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閲覧履歴

テモダール点滴静注用100mg

抗悪性腫瘍剤

1瓶 29764円

添付文書番号

4219404D1027_1_15

企業コード

170050

作成又は改訂年月

2023年1月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

874219

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤

承認等

販売名

テモダール点滴静注用100mg

販売名コード

4219404D1027

販売名英字表記

TEMODAL Infusion 100mg

販売名ひらがな

てもだーる

承認番号等

承認番号
22200AMX00235000

販売開始年月

2010年5月

貯法、有効期間

貯法
2~8℃で保存
有効期間
4年

基準名

日本薬局方
注射用テモゾロミド

規制区分

毒薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

テモゾロミド

警告

  1. 本剤による治療は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
  2. 本剤と放射線照射を併用する場合に、重篤な副作用や放射線照射による合併症が発現する可能性があるため、放射線照射とがん化学療法の併用治療に十分な知識・経験を持つ医師のもとで実施すること。
  3. 本剤の投与後にニューモシスチス肺炎が発生することがあるため、適切な措置の実施を考慮すること。

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 本剤又はダカルバジンに対し過敏症の既往歴のある患者
  2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性

組成・性状

組成

テモダール点滴静注用100mg
有効成分
日本薬局方 テモゾロミド
1バイアル中の分量注)
104.5mg
添加剤
(1バイアル中の分量)
D-マンニトール
627mg
L-トレオニン
167mg
ポリソルベート80
125mg
その他
クエン酸ナトリウム水和物、塩酸を含有する。
注)本剤は上記成分を含む凍結乾燥品であり、日本薬局方「注射用水」41mLで溶解した溶液40mLに含まれる量はテモゾロミドとして100mg(テモゾロミド濃度は2.5mg/mL)である。

製剤の性状

テモダール点滴静注用100mg
剤形凍結乾燥注射剤
pH3.0~4.5
浸透圧比約0.9(生理食塩液に対する比)
溶状
澄明

効能又は効果

  • 悪性神経膠腫
  • 再発又は難治性のユーイング肉腫

用法及び用量

〈効能共通〉
下記のとおり本剤を90分間かけて静脈内投与する。
〈悪性神経膠腫〉
初発の悪性神経膠腫の場合:
放射線照射との併用にて、通常、成人ではテモゾロミドとして75mg/m2(体表面積)を1日1回42日間投与し、4週間休薬する。その後、本剤単独にて、テモゾロミドとして150mg/m2(体表面積)を1日1回5日間投与し、23日間休薬する。この28日を1クールとし、次クールでは1回200mg/m2に増量することができる。
再発の悪性神経膠腫の場合:
通常、成人ではテモゾロミドとして150mg/m2(体表面積)を1日1回5日間投与し、23日間休薬する。この28日を1クールとし、次クールで1回200mg/m2に増量することができる。
〈再発又は難治性のユーイング肉腫〉
イリノテカンとの併用において、通常、テモゾロミドとして1回100mg/m2を1日1回連日5日間投与し、16日間以上休薬する。これを1クールとし、投与を反復する。なお、患者の状態により適宜減量する。

