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グリメピリド錠3mg「トーワ」

スルホニルウレア系経口血糖降下剤

1錠 10.1円

添付文書番号

3961008F1250_1_13

企業コード

480235

作成又は改訂年月

2022年12月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

873961

薬効分類名

スルホニルウレア系経口血糖降下剤

承認等

販売名

グリメピリド錠0.5mg「トーワ」

販売名コード

3961008F3279

販売名英字表記

GLIMEPIRIDE TABLETS 0.5mg “TOWA”

承認番号等

承認番号
22400AMX01105

販売開始年月

2012年12月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

基準名

日本薬局方
グリメピリド錠

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

グリメピリド錠1mg「トーワ」

販売名コード

3961008F1250

販売名英字表記

GLIMEPIRIDE TABLETS 1mg “TOWA”

承認番号等

承認番号
22200AMX00518

販売開始年月

2010年11月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

基準名

日本薬局方
グリメピリド錠

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

グリメピリド錠3mg「トーワ」

販売名コード

3961008F2256

販売名英字表記

GLIMEPIRIDE TABLETS 3mg “TOWA”

承認番号等

承認番号
22200AMX00519

販売開始年月

2010年11月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
5年

基準名

日本薬局方
グリメピリド錠

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注3)
注3)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

グリメピリド錠

警告

重篤かつ遷延性の低血糖を起こすことがある。用法及び用量、使用上の注意に特に留意すること。

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、インスリン依存型糖尿病(若年型糖尿病、ブリットル型糖尿病等)の患者[インスリンの適用である。]
  2. 重篤な肝又は腎機能障害のある患者[低血糖を起こすおそれがある。]
  3. 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリンの適用である。]
  4. 下痢、嘔吐等の胃腸障害のある患者[低血糖を起こすおそれがある。]
  5. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
  6. 本剤の成分又はスルホンアミド系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

グリメピリド錠0.5mg「トーワ」
有効成分
日局 グリメピリド  0.5mg
添加剤
D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム
グリメピリド錠1mg「トーワ」
有効成分
日局 グリメピリド  1mg
添加剤
D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、三二酸化鉄
グリメピリド錠3mg「トーワ」
有効成分
日局 グリメピリド  3mg
添加剤
D-マンニトール、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、黄色三二酸化鉄

製剤の性状

グリメピリド錠0.5mg「トーワ」
剤形素錠
色調白色
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
5.0mm
大きさ(厚さ)
2.3mm
質量60mg
識別コードTw347
グリメピリド錠1mg「トーワ」
剤形割線入りの素錠
色調淡紅色
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
6.0mm
大きさ(厚さ)
2.3mm
質量85mg
識別コードTw351
グリメピリド錠3mg「トーワ」
剤形割線入りの素錠
色調微黄白色
外形
表面
裏面
側面
大きさ
大きさ(直径)
8.0mm
大きさ(厚さ)
2.7mm
質量170mg
識別コードTw353

効能又は効果

2型糖尿病(ただし、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る。)

用法及び用量

通常、グリメピリドとして1日0.5~1mgより開始し、1日1~2回朝または朝夕、食前または食後に経口投与する。維持量は通常1日1~4mgで、必要に応じて適宜増減する。なお、1日最高投与量は6mgまでとする。

重要な基本的注意

  1. 本剤の使用にあたっては、患者及びその家族に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること。
  2. 投与する場合には、少量より開始し、血糖、尿糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、効果が不十分な場合には、速やかに他の治療法への切り替えを行うこと。
  3. 重篤かつ遷延性の低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 低血糖を起こすおそれのある以下の患者又は状態
    • 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全
    • 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足又は衰弱状態
    • 激しい筋肉運動
    • 過度のアルコール摂取
    • 高齢者

