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テイコプラニン点滴静注用400mg「NP」

グリコペプチド系抗生物質製剤

1瓶 2670円

作成又は改訂年月

**2023年6月改訂
(第3版)
*2022年5月改訂

日本標準商品分類番号

876119

薬効分類名

グリコペプチド系抗生物質製剤

承認等

販売名

テイコプラニン点滴静注用200mg「NP」

販売名コード

6119401D1043

承認・許可番号

22000AMX01366
TEICOPLANIN FOR I.V. INFUSION

薬価基準収載年月

2008年7月

販売開始年月

2008年7月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
使用期限
容器等に記載
注意
「取扱い上の注意」参照

規制区分

劇薬
*処方箋医薬品注1)
*注1)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

有効成分(1バイアル中)
日本薬局方 テイコプラニン 200mg(力価)
添加物
等張化剤、pH調整剤

性状

製剤の性状
性状
白色〜淡黄色の容易に崩れる塊又は粉末
製剤学的事項
溶解液
注射用水
単位/容量
200mg(力価)/3mL:pH7.2〜7.8、浸透圧比(生理食塩液に対する比)約1

販売名

テイコプラニン点滴静注用400mg「NP」

販売名コード

6119401D2031

承認・許可番号

22400AMX01213
TEICOPLANIN FOR I.V. INFUSION

薬価基準収載年月

2012年12月

販売開始年月

2012年12月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
使用期限
容器等に記載
注意
「取扱い上の注意」参照

規制区分

劇薬
*処方箋医薬品注1)
*注1)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

有効成分(1バイアル中)
日本薬局方 テイコプラニン 400mg(力価)
添加物
等張化剤、pH調整剤

性状

製剤の性状
性状
白色〜淡黄色の容易に崩れる塊又は粉末
製剤学的事項
溶解液
注射用水
単位/容量
400mg(力価)/6mL:pH7.2〜7.8、浸透圧比(生理食塩液に対する比)約1

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

原則禁忌

1
アミノグリコシド系抗生物質、ペプチド系抗生物質又はバンコマイシン類に対し過敏症の既往歴のある患者
2
アミノグリコシド系抗生物質、ペプチド系抗生物質又はバンコマイシン類による難聴又はその他の難聴のある患者

効能又は効果

〈適応菌種〉
本剤に感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
〈適応症〉
敗血症、深在性皮膚感染症、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染

用法及び用量

通常、成人にはテイコプラニンとして初日400mg(力価)又は800mg(力価)を2回に分け、以後1日1回200mg(力価)又は400mg(力価)を30分以上かけて点滴静注する。
敗血症には、初日800mg(力価)を2回に分け、以後1日1回400mg(力価)を30分以上かけて点滴静注する。
通常、乳児、幼児又は小児にはテイコプラニンとして10mg(力価)/kgを12時間間隔で3回、以後6〜10mg(力価)/kg(敗血症などの重症感染症では10mg(力価)/kg)を24時間ごとに30分以上かけて点滴静注する。また、新生児(低出生体重児を含む)にはテイコプラニンとして初回のみ16mg(力価)/kgを、以後8mg(力価)/kgを24時間ごとに30分以上かけて点滴静注する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

1
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
2
腎障害のある患者には、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること。
3
投与期間中は血中濃度をモニタリングすることが望ましい。トラフレベルの血中濃度は5〜10μg/mLを保つことが投与の目安となるが、敗血症などの重症感染症においては確実な臨床効果を得るために10μg/mL以上を保つこと。(「その他の注意」の項参照)

使用上の注意

慎重投与

1
腎障害のある患者[排泄が遅延し、蓄積するため、血中濃度をモニタリングするなど慎重に投与すること。]
2
肝障害のある患者[肝障害が悪化することがある。]
3
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
4
低出生体重児、新生児(「小児等への投与」の項参照)

重要な基本的注意

1
*本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
1
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
2
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
3
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
2
ショック及びレッドマン症候群(顔、頸、躯幹の紅斑性充血、そう痒等)が報告されているので、本剤の使用にあたっては30分以上かけて点滴静注し、急速なワンショット静注では使用しないこと。
3
本剤はメチシリン耐性の黄色ブドウ球菌感染症に対してのみ有用性が認められている。

