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バンコマイシン点滴静注用0.5g「トーワ」

グリコペプチド系抗生物質製剤

1瓶 648円

作成又は改訂年月

※※
2022年5月改訂
(第14版、組成・性状の項等)
2019年3月改訂
(第13版)

日本標準商品分類番号

876113

日本標準商品分類番号等

2015年3月

薬効分類名

グリコペプチド系抗生物質製剤

承認等

販売名

バンコマイシン点滴静注用0.5g「トーワ」

販売名コード

6113400A1154

承認・許可番号

22100AMX01462
VANCOMYCIN FOR INTRAVENOUS INFUSION 0.5g“TOWA”

薬価基準収載年月

2009年9月

販売開始年月

2002年7月

使用期限等

貯 法
室温保存
使用期限
外箱、バイアルに記載

基準名

日本薬局方
注射用バンコマイシン塩酸塩

規制区分

処方箋医薬品注1)
注1)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

有効成分
1バイアル中
日局 バンコマイシン塩酸塩…0.5g(力価)
添加物
※※マクロゴール400100mg
※※D-マンニトール100mg

性状

白色の塊又は粉末
pH
2.5〜4.5(50mg(力価)/mL溶液)
浸透圧比
約1(5mg(力価)/mL生理食塩液、生理食塩液に対する比)

一般的名称

注射用バンコマイシン塩酸塩

警告

本剤の耐性菌の発現を防ぐため、「効能・効果に関連する使用上の注意」、「用法・用量に関連する使用上の注意」の項を熟読の上、適正使用に努めること。

※禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

原則禁忌

※テイコプラニン、ペプチド系抗生物質又はアミノグリコシド系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
ペプチド系抗生物質、アミノグリコシド系抗生物質、テイコプラニンによる難聴又はその他の難聴のある患者[難聴が発現又は増悪するおそれがある。]

効能・効果

効能・効果に関連する使用上の注意

本剤の副作用として聴力低下、難聴等の第8脳神経障害がみられることがあり、また化膿性髄膜炎においては、後遺症として聴覚障害が発現するおそれがあるので、特に小児等、適応患者の選択に十分注意し、慎重に投与すること。
PRSP肺炎の場合には、アレルギー、薬剤感受性など他剤による効果が期待できない場合にのみ使用すること。
MRSA又はMRCNS感染が疑われる発熱性好中球減少症に用いる場合には、下記の点に注意すること。
本剤は、以下の2条件を満たし、かつMRSA又はMRCNSが原因菌であると疑われる症例に投与すること。
(1)1回の検温で38℃以上の発熱、又は1時間以上持続する37.5℃以上の発熱
(2)好中球数が500/mm3未満の場合、又は1000/mm3未満で500/mm3未満に減少することが予測される場合
国内外のガイドラインを参照し、本疾患の治療に十分な経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ実施すること。
本剤投与前に血液培養を実施すること。MRSA又はMRCNS感染の可能性が否定された場合には本剤の投与中止や他剤への変更を考慮すること。
本剤投与の開始時期の指標である好中球数が緊急時等で確認できない場合には、白血球数の半数を好中球数として推定すること。
<適応菌種>
バンコマイシンに感性のメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
 
<適応症>
敗血症、感染性心内膜炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、骨髄炎、関節炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、腹膜炎、化膿性髄膜炎
 
<適応菌種>
バンコマイシンに感性のメチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNS)
 
<適応症>
敗血症、感染性心内膜炎、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、骨髄炎、関節炎、腹膜炎、化膿性髄膜炎
 
<適応菌種>
バンコマイシンに感性のペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)
 
<適応症>
敗血症、肺炎、化膿性髄膜炎
 
MRSA又はMRCNS感染が疑われる発熱性好中球減少症

用法・用量

通常、成人にはバンコマイシン塩酸塩として1日2g(力価)を1回0.5g(力価)6時間ごと又は1回1g(力価)12時間ごとに分割して、それぞれ60分以上かけて点滴静注する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
高齢者には、1回0.5g(力価)12時間ごと又は1回1g(力価)24時間ごとに、それぞれ60分以上かけて点滴静注する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
小児、乳児には、1日40mg(力価)/kgを2〜4回に分割して、それぞれ60分以上かけて点滴静注する。
新生児には、1回投与量を10〜15mg(力価)/kgとし、生後1週までの新生児に対しては12時間ごと、生後1ヵ月までの新生児に対しては8時間ごとに、それぞれ60分以上かけて点滴静注する。

