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閲覧履歴

ノイアート静注用500単位

血漿分画製剤(血液凝固阻止剤)

1瓶 21098円

添付文書番号

6343424D2080_2_09

企業コード

580842

作成又は改訂年月

2023年4月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

876343

薬効分類名

血漿分画製剤(血液凝固阻止剤)

承認等

販売名

ノイアート静注用500単位

販売名コード

6343424D2080

販売名英字表記

Neuart I.V. 500 units

販売名ひらがな

のいあーとじょうちゅうよう500たんい

承認番号等

承認番号
22100AMX01050

販売開始年月

1987年6月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
2年

基準名

生物学的製剤基準
乾燥濃縮人アンチトロンビンIII

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること
特定生物由来製品

販売名

ノイアート静注用1500単位

販売名コード

6343424D3035

販売名英字表記

Neuart I.V. 1500 units

販売名ひらがな

のいあーとじょうちゅうよう1500たんい

承認番号等

承認番号
21600AMZ00629

販売開始年月

2005年2月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
2年

基準名

生物学的製剤基準
乾燥濃縮人アンチトロンビンIII

規制区分

処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること
特定生物由来製品

一般的名称

乾燥濃縮人アンチトロンビンIII

特殊記載項目

本剤は、貴重な人血液を原料として製剤化したものである。原料となった血液を採取する際には、問診、感染症関連の検査を実施するとともに、製造工程における一定の不活化・除去処理を実施し、感染症に対する安全対策を講じているが、人血液を原料としていることによる感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため、疾病の治療上の必要性を十分に検討の上、必要最小限の使用にとどめること。

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対しショックの既往歴のある患者

組成・性状

組成

ノイアート静注用500単位
有効成分
人アンチトロンビンIII  500国際単位
添加剤
塩化ナトリウム  48mg
クエン酸ナトリウム水和物  50mg
D-マンニトール  200mg
添付溶剤
日局 注射用水
10mL
備考
人アンチトロンビンIIIは、ヒト血液に由来する。
(採血国:日本、採血の区別:献血)
〔1瓶中〕
ノイアート静注用1500単位
有効成分
人アンチトロンビンIII  1,500国際単位
添加剤
塩化ナトリウム  145mg
クエン酸ナトリウム水和物  150mg
D-マンニトール  600mg
添付溶剤
日局 注射用水
30mL
備考
人アンチトロンビンIIIは、ヒト血液に由来する。
(採血国:日本、採血の区別:献血)
〔1瓶中〕
本剤は、製造工程(不溶化ヘパリンによる吸着処理)で、ブタ小腸粘膜由来成分(ヘパリン)を使用している。

製剤の性状

ノイアート静注用500単位
pH6.5~8.0注)
浸透圧比0.90~1.20(生理食塩液に対する比)注)
性状
白色の凍結乾燥製剤である。本剤を添付溶剤で溶解するとき、1mL中にアンチトロンビンIII50国際単位を含有する無色ないし淡黄色の澄明又はわずかに白濁した液剤となる。
ノイアート静注用1500単位
pH6.5~8.0注)
浸透圧比0.90~1.20(生理食塩液に対する比)注)
性状
白色の凍結乾燥製剤である。本剤を添付溶剤で溶解するとき、1mL中にアンチトロンビンIII50国際単位を含有する無色ないし淡黄色の澄明又はわずかに白濁した液剤となる。
注)本剤1瓶を添付溶剤に溶かした水溶液

効能又は効果

  • 先天性アンチトロンビンIII欠乏に基づく血栓形成傾向
  • アンチトロンビンIII低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC)

効能又は効果に関連する注意

〈アンチトロンビンIII低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC)〉
  1. 本剤を、緊急措置以外の治療に使用する場合にあたっては、患者のアンチトロンビンIII値が正常の70%以下に低下している場合においても、本剤の投与が医療上必要であると判断されたときに使用すること。

用法及び用量

〈効能共通〉
本剤を添付の注射用水で溶解し、緩徐に静注もしくは点滴静注する。
〈先天性アンチトロンビンIII欠乏に基づく血栓形成傾向〉
本剤1日1,000~3,000国際単位(又は20~60国際単位/kg)を投与する。
なお、年齢、症状により適宜減量する。
〈アンチトロンビンIII低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC)〉
アンチトロンビンIIIが正常の70%以下に低下した場合は、通常成人に対し、ヘパリンの持続点滴静注のもとに本剤1日1,500国際単位(又は30国際単位/kg)を投与する。
ただし、産科的、外科的DICなどで緊急処置として本剤を使用する場合は、1日1回40~60国際単位/kgを投与する。
なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。

用法及び用量に関連する注意

〈効能共通〉
  1. 出血検査等出血管理を十分行いつつ使用すること。
  2. ヘパリンの併用により出血を助長する危険性のある場合は本剤の単独投与を行うこと。
  3. 本剤の使用にあたっては、少なくとも2日以上使用してその効果を判定し、使用の継続を判断すること。
〈アンチトロンビンIII低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC)〉
  1. ヘパリンの1日持続点滴は、通常10,000単位が適当と考えられるが、臨床症状により適宜増減すること。ただし、ヘパリンの投与は1時間当たり500単位を超えないこと。