用法及び用量に関連する注意

〈悪性神経膠腫〉
  1. 初発の悪性神経膠腫の場合
    1. 放射線照射との併用時
      1. 本剤の投与開始にあたっては次の条件をすべて満たすこと。
        • 好中球数が1,500/mm3以上
        • 血小板数が100,000/mm3以上
      2. 少なくとも週1回の頻度で血液検査を実施し、本剤継続の可否を判断すること。以下の副作用発現時は投与量の増減を行わず、下記の基準に基づき休薬又は中止すること。
        項目
        継続基準
        休薬基準
        中止基準
        好中球数
        1,500/mm3以上
        500/mm3以上、
        1,500/mm3未満
        500/mm3未満
        血小板数
        100,000/mm3以上
        10,000/mm3以上、
        100,000/mm3未満
        10,000/mm3未満
        非血液学的な副作用注)
        (NCI-CTC Grade)
        Grade 1以下
        中等度の副作用
        (Grade 2)
        重度又は生命を
        脅かす副作用
        (Grade 3又は4)
        注)脱毛、悪心、嘔吐は含まない。
      3. 放射線照射の中断により放射線治療期間が延長した場合、(2)の継続基準の条件を満たしたときに限り、42日間連日点滴静注を最長49日まで延長することができる。
    2. 放射線照射後の単剤投与時
      1. 本剤の投与開始にあたっては次の条件をすべて満たすこと。
        • 好中球数が1,500/mm3以上
        • 血小板数が100,000/mm3以上
      2. 第1クールの期間中、次の条件をすべて満たした場合に限り、第2クールで投与量を200mg/m2/日に増量すること。なお、第2クール開始時に増量できなかった場合、それ以後のクールでは増量しないこと。
        • 好中球数の最低値が1,500/mm3以上
        • 血小板数の最低値が100,000/mm3以上
        • 脱毛、悪心、嘔吐を除く非血液学的な副作用の程度がGrade 2(中等度)以下
      3. 各クールの期間中、血液検査を適切な時期に実施し、好中球数及び血小板数の最低値に基づいて次クールでの用量調整の必要性について判断すること。なお、好中球数及び血小板数が最低値に達するのは本剤投与後22日以降と比較的遅いことが知られている。また、各クールの開始にあたっては、適切な時期に血液検査を実施し、好中球数が1,500/mm3以上、血小板数が100,000/mm3以上になるまで投与を開始しないこと。
      4. 各クール開始にあたっては、直前のクールにおいて次の場合には本剤を50mg/m2減量とすること。
        • 好中球数の最低値が1,000/mm3未満
        • 血小板数の最低値が50,000/mm3未満
        • 脱毛、悪心、嘔吐を除くGrade 3の非血液学的な副作用が出現した場合
      5. 次の場合は本剤の投与を中止すること。
        • 脱毛、悪心、嘔吐を除くGrade 4の非血液学的な副作用が出現した場合
        • 100mg/m2/日未満に減量が必要となった場合
        • 脱毛、悪心、嘔吐を除く、減量後に直前のクールと同じGrade 3の非血液学的な副作用が再度出現した場合
  2. 再発の悪性神経膠腫の場合
    1. 本剤の投与開始にあたっては次の条件をすべて満たすこと。
      • 好中球数が1,500/mm3以上
      • 血小板数が100,000/mm3以上
    2. 第1クール以後、次の条件をすべて満たした場合に限り、次クールの投与量を200mg/m2/日に増量することができる。
      • 好中球数の最低値が1,500/mm3以上
      • 血小板数の最低値が100,000/mm3以上
    3. 各クールの期間中、血液検査を適切な時期に実施し、好中球数及び血小板数の最低値に基づいて次クールでの用量調整の必要性について判断すること。なお、好中球数及び血小板数が最低値に達するのは本剤投与後22日以降と比較的遅いことが知られている。また、各クールの開始にあたっては、適切な時期に血液検査を実施し、好中球数が1,500/mm3以上、血小板数が100,000/mm3以上になるまで投与を開始しないこと。
    4. 各クール開始にあたっては、直前のクールにおいて次の場合には本剤を50mg/m2減量とすること。
      • 好中球数の最低値が1,000/mm3未満
      • 血小板数の最低値が50,000/mm3未満
      • 脱毛、悪心、嘔吐を除くGrade 3の非血液学的な副作用が出現した場合
    5. 100mg/m2/日未満に減量が必要となった場合は本剤の投与を中止すること。

重要な基本的注意

  1. 本剤の投与にあたっては、骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能・腎機能検査等)を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。
  2. 感染症・出血傾向の発現又は増悪に十分に注意すること。
  3. カプセル剤による治療後に、骨髄異形成症候群(MDS)や骨髄性白血病を含む二次性悪性腫瘍が報告されている。
  4. 本剤の投与では放射線照射との併用期間中は、リンパ球数にかかわらず、ニューモシスチス肺炎に十分注意し、あらかじめ適切な措置を講ずること。
  5. 本剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。
  6. 本剤の投与では、悪心、嘔吐、食欲不振等の消化器症状が高頻度に認められるため、患者の状態を十分に観察し、適切な処置を行うこと。
  7. 再発又は難治性のユーイング肉腫に本剤を使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書」等)を熟読すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 骨髄機能抑制のある患者
    骨髄機能抑制が増強するおそれがある。
  2. 感染症を合併している患者
    骨髄機能抑制により、感染症が悪化するおそれがある。
  3. 肝炎ウイルスの感染又は既往を有する患者
    B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性の患者において、本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の兆候や症状の発現に注意すること。
  4. 水痘患者
    致命的な全身障害があらわれるおそれがある。

腎機能障害患者

  1. 重度の腎機能障害のある患者
    副作用が強くあらわれるおそれがある。

肝機能障害患者

  1. 重度の肝機能障害のある患者
    副作用が強くあらわれるおそれがある。

生殖能を有する者

  1. 妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること。
  2. 男性には、本剤投与中及び最終投与後3ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること。
  3. 小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラット、ウサギにおいて、胚・胎児死亡及び奇形(50mg/m2/日)が報告されている。

授乳婦

授乳しないことが望ましい。

小児等

〈悪性神経膠腫〉
  1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
〈再発又は難治性のユーイング肉腫〉
  1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