相互作用

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ループ利尿剤:エタクリン酸、フロセミド等腎障害、聴覚障害を増強するおそれがあるので併用は避けることが望ましいが、やむを得ず併用する場合は、慎重に投与すること。腎障害、聴覚毒性が増強される。
腎障害、聴覚障害を起こす可能性のある薬剤:アミノグリコシド系抗生物質、ペプチド系抗生物質、アムホテリシンB、シクロスポリン、シスプラチン等腎障害、聴覚障害を増強するおそれがあるので併用は避けることが望ましいが、やむを得ず併用する場合は、慎重に投与すること。腎障害、聴覚毒性が増強される。

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は、副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

1
*ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック、アナフィラキシーを起こすことがあるので、観察を十分に行い、気管支痙攣、血管浮腫、呼吸困難、顔面蒼白、発汗、頻脈等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2
第8脳神経障害(頻度不明)
眩暈、耳鳴、聴力低下等の第8脳神経障害があらわれることがあるので、聴力検査を行う等観察を十分に行うこと。このような症状があらわれた場合には投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける場合には減量するなど慎重に投与すること。
3
*中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、急性汎発性発疹性膿疱症、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、急性汎発性発疹性膿疱症、紅皮症(剥脱性皮膚炎)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4
無顆粒球症、白血球減少、血小板減少(頻度不明)
無顆粒球症、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
5
*急性腎障害(頻度不明)
急性腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6
肝機能障害、黄疸(頻度不明)
AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、Al-P、γ-GTP、総ビリルビン等の上昇、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

過敏症注2)
(頻度不明)
発熱、発疹
肝臓注3)
(頻度不明)
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、黄疸、LDH上昇、ビリルビン上昇
**血液
(頻度不明)
好酸球増多、貧血、白血球減少、汎血球減少
腎臓注3)
(頻度不明)
BUN上昇、血清クレアチニン上昇
循環器注4)
(頻度不明)
血圧低下、動悸、血圧上昇
消化器
(頻度不明)
食欲不振、下痢、嘔吐、悪心
その他
(頻度不明)
痙攣、注射部位疼痛、静脈炎、悪寒、頭痛、菌交代症
注2)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
なお、海外の報告によれば、使用期間中、そう痒は7日目までに、また、発熱、発疹は14日目まで(特に8〜14日目)にあらわれることが多いので観察を十分に行うこと。また、本剤投与終了後においても遅発性の副作用が発現する可能性が否定できないので、特に外来患者に対しては、発疹、そう痒などの皮膚症状があらわれた場合には、速やかに主治医に連絡するよう指示するなど適切な対応をとること。
注3)定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注4)このような症状があらわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、ネコを用いたヒスタミン試験において24mg/kg投与で、投与直後にごくわずかな一過性の血圧低下がみられたが速やかに回復した。

高齢者への投与

高齢者は腎機能が低下している場合が多いので、投与前及び投与中に腎機能検査を行い、腎機能の低下の程度により、4日目以降の用量を減量するなど慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1
妊婦等
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2
授乳婦
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。[動物試験(ラット)で乳汁中に移行することが認められている。]

小児等への投与

腎の発達段階にあるため、特に低出生体重児、新生児においては血中濃度の半減期が延長し高い血中濃度が長時間持続するおそれがあるので、原則として初期負荷用量(小児では10mg/kg12時間間隔3回、新生児では16mg/kg)投与終了後の次回投与開始前のトラフ値及びその後1週間間隔でトラフ値の血中濃度をモニタリングするなど、慎重に投与すること。

適用上の注意

1
調製方法
注射液の調製にあたっては、200mg製剤1バイアル[200mg(力価)]に注射用水又は生理食塩液約5mL、400mg製剤1バイアル[400mg(力価)]に注射用水又は生理食塩液約10mLを加えてなるべく泡立たないように穏やかに溶解し溶液とする。この溶解液を100mL以上の生理食塩液等に加えて希釈する。なお、新生児、乳児、幼児及び小児においては、注射用水又は生理食塩液5mLを加えた溶解液から投与量相当分を採取し、生理食塩液等にて適宜希釈して調製する。
2
調製時
1
乾燥ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン、ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン、ガベキサート、アムホテリシンB、ミノサイクリンと配合すると白濁・沈殿を生じることが確認されているので、これらの薬剤とは混注しないこと。
2
セフォチアムと混合すると、本剤の活性低下を来すことが確認されているので、併用する場合には別々に投与すること。
3
現在までに24時間以内に配合変化のないことが確認されているのは、リンゲル液、乳酸リンゲル液、プロテアミン12X注射液、ポタコールR輸液、ラクテック注、KN3号輸液、ソリタ-T3号輸液、フィジオゾール3号輸液、アクチット注等である。
大塚糖液5%、マルトス輸液10%、マルトースML輸液10%、アミノフリード輸液との配合については、調製後、速やかに使用すること。
3
調製後
調製後は速やかに使用し、残液は廃棄すること。
4
投与方法
注射液は30分以上かけて点滴静注すること。

