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フロリードゲル経口用2%

口腔・食道カンジダ症治療剤

1g 98.2円

添付文書番号

6290003X1039_2_14

企業コード

790005

作成又は改訂年月

2022年4月改訂
(第2版)

日本標準商品分類番号

87629

薬効分類名

口腔・食道カンジダ症治療剤

承認等

販売名

フロリードゲル経口用2%

販売名コード

6290003X1039

販売名英字表記

FLORIDⓇ Oral Gel 2%

販売名ひらがな

ふろりーどげるけいこうよう2%

承認番号等

承認番号
22000AMX01489000

販売開始年月

2011年9月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

ミコナゾール

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  2. ワルファリンカリウム、ピモジド、キニジン硫酸塩水和物、トリアゾラム、シンバスタチン、アゼルニジピン、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン、ニソルジピン、ブロナンセリン、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩、リバーロキサバン、アスナプレビル、ロミタピドメシル酸塩、ルラシドン塩酸塩を投与中の患者
  3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

組成・性状

組成

フロリードゲル経口用2%
有効成分
1g中 日局 ミコナゾール  20mg
添加剤
ラウリル硫酸ナトリウム、カルメロースナトリウム、アルギン酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、結晶リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、濃グリセリン

製剤の性状

フロリードゲル経口用2%
識別コードMO652
性状
白色~微黄白色ののり状(ゲル剤)
わずかに甘い

効能又は効果

カンジダ属による下記感染症
口腔カンジダ症、食道カンジダ症

用法及び用量

〈口腔カンジダ症〉
通常、成人にはミコナゾールとして1日200~400mg(ミコナゾールゲル10~20g)を4回(毎食後および就寝前)に分け、口腔内にまんべんなく塗布する。なお、病巣が広範囲に存在する場合には、口腔内にできるだけ長く含んだ後、嚥下する。
〈食道カンジダ症〉
通常、成人にはミコナゾールとして1日200~400mg(ミコナゾールゲル10~20g)を4回(毎食後および就寝前)に分け、口腔内に含んだ後、少量ずつ嚥下する。

用法及び用量に関連する注意

本剤の投与期間は原則として14日間とする。なお、本剤を7日間投与しても症状の改善がみられない場合には本剤の投与を中止し、他の適切な療法に切り替えること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 誤嚥を起こすおそれのある患者(嚥下障害、喘息患者等)
    投与する際には注意すること。誤嚥により、呼吸困難、嚥下性肺炎等を引き起こすおそれがある。
  2. 経口血糖降下剤(グリベンクラミド、グリクラジド、アセトヘキサミド等)を投与中の患者
    血糖値その他患者の状態を十分観察しながら慎重に投与すること。低血糖症状をきたした症例が報告されている。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。静脈投与による動物実験(ウサギ)において、流産動物数の増加及び死亡・吸収胚数の増加傾向が認められている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)において、乳汁中に移行することが報告されている。

小児等

  1. 誤嚥により、呼吸困難、嚥下性肺炎等を引き起こすおそれがある。外国において、6ヵ月未満の乳児で誤嚥により窒息を起こした症例が報告されている。
  2. 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

高齢者

  1. 誤嚥により、呼吸困難、嚥下性肺炎等を引き起こすおそれがある。高齢者において誤嚥により窒息を起こした症例が報告されている。
  2. 減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

本剤はCYP3A及びCYP2C9と親和性を有するため、これらで代謝される薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させる可能性がある。