海外の臨床試験(カプセル剤投与時)において、高齢者(70歳超)では、70歳以下の患者と比較すると、好中球減少及び血小板減少の発現が増加することが認められている。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと注1)

重大な副作用

  1. 骨髄機能抑制(頻度不明、頻度不明)
    汎血球減少(2.6%、0.5%)、好中球減少(42.1%、3.5%)、血小板減少(26.3%、8.8%)、貧血(13.2%、2.5%)、リンパ球減少(42.1%、頻度不明)、白血球減少(34.2%、3.8%)等があらわれることがある。
  2. ニューモシスチス肺炎(2.6%、頻度不明)、感染症(頻度不明、頻度不明)
    ニューモシスチス肺炎(2.6%、頻度不明)、サイトメガロウイルス感染症(頻度不明、頻度不明)等の日和見感染や敗血症(2.6%、0.5%)等、重篤な感染症があらわれることがある。リンパ球減少が認められた場合には、リンパ球数が回復(Grade 1以下)するまでニューモシスチス肺炎に対する措置を継続すること。また、B型肝炎ウイルスの再活性化による劇症肝炎又は肝炎があらわれることがある。特に長期間の使用はステロイド剤との併用の有無にかかわらず感染症の発現リスクを高めることがある。なお、敗血症の合併症として、播種性血管内凝固症候群(DIC)、急性腎障害、呼吸不全等が報告されている。
  3. 間質性肺炎(頻度不明、頻度不明)
    発熱、咳嗽、呼吸困難等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合には速やかに胸部X線検査等を実施し、本剤の投与を中止するとともにニューモシスチス肺炎との鑑別診断(β-Dグルカンの測定等)を考慮に入れ適切な処置を行うこと。
  4. 脳出血(2.6%、0.3%)
    血小板減少を認めた症例で脳出血があらわれたとの報告がある。
  5. アナフィラキシー(頻度不明、頻度不明注2)
  6. 肝機能障害(頻度不明、頻度不明)、黄疸(頻度不明、頻度不明)
    AST、ALT、Al-P、γ-GTPの著しい上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあり、肝不全に至った症例も報告されている。
  7. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明、頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明、頻度不明)
注1)「重大な副作用」の発現頻度は、カプセル剤の国内臨床試験、海外臨床試験(初回再発退形成性星細胞腫及び初回再発膠芽腫)をもとに国内、海外の順に記載した。当該試験において各事象が発現していない場合は頻度不明とした。
注2)海外の臨床試験及び市販後に基づく頻度(カプセル剤承認時):0.01%未満

その他の副作用

11.2.1 国内で認められた副作用注3)
10%以上
10%未満
頻度不明
全身症状
倦怠感
発熱、悪寒
精神神経系
頭痛
めまい、意識障害、感情不安定、焦燥、傾眠
血液
貧血(ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、赤血球減少)、白血球減少、リンパ球減少、好中球減少、血小板減少
単球減少、白血球増多、好中球増多、好酸球増多、好塩基球増多、単球増多
肝臓
AST上昇、ALT上昇、Al-P上昇
γ-GTP上昇、LDH上昇、ビリルビン上昇
腎臓
BUN上昇、クレアチニン上昇、尿潜血、蛋白尿、尿検査異常
循環器
胸部不快感、動悸、心嚢液貯留
消化器
悪心、嘔吐、食欲不振、便秘、下痢
腹痛、胃不快感、口内・口唇炎、胃腸炎、歯肉炎
消化不良
皮膚
点状出血、帯状疱疹、白癬、そう痒、蜂巣炎、発疹
脱毛、多形紅斑
神経・筋
しびれ、痙攣、振戦、片麻痺
無力症
呼吸器
上気道感染、胸水、しゃっくり
霧視、眼瞼炎
投与部位
注射部反応(疼痛、刺激感、紅斑、腫脹、熱感、そう痒感)
その他
疲労
浮腫、熱感、CRP上昇、血糖値上昇、ヘモグロビンA1C上昇、血清総蛋白減少、アルブミン減少、血中ナトリウム減少、水頭症
味覚異常、体重減少、疼痛、血腫、尿崩症
注3)副作用発現頻度はカプセル剤の臨床試験成績に基づく
11.2.2 海外で認められた副作用
10%以上
10%未満注4)
全身症状
発熱、倦怠感
精神神経系
頭痛
不眠、めまい、錯乱、健忘、失神、傾眠、うつ病
血液
血小板減少、白血球減少、好中球減少、貧血
腎臓
頻尿
消化器
悪心、嘔吐、便秘
食欲不振、口内炎、下痢、消化不良、腹痛
皮膚
脱毛、発疹、紅斑、そう痒、点状出血、紫斑、帯状疱疹
神経・筋
痙攣、協調運動失調、感覚異常、麻痺、片麻痺、無力症
呼吸器
呼吸困難、気管支炎、肺炎、鼻出血
その他
疲労
浮腫、味覚異常、感染症、疼痛、体重減少、口腔カンジダ症
注4)カプセル剤の海外臨床試験(初回再発退形成性星細胞腫及び初回再発膠芽腫)で4例(1%)以上の発現が認められた副作用(単剤投与)