その他の注意

1
血中濃度モニタリング
長期間投与中の患者、高齢者、腎機能障害又は難聴のある患者あるいは腎障害、聴覚障害を起こす可能性のある薬剤(アミノグリコシド系抗生物質、ループ利尿剤等)を併用している患者においては、血中濃度をモニタリングするなど安全性の確保に配慮すること。
米国においては感染性心内膜炎・敗血症及び骨・関節感染症を対象とし、高用量を用いた臨床試験[投与量:6〜30mg/kg(400〜2,000mg)を初日は2回、2日目以降1日1回]で、トラフレベルの血中濃度が60μg/mL以上を示した症例に血清クレアチニンの異常変動の発現頻度が高かったことから、トラフレベルの血中濃度が60μg/mL以上になった場合には腎障害・聴覚障害等の副作用の発現に注意すること。
また、トラフレベルの血中濃度が20μg/mL以上で、一過性に肝機能検査値が軽度上昇したとの報告がある。
2
腎機能障害患者への投与方法
本剤は主として腎臓から排泄され、腎機能障害患者では腎機能正常者よりも血中半減期が延長するので、投与量を調節して使用する必要がある。クレアチニン・クリアランスから投与量又は投与間隔を調節する目安は以下のとおりである。なお、血液透析あるいは腹膜透析を受けている患者への投与は、クレアチニン・クリアランスが10mL/min以下の患者と同様とする。
障害度
60≧Ccr>40
初期投与(3日目まで)
腎機能正常者と等しい投与量
4日目以降
1日の用量を半減するかあるいは隔日に投与する。
障害度
40≧Ccr>10
初期投与(3日目まで)
腎機能正常者と等しい投与量
4日目以降
1日の用量を1/3に減ずるかあるいは3日ごとに投与する。
障害度
10≧Ccr
初期投与(3日目まで)
腎機能正常者と等しい投与量
4日目以降
1日の用量を1/5に減ずるかあるいは5日ごとに投与する。
3
血液透析患者への投与に際しては、透析膜の種類によっては除去される場合もあるが、一般にテイコプラニンは血液透析によって除去されない場合が多いので、血中濃度をモニタリングするなどして必要なトラフレベルの血中濃度の確保に注意すること。

薬効薬理

細菌の細胞壁のペプチドグリカン合成を阻害することにより、殺菌的に作用する。
メチシリン・セフェム耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対し優れた抗菌力を示すものの、グラム陰性菌に対しては抗菌力を示さない。MRSAを用いたin vitroでの耐性獲得の継代培養試験による検討で、耐性化は低いことが示されている。1)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
テイコプラニン(Teicoplanin)
略号
TEIC
化学名(本質)
テイコプラニンA2−1、テイコプラニンA2−2、テイコプラニンA2−3、テイコプラニンA2−4、テイコプラニンA2−5及びテイコプラニンA3−1等のグリコペプチド系化合物の混合物
分子式
C72〜89H68〜99Cl2N8〜9O28〜33
分子量
1564.25〜1893.68
構造式

性状
・白色〜淡黄白色の粉末である。
・水に溶けやすく、N,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けにくく、アセトニトリル、メタノール、エタノール(95)、アセトン、酢酸(100)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。

取扱い上の注意

安定性試験
テイコプラニン点滴静注用200mg「NP」
最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、テイコプラニン点滴静注用200mg「NP」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。2)
テイコプラニン点滴静注用400mg「NP」
最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、テイコプラニン点滴静注用400mg「NP」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。3)

承認条件

本剤使用後の本剤耐性及びバンコマイシン耐性菌の出現状態を十分に調査し、医療関係者に情報提供すること。

包装

テイコプラニン点滴静注用200mg「NP」:200mg(力価)×10バイアル
テイコプラニン点滴静注用400mg「NP」:400mg(力価)×10バイアル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
*第十八改正日本薬局方解説書
2
ニプロ(株):社内資料 安定性試験(200mg)
3
ニプロ(株):社内資料 安定性試験(400mg)

文献請求先

文献請求先・製品情報お問い合わせ先
 
主要文献欄に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
 
ニプロ株式会社 医薬品情報室
〒531-8510 大阪市北区本庄西3丁目9番3号
 0120-226-898
FAX 06-6375-0177

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売
ニプロ株式会社
大阪市北区本庄西3丁目9番3号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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