併用禁忌(併用しないこと)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ワルファリンカリウム
ワーファリン
ワルファリンの作用が増強し、重篤な出血あるいは著しいINR上昇があらわれることがある。また、併用中止後も、ワルファリンの作用が遷延し重篤な出血を来したとの報告もある。患者がワルファリンの治療を必要とする場合は、ワルファリンの治療を優先し、本剤を投与しないこと。
ミコナゾールがワルファリンの代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
ピモジド
オーラップ
ピモジドによるQT延長、心室性不整脈(torsades de pointesを含む)等の重篤な心臓血管系の副作用があらわれるおそれがある。
ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
キニジン硫酸塩水和物
キニジン硫酸塩
キニジンによるQT延長等があらわれるおそれがある。
ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
トリアゾラム
ハルシオン
トリアゾラムの作用の増強及び作用時間の延長があらわれるおそれがある。
ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
シンバスタチン
リポバス
シンバスタチンによる横紋筋融解症があらわれるおそれがある。
ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
アゼルニジピン
カルブロック
オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン
レザルタス配合錠
ニソルジピン
ブロナンセリン
ロナセン
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン
クリアミン配合錠
ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩
これらの薬剤の血中濃度が上昇し、血管攣縮等の重篤な副作用があらわれるおそれがある。
ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
リバーロキサバン
イグザレルト
リバーロキサバンの血中濃度が上昇し、抗凝固作用が増強されることにより、出血の危険性が増大するおそれがある。
ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
アスナプレビル
スンベプラ
アスナプレビルの血中濃度が上昇し、肝胆道系の副作用が発現又は重症化するおそれがある。
ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
ロミタピドメシル酸塩
ジャクスタピッド
ロミタピドメシル酸塩の血中濃度が著しく上昇するおそれがある。
ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
ルラシドン塩酸塩
ラツーダ
ルラシドン塩酸塩の血中濃度が上昇し、作用が増強するおそれがある。
ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
経口血糖降下剤
グリベンクラミド
グリクラジド
アセトヘキサミド 等
これらの薬剤の作用を増強することがある。
ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
フェニトイン
カルバマゼピン
これらの薬剤の作用を増強することがある。
ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
ドセタキセル
パクリタキセル
イリノテカン塩酸塩水和物
これらの薬剤による骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある。
ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
シクロスポリン
シクロスポリンの血中濃度が上昇することがある。
ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
タクロリムス水和物
アトルバスタチン
ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤
ビンクリスチン硫酸塩
ビノレルビン酒石酸塩
ビンブラスチン硫酸塩 等
ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤
ニフェジピン
アムロジピンベシル酸塩
シルニジピン 等
ベラパミル塩酸塩
シルデナフィルクエン酸塩
アルプラゾラム
ミダゾラム
ブロチゾラム
メチルプレドニゾロン
セレギリン塩酸塩
エバスチン
イマチニブメシル酸塩
ジソピラミド
シロスタゾール
これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる。
HIVプロテアーゼ阻害剤
リトナビル
ロピナビル・リトナビル
ダルナビル エタノール付加物 等
ミコナゾール又はこれらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある。
ミコナゾールとこれらの薬剤との、代謝における競合的阻害作用によると考えられる。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
頻度不明
過敏症
発疹等
消化器
嘔気・嘔吐、食欲不振
下痢、口渇等
腹鳴
肝臓
AST・ALTの上昇等
その他
口腔内疼痛、味覚異常、口腔内異常感、口唇腫脹
黒毛舌
注)発現頻度は、使用成績調査を含む。

過量投与

  1. 症状
    主な症状は嘔吐、下痢である。

適用上の注意

薬剤投与時の注意
  1. 眼科用として、角膜、結膜には投与しないこと。
  2. 義歯装着患者では十分な効果が得られにくい場合があるので、よく義歯を洗浄し、義歯にも塗布させること。
薬剤投与後の注意
本剤投与後は含嗽、食物摂取を控えさせること。

薬物動態

分布

  1. 口腔内残存濃度
    健康成人男性20例に本剤5g(ミコナゾールとして100mg)を舌上に塗布し、2時間後、4時間後及び6時間後の舌上付着液中のミコナゾール濃度を測定したところ、それぞれ、平均1,342.2µg/mL、326.2µg/mL及び149.0µg/mLであった。

代謝

雄ラットに14C-ミコナゾールを10mg/kg経口投与したところ、投与2時間以降の血漿中放射能濃度の推移は、同用量を雄ラットに静注したときのそれとほぼ一致していたが、血漿中未変化体濃度は経口投与1時間後において静注時の1/16以下であったことから、ミコナゾールは肝における初回通過効果による代謝を受けやすいことが示唆された。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈口腔カンジダ症〉
  1. 国内第Ⅱ相試験及び一般臨床試験
    口腔カンジダ症患者143例を対象に、本剤1回5gを1日4回(毎食後及び就寝前)、原則10~14日間、口腔内に塗布する臨床試験を実施した。有効性評価対象例122例において、本剤の真菌学的効果及び臨床効果を検討したところ、次のような成績が得られている,,,,,
    疾患名
    真菌学的効果
    <真菌消失率>
    臨床効果
    <有効率>
    口腔カンジダ症
    80.2%(89/111例)
    84.4%(103/122例)
〈食道カンジダ症〉
  1. 国内第Ⅱ相試験及び一般臨床試験
    食道カンジダ症患者18例を対象に、本剤1回5gを1日4回(毎食後及び就寝前)、原則14日間経口投与する臨床試験を実施した。有効性評価対象例17例において、本剤の真菌学的効果及び臨床効果を検討したところ、次のような成績が得られている,,,,,
    疾患名
    真菌学的効果
    <真菌消失率>
    臨床効果
    <有効率>
    食道カンジダ症
    87.5%(14/16例)
    94.1%(16/17例)

