は、投与部位を変更する等の適切な処置を行うこと。(<用法・用量に関連する使用上の注意>、「慎重投与」の項参照)
血清フェリチン値が高値であること等により鉄過剰が疑われる場合には、必要に応じて瀉血等の適切な処置を行うこと。
本剤は1アンプルあたり1gのエタノールを含有する。本剤を投与する場合には問診等により投与の可否を判断し、投与後は患者の状態を十分に観察すること。
本剤は、貴重な人血液を原材料として製剤化したものである。本剤の原材料となった献血者の血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体、抗HIV-2抗体及び梅毒マーカーが陰性であることを確認している。また、HIV-1 RNA、HBV DNA及びHCV RNAについては個々の血液について、HAV RNA及びヒトパルボウイルスB19 DNAについてはプールした血液について核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血液を使用している。当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在するが、その後の製造工程である、強酸(ギ酸)存在下での加熱処理、脂性溶媒存在下での加熱処理によるウイルスの不活性化・除去処理を実施しており、本剤投与によるHTLV-1をはじめとする感染症の報告はない。本剤の投与に際しては、その旨の患者又はその保護者への説明を考慮すること。

相互作用

相互作用の概略

本剤の投与によりチトクロームP450酵素(分子種CYP2D6、CYP3A4)の活性が上昇する。

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
CYP2D6で代謝を受ける薬剤
 抗不整脈薬
  メキシレチン
  フレカイニド
  プロパフェノン 等
 β受容体遮断薬
  プロプラノロール
  メトプロロール 等
本剤の投与により併用薬剤の代謝が亢進し、血中濃度が低下する可能性がある。 本剤の投与によりチトクロームP450(CYP2D6)の活性が上昇する。
CYP3A4で代謝を受ける薬剤
 Ca拮抗薬
  ニフェジピン
  ジルチアゼム
  ベラパミル 等
 抗不整脈薬
  アミオダロン
  ジソピラミド
  リドカイン
  プロパフェノン
  キニジン 等
 抗てんかん薬
  フェニトイン
  カルバマゼピン
 鎮痛薬
  フェンタニル
  エチルモルヒネ 等
 鎮咳薬
  セラトロダスト
  デキストロメトルファン
本剤の投与により併用薬剤の代謝が亢進し、血中濃度が低下する可能性がある。 本剤の投与によりチトクロームP450(CYP3A4)の活性が上昇する。

副作用

副作用等発現状況の概要

承認時までの国内での臨床試験において、7例中6例(85.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が23件認められた。主な副作用として、ほてり、血管障害、低ナトリウム血症が各2例(28.6%)に認められた。
承認時までの海外での臨床試験において、16例中7例(43.8%)に副作用が認められた。主な副作用として、注射部位反応が3例(18.8%)、注射部位疼痛及び悪心が各2例(12.5%)に認められた。

重大な副作用

アナフィラキシー
頻度不明
アナフィラキシーがあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

血管系
10%以上注1)
注射部位反応
血管系
1〜10%未満注1)
血管障害、ほてり、静脈炎、注射部位疼痛、血管炎
*血管系
頻度不明注2)
注射部位血栓、静脈血栓症
皮膚および皮下組織
1〜10%未満注1)
蕁麻疹、皮膚変色
傷害
1〜10%未満注1)
挫傷
消化器
1〜10%未満注1)
悪心
腎および尿路
1〜10%未満注1)
尿中血陽性
神経系
1〜10%未満注1)
傾眠、頭痛
臨床検査
1〜10%未満注1)
低ナトリウム血症、血中ブドウ糖減少、血中尿酸増加、低アルブミン血症、血中鉄減少、血中クレアチニン増加、単球数増加、好中球数減少、血小板数減少、総蛋白減少
全身
1〜10%未満注1)
異常感、倦怠感、発熱
筋骨格系
1〜10%未満注1)
横紋筋融解症3
その他の副作用の注意
以上のような副作用が認められた場合には、必要に応じ減量や投与中止などの処置をとること。
注1):国内外の臨床試験(CM01-001、CM01-002、CM01-003、AZ66及びAZ67試験)23例での発現頻度に基づく。
*注2):外国の市販後データに基づく。
注3):本剤投与前から存在したが因果関係が否定されなかった。

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。(妊娠中の投与に関する安全性は確立していない)
授乳中の患者には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を中止させること。(授乳中の投与に関する安全性は確立していない)

小児等への投与

小児等への投与経験は限られている。(国内における使用経験がない)

過量投与

<徴候・症状>
本剤の過量投与により、劇症肝炎、腎障害、高ビリルビン血症、貧血、出血性素因などが報告されている。また、添加物として含まれるプロピレングリコールによる中枢神経系の副作用などが発現する可能性がある。
<処置>
患者の状態を注意深く観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。プロピレングリコールの除去には血液透析が望ましい。