過量投与

  1. 症状
    海外において、カプセル剤の過量投与(10,000mg、5日間の同一クールでの総投与量)により汎血球減少、発熱、多臓器不全を引き起こし死亡したとの報告がある。また、カプセル剤の長期投与(連続5日間以上、最長で連続64日間)により骨髄機能抑制、感染等を引き起こし死亡したとの報告がある。

適用上の注意

薬剤調製時の注意
  1. 本剤を調製する際、手袋を使用すること。本剤が皮膚又は粘膜に接触した場合、直ちに水及び石鹸で十分に洗うこと。
  2. 本剤は室温(約25℃)で、本剤1バイアルに注射用水41mLを加え、穏やかに円を描くように回して溶解する(テモゾロミド2.5mg/mL)。その際、振り混ぜないこと。必要に応じて生理食塩液にて希釈して用いることができる。
  3. 溶解後、溶液中に異物を認める場合は使用しないこと。
  4. 調製後は14時間以内に投与を終了すること。また、残液は使用しないこと。
  5. 体表面積より計算した必要量を無菌的に輸液バッグに移すこと。
薬剤投与時の注意
  1. 本剤は輸液ポンプを用い、90分間かけて点滴静注すること。投与に際し、他の注射剤との配合又は混注は行わないこと。
  2. 本剤と他の注射剤の同じ点滴ラインを用いた同時投与は行わないこと(他の注射剤との適合性試験は実施していない)。なお、本剤と生理食塩液は同じ点滴ラインで投与できるが、ブドウ糖注射液とは投与しないこと。
  3. 末梢静脈から投与する際に、局所の組織障害を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないように慎重に投与すること。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
  1. カプセル剤の投与後に、再生不良性貧血につながる汎血球減少症の延長が認められたとの報告がある。
非臨床試験に基づく情報
  1. 動物実験(ラット、経口投与)で、乳腺及び皮膚等に腫瘍が発生したとの報告がある。
  2. 動物実験(ラット及びイヌ、経口投与)で、精巣毒性を認めたとの報告がある,
  3. 細菌を用いた復帰突然変異試験、ヒト末梢血リンパ球を用いた染色体異常試験、並びにマウスを用いた小核試験において、遺伝毒性を認めたとの報告がある 。

