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クレナフィン爪外用液10%

爪白癬治療剤

1g 1475.8円

添付文書番号

6290702Q1029_1_06

企業コード

200022

作成又は改訂年月

2022年7月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87629

薬効分類名

爪白癬治療剤

承認等

販売名

クレナフィン爪外用液10%

販売名コード

6290702Q1029

販売名英字表記

CLENAFIN Topical Solution

販売名ひらがな

くれなふぃんつめがいようえき10%

承認番号等

承認番号
22600AMX00739000

販売開始年月

2014年9月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

エフィナコナゾール

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

クレナフィン爪外用液10%
有効成分
1g中エフィナコナゾール100mg
添加剤
デカメチルシクロペンタシロキサン、アジピン酸ジイソプロピル、乳酸アルキル(C12-C15)、ジブチルヒドロキシトルエン、無水クエン酸、エデト酸ナトリウム水和物、エタノール

製剤の性状

クレナフィン爪外用液10%
剤形外用液剤
外観
無色~微黄色澄明の液

効能又は効果

〈適応菌種〉
皮膚糸状菌(トリコフィトン属)
〈適応症〉
爪白癬

効能又は効果に関連する注意

  1. 直接鏡検又は培養等に基づき爪白癬であると確定診断された患者に使用すること。
  2. 重症患者における本剤の有効性及び安全性は確認されていない。

用法及び用量

1日1回罹患爪全体に塗布する。

用法及び用量に関連する注意

本剤を長期間使用しても改善が認められない場合は使用中止を考慮するなど、漫然と長期にわたって使用しないこと(48週を超えて使用した場合の有効性・安全性は確立していない)。

特定の背景を有する患者に関する注意

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット皮下投与)で乳汁中へ移行することが報告されている。

小児等

小児等を対象とした国内臨床試験は実施していない。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

1%以上
0.10~1%未満
適用部位
(投与部位)
皮膚炎、水疱
紅斑、腫脹、疼痛、そう痒、皮膚剥脱、異常感覚、爪甲脱落、変色、湿疹
その他
鼻咽頭炎、頭痛

適用上の注意

薬剤交付時の注意
患者に対し、次の点に注意するよう指導すること。
  • 本剤は抗真菌薬のため、新しい爪が伸びてこない限り、一旦変色した爪所見を回復させるものではない。このため、治療には相応の期間(爪が生えかわるまでの期間)が必要になること。
  • 爪白癬の原因菌は爪甲及びその下の皮膚に存在するため、この部位に薬剤が行きわたるよう皮膚との境界部も含め爪全体に十分に塗布し、周囲の皮膚に付着した薬剤は拭き取ること。
  • 適用部位周辺に傷口がある場合には注意して使用すること。
  • 爪白癬の罹患爪以外には使用しないこと。
  • 治療中の爪には化粧品等を使用しないこと。
  • 眼科用として角膜、結膜には使用しないこと。誤って眼に入った場合には、直ちによく水洗すること。
  • 保存及び使用の際には火気を避けること。

薬物動態

血中濃度

日本人健康成人の背部皮膚表面にエフィナコナゾール56.9mgを単回投与(48時間貼付)したとき、最高血漿中濃度は0.684±0.204ng/mL、最高血漿中濃度到達時間は22.4±4.9時間、消失半減期は算出できなかった。
また、日本人爪真菌症患者を対象として、趾爪10個全てに本剤を1日1回就寝前に28日間塗布したところ、爪中濃度は5,961±3,895μg/gであった。28日間連日投与後の血漿中濃度は1.350±1.226ng/mLであった,

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国際共同第Ⅲ相試験
    感染面積が20~50%の爪真菌症患者870例(日本人患者243例を含む)を対象に、本剤又は基剤を感染趾爪に1日1回48週間塗布する無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。52週目の完全治癒率は、以下のとおりであり、本剤群と基剤群との対比較において、統計学的に有意な差が認められた,,
    52週目の完全治癒率
    本剤群
    基剤群
    群間差[95%信頼区間]
    全体
    17.8%
    (117/656例)
    3.3%
    (7/214例)
    14.6[10.8,18.3]% 注1)
    日本
    28.8%
    (53/184例)
    11.9%
    (7/59例)
    16.9[6.4,27.5]%
    完全治癒率:感染面積0%かつ真菌学的治癒(KOH直接鏡検と真菌培養検査がともに陰性)の割合
    注1)p<0.001,解析センターを層とするCochran-Mantel-Haenszel検定
    副作用発現頻度は本剤群で7.5%(49/653例)であった。主な副作用は適用部位にみられ、皮膚炎3.4%(22/653例)、水疱1.8%(12/653例)、紅斑0.8%(5/653例)、そう痒、異常感覚各0.6%(4/653例)、腫脹、疼痛、皮膚剥脱各0.5%(3/653例)等であった。
  2. 海外第Ⅲ相試験
    感染面積が20~50%の爪真菌症患者781例を対象に、本剤又は基剤を感染趾爪に1日1回48週間塗布する無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。52週目の完全治癒率は、以下のとおりであり、本剤群と基剤群との対比較において、統計学的に有意な差が認められた,
    52週目の完全治癒率
    本剤群
    基剤群
    群間差[95%信頼区間]
    15.2%
    (88/580例)
    5.5%
    (11/201例)
    9.7[5.4,14.0]% 注2)
    完全治癒率:感染面積0%かつ真菌学的治癒(KOH直接鏡検と真菌培養検査がともに陰性)の割合
    注2)p<0.001,解析センターを層とするCochran-Mantel-Haenszel検定
    副作用発現頻度は本剤群で5.1%(29/574例)であった。主な副作用は適用部位にみられ、水疱1.0%(6/574例)、皮膚炎、紅斑、腫脹、疼痛、皮膚剥脱各0.7%(4/574例)、そう痒、異常感覚、爪甲脱落各0.5%(3/574例)等であった。