適用上の注意

調製時
ポリ塩化ビニル(PVC)容器中ではガラス瓶や他のプラスチック容器中よりも早くヘミンが分解するので、希釈にはPVC容器を用いないことが望ましい。
希釈後放置することで分解する可能性があるため、速やかに投与を開始し、希釈後1時間以内に投与を完了すること。
アンプルのカット部分をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。
開封後の残液は使用しないこと。
投与時
本剤は粘度が高く、細い注射針を使用すると投与時間が延長する可能性があるため、21ゲージ又はこれよりも太い注射用針を使用すること。
本剤の黒色の色調により、目視による異物混入の確認が困難であることから、本剤投与時にはインラインフィルターを通して投与すること。なお、本剤の黒色の色調により、血漿の変色を認める場合がある。
投与後
本剤投与後に日局生理食塩液を静脈内投与する場合は、例えば、100mLを用い、最初に10mLを3、4回急速注入した後、残りを10〜15分かけて点滴静注する。(<用法・用量に関連する使用上の注意>の項参照)

薬物動態

国内臨床試験(CM01-001試験)1)で急性ポルフィリン症患者5名に本剤をヘミンとして3mg/kg、4日間反復投与(点滴静注)したときの薬物動態パラメータは下記の通りであった。



*第1日目投与前濃度で補正
血中ヘミン濃度*の推移(平均値±標準偏差)(CM01-001試験)

薬物動態の表

最高血中薬物濃度(μg/mL)
(初回投与時)
56.5±14.7
消失半減期(時間)
(4日目)
17.1±4.8
分布容積(L) 13.9±20.1
(平均値±標準偏差)

臨床成績

急性発作症状を認める急性ポルフィリン症患者を対象に、本剤をヘミンとして3mg/kg、4日間反復投与(点滴静注)した国内臨床試験(CM01-002試験2)及びCM01-003試験3))では、本剤が投与された1例2クールにおいて疼痛、消化器症状、深部腱反射、血圧上昇、体温上昇等の急性発作症状に改善が認められた。

薬効薬理

作用機序4)、5)、6)、7)
本剤はヘム合成経路の律速酵素であるδ-アミノレブリン酸合成酵素活性を低下させ、急性ポルフィリン症患者におけるポルフィリン前駆体の蓄積を低減する。
ポルフィリン体もしくはその前駆体に対する作用1)、2)、3)、6)、7)
2-アリル-2-イソプロピルアセトアミド誘発ポルフィリン症モデルラットに本剤を腹腔内投与したところ、ポルフィリン前駆体であるポルフォビリノーゲン(PBG)及びδ-アミノレブリン酸(ALA)の尿中排泄量は有意に減少した。国内及び海外の臨床試験において、急性ポルフィリン症患者に本剤を4日間反復静脈内投与したところ、PBG、ALA、ウロポルフィリン(URO)及びコプロポルフィリン(CPP)の尿中排泄量は減少した。

有効成分に関する理化学的知見

一般名
ヘミン(Hemin)
化学名
Dihydrogen chloro[7,12-diethenyl-3,8,13,17-tetramethyl-21H,23H-porphine-2,18-dipropanoato(4-)-N 21,N 22,N 23,N 24]ferrate(2-)
構造式
分子式
C34H32ClFeN4O4
分子量
651.94
分解点
300℃以上
性 状
ヘミンは黒色の粉末である。ジメチルスルフォキシドにやや溶けやすく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。

承認条件

日本人での投与経験が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、可能な限り全症例を対象にした使用成績調査を実施することにより、本剤の安全性及び有効性に関するデータを収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

包装

ノーモサング点滴静注250mg:1アンプル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
社内資料:国内臨床試験(CM01-001)の総括報告書
2
社内資料:国内臨床試験(CM01-002)の総括報告書
3
社内資料:国内臨床試験(CM01-003)の総括報告書
4
矢野雄三, 近藤雅雄. ポルフィリン症、先天代謝異常症候群. 日本臨床 1998;19:121-60.
5
大門真. 急性ポルフィリン症 中村重信編. 別冊医学のあゆみ 1999;585-8.
6
社内資料:米国臨床試験(AZ66)の総括報告書
7
Tokola O, Linden IB, Tenhunen R. The effects of haem arginate and haematin upon the allylisopropylacetamide induced experimental porphyria in rats. Pharmacol Toxicol. 1987;61(1):75-8.

文献請求先・製品情報お問い合わせ先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。

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〒105-0023 東京都港区芝浦1-1-1
TEL 0120-889-009
受付時間 9:00〜17:30(土・日・祝日・年末年始を除く)

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

**製造販売
株式会社オーファンパシフィック
東京都港区芝浦1-1-1

その他の説明(付属機器の取り扱い等)

献血又は非献血の区別の考え方
献血又は非献血の区別は製剤の安全性の優劣を示すものではありません。この表示区別は、下記の手順に従って決められています。

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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