薬物動態

血中濃度

  1. 注射剤とカプセル剤の生物学的同等性
    中枢神経系悪性腫瘍患者(19例)にテモゾロミド注射剤及びカプセル剤150mg/m2をそれぞれクロスオーバー法により静脈内投与(1.5時間持続注入)及び経口投与(空腹時)したとき、血漿中未変化体及び活性代謝物MTIC(5-[(1Z)-3-Methyltriaz-1-en-1-yl]-1H-imidazole-4-carboxamide)濃度推移及び薬物動態パラメータは以下に示すとおりであった。「注射剤の1.5時間静脈内持続注入」は「カプセル剤の経口投与」と生物学的に同等であることが確認された(外国人データ)。
    図1 テモゾロミドの血漿中濃度推移
    図2 MTICの血漿中濃度推移
    表1 中枢神経系悪性腫瘍患者におけるテモゾロミド及びMTICの薬物動態パラメータ
    テモゾロミド
    製剤
    (投与経路)
    Tmax
    (hr)
    Cmax
    (µg/mL)
    t1/2
    (hr)
    AUC0-t
    (µg・hr/mL)
    注射剤
    (静脈内)
    1.50
    (0.92-2.00)
    7.44
    (21)
    1.81
    (12)
    23.4
    (18)
    カプセル剤
    (経口)
    1.00
    (0.25-2.00)
    7.68
    (19)
    1.91
    (13)
    22.0
    (14)
    点推定値(%)注1)
    (90%信頼区間)
    97
    (91-102)
    106
    (103-109)
    MTIC
    製剤
    (投与経路)
    Tmax
    (hr)
    Cmax
    (ng/mL)
    t1/2
    (hr)
    AUC0-t
    (ng・hr/mL)
    注射剤
    (静脈内)
    1.50
    (1.25-1.75)
    320
    (61)
    1.80
    (16)
    941
    (53)
    カプセル剤
    (経口)
    1.00
    (0.25-2.00)
    333
    (62)
    1.77
    (11)
    944
    (60)
    点推定値(%)注1)
    (90%信頼区間)
    98
    (91-105)
    103
    (98-108)
    平均値(%CV、n=19)[ただしTmaxは中央値(範囲)]
    注1)注射剤(静脈内投与)/カプセル剤(経口投与)
  2. カプセル剤の単回及び反復投与
    悪性神経膠腫の再発患者(6例)にカプセル剤の150又は200mg/m2を空腹時に1日1回5日間反復経口投与したときの投与1日目及び5日目における未変化体及びMTICの薬物動態パラメータは以下に示すとおりであり、未変化体及びMTICともに反復投与による蓄積性は認められなかった。
    表2 悪性神経膠腫の再発患者におけるカプセル剤の薬物動態パラメータ
    分析
    対象
    投与量
    (mg/m2
    投与
    (日)
    Tmax
    (hr)
    Cmax
    (µg/mL)
    t1/2λz
    (hr)
    AUC0-t
    (µg・hr/mL)
    R注2)
    テモゾ
    ロミド
    150
    (6例)
    1
    1.42
    (52)
    7.87
    (38)
    2.14
    (25)
    25.7
    (15)
    5
    0.96
    (53)
    8.38
    (36)
    2.29
    (35)
    25.2
    (10)
    0.986
    (8)
    200
    (3例)
    1
    0.58
    (25)
    15.3
    (5)
    2.03
    (4)
    35.1
    (6)
    5
    0.92
    (57)
    14.0
    (30)
    2.02
    (5)
    36.0
    (4)
    1.03
    (3)
    MTIC
    150
    (6例)
    1
    1.42
    (52)
    0.145
    (38)
    1.98
    (24)
    0.426
    (15)
    5
    1.08
    (43)
    0.154
    (28)
    1.83
    (12)
    0.425
    (12)
    1.00
    (16)
    200
    (3例)
    1
    0.75
    (33)
    0.272
    (15)
    1.93
    (6)
    0.594
    (7)
    5
    0.92
    (57)
    0.284
    (33)
    1.87
    (3)
    0.636
    (7)
    1.07
    (1)
    注2)AUC0-24hrに基づく累積係数
    平均値(%CV)
    また、進行性癌患者(26例)に100、150、200、250、500、750又は1,000mg/m2 注3)を単回経口投与したとき、血漿中未変化体濃度のCmax及びAUCは用量に比例して上昇し、体内動態の線形性が認められた,(外国人データ)。

分布

  1. 血漿蛋白結合
    ヒトに14C-テモゾロミドの200mgを単回経口投与したとき、放射能の血漿蛋白結合率は12%~16%であった(in vivo、外国人データ)。
  2. 脳脊髄液中への移行
    神経膠腫患者にカプセル剤の75mg/m2を放射線治療との併用により1日1回42~49日間反復経口投与したとき(23例)及び200mg/m2を1日1回5日間反復経口投与したとき(32例)、脳脊髄液中への未変化体の移行が認められ、脳脊髄液/血漿のAUC比はそれぞれ20.6%及び20.3%であった(外国人データ)。また、脳転移を有する悪性黒色腫患者(1例)にカプセル剤の150mg/m2を1日1回5日間反復経口投与したとき、脳脊髄液中未変化体濃度は血漿中濃度とほぼ平行して推移し、脳脊髄液/血漿のAUC比は約30%であった(外国人データ)。

代謝

テモゾロミドの主要な生体内変換は、テトラジン環の4位のカルボニル基におけるpH依存的な加水分解と脱炭酸によるMTICへの変換と、続いて起こるAIC(5-amino-1H-imidazole-4-carboxamide)への分解であり、このMTICからAICへの分解過程でDNAのアルキル化分子であるメチルジアゾニウムイオンが産生される。これら一連の反応は薬物代謝酵素に依存しない化学反応である,

排泄

進行性癌患者(6例)に14C-テモゾロミドの200mgを単回経口投与したとき、投与後7日間で尿及び糞中にそれぞれ投与した放射能の約37%及び約0.8%が回収された(外国人データ)。

