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閲覧履歴

ベネフィクス静注用3000

遺伝子組換え血液凝固第Ⅸ因子製剤

1瓶 288024円

添付文書番号

6343438D1026_3_02

企業コード

672212

作成又は改訂年月

2019年7月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

876343

薬効分類名

遺伝子組換え血液凝固第Ⅸ因子製剤

承認等

販売名

ベネフィクス静注用500

販売名コード

6343438D1026

販売名英字表記

BeneFIX Intravenous 500

販売名ひらがな

べねふぃくすじょうちゅうよう500

承認番号等

承認番号
22100AMX02270

販売開始年月

2010年1月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
2年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること
生物由来製品

販売名

ベネフィクス静注用1000

販売名コード

6343438D2022

販売名英字表記

BeneFIX Intravenous 1000

販売名ひらがな

べねふぃくすじょうちゅうよう1000

承認番号等

承認番号
22100AMX02271

販売開始年月

2010年1月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
2年

規制区分

処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること
生物由来製品

販売名

ベネフィクス静注用2000

販売名コード

6343438D3029

販売名英字表記

BeneFIX Intravenous 2000

販売名ひらがな

べねふぃくすじょうちゅうよう2000

承認番号等

承認番号
22100AMX02272

販売開始年月

2010年1月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
2年

規制区分

処方箋医薬品 注3)
注3)注意―医師等の処方箋により使用すること
生物由来製品

販売名

ベネフィクス静注用3000

販売名コード

6343438D4025

販売名英字表記

BeneFIX Intravenous 3000

販売名ひらがな

べねふぃくすじょうちゅうよう3000

承認番号等

承認番号
22500AMX01782

販売開始年月

2013年12月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
2年

規制区分

処方箋医薬品 注4)
注4)注意―医師等の処方箋により使用すること
生物由来製品

一般的名称

ノナコグアルファ(遺伝子組換え)

組成・性状

組成

ベネフィクス静注用500
有効成分
1バイアル中
ノナコグアルファ
(遺伝子組換え)
500
添加剤
精製白糖 40.0mg
グリシン 78.1mg
L-ヒスチジン 6.20mg
ポリソルベート80 0.22mg
pH調節剤 適量
ベネフィクス静注用1000
有効成分
1バイアル中
ノナコグアルファ
(遺伝子組換え)
1000
添加剤
精製白糖 40.0mg
グリシン 78.1mg
L-ヒスチジン 6.20mg
ポリソルベート80 0.22mg
pH調節剤 適量
ベネフィクス静注用2000
有効成分
1バイアル中
ノナコグアルファ
(遺伝子組換え)
2000
添加剤
精製白糖 40.0mg
グリシン 78.1mg
L-ヒスチジン 6.20mg
ポリソルベート80 0.22mg
pH調節剤 適量
ベネフィクス静注用3000
有効成分
1バイアル中
ノナコグアルファ
(遺伝子組換え)
3000
添加剤
精製白糖 40.0mg
グリシン 78.1mg
L-ヒスチジン 6.20mg
ポリソルベート80 0.22mg
pH調節剤 適量
本剤は製造(培養)工程において、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株を使用している。

製剤の性状

ベネフィクス静注用500
pH6.3~7.1(添付溶解液で溶解時)
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
約1(添付溶解液で溶解時)
添付溶解液
(1シリンジ5mL中)
塩化ナトリウム
11.7mg
ベネフィクス静注用1000
pH6.3~7.1(添付溶解液で溶解時)
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
約1(添付溶解液で溶解時)
添付溶解液
(1シリンジ5mL中)
塩化ナトリウム
11.7mg
ベネフィクス静注用2000
pH6.3~7.1(添付溶解液で溶解時)
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
約1(添付溶解液で溶解時)
添付溶解液
(1シリンジ5mL中)
塩化ナトリウム
11.7mg
ベネフィクス静注用3000
pH6.3~7.1(添付溶解液で溶解時)
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
約1(添付溶解液で溶解時)
添付溶解液
(1シリンジ5mL中)
塩化ナトリウム
11.7mg

効能又は効果

血友病B(先天性血液凝固第Ⅸ因子欠乏症)患者における出血傾向の抑制

用法及び用量

本剤は製剤に添付された溶解液を全量用いて溶解し、数分かけて緩徐に静脈内に注射する。初回用量は通常、本剤50国際単位/kgとするが、患者の状態に応じて適宜増減できる。また、次回以降は患者の状態、血液凝固第Ⅸ因子の上昇値[(国際単位/dL)/(国際単位/kg)]に応じて適宜増減する。