薬効薬理

作用機序
ミコナゾールは低濃度では主として真菌の膜系(細胞膜及び細胞壁)に作用して、膜透過性の変化を起こし、高濃度では細胞の壊死性変化をもたらして殺菌的に作用するものと考えられている,,,
カンジダに対する作用
  1. 最小発育阻止濃度
    Candida属に対する最小発育阻止濃度(MIC)は下表のとおりであった(in vitro)。
    菌種
    MIC(µg/mL)
    Candida
    albicans
    ≦0.04~20
    glabrata
    ≦0.04~10
    krusei
    0.16~10
    tropicalis
    2.5~10
    lusitaniae
    0.16~2.5
    lipolytica
    0.08~0.16
    guilliermondii
    2.5~10
    parapsilosis
    0.31
    培地:Sabouraud dextrose agar
  2. 感染治療実験
    ラット実験的口腔カンジダ症において、本剤塗布開始1週目から4週目の口腔内生菌数は対照群に比べ有意に減少した。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
ミコナゾール(Miconazole)
化学名
1-[(2RS)-2-(2,4-Dichlorobenzyloxy)-2-(2,4-dichlorophenyl)ethyl]-1H-imidazole
分子式
C18H14Cl4N2O
分子量
416.13
性状
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。メタノール、エタノール(95)又は酢酸(100)に溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けやすく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
84~87℃

取扱い上の注意

高温を避けて保存すること。

包装

チューブ:20g×5本

主要文献

1
持田製薬社内資料:MJR-1762R 口腔内残存性比較試験
2
大澤伸雄 他:医薬品研究. 1993;24(2):151-172
3
大澤伸雄 他:医薬品研究. 1993;24(2):173-182
4
螺良英郎 他:Jpn. J. Antibiot. 1991;44(3):324-336
5
螺良英郎 他:医学のあゆみ. 1991;157(6):385-395
6
太田宗夫 他:救急医学. 1992;16(1):109-113
7
冲津光久 他:日本口腔科学会雑誌. 1991;40(3):568-573
8
王 伯銘 他:新薬と臨牀. 1991;40(3):532-533
9
白戸りさ 他:化学療法の領域. 1991;7(6):1160-1164
10
若杉英之 他:臨牀と研究. 1991;68(4):1185-1187
11
柏原英彦 他:新薬と臨牀. 1991;40(3):534-538
12
吉川敏一 他:臨牀と研究. 1991;68(5):1517-1519
13
小山茂樹 他:新薬と臨牀. 1991;40(3):523-530
14
Van den Bossche, H.:Biochem. Pharmacol. 1974;23(4):887-899
15
Sreedhara Swamy, K. H. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 1974;5(4):420-425
16
De Nollin, S. et al.:Sabouraudia. 1974;12(3):341-351
17
De Nollin, S. et al.:Antimicrob. Agents Chemother. 1975;7(5):704-711
18
内田勝久 他:Jpn. J. Antibiot. 1991;44(3):357-364
19
山田秀彦 他:日本医真菌学会雑誌. 1992;33(3):329-337

文献請求先及び問い合わせ先

株式会社ジーシー昭和薬品
〒113-0033 東京都文京区本郷一丁目28番34号
TEL 0120-648-914
〈受付時間〉9:00~17:30(土・日・祝日・弊社休日を除く)

製造販売業者等

製造販売元
持田製薬株式会社
東京都新宿区四谷1丁目7番地
販売
株式会社ジーシー昭和薬品
東京都板橋区蓮沼町76番1号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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