特定の背景を有する患者

  1. 腎機能障害患者
    各種進行性癌患者を対象としたカプセル剤の第Ⅰ相及び第Ⅱ相試験で得られた総計445例の血漿中未変化体濃度データを用いた母集団薬物動態解析の結果、テモゾロミドのクリアランスとクレアチニンクリアランスの間には関連性が認められなかった(外国人データ)。なお、重度の腎機能障害患者並びに血液透析が必要な患者における薬物動態の検討は実施されていない。
  2. 肝機能障害患者
    軽度及び中等度(Child-Pugh分類A及びB)の肝機能障害患者(肝細胞癌患者13例)にカプセル剤の150mg/m2を単回経口投与したとき、血漿中未変化体及びMTIC濃度は肝機能正常患者と差を認めなかった(外国人データ)。なお、重度の肝機能障害患者での薬物動態については十分な検討が実施されていない。
  3. 小児における薬物動態
    小児の進行性癌患者(年齢:3~17歳、19例)にカプセル剤の100、120、160、200又は240mg/m2注3)を空腹時に1日1回5日間反復経口投与したとき、投与5日目の血漿中未変化体濃度のTmaxは1.3~1.9時間、t1/2λzは1.4~1.8時間であり、Cmax及びAUCはいずれも投与量に比例して上昇した。200mg/m2投与群のAUCについて同用量投与時の成人と比較すると、小児で成人の約1.4倍高値を示した,(外国人データ)。
  4. クリアランスに及ぼす生体側の影響因子
    各種進行性癌患者を対象としたカプセル剤の第Ⅰ相及び第Ⅱ相試験で得られた総計359例の血漿中未変化体濃度データを用いた母集団薬物動態解析の結果、テモゾロミドのクリアランスは、体のサイズ(体表面積、体重)及び性別(女性は男性より5%程度クリアランスが低下した)による影響を受けるが、年齢(19~78歳)、喫煙、総蛋白、アルブミン、総ビリルビン、Al-P、AST、ALT及びクレアチニンクリアランスによる影響を受けなかった(外国人データ)。