腎機能障害患者

  1. 重篤な腎機能障害のある患者
    投与しないこと。低血糖を起こすおそれがある。
  2. 腎機能障害のある患者(重篤な腎機能障害のある患者を除く)
    低血糖を起こすおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 重篤な肝機能障害のある患者
    投与しないこと。低血糖を起こすおそれがある。
  2. 肝機能障害のある患者(重篤な肝機能障害のある患者を除く)
    低血糖を起こすおそれがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。スルホニルウレア系薬剤は胎盤を通過することが報告されており、新生児の低血糖、巨大児が認められている。また、本剤の動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形性作用が報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。授乳を継続する場合、児の低血糖の症状について観察を十分に行うこと。本剤のヒト母乳への移行性及び乳汁産生への影響は不明である。動物実験(ラット)において、母乳への移行が認められている。また、他のスルホニルウレア系薬剤で母乳へ移行することが報告されている。

小児等

  1. 小児に投与する際には、低血糖症状及びその対処方法について保護者等にも十分説明すること。
  2. 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は9歳未満の小児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

高齢者

少量から投与を開始し定期的に検査を行うなど慎重に投与すること。生理機能が低下していることが多く、低血糖があらわれやすい。

相互作用

本剤は、主に肝代謝酵素CYP2C9により代謝される。

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
糖尿病用薬
インスリン製剤
ビグアナイド系薬剤
チアゾリジン系薬剤
α-グルコシダーゼ阻害剤
DPP-4阻害薬
GLP-1受容体作動薬
SGLT2阻害剤 等
低血糖症状が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
血糖降下作用が増強される。
プロベネシド
低血糖症状が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
腎排泄抑制により血糖降下作用が増強される。
クマリン系薬剤
ワルファリンカリウム
低血糖症状が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
肝代謝抑制により血糖降下作用が増強される。
サリチル酸剤
アスピリン
サザピリン 等
低血糖症状が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
血中蛋白との結合抑制、サリチル酸剤の血糖降下作用により血糖降下作用が増強される。
プロピオン酸系消炎剤
ナプロキセン
ロキソプロフェンナトリウム水和物 等
低血糖症状が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
血中蛋白との結合抑制により、これらの消炎剤は蛋白結合率が高いので、血中に本剤の遊離型が増加して血糖降下作用が増強するおそれがある。
アリール酢酸系消炎剤
アンフェナクナトリウム水和物
ナブメトン 等
低血糖症状が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
血中蛋白との結合抑制により、これらの消炎剤は蛋白結合率が高いので、血中に本剤の遊離型が増加して血糖降下作用が増強するおそれがある。
オキシカム系消炎剤
ロルノキシカム 等
低血糖症状が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
血中蛋白との結合抑制により、これらの消炎剤は蛋白結合率が高いので、血中に本剤の遊離型が増加して血糖降下作用が増強するおそれがある。
β-遮断剤
プロプラノロール
アテノロール
ピンドロール 等
低血糖症状が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
糖新生抑制、アドレナリンによる低血糖からの回復抑制、低血糖に対する交感神経症状抑制により血糖降下作用が増強される。
モノアミン酸化酵素阻害剤
低血糖症状が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
インスリン分泌促進、糖新生抑制により血糖降下作用が増強される。
クラリスロマイシン
低血糖症状が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
機序不明
左記薬剤が他のスルホニルウレア系薬剤の血中濃度を上昇させたとの報告がある。
サルファ剤
スルファメトキサゾール 等
低血糖症状が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
血中蛋白との結合抑制、肝代謝抑制、腎排泄抑制により血糖降下作用が増強される。
クロラムフェニコール
低血糖症状が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
肝代謝抑制により血糖降下作用が増強される。
テトラサイクリン系抗生物質
テトラサイクリン塩酸塩
ミノサイクリン塩酸塩 等
低血糖症状が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
インスリン感受性促進により血糖降下作用が増強される。
シプロフロキサシン
レボフロキサシン水和物
低血糖症状が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
機序不明
フィブラート系薬剤
クロフィブラート
ベザフィブラート 等
低血糖症状が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