重要な基本的注意

  1. 本剤の使用にあたっては、疾病の治療における本剤の必要性とともに、本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが、血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを、患者に対して説明し、理解を得るよう努めること。
  2. 本剤の原材料となる献血者の血液については、HBs抗原、抗HCV抗体、抗HIV-1抗体、抗HIV-2抗体、抗HTLV-1抗体陰性で、かつALT値でスクリーニングを実施している。更に、HBV、HCV及びHIVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し、適合した血漿を本剤の製造に使用しているが、当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する。本剤は、以上の検査に適合した血漿を原料として、Cohnの低温エタノール分画で得た画分から人アンチトロンビンIIIを濃縮・精製した製剤であり、ウイルス不活化・除去を目的として、製造工程において60℃、10時間の液状加熱処理及びウイルス除去膜によるろ過処理を施しているが、投与に際しては、次の点に十分注意すること。
    1. 血漿分画製剤の現在の製造工程では、ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため、本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので、投与後の経過を十分に観察すること。
    2. 現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない。しかしながら、製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの、理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので、投与の際には患者への説明を十分行い、治療上の必要性を十分検討の上投与すること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
    治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。
  2. 溶血性・失血性貧血の患者
    ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある。
  3. 免疫不全患者・免疫抑制状態の患者
    ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない。感染した場合には、持続性の貧血を起こすことがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。本剤の投与によりヒトパルボウイルスB19の感染の可能性を否定できない。感染した場合には胎児への障害(流産、胎児水腫、胎児死亡)が起こる可能性がある。

小児等

低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗凝固剤
トロンボモデュリン アルファ(遺伝子組換え)製剤等
本剤の作用が増強するおそれがある。
併用により、抗凝固作用が相加的に作用する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    呼吸困難、喘鳴、胸内苦悶、血圧低下、チアノーゼ等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

頻度不明
過敏症
発疹、蕁麻疹等
肝臓
AST、ALTの上昇等
消化器
悪心、嘔吐
その他
発熱、悪寒、頭痛、好酸球増加、胸部不快感

適用上の注意

薬剤調製時の注意
  1. 他剤との混合注射は避けることが望ましい。
  2. 本剤は、溶解後ただちに使用すること。
  3. 使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しないこと。本剤は細菌の増殖に好適なたん白であり、しかも保存剤が含有されていない。
薬剤投与時の注意
  1. 溶解時に著しい沈殿の認められるものは投与しないこと。
  2. 溶解した液をシリコンオイルが塗布されているシリンジで採取した場合、浮遊物が発生することがある。投与前に薬液中に浮遊物がないか目視で確認すること。浮遊物が認められた場合には投与しないこと。

薬物動態

血中濃度

アンチトロンビンIIIが著減しているがDICを伴っていない肝硬変患者注) 7例に本剤1,500国際単位(単回)を静注し、アンチトロンビンIIIの血中動態を検討した 。その結果は以下のとおりであった。
  • アンチトロンビンIIIは活性及び抗原量ともに増加期待値と実測値がほぼ一致した。
  • 増加したアンチトロンビンIII抗原量の経時的変化は二相性の減衰曲線を示し48時間程度で血管内外で平衡に達した。
  • アンチトロンビンIIIの半減期t1/2(β)は約60~70時間であった。
注)本剤の承認された効能又は効果は、先天性アンチトロンビンIII欠乏に基づく血栓形成傾向及びアンチトロンビンIII低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC)である。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

〈先天性アンチトロンビンIII欠乏に基づく血栓形成傾向〉
  1. 国内臨床試験
    多施設臨床試験において、3例の先天性アンチトロンビンIII欠乏患者の6回の入院に際して、本剤が500~1,500国際単位/日静注され、全例に本剤の補充療法における有用性が認められた。全3例に副作用は認められなかった 。
〈アンチトロンビンIII低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC)〉
  1. 国内臨床試験(ヘパリン併用投与の臨床効果)
    多施設臨床試験において、先行したヘパリン単独点滴静注下では血漿アンチトロンビンIII活性の上昇はなく、DICの改善はみられなかったが、本剤1,500国際単位/日静注をヘパリンに併用したところ、明らかな血漿アンチトロンビンIII活性の上昇と抗原量の増加が認められ、諸検査成績もDICの臨床症状も明らかな改善が認められた。
    この本剤・ヘパリン併用療法の有用率は全症例で54.2%であり、特に、ヘパリン10,000単位/日先行投与のもとに、本剤1,500国際単位/日の2日以上連用例では有効率、有用率ともに81%を示した。解析対象症例142例に本剤投与と関連する明らかな副作用を示した症例は認められなかった 。