薬物相互作用

  1. その他
    1. クリアランスに及ぼす併用薬の影響
      各種進行性癌患者を対象としたカプセル剤の第Ⅰ相及び第Ⅱ相試験で得られた総計359例の血漿中未変化体濃度データを用いた母集団薬物動態解析の結果、バルプロ酸との併用ではクリアランスが約4.7%低下したが、デキサメタゾン、フェニトイン、フェノバルビタール、カルバマゼピン、H2受容体拮抗薬、オンダンセトロン又はプロクロルペラジンとの併用により影響を受けなかった(外国人データ)。
注3)初発及び再発の悪性神経膠腫における成人の承認最大用量(一回量)は200mg/m2(静脈内投与)、再発又は難治性のユーイング肉腫における承認最大用量(一回量)は100mg/m2(静脈内投与)である。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈悪性神経膠腫〉
  1. 単独経口投与での成績(国内第Ⅱ相臨床試験)
    初回再発の退形成性星細胞腫患者を対象として、カプセル剤単剤投与によるオープン試験(JPC-02-351-21試験)を実施した。すべての患者は前治療に化学療法を受けていた。用いた用法・用量は28日を1クールとし、初回投与量としてカプセル剤1回150mg/m2を1日1回5日間経口投与し、23日間休薬とした。第2クール以降は用量調整基準に従い、カプセル剤1回150又は200mg/m2を1日1回5日間経口投与し、6クール施行後に有効性を評価した。なお、治験薬投与前の予防的な制吐剤の使用は必須としたが、制吐剤の種類は限定しなかった。ただし、制吐目的のステロイド使用は不可とした。その結果、退形成性星細胞腫患者を対象とした海外臨床試験成績のうち、化学療法既治療群と比較した場合、国内臨床試験の奏効率(著効+有効)は34%(9%+25%)であり、海外試験成績の30%(6%+24%)とほぼ同等であった。安全性解析対象例32例中副作用は31例(97%)に副作用が認められた。主な副作用は、リンパ球減少15例(47%)、好中球減少15例(47%)、便秘13例(41%)、血小板数減少9例(28%)、悪心8例(25%)であった(カプセル剤承認時)。
    表1 単独経口投与での成績(JPC-02-351-21試験)
    患者
    n
    奏効率
    (著効+有効)
    95%信頼区間
    無増悪生存(PFS)
    中央値
    (月)
    6ヵ月
    生存率
    95%信頼区間
    全登録患者
    (FAS)
    32
    34%
    18.6%~53.2%
    4.1
    40.6%
    23.6%~57.6%
    退形成性星
    細胞腫患者
    22
    27%
    10.7%~50.2%
    3.9
    31.8%
    12.4%~51.3%
  2. 単独経口投与での成績(海外第Ⅱ相臨床試験)
    初回再発の退形成性星細胞腫患者を対象として、カプセル剤単剤投与によるオープン試験(C/I94-123試験)を実施した。用いた用法・用量は28日を1クールとし、初回投与量として、化学療法既治療群ではカプセル剤1回150mg/m2を、化学療法未治療群では1回200mg/m2を1日1回5日間経口投与し、23日間休薬とした。第2クール以降は用量調整基準に従い、カプセル剤1回100、150又は200mg/m2を1日1回5日間経口投与し、6クール施行後に有効性を評価した。投与は最長2年間にわたって実施された。その結果、奏効率(著効+有効)は、化学療法既治療群では30%(6%+24%)、化学療法未治療群で43%(11%+32%)であった。安全性解析対象例158例中153例(97%)に有害事象注1)が認められた。主な有害事象注1)は、悪心84例(53%)、嘔吐66例(42%)、頭痛65例(41%)、疲労54例(34%)、便秘52例(33%)、痙攣36例(23%)であった(カプセル剤承認時)。
    注1)本剤との因果関係に関わりなく発現した事象
    表2 単独経口投与での成績(C/I94-123試験)
    患者
    n
    奏効率
    (著効+有効)
    95%信頼区間
    無増悪生存(PFS)
    中央値
    (月)
    6ヵ月
    生存率
    95%信頼区間
    全登録患者
    (ITT)
    162
    35%
    28%~43%
    5.4
    46%
    38%~54%
    化学療法
    既治療群
    97
    30%
    21%~40%
    4.8
    44%
    34%~54%
    化学療法
    未治療群
    65
    43%
    31%~56%
    6.2
    50%
    38%~63%
    退形成性星
    細胞腫患者
    111
    35%
    26%~45%
    5.5
    48%
    39%~58%
    化学療法
    既治療群
    69
    26%
    16%~38%
    4.8
    45%
    33%~57%
    化学療法
    未治療群
    42
    50%
    34%~66%
    6.3
    54%
    39%~69%
  3. 放射線とカプセル剤との併用療法での成績(海外第Ⅲ相臨床試験)
    初発の膠芽腫と診断された患者573例を対象に、放射線単独療法を対照群(n=286、RT群)とし、カプセル剤と局所放射線併用療法(n=287、RT+TMZ群)による初発時の膠芽腫患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験(P00458試験)を実施した。局所放射線療法は1日1回2Gy週5日間の6週間照射とした。放射線照射時はカプセル剤1日1回75mg/m2を6週間連日経口投与し(最長49日)、放射線療法終了後4週間の休薬期間を設けた。その後、第1クールではカプセル剤1回150mg/m2、第2クール以降は、100、150又は200mg/m2/日を1日1回5日間経口投与後、23日間休薬の計28日を1クールとし、6クール施行した。局所放射線療法との併用期間中はニューモシスチス肺炎に対する予防処置(ペンタミジンの吸入又はトリメトプリム・スルファメトキサゾール製剤の投与)を全例で実施し、リンパ球減少が認められた患者には、これが回復する(CTC Grade 1以下)まで予防処置を継続することとした。なお、局所放射線との併用前には、5-HT3受容体拮抗薬又はメトクロプラミドによる制吐予防療法が推奨された。また、カプセル剤単独の投与中にも5-HT3受容体拮抗薬による制吐予防療法が必要とされた。その結果、カプセル剤との併用群は放射線単独群に比べ、全生存期間(Overall Survival:OS)を有意に延長させた。中央値はカプセル剤との併用群で14.6ヵ月、放射線単独群で12.1ヵ月であった(p<0.0001)。ハザード比は、放射線単独群に対して1.59(95%信頼区間=1.33~1.91)であり、2年生存率はカプセル剤との併用群で26%、放射線単独群で10%であった。また、無増悪生存(PFS)期間の中央値はカプセル剤との併用群で6.9ヵ月、放射線単独群で5.0ヵ月であった(p<0.0001)。
    安全性解析対象例288例中266例(92%)に有害事象注2)が認められた。主な有害事象は、脱毛199例(69%)、疲労156例(54%)、悪心105例(36%)、嘔吐57例(20%)であった。また、併用後の単剤投与時224例において認められた有害事象は、疲労137例(61%)、脱毛124例(55%)、悪心110例(49%)、嘔吐66例(29%)、食欲不振61例(27%)、頭痛51例(23%)、便秘49例(22%)であった(カプセル剤承認時)。