血中蛋白との結合抑制、肝代謝抑制、腎排泄抑制により血糖降下作用が増強される。
アゾール系抗真菌剤
ミコナゾール
フルコナゾール 等
低血糖症状が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
肝代謝抑制(CYP2C9阻害)、血中蛋白との結合抑制により血糖降下作用が増強される。
シベンゾリンコハク酸塩
ジソピラミド
ピルメノール塩酸塩水和物
低血糖症状が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察し、必要に応じて本剤又は併用薬剤の投与量を調節するなど慎重に投与すること。特にβ-遮断剤と併用する場合にはプロプラノロール等の非選択性薬剤は避けることが望ましい。
インスリン分泌促進によると考えられる血糖降下作用の増強のおそれがある。
アドレナリン
高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
末梢でのブドウ糖の取り込み抑制、肝臓での糖新生促進により血糖降下作用が減弱される。
副腎皮質ホルモン
コルチゾン酢酸エステル
ヒドロコルチゾン 等
高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
肝臓での糖新生促進、末梢組織でのインスリン感受性低下により血糖降下作用が減弱される。
甲状腺ホルモン
レボチロキシンナトリウム水和物
乾燥甲状腺 等
高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
腸管でのブドウ糖吸収亢進、グルカゴンの分泌促進、カテコールアミンの作用増強、肝臓での糖新生促進により血糖降下作用が減弱される。
卵胞ホルモン
エストラジオール安息香酸エステル
エストリオール 等
高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序不明
コルチゾール分泌変化、組織での糖利用変化、成長ホルモンの過剰産生、肝機能の変化等によると考えられる血糖降下作用の減弱のおそれがある。
利尿剤
トリクロルメチアジド
フロセミド 等
高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン分泌の抑制、末梢でのインスリン感受性の低下により血糖降下作用が減弱される。
ピラジナミド
高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序不明
血糖値のコントロールが難しいとの報告がある。
イソニアジド
高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
糖質代謝の障害による血糖値上昇及び耐糖能異常により血糖降下作用が減弱される。
リファンピシン
高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
肝代謝促進(CYP誘導)により血糖降下作用が減弱される。
ニコチン酸
高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
肝臓でのブドウ糖の同化抑制により血糖降下作用が減弱される。
フェノチアジン系薬剤
クロルプロマジン
フルフェナジン 等
高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリン遊離抑制、副腎からのアドレナリン遊離により血糖降下作用が減弱される。
フェニトイン
高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
インスリンの分泌阻害により血糖降下作用が減弱される。
ブセレリン酢酸塩
高血糖症状(嘔気・嘔吐、脱水、呼気のアセトン臭等)が起こることがある。
血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序不明
ブセレリン酢酸塩投与により、耐糖能が悪化したという報告がある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. 低血糖(4.08%)
    低血糖(初期症状:脱力感、高度の空腹感、発汗等)があらわれることがある。なお、徐々に進行する低血糖では、精神障害、意識障害等が主である場合があるので注意すること。
    また、本剤の投与により低血糖症状(脱力感、高度の空腹感、発汗、動悸、振戦、頭痛、知覚異常、不安、興奮、神経過敏、集中力低下、精神障害、意識障害、痙攣等)が認められた場合には糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること。
    また、低血糖は投与中止後、臨床的にいったん回復したと思われる場合でも数日間は再発することがある。
  2. 汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少(いずれも頻度不明)
  3. 肝機能障害、黄疸(頻度不明)
    AST、ALT、Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
  4. 再生不良性貧血(頻度不明)

その他の副作用

0.1~5%未満
頻度不明
血液
白血球減少、貧血
肝臓
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇
腎臓
BUN上昇
消化器
嘔気、嘔吐、心窩部痛、下痢、腹部膨満感
便秘、腹痛
過敏症
発疹、そう痒感等
光線過敏症
精神神経系
めまい
頭痛
その他
血清カリウム上昇・ナトリウム低下等の電解質異常
味覚異常、CK上昇、浮腫、倦怠感、脱毛、一過性視力障害

過量投与

  1. 症状
    低血糖が起こることがある
  2. 処置
    1. 飲食が可能な場合
      ブドウ糖(5~15g)又は10~30gの砂糖の入った吸収の良いジュース、キャンディなどを摂取させる。
    2. 意識障害がある場合
      ブドウ糖液(50%20mL)を静注し、必要に応じて5%ブドウ糖液点滴により血糖値の維持を図る。
    3. その他
      血糖上昇ホルモンとしてのグルカゴン投与もよい。