製造販売後調査等

〈アンチトロンビンIII低下を伴う汎発性血管内凝固症候群(DIC)〉
  1. 国内臨床研究(単独投与の臨床効果)
    1. 外科的DICでは多発外傷患者、術後患者などヘパリンの使用が困難な場合にアンチトロンビンIII製剤単独投与が試みられ、有効であった,
    2. 産科的DICではアンチトロンビンIII製剤単独投与は常位胎盤早期剝離、後産期出血などで有効性が報告されている 。

薬効薬理

作用機序
本剤はトロンビン、活性型の第X因子、第XII因子等と複合体を形成することで、これらの血液凝固因子の活性を阻害すると推察される 。
トロンビン活性に対する阻害作用
本剤は人トロンビン活性に対して、濃度依存的な阻害作用を示した (in vitro)。
DICモデル病変(ウサギ)に対する効果
外因性凝固機序の活性化に基づいて発症するDICのモデル病変である組織トロンボプラスチン惹起凝固亢進に対して、本剤は、ヘパリンとの併用により、凝固阻害作用を示した。また内因性凝固機序の活性化に基づいて発症するDICのモデル病変であるエンドトキシン惹起凝固亢進に対しても、ヘパリンの併用により、顕著な阻害作用を示し、糸球体内血栓形成を完全に防止した 。

取扱い上の注意

本剤は特定生物由来製品に該当することから、本剤を投与した場合は、医薬品名(販売名)、その製造番号(ロット番号)、投与した日、投与を受けた患者の氏名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。

包装

〈ノイアート静注用500単位〉
1瓶[溶剤(日局 注射用水 10mL)、溶解液注入針 添付]
〈ノイアート静注用1500単位〉
1瓶[溶剤(日局 注射用水 30mL)、溶解液注入針、ロングエアー針 添付]

主要文献

1
青木延雄 他:医学のあゆみ 1979;109:970-975
2
小林紀夫 他:臨床医薬 1985;1:773-800
3
遠藤重厚 他:Prog. Med. 1987;7:2725-2727
4
篠村徹太郎 他:DMW 1988;10:299-301
5
真木正博:産婦人科治療 1986;52:611-619
6
福山 肇:診療と新薬 1993;30:1147-1454
7
安部 英 他:医学のあゆみ 1982;120:1147-1150
8
川畑好之康 他:血液と脈管 1987;18:557-563

文献請求先及び問い合わせ先

一般社団法人日本血液製剤機構 くすり相談室
〒108-0023 東京都港区芝浦3-1-1
電話 0120-853-560

製造販売業者等

製造販売元
一般社団法人日本血液製剤機構
東京都港区芝浦3-1-1

(参考情報)

この製品は献血血液から製造されています。
ノイアート静注用500単位、ノイアート静注用1500単位の溶解法及び溶解液注入針の使い方
1.ノイアート静注用500単位又はノイアート静注用1500単位(以下ノイアートと略す)瓶及び溶剤瓶のゴム栓表面を消毒してください(図1)。
2.溶解液注入針の保護サヤをまず片方〔キャップホルダーの小さい方(a)〕だけ軽くまわしてはずします(図2)。
3.溶解液注入針を溶剤瓶のゴム栓中央にまっすぐ深く刺入してください(図3)。
4.溶解液注入針の反対側の保護サヤ(b)を軽くまわしてはずします(図4)。
5.ノイアート瓶を倒立させて溶解液注入針をゴム栓の中央にまっすぐ深く刺入してください(図5)。
6.溶剤瓶が上になるように逆転してください。液が流れ始めたら連結された両方の瓶を斜めにして液ができるだけノイアート瓶の壁面に沿って流れ込むようにしてください(図6)。
7.溶剤の移行が終わったら、溶解液注入針を溶剤瓶(空)とともに抜き去り、ノイアート瓶をなるべく泡立てないようゆるやかに揺り動かして溶解してください。
8.溶解液注入針はディスポーザブルなので再使用しないでください。
9.輸液セットを用いて点滴注輸する場合:
瓶針は溶解液注入針と同じ位置及びその付近に刺入すると液もれを起こすことがありますので離れた位置に刺入してください。
ノイアート静注用1500単位に添付のロングエアー針の使用方法
1.ノイアート静注用1500単位瓶に輸液セットの瓶針を刺し、バイアルをさかさまにつるしておく。
2.ロングエアー針のフィルター部(通気部)を指で蓋をした状態のまま、ノイアート静注用1500単位瓶にまっすぐ刺入し、ロングエアー針の先端が液面上に出たことを確認してから、指をはなす。
点滴静注する際に、ロングエアー針の先端が液面上に出るように突き刺してご使用ください。(上図参照)
(注)
  • 市販の輸液セットなどに組み込まれた通気針は、針が短く先端が液面上に出ないため、点滴の際気泡を生じますので、添付のロングエアー針のご使用をおすすめします。
  • ロングエアー針は溶解液注入針と同じ位置及びその付近に刺入すると液もれを起こすことがありますので離れた位置に刺入してください。
  • 包装袋が破損している場合は使用しないでください。
  • ご使用は一回限りです。

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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