    図 OSの生存曲線(海外第Ⅲ相臨床試験)
    表3 海外第Ⅲ相臨床試験で認められた有害事象注2)(288例)
    10%以上
    10%未満注3)
    全身症状
    発熱、悪寒
    精神神経系
    頭痛
    不眠、めまい、失語症、意識障害、情緒不安定、傾眠、激越、錯乱、不安、無感情、行動障害、うつ病、幻覚、認知障害、会話障害、集中力障害、錐体外路障害、記憶障害
    血液
    貧血、発熱性好中球減少症、好中球減少、白血球減少、リンパ球減少、血小板減少、出血
    肝臓
    AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇
    腎臓
    尿失禁、頻尿
    循環器
    高血圧、動悸、潮紅
    消化器
    悪心、嘔吐、便秘、食欲不振
    腹痛、下痢、消化不良、嚥下障害、口内炎、舌変色、口渇
    皮膚
    脱毛、発疹
    皮膚炎、皮膚乾燥、紅斑、光線過敏症、色素沈着、そう痒、剥脱性皮膚炎
    神経・筋
    無力症、協調運動失調、痙攣、てんかん、歩行異常、片麻痺、感覚異常、神経疾患、ニューロパシー、振戦、知覚過敏、筋脱力、脱力、筋骨格痛、筋肉痛、関節痛、背部痛、ミオパシー
    呼吸器
    咳嗽、呼吸困難、鼻閉、肺炎、上気道感染
    眼痛、視覚異常、霧視、視力低下、視野欠損
    その他
    疲労
    状態悪化、疼痛、浮腫、血糖値上昇、低カリウム血症、体重減少、体重増加、口腔カンジダ症、単純疱疹、感染症、中耳炎、アレルギー反応、クッシング様症状、耳痛、聴覚障害、耳鳴、放射線損傷、嗅覚異常、味覚異常、深部静脈血栓症
    放射線照射併用後の単剤投与時(カプセル剤投与時)のみに認められ、他の単剤投与では認められなかった有害事象注2)注3)発熱性好中球減少症、不安、情緒不安定、失語症、集中力障害、記憶障害、幻覚、神経疾患、ニューロパシー、知覚過敏、歩行異常、会話障害、クッシング様症状、体重増加、複視、視野欠損、眼痛、眼球乾燥、視力低下、難聴、耳痛、副鼻腔炎、聴覚障害、耳鳴、深部静脈血栓症、肺塞栓症、出血傾向、咳嗽、上気道感染、単純疱疹、インフルエンザ様症状、嚥下障害、口渇、腹部膨満、便失禁、胃腸障害、痔核、皮膚乾燥、色素沈着、多汗、背部痛、ミオパシー、関節痛、筋骨格痛、筋肉痛、筋脱力、尿失禁、排尿異常、月経異常、月経過多、乳房痛、腟出血、腟炎、アレルギー反応、放射線損傷、状態悪化、歯の障害
    注2)本剤との因果関係に関わりなく発現した事象
    注3)2例(1%)以上の発現が認められた有害事象

薬効薬理

作用機序
テモゾロミドは一価アルキル化薬であり、生理的pH条件下で非酵素的にMTICに分解され、メチルジアゾニウムイオンとなる。メチルジアゾニウムイオンはDNAのグアニンの6位の酸素原子をメチル化することによりDNA損傷を引き起こし、細胞周期の停止及びアポトーシスを誘導することにより細胞増殖抑制作用を示す,in vitro)。
抗腫瘍作用
テモゾロミドはヒト悪性神経膠腫由来細胞に対して細胞増殖抑制作用を示した,in vitro)。また、テモゾロミドはヒト悪性神経膠腫由来細胞頭蓋内移植マウスにおいて生存日数を延長させた,in vivo)。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
テモゾロミド(Temozolomide)
化学名
3-Methyl-4-oxo-3,4-dihydroimidazo[5,1-d][1,2,3,5]tetrazine-8-carboxamide
分子式
C6H6N6O2
分子量
194.15
性状
白色~微紅色又は淡黄褐色の結晶性の粉末又は粉末である。ジメチルスルホキシドにやや溶けにくく、水又はアセトニトリルに溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。結晶多形が認められる。
化学構造式
融点
180℃(分解)
分配係数
分配係数(1-オクタノール/水系):20.8~22.4
0.1mol/Lリン酸塩緩衝液(pH 7.0):22.0
0.1mol/L塩酸試液:20.8
水:22.4

包装

1バイアル

主要文献

1
医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書(テモゾロミド:再発・難治性ユーイング肉腫)
2
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社内資料:ラット反復投与毒性試験(テモダールカプセル20mg、同100mg 2006年7月26日承認、CTD2.6.6.3)
4
社内資料:イヌ反復投与毒性試験(テモダールカプセル20mg、同100mg 2006年7月26日承認、CTD2.6.6.3)
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社内資料:遺伝毒性試験(テモダールカプセル20mg、同100mg 2006年7月26日承認、CTD2.6.6.4)
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文献請求先及び問い合わせ先

大原薬品工業株式会社 お客様相談室
〒104-6591 東京都中央区明石町8-1聖路加タワー36階
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