適用上の注意

薬剤交付時の注意
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. スルホニルウレア系薬剤(トルブタミド1日1.5g)を長期間継続使用した場合、食事療法単独の場合と比較して心臓・血管系障害による死亡率が有意に高かったとの報告がある。
  2. インスリン又は経口血糖降下剤の投与中にアンジオテンシン変換酵素阻害剤を投与することにより、低血糖が起こりやすいとの報告がある。
非臨床試験に基づく情報
イヌを用いた慢性毒性試験において、最高用量の320mg/kg投与群の雌雄各1例に白内障を認めた。ウシの水晶体を用いたin vitro試験とラットを用いた検討結果では、白内障を発症させる作用や発症増強作用の可能性は認められなかった。

薬物動態

血中濃度

  1. 単回投与
    健康成人男子6例にグリメピリド1mgを朝食直前に単回経口投与したときのグリメピリドの薬物動態学的パラメータを示す。
    血清中濃度パラメータ
    Tmax
    Cmax(平均±SD)
    半減期
    1.33時間
    103.5±29.1ng/mL
    1.47時間
  2. 反復投与
    インスリン非依存型糖尿病患者9例にグリメピリド0.5mgもしくは1mgを1日1回7日間朝食前に連続投与したとき、初回及び最終回投与時のグリメピリドの薬物動態学的パラメータに差は認められなかった。
  3. 2型糖尿病患者(小児及び成人)における薬物動態
    国内の小児2型糖尿病患者及び成人2型糖尿病患者[解析対象集団136例(小児31例及び成人105例)、血清中濃度517点]を対象に、0.5~6mg/日の用量で、一定用量を2週間以上投与した任意の時点で母集団薬物動態解析を行った。
    その結果、グリメピリドの消失プロファイルは1-コンパートメントモデルによくフィットした。共変量の検討を行った結果、最終モデルに反映される影響因子はなかった。母集団モデルを用いて推定したパラメータを以下に示す。小児及び成人患者の推定パラメータは同様の値であった。
    母集団モデルを用いて推定した薬物動態パラメータ
    2型糖尿病患者
    CL/F(L/h)
    (平均±SD)
    Vss/F(L)
    (平均±SD)
    t1/2(h)
    (平均±SD)
    小児(9~16歳)
    1.79±0.77
    6.84±0.09
    3.15±1.38
    成人(17歳以上)
    1.64±0.59
    6.83±0.11
    3.30±1.60
    CL/F:見かけのクリアランス、Vss/F:見かけの分布容積
  4. 生物学的同等性試験
    〈グリメピリド錠1mg「トーワ」〉
    グリメピリド錠1mg「トーワ」とアマリール1mg錠を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(グリメピリドとして1mg)健康成人男子に食後単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
     
    判定パラメータ
    参考パラメータ
    AUC0-12
    (ng・h/mL)
    Cmax
    (ng/mL)
    tmax
    (h)
    t1/2
    (h)
    グリメピリド錠
    1mg「トーワ」
    387±116
    98.9±30.9
    2.55±1.21
    2.53±0.58
    アマリール1mg錠
    408±113
    94.2±22.5
    2.41±1.30
    2.52±0.55
    (平均値±SD,n=11)
    血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
    〈グリメピリド錠3mg「トーワ」〉
    グリメピリド錠3mg「トーワ」とアマリール3mg錠を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠(グリメピリドとして3mg)健康成人男子に食後単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
    判定パラメータ
    参考パラメータ
    AUC0-12
    (ng・h/mL)
    Cmax
    (ng/mL)
    tmax
    (h)
    t1/2
    (h)
    グリメピリド錠
    3mg「トーワ」
    1269±324
    295.4±47.9
    1.96±0.66
    3.15±0.60
    アマリール3mg錠
    1256±350
    264.8±62.7
    2.00±0.90
    3.16±0.48
    (平均値±SD,n=12)
    血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。