用法・用量に関連する使用上の注意

急速なワンショット静注又は短時間での点滴静注を行うとヒスタミンが遊離されてred neck(red man)症候群(顔、頸、躯幹の紅斑性充血、そう痒等)、血圧低下等の副作用が発現することがあるので、60分以上かけて点滴静注すること。
腎障害のある患者、高齢者には、投与量・投与間隔の調節を行い、血中濃度をモニタリングするなど慎重に投与すること。(「慎重投与」、「高齢者への投与」の項参照)
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現を防ぐため、次のことに注意すること。
感染症の治療に十分な知識と経験を持つ医師又はその指導の下で行うこと。
原則として他の抗菌薬及び本剤に対する感受性を確認すること。
投与期間は、感染部位、重症度、患者の症状等を考慮し、適切な時期に、本剤の継続投与が必要か否か判定し、疾病の治療上必要な最低限の期間の投与にとどめること。

使用上の注意

慎重投与

腎障害のある患者[排泄が遅延し、蓄積するため、血中濃度をモニタリングするなど慎重に投与すること。]
肝障害のある患者[肝障害が悪化することがある。]
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
低出生体重児、新生児(「小児等への投与」の項参照)

重要な基本的注意

本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
本剤はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症、メチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNS)感染症、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)感染症に対してのみ有用性が認められている。ただし、ブドウ球菌性腸炎に対しては非経口的に投与しても有用性は認められない。
投与期間中は血中濃度をモニタリングすることが望ましい。
発熱性好中球減少症の治療においては以下のことに注意すること。
本剤は、好中球減少症であり、発熱が認められ、かつMRSA又はMRCNSが原因菌であると疑われる場合に限定して使用すること。(「効能・効果に関連する使用上の注意」の項参照)
好中球数、発熱の回復が認められた場合には、本剤の投与中止を考慮すること。
腫瘍熱・薬剤熱等の非感染性の発熱であることが確認された場合には、速やかに本剤の投与を中止すること。

相互作用

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
全身麻酔薬
 チオペンタール
 等
同時に投与すると、紅斑、ヒスタミン様潮紅、アナフィラキシー反応等の副作用が発現することがある。
全身麻酔の開始1時間前には本剤の点滴静注を終了する。
全身麻酔薬には、アナフィラキシー作用、ヒスタミン遊離作用を有するものがあり、本剤にもヒスタミン遊離作用がある。しかし、相互作用の機序は不明
腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤
 アミノグリコシド系抗生物質
アルベカシン
トブラマイシン

 白金含有抗悪性腫瘍剤
シスプラチン
ネダプラチン
腎障害、聴覚障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、慎重に投与する。機序:両剤共に腎毒性、聴器毒性を有するが、相互作用の機序は不明
危険因子:腎障害のある患者、高齢者、長期投与の患者等
腎毒性を有する薬剤
 アムホテリシンB
 シクロスポリン
 等
腎障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用は避けること。やむを得ず併用する場合は、慎重に投与する。機序:両剤共に腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明
危険因子:腎障害のある患者、高齢者、長期投与の患者等

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用(頻度不明)

ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、浮腫等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎不全、間質性腎炎:急性腎不全、間質性腎炎等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける場合には減量するなど慎重に投与すること。
汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少:汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、剥脱性皮膚炎:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、剥脱性皮膚炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
薬剤性過敏症症候群1):初期症状として発疹、発熱がみられ、更に肝機能障害、リンパ節腫脹、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)等のウイルスの再活性化を伴うことが多く、投与中止後も発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること。
第8脳神経障害:眩暈、耳鳴、聴力低下等の第8脳神経障害があらわれることがあるので、聴力検査等観察を十分に行うこと。また、このような症状があらわれた場合には投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける場合には慎重に投与すること。
偽膜性大腸炎:偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので、腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には、直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
肝機能障害、黄疸:AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P等の上昇、黄疸があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

過敏症注2)
頻度不明
発疹、そう痒、発赤、蕁麻疹、顔面潮紅、線状IgA水疱症
肝臓注3)
頻度不明
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、ビリルビン上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、LAP上昇
腎臓注4)
頻度不明
BUN上昇、クレアチニン上昇
血液
頻度不明
貧血、白血球減少、血小板減少、好酸球増多
消化器
頻度不明
下痢、嘔気、嘔吐、腹痛
その他
頻度不明
発熱、静脈炎、血管痛、皮膚血管炎、悪寒、注射部疼痛
注2)症状(異常)が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
注3)症状(異常)が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
注4)症状(異常)が認められた場合には、投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける場合には適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