用法及び用量に関連する注意

  1. 本剤を含む血液凝固第Ⅸ因子製剤の投与は、個々の患者に応じて用量調節が必要である。用量及び投与期間は、血液凝固第Ⅸ因子欠乏の程度、出血の部位と程度及び患者の臨床症状により決定すること。
  2. 本剤の回収率はヒト血漿由来の血液凝固第Ⅸ因子製剤の回収率より低い可能性があるため、投与量の調節を考慮すること。
  3. 血液凝固第Ⅸ因子活性測定等によりモニタリングすること。特に外科的処置の場合は留意すること。臨床症状、血液凝固第Ⅸ因子活性、薬物動態パラメータ(血液凝固第Ⅸ因子の上昇値等)を考慮し、用量を調節すること。
  4. 投与速度が速すぎると注射部位疼痛等が発現するおそれがあるので、患者の状態をみながら1分間に4mLを超えない速度でゆっくり注入すること。
  5. 用量は、以下に基づいて算出すること。
    必要な第Ⅸ因子単位=体重(kg)×血液凝固第Ⅸ因子の目標上昇値(%又は国際単位/dL)×血液凝固第Ⅸ因子の上昇値の逆数(国際単位/dLあたりの国際単位/kg)
    血液凝固第Ⅸ因子の上昇値[(国際単位/dL)/(国際単位/kg)]:
    本剤投与前から本剤投与30分後の第Ⅸ因子の増加量を体重あたりの投与量(国際単位/kg)で除した値として求める。
  6. 出血エピソード及び外科手術における用量は、国内外の最新のガイドラインも参照のこと。

重要な基本的注意

  1. 本剤の投与は、血友病の治療経験をもつ医師のもとで開始すること。
  2. 本剤の投与によりアナフィラキシーを含むアレルギー反応があらわれることがあるので、患者に対しては、アレルギー反応の初期症状が認められた場合には、本剤の投与を中止し、症状や重症度に応じて、直ちに医師に連絡するよう、あらかじめ、説明すること。
  3. 患者の血中に血液凝固第Ⅸ因子に対するインヒビターが発生するおそれがある。本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビターの発生を疑い、回収率やインヒビターの検査を行う等注意深く対応し、適切な処置を行うこと。
  4. 本剤の持続注入に対する安全性と有効性は確立されていないため、持続注入の際は、血友病治療に十分な知識及び経験のある医師の下で行うこと。
  5. 薬効の減弱が認められた場合には、投与量の再検討や必要に応じて血液凝固第Ⅸ因子に対するインヒビターの測定を行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 本剤の成分又はハムスターたん白質に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. ヒト血漿由来の血液凝固第Ⅸ因子製剤に対し過敏症の既往歴のある患者
    血液凝固第Ⅸ因子に対するインヒビターの有無を確認すること。
  3. 血液凝固第Ⅸ因子に対するインヒビターが発生した患者
    アレルギー反応の発現の可能性を考慮して、投与初期(約10~20実投与日)はアレルギー反応に対する適切な処置が可能な医師のもとで投与すること。血液凝固第Ⅸ因子投与によりアナフィラキシーのリスクが増加する可能性がある。
  4. 術後の患者、血栓塞栓性事象のリスクのある患者、線維素溶解の徴候又は播種性血管内凝固症候群(DIC)のある患者
    投与に際しては、本剤の治療上の有益性と血栓塞栓性合併症のリスクを勘案すること。

肝機能障害患者

投与に際しては、本剤の治療上の有益性と血栓塞栓性合併症のリスクを勘案すること。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験は実施していない。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

  1. 新生児
    投与に際しては、本剤の治療上の有益性と血栓塞栓性合併症のリスクを勘案すること。

高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明)
    蕁麻疹、悪寒、血管浮腫、呼吸困難、血圧低下、頻脈等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  2. 血栓症(頻度不明)

その他の副作用

2%以上
1~2%未満
1%未満
霧視
消化管
嘔気
嘔吐
投与部位
注射部位反応、注射部位疼痛
精神神経系
頭痛、浮動性めまい
味覚異常
振戦
呼吸器
呼吸困難、咳嗽、低酸素症、胸部不快感
皮膚
発疹、蕁麻疹
蜂巣炎
その他
潮紅
発熱、悪寒、静脈炎