その他

  1. 皮膚刺激性
    日本人健康成人を対象としたパッチテストで塗布局所の皮膚刺激性を検討した結果、軽度な皮膚刺激性がみられた。
    また、外国人健康成人を対象として接触感作性を検討した結果、接触感作の誘導はみられなかった。

薬効薬理

作用機序
エフィナコナゾールは、真菌細胞膜のエルゴステロール生合成経路上におけるラノステロールの14位メチル基の脱メチル化反応を阻害し、抗真菌作用を発揮する。
抗真菌作用
  1. 抗真菌活性
    エフィナコナゾールはTrichophyton rubrumTrichophyton mentagrophytesに対して抗真菌活性を示した(in vitro)。
    菌種
    株数
    MIC50/MIC90(μg/mL)
    (最小~最大)
    T.rubrum
    130
    0.002/0.008
    (0.001~0.015)
    T.mentagrophytes
    129
    0.004/0.015
    (0.001~0.03)
    また、上記以外のTrichophyton属の皮膚糸状菌に対しても抗真菌活性を示した(MIC:0.0039~0.063μg/mL)。
  2. 実験的爪白癬に対する作用
    T.mentagrophytesによるモルモット爪白癬モデルに、エフィナコナゾ-ル10%液剤を1日1回4週間反復爪塗布したところ、感染無処置対照群に比べて有意な爪中菌数の減少を示した。
爪における抗真菌活性作用
  1. 爪中及び爪甲下での抗真菌活性
    ヒト爪を用いたin vitro試験において、爪中や爪甲下で増殖するT.rubrumに対して、爪上面への塗布により有意な菌数の減少を示した,
  2. ケラチン親和性
    爪の主成分であるケラチンに対するエフィナコナゾールの親和性を検討した結果、吸着率は添加量に対し85.7%、遊離率は吸着量に対し46.0%であった。
    一方、同様の方法で検討したアモロルフィン塩酸塩、シクロピロクス オラミン、テルビナフィン塩酸塩及びイトラコナゾールの吸着率は98.1~99.5%、遊離率は1.7~6.9%であった,in vitro)。
薬剤耐性
エフィナコナゾール存在下で12代継代培養したT.rubrumは感受性を示した(in vitro)。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
エフィナコナゾール(Efinaconazole)
化学名
(2R,3R)-2-(2,4-Difluorophenyl)-3-(4-methylenepiperidin-1-yl)-1-(1H-1,2,4-triazol-1-yl)butan-2-ol
分子式
C18H22F2N4O
分子量
348.39
性状
白色~微黄色の結晶、結晶性の粉末又は塊である。
アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール(95)、無水酢酸又はジエチルエーテルに溶けやすく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
86~89℃

取扱い上の注意

  1. 開封後はしっかりとキャップをしめ保存すること。
  2. 開封後12週間経過した場合は、残液を使用しないこと。
  3. 本剤は可燃性である。(第一石油類 危険等級Ⅱ 水溶性 火気厳禁)

包装

3.56g(4mL)[5、10本]
7.12g(8mL)[5本]

主要文献

1
社内資料:エフィナコナゾールの薬物動態試験(2014年7月4日承認、CTD2.6.4)
2
社内資料:日本人健康成人における第Ⅰ相臨床試験(KP-103-02)(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.1)
3
社内資料:日本人爪真菌症患者における第Ⅰ相臨床試験(KP-103-03)(2014年7月4日承認、CTD2.7.6.5)
4
Sakamoto M, et al.:J Drugs Dermatol.2014;13(11):1388-1392
5
渡辺晋一 他:西日本皮膚.2015;77(3):256-264
6
Elewski BE, et al.:J Am Acad Dermatol.2013;68(4):600-608
7
社内資料:臨床的有効性(2014年7月4日承認、CTD2.7.3)
8
James Q Del Rosso, et al.:J Clin Aesthet Dermatol.2013;6(3):20-24
9
Tatsumi Y, et al.:Antimicrob Agents Chemother.2013;57(5):2405-2409
10
Jo Siu WJ, et al.:Antimicrob Agents Chemother.2013;57(4):1610-1616
11
Sugiura K, et al.:Antimicrob Agents Chemother.2014;58(7):3837-3842
12
社内資料:エフィナコナゾールの薬理試験(2014年7月4日承認、CTD2.6.2)
13
Iwata A, et al.:Antimicrob Agents Chemother.2014;58(8):4920-4922

文献請求先及び問い合わせ先

科研製薬株式会社 医薬品情報サービス室
〒113-8650 東京都文京区本駒込二丁目28番8号
フリーダイヤル 0120-519-874

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