高齢者では腎機能が低下している場合が多いので、投与前及び投与中に腎機能検査を行い、腎機能低下の程度により投与量・投与間隔を調節し、血中濃度をモニタリングするなど慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
授乳中の女性には、投与することを避け、やむを得ず投与する場合は授乳を中止すること。[ヒト母乳中に移行する。]

小児等への投与

腎の発達段階にあるため、特に低出生体重児、新生児においては血中濃度の半減期が延長し高い血中濃度が長時間持続するおそれがあるので、血中濃度をモニタリングするなど、慎重に投与すること。

過量投与

徴候、症状:急性腎不全等の腎障害、難聴等の第8脳神経障害を起こすおそれがある。
処置:HPM(high performance membrane)を用いた血液透析により血中濃度を下げることが有効であるとの報告がある。

適用上の注意

調製方法
※※本剤0.5g(力価)バイアルに日局注射用水、日局生理食塩液又は日局5%ブドウ糖注射液10mLを加えて溶解し、更に0.5g(力価)に対し100mL以上の補液で希釈し、60分以上かけて点滴静注すること。
※※調製後は速やかに使用すること。
調製時:現在までに、次の注射剤と混合すると、配合変化を起こすことが確認されているので、混注しないこと。
アミノフィリン、フルオロウラシル製剤と混合すると外観変化と共に経時的に著しい力価低下を来すことがある。
ヒドロコルチゾンコハク酸エステル、セフォタキシム、セフチゾキシム、セフメノキシム、セフォゾプラン、パニペネム・ベタミプロン、アズトレオナム製剤と混合すると著しい外観変化を起こすことがある。
投与時
血栓性静脈炎が起こることがあるので、薬液の濃度及び点滴速度に十分注意し、繰り返し投与する場合は、点滴部位を変更すること。
薬液が血管外に漏れると壊死が起こるおそれがあるので、薬液が血管外に漏れないように慎重に投与すること。
投与経路:筋肉内注射は痛みを伴うので行わないこと。

その他の注意

外国で急速静注により心停止を起こしたとの報告がある。

薬効薬理

作用は細胞壁ペプチドグリカンの合成阻害と細胞膜の変性及びRNA合成阻害であり、殺菌的である。特に最近臨床において深刻な問題となっているメチシリン耐性ブドウ球菌に対して、in vitro及びin vivoですぐれた効果が認められているが、バンコマイシン耐性菌も出現している2)

有効成分に関する理化学的知見

構造式:
一般名:バンコマイシン塩酸塩(Vancomycin Hydrochloride)
化学名:(1S,2R,18R,19R,22S,25R,28R,40S)-50-[3-Amino-2,3,6-trideoxy-3-C-methyl-α-L-lyxo-hexopyranosyl-(1→2)-β-D-glucopyranosyloxy]-22-carbamoylmethyl-5,15-dichloro-2,18,32,35,37-pentahydroxy-19-[(2R)-4-methyl-2-(methylamino)pentanoylamino]-20,23,26,42,44-pentaoxo-7,13-dioxa-21,24,27,41,43-pentaazaoctacyclo[26.14.2.23,6.214,17.18,12.129,33.010,25.034,39]pentaconta-3,5,8,10,12(50),14,16,29,31,33(49),34,36,38,45,47-pentadecaene-40-carboxylic acid monohydrochloride
分子式:C66H75Cl2N9O24・HCl
分子量:1485.71
性 状:白色の粉末である。水に溶けやすく、ホルムアミドにやや溶けやすく、メタノールに溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくく、アセトニトリルにほとんど溶けない。吸湿性である。

取扱い上の注意

※※安定性試験
最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、通常の市場流通下において年間安定であることが推測された3)

承認条件

使用施設を把握すると共に施設の抽出率、施設数を考慮して以下の対策を講ずること。
1)適切な市販後調査(感受性調査を含む)を継続し、情報を収集すること。
2)収集した情報を解析し、適切な使用を確保するため医療機関に対し必要な情報提供を継続すること。
3)安全性定期報告に準じた報告書を年1回厚生労働省に提出を継続すること。

包装

バンコマイシン点滴静注用0.5g「トーワ」:10バイアル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル 薬剤性過敏症症候群
2
第十六改正日本薬局方解説書,C-3570,2011
3
東和薬品株式会社 社内資料:安定性試験

※※文献請求先・製品情報お問い合わせ先

東和薬品株式会社 学術部DIセンター
〒570-0081 大阪府守口市日吉町2丁目5番15号
0120-108-932 FAX 06-7177-7379
https://med.towayakuhin.co.jp/medical/

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
東和薬品株式会社
大阪府門真市新橋町2番11号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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