適用上の注意

薬剤調製時の注意
  1. 調製前に、本剤及び添付溶解液を室温に戻しておくこと。本剤は、添付溶解液(0.234%塩化ナトリウム液、5mL)全量で溶解する。全量の溶解液をフィルター付バイアルアダプターでバイアルから抜き取ること。
  2. 他剤と同じチューブを使用しないこと。また、同じ容器で混合しないこと。
  3. 可塑剤としてDEHP〔di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)〕を含むポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含む輸液セット等の使用を避けること。
  4. 本剤は保存剤を含有していないので、溶解後3時間以内に使用すること。
  5. 使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。
薬剤投与時の注意
  1. 本剤投与においてチューブ又はシリンジ中に赤血球凝集が起きたとの報告がある。これに関連する有害事象の報告はない。赤血球凝集の可能性を最小限に抑えるため、シリンジに血液を入れないようにすること。チューブ又はシリンジに赤血球凝集が認められた場合には全て(チューブ、シリンジ及び本剤溶液)を廃棄し、新しい製品を用いて再投与すること。
薬剤交付時の注意
  1. 子供の手の届かないところに保管すること。
  2. 使用済みの医療機器等の処理については、主治医の指示に従うこと。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. 本剤による免疫寛容導入療法の安全性と有効性は確立されていない。なお、海外において、血液凝固第Ⅸ因子に対するインヒビターを有し、かつ血液凝固第Ⅸ因子に過敏症の既往のある血友病B患者では、血液凝固第Ⅸ因子製剤に伴う免疫寛容導入療法後に、ネフローゼ症候群を発現したとの報告がある。
  2. 海外において、中心静脈カテーテルにより、本剤を持続注入された患者では、血栓塞栓性事象が報告されている。また、重症の疾患のある新生児において、生命を脅かす上大静脈症候群が発現したとの報告もある。