吸収

外国人12例にグリメピリド1mgをクロスオーバー法にて単回経口投与及び静脈内投与した時、それぞれのAUCの比から得られたバイオアベイラビリティーはほぼ100%であり、消化管からの吸収は良好であると考えられた。

代謝

  1. 代謝酵素
    グリメピリドは、主に肝代謝酵素CYP2C9の関与により、シクロヘキシル環メチル基の水酸化を受ける。
    (参考)
    ラット肝細胞分画を用いて代謝酵素を検討した結果、グリメピリドは主にCYP2Cサブファミリーの関与によりシクロヘキシル環メチル基の水酸化を受け、引き続いてサイトゾールの酵素によってカルボン酸体に変換されることが示唆された。

排泄

健康成人男子6例にグリメピリド1mgを朝食直前に単回経口投与したとき、血清中にはグリメピリド及び代謝物が、尿中には代謝物のみが検出された。この代謝物は、シクロヘキシル環のメチル基の水酸化体及びカルボン酸体で、投与後24時間までに投与量の44.9%が尿中に排泄された。
外国人3例に14C-グリメピリドを単回経口投与した時、投与後168時間までに尿及び糞中にそれぞれ投与量の57.5%及び35.0%が排泄された。

PharmacokineticsEtc

〈グリメピリド錠0.5mg「トーワ」〉
グリメピリド錠0.5mg「トーワ」は、グリメピリド錠1mg「トーワ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が同等と判断され、生物学的に同等とみなされた。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内第Ⅲ相プラセボ対照二重盲検比較試験
    食事療法のみにて治療中で、HbA1c(JDS値)が7.0%以上の成人NIDDM患者(±0.5%以内の変動で安定)を対象に、グリメピリド1~4mg/日又はプラセボを12週間経口投与した結果、改善率(HbA1c(JDS値)が1.0%以上低下した症例)は67.6%(25/37例)であった。また、HbA1c(JDS値)はグリメピリド投与群で8.26%から6.94%に低下し、プラセボ投与群で8.24%から8.40%に上昇した。
    副作用発現割合は、グリメピリド投与群で27.0%(10/37例)、プラセボ投与群で20.0%(8/40例)であり、グリメピリド投与群での主な副作用は、γ-GTP増加(3例)及びALT増加(2例)であった。
  2. 国内第Ⅲ相二重盲検比較試験
    グリベンクラミド7.5mg/日以上の投与を受けているにもかかわらず、HbA1c(JDS値)が8.0%以上のNIDDM患者(±0.5%以内の変動で安定)を対象に、グリメピリド4~6mg/日を用量漸増法にて28週間経口投与した結果、改善率(HbA1c(JDS値)が1.0%以上低下した症例)は7.6%(12/158例)であった。また、HbA1c(JDS値)は9.66%から9.93%と0.27%上昇した。副作用発現割合は、グリメピリド投与群で19.6%(31/158例)であり、主な副作用は、LDH増加(7例)、γ-GTP増加(6例)、AST増加(5例)、ALT増加(4例)であった。

製造販売後調査等

  1. 国内小児製造販売後臨床試験
    食事療法・運動療法にて治療中の小児2型糖尿病患者(9~16歳)35例を対象に、グリメピリド0.5~6mg/日を用量漸増法にて12~28週間経口投与した非盲検非対照試験において、投与開始時から最終観察時のHbA1c(JDS値)は、試験前グリメピリド未治療の小児患者(10例)では8.24%から7.61%へ、試験前にグリメピリド2mg/日以下で治療していた小児患者(25例)では8.27%から7.94%へ低下の傾向が認められた。
    なお、服薬不良又は維持用量の投与期間不足の症例が5例(未治療3例、既治療2例)含まれていた。投与終了時の維持用量は0.5mg/日4例、1mg/日13例、2mg/日6例、4mg/日6例、6mg/日6例であった(ITTpopulation)。副作用発現割合は、11.4%(4/35例)で、低血糖(3例)及び蛋白尿(1例)であった。