薬物動態

血中濃度

日本人血友病B患者3例において本剤50国際単位/kgを10分間以上かけて単回投与した結果、回収率は23.3~32.7%であった。本剤は1国際単位/kgあたり血液凝固第Ⅸ因子の上昇値を0.52~0.73国際単位/dL上昇させた。消失半減期の範囲(補足)は13.6~27.1時間であった。本剤50国際単位/kgの6ヵ月間の治療後の薬物動態は初回投与時と同様であり、本剤の薬物動態に繰り返し投与による変化はみられなかった。血友病B患者を対象とし海外で実施された臨床試験での本剤75国際単位/kg単回投与時の薬物動態パラメータは、年齢層の同じ日本人のデータと同様の値を示していた。主な薬物動態パラメータを以下に示す。
表 日本人及び外国人血友病B患者における本剤初回投与後の薬物動態パラメータ
患者集団
(投与量)
年齢
回収率[%]
血液凝固第Ⅸ因子活性の上昇値
[国際単位/dL/(国際単位/kg)]
消失
半減期
(hr)
AUC
[国際単位・hr/dL]
AUC/投与量
[国際単位・hr/dL/(国際単位/kg)]
日本人
(50国際単位/kg)
15歳
未満
(n=3)
28.1
±4.7
0.62
±0.11
20.2
±6.8
422
±77
8.5
±1.6
外国人
(75国際単位/kg)
15歳
未満
(n=33)
32.7
±7.3
0.61
±0.15
19.8
±3.6注)
649
±194
8.7
±2.6
15歳
以上
(n=37)
35.3
±8.5
0.76
±0.18
24.5
±5.4
999
±233
13.3
±3.1
平均値±標準偏差
注)n=10
AUC:血漿中血液凝固第Ⅸ因子濃度−時間推移曲線下面積
本剤の回収率はヒト血漿由来の血液凝固第Ⅸ因子よりも28%低かった(海外データ)。この回収率の違いはヒト血漿由来血液凝固第Ⅸ因子と遺伝子組換え血液凝固第Ⅸ因子の分子構造上の違いが関係していると考えられる。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅰ/Ⅱ相試験
    国内臨床試験の評価対象3例において、6ヵ月間の治療期間中に認められた合計49件の出血エピソードに対し、本剤の止血効果が検討された。計49件の出血エピソードのうち、46件(93.9%)では、本剤の1回又は2回の投与で止血し得た(それぞれ73.5%及び20.4%)。治療的投与(合計67回)の有効性(止血に要した2回目以降の投与回数も対象)は、関節内出血の92.6%及び軟部組織/筋肉内出血の77.5%で「著効」又は「有効」と判定された。「無効」と判定された投与はなかった。
    表1 日本人血友病B患者における治療的投与に対する出血部位別有効性評価(%)
    症例数
    有効性評価
    評価せず
    著効/有効
    やや有効
    無効
    日本人
    3例
    関節内
    25(92.6)
    2(7.4)
    0
    0
    27
    軟部組織/筋肉内
    31(77.5)
    8(20.0)
    0
    1(2.5)
    40
    副作用を発現した被験者はいなかった。
  2. 海外第Ⅰ/Ⅱ相試験(301試験)
    6歳未満の外国人小児血友病B患者において、16例に認められた合計60件の関節内及び軟部組織/筋肉内の出血エピソードに対し、本剤の止血効果が検討された。計60件の出血エピソードのうち、53件(88.3%)では、本剤の1回又は2回の投与で止血し得た(それぞれ68.3%及び20.0%)。治療的投与の有効性(最初の投与に対する評価のみ)は、関節内出血の81.3%及び軟部組織/筋肉内出血の88.6%で「著効」又は「有効」と判定された。また「無効」と判定された投与はなかった。
    表2 外国人小児血友病B患者における治療的投与に対する出血部位別有効性評価(%)
    301試験
    症例数
    有効性評価
    評価せず
    著効/有効
    やや有効
    無効
    外国人
    16例
    関節内
    13(81.3)
    3(18.8)
    0
    0
    16
    軟部組織/筋肉内
    39(88.6)
    4(9.1)
    0
    1(2.3)
    44
    副作用の発現率は16.0%(4/25例)であった。主な副作用は、一般的全身障害の臨床検査異常8.0%(2/25例)、アレルギー反応4.0%(1/25例)、皮膚及び付属器障害の発疹8.0%(2/25例)及び蕁麻疹4.0%(1/25例)、血液及びリンパ系障害の第Ⅸ因子抑制4.0%(1/25例)、呼吸器系障害の咳嗽増加4.0%(1/25例)、処置に至った局所反応4.0%(1/25例)であった。
  3. 海外第Ⅲ相試験(302試験)
    外国人の血友病B患者において、18例に認められた合計100件の出血エピソードに対し、本剤の止血効果が検討された。計100件の出血エピソードのうち、81件(81.0%)では、本剤の1回又は2回の投与で止血し得た(それぞれ53.0%及び28.0%)。治療的投与の有効性(最初の投与に対する評価のみ)は、関節内出血の87.3%及び軟部組織/筋肉内出血の79.3%で「著効」又は「有効」と判定された。また関節内出血の4.2%(3件)の投与が「無効」と判定された。軟部組織/筋肉内出血では「無効」と判断された投与はなかった。
    表3 外国人血友病B患者における治療的投与に対する出血部位別有効性評価(%)
    302試験
    症例数
    有効性評価
    評価せず
    著効/有効
    やや有効
    無効
    外国人
    18例
    関節内
    62(87.3)
    6(8.5)
    3(4.2)
    0
    71
    軟部組織/筋肉内
    23(79.3)
    5(17.2)
    0
    1(3.4)
    29
    副作用の発現率は17.4%(4/23例)であった。主な副作用は、一般的全身障害の注射部位反応8.7%(2/23例)、臨床検査異常8.7%(2/23例)及び注射部位疼痛4.3%(1/23例)、その他のカテーテル関連事象4.3%(1/23例)、神経系障害の浮動性めまい4.3%(1/23例)であった。
  4. 海外第Ⅲ相試験(304試験)
    外国人血友病B患者において、15例に認められた合計84件の出血エピソードに対し、本剤の止血効果が検討された。計84件の関節内及び軟部組織/筋肉内の出血エピソードのうち、78件(92.9%)では、本剤の1回又は2回の投与で止血し得た(それぞれ82.1%及び10.7%)。治療的投与の有効性(最初の投与に対する評価のみ)は、関節内出血の85.4%及び軟部組織/筋肉内出血の86.1%で「著効」又は「有効」と判定された。また「無効」と判定された投与はなかった。
    表4 外国人血友病B患者における治療的投与に対する出血部位別有効性評価(%)
    304試験
    症例数
    有効性評価
    評価せず
    著効/有効
    やや有効
    無効
    外国人
    15例
    関節内
    41(85.4)
    6(12.5)
    0
    1(2.1)
    48
    軟部組織/筋肉内
    31(86.1)
    5(13.9)
    0
    0
    36
    副作用の発現率は8.8%(3/34例)であった。主な副作用は、一般的全身障害の頭痛2.9%(1/34例)、消化管系障害の悪心2.9%(1/34例)、神経系障害の浮動性めまい2.9%(1/34例)、特殊感覚器障害の味覚倒錯2.9%(1/34例)であった。