薬効薬理

作用機序
グリメピリドは主に膵β細胞の刺激による内因性インスリン分泌の促進(膵作用)により、血糖降下作用を発現するものと考えられる。また、in vitro試験において糖輸送担体の活性化等の関与が示されている。
薬理作用
  1. 血糖降下作用及びインスリン分泌作用
    健康成人男子9例にグリメピリド1mgを朝食直前に単回投与した時、プラセボ投与時と比べ、朝食後の血中グルコース濃度はグリメピリド投与時において有意に低下した。
    この時の血清中インスリン濃度のCmaxは、プラセボ投与時と比べグリメピリド投与時では有意差は認められなかったが、朝食後4時間までのAUCはプラセボ投与時と比べ有意に増加した。
    ウサギ、ラット、イヌを用いた経口投与試験において、グリメピリドの血糖降下作用は投与1時間後から認められた。
    グリベンクラミドとの比較では同等もしくはそれ以上の血糖降下作用を示した。
    ラットβ細胞腫を用いたin vitro試験で、β細胞上のSU剤レセプターに対してグリメピリドはグリベンクラミドに比して1/5の結合親和性を示した。
  2. インスリン作用の増強
    人工膵島を用いたイヌ正常血糖インスリンクランプ試験で、グリメピリドの投与により末梢組織での糖取り込み促進と、肝糖処理能の増加を認めた。また、グリメピリドはインスリン抵抗性KK-Ayマウスへの長期経口投与により、高血糖及び高インスリン血症を改善した。,,
    筋肉・脂肪細胞を用いたin vitro試験において、糖輸送担体の活性化や糖輸送の増加等の機序による膵外作用の関与が報告されている。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
グリメピリド(Glimepiride)
化学名
1-(4-{2-[(3-Ethyl-4-methyl-2-oxo-3-pyrroline-1-
carbonyl)amino]ethyl}phenylsulfonyl)-3-(trans-4-
methylcyclohexyl)urea
分子式
C24H34N4O5S
分子量
490.62
性状
白色の結晶性の粉末である。ジクロロメタンに溶けにくく、メタノール又はエタノール(99.5)に極めて溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
約202℃(分解)

包装

〈グリメピリド錠0.5mg「トーワ」〉
100錠[10錠×10:PTP]
〈グリメピリド錠1mg「トーワ」〉
100錠[10錠×10:PTP]
500錠[10錠×50:PTP]
700錠[14錠×50:PTP]
500錠[バラ]
〈グリメピリド錠3mg「トーワ」〉
100錠[10錠×10:PTP]
500錠[10錠×50:PTP]
700錠[14錠×50:PTP]
500錠[バラ]

主要文献

1
中島光好 他:臨床医薬,9(3):1993,503-522
2
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3
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4
陶易王 他:新薬と臨牀,59(9):2010,1706-1720
5
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Niemi,M.,et al.:Clin.Pharmacol.Ther.,72:2002,326-332
7
Yamazaki,H.,et al.:Arzneim.-Forsch./Drug Res.,43:1993,1317-1321
8
Eckert,H.G.,et al.:基礎と臨床,27(5):1993,1493-1524
9
社内資料:生物学的同等性試験(錠0.5mg)
10
豊田隆謙 他:臨床医薬,13(17):1997,4457-4478
11
兼子俊男 他:臨床医薬,13(17):1997,4479-4511
12
国内小児製造販売後臨床試験(アマリール錠:2010年6月18日承認、審査報告書)
13
薬効薬理(アマリール錠:1999年9月22日承認、申請資料概要ホ.I)
14
中島光好 他:臨床医薬,9(3):1993,535-548
15
Geisen,K.:Arzneim,-Forsch./Drug Res.,38:1988,1120-1130
16
ラットβ細胞腫を用いたSU剤レセプターへの結合親和性(アマリール錠:1999年9月22日承認、申請資料概要ホ.I.2.(1))
17
久保田昌詞 他:糖尿病,38(6):1995,447-453
18
久保田昌詞 他:糖尿病,35 Suppl.1:1992,204
19
Müller,G.,et al.:Diabetes Res.Clin.Pract.,28 Suppl.:1995,S115-S137
20
Müller,G.,et al.:Diabetes,42:1993,1852-1867

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