薬効薬理

作用機序
本剤は、遺伝子組換え血液凝固第Ⅸ因子を有効成分とし、その構造及び機能的特性は内因性血液凝固第Ⅸ因子と類似している。血液凝固第Ⅸ因子は内因性凝固系で血液凝固第Ⅺa因子により活性化されるのと同時に、外因性凝固系で血液凝固第Ⅶ因子/組織因子複合体によって活性化される。活性化された血液凝固第Ⅸ因子は、活性化血液凝固第Ⅷ因子と共に血液凝固第Ⅹ因子を活性化する。この結果、最終的にプロトロンビンをトロンビンに変換する。トロンビンはフィブリノーゲンをフィブリンに変換し、血餅が生じる。本剤による補充療法により血液凝固第Ⅸ因子の血漿中レベルを増加し、その結果、血液凝固第Ⅸ因子欠乏状態を一時的に矯正し、出血のコントロールを可能とする。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ノナコグアルファ(遺伝子組換え)
Nonacog Alfa(Genetical Recombination)〔JAN〕
本質
ヒト血液凝固第Ⅸ因子のAla 148対立遺伝子をコードするcDNAとPACEプロテアーゼcDNAの2種の発現プラスミドを組み込んだチャイニーズハムスターの卵巣細胞で産生される415個のアミノ酸残基(C2053H3114N558O665S25,分子量:47,053.70)からなる糖たん白質(分子量:約55,000)

取扱い上の注意

本剤は特定生物由来製品ではないが、血液製剤代替医薬品であることから、本剤を投与又は処方した場合は、医薬品名(販売名)、その製造番号、投与又は処方年月日、投与又は処方を受けた患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。

承認条件

国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、本剤を使用した全症例を対象とした使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。

包装

〈ベネフィクス静注用500〉[500国際単位×1バイアル]
〔プレフィルドシリンジ(0.234%塩化ナトリウム溶液5mL)×1シリンジ付き〕
〈ベネフィクス静注用1000〉[1000国際単位×1バイアル]
〔プレフィルドシリンジ(0.234%塩化ナトリウム溶液5mL)×1シリンジ付き〕
〈ベネフィクス静注用2000〉[2000国際単位×1バイアル]
〔プレフィルドシリンジ(0.234%塩化ナトリウム溶液5mL)×1シリンジ付き〕
〈ベネフィクス静注用3000〉[3000国際単位×1バイアル]
〔プレフィルドシリンジ(0.234%塩化ナトリウム溶液5mL)×1シリンジ付き〕

主要文献

1
Ewenstein BM, et al.:Blood.1997;89(3):1115-1116[L70010001801]
2
Douvas MG, et al.:J Pediatr Hematol Oncol.2004;26(4):258-263[L70010001802]
3
社内資料:薬物動態のまとめ(承認年月日:2009.10.16、CTD2.7.2.2.1.1、2.7.2.3.5.4)[L70010001809]
4
社内資料:臨床成績のまとめ(承認年月日:2009.10.16、CTD2.7.6.1.0-2.7.6.4.0)[L70010001807]
5
Roberts HR, et al.:Hematol Oncol Clin North Am.1993;7(6):1269-1280[L70010001803]

文献請求先及び問い合わせ先

ファイザー株式会社 製品情報センター
〒151-8589 東京都渋谷区代々木3-22-7
学術情報ダイヤル 0120-664-467
FAX 03-3379-3053

製造販売業者等

製造販売元
ファイザー株式会社
東京都渋谷区代々木3-22-7

(参考情報)

(参考)
海外における出血エピソード及び外科手術における用量は以下のとおりである 。
出血の種類
必要な循環血中血液凝固第Ⅸ因子活性値
(%又は国際単位/dL)
投与間隔
(時間)
治療期間
(日)
軽度
合併症のない関節内出血、表在性の筋肉内又は軟組織内出血
20~30
12~24
1~2
中等度
筋肉内又は軟組織内の深部出血、粘膜出血、抜歯又は血尿
25~50
12~24
出血が止まり、治癒が始まるまで:約2~7日
重度
咽頭、後咽頭、後腹膜、中枢神経系の出血、外科治療
50~100
12~24
7~10

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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