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閲覧履歴

シプロフロキサシン点滴静注液200mg「NP」

ニューキノロン系注射用抗菌剤

1袋 986円

作成又は改訂年月

2021年7月改訂
(第12版 承認条件解除に伴う改訂)
*2020年3月改訂

日本標準商品分類番号

876241

日本標準商品分類番号等

*2020年3月

薬効分類名

ニューキノロン系注射用抗菌剤

承認等

販売名

シプロフロキサシン点滴静注液200mg「NP」

販売名コード

6241400A4064

承認・許可番号

22100AMX00244
CIPROFLOXACIN I.V. INFUSION

薬価基準収載年月

2009年5月

販売開始年月

2009年7月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
使用期限
容器等に記載
注意
「取扱い上の注意」参照

規制区分

処方箋医薬品注1)
注1)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

容量
100mL
有効成分(1容器中)
日本薬局方 シプロフロキサシン 200mg
添加物(1容器中)
塩化ナトリウム 830mg
クエン酸ナトリウム水和物、塩酸、pH調整剤

性状

製剤の性状
性状
無色〜微黄色澄明の水性注射液
容器プラスチックバッグ
pH3.9〜4.5
浸透圧比(生理食塩液に対する比)約1

販売名

シプロフロキサシン点滴静注液400mg「ニプロ」

販売名コード

6241400A6032

承認・許可番号

22900AMX00901
CIPROFLOXACIN I.V. INFUSION

薬価基準収載年月

2017年12月

販売開始年月

2017年12月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存
使用期限
容器等に記載
注意
「取扱い上の注意」参照

規制区分

処方箋医薬品注1)
注1)注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

容量
200mL
有効成分(1容器中)
日本薬局方 シプロフロキサシン 400mg
添加物(1容器中)
塩化ナトリウム 1660mg
クエン酸ナトリウム水和物、塩酸、pH調整剤

性状

製剤の性状
性状
無色〜微黄色澄明の水性注射液
容器プラスチックバッグ
pH3.9〜4.5
浸透圧比(生理食塩液に対する比)約1

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
ケトプロフェン(皮膚外用剤を除く)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
チザニジン塩酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
ロミタピドメシル酸塩を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
*妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[ただし、炭疽に限り、治療上の有益性を考慮して投与すること。](「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
*小児等[ただし、複雑性膀胱炎、腎盂腎炎、嚢胞性線維症、炭疽の患児を除く。](「小児等への投与」の項参照)

効能又は効果

効能又は効果に関連する使用上の注意

成人
本剤の適用は、原則として他の抗菌剤にアレルギーの既往を有する患者、重症あるいは他の抗菌剤を使用しても十分な臨床効果が得られない患者に限定すること。
ただし、炭疽及びレジオネラ属による感染症の適応の場合は、この限りではない。
シプロフロキサシン経口剤と異なり、本剤の効能・効果は、敗血症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎、腹膜炎、胆嚢炎、胆管炎、炭疽に限定されているので、それ以外の疾患には使用しないこと。
本剤のメチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)に対する有効性は証明されていないので、MRSAによる感染症が明らかである場合、速やかに抗MRSA作用の強い薬剤を投与すること。
*小児
関節障害が発現するおそれがあるので、リスクとベネフィットを考慮し、本剤の適用は、原則として他の抗菌剤にアレルギーの既往を有する患者、重症あるいは他の抗菌剤を使用しても十分な臨床効果が得られない患者に限定すること。ただし、炭疽については、この限りではない。(「小児等への投与」の項参照)
成人
<適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属、腸球菌属、炭疽菌、大腸菌、クレブシエラ属、エンテロバクター属、緑膿菌、レジオネラ属
<適応症>
敗血症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、肺炎、腹膜炎、胆嚢炎、胆管炎、炭疽
*小児
一般感染症
<適応菌種>
本剤に感性の炭疽菌、大腸菌、緑膿菌
<適応症>
複雑性膀胱炎、腎盂腎炎、炭疽
嚢胞性線維症における緑膿菌による呼吸器感染に伴う症状の改善

用法及び用量

成人
通常、シプロフロキサシンとして、1回400mgを1日2回、1時間かけて点滴静注する。患者の状態に応じて1日3回に増量できる。
*小児
一般感染症
複雑性膀胱炎、腎盂腎炎:通常、シプロフロキサシンとして、1回6〜10mg/kgを1日3回、1時間かけて点滴静注する。ただし、成人における1回量400mgを超えないこととする。
炭疽:通常、シプロフロキサシンとして、1回10mg/kgを1日2回、1時間かけて点滴静注する。ただし、成人における1回量400mgを超えないこととする。
嚢胞性線維症における緑膿菌による呼吸器感染に伴う症状の改善
通常、シプロフロキサシンとして、1回10mg/kgを1日3回、1時間かけて点滴静注する。ただし、成人における1回量400mgを超えないこととする。

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
症状が緩解した場合には、速やかに経口抗菌剤の投与に切り替えることが望ましい。
本剤は通常、点滴静注局所の血管痛や静脈炎の危険を軽減するため、希釈して緩徐に注入すること。既に補液等が投与されている場合、側管に連結して投与することができる。ただし、薬剤によっては配合変化を生じることがあるので注意すること。(「適用上の注意」の項参照)
なお、著しい水分摂取制限がかかっている場合等、水分負荷がかけられない場合には希釈せずに投与することができるが、その際はできるだけ太い静脈から投与することが望ましい。
本剤は主として腎臓から排泄されるが、腎機能が低下していることが多い高齢者あるいは腎機能障害患者・血液透析患者では、腎機能に十分注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
<参考>
クレアチニンクリアランス(Ccr)(mL/min):30≦Ccr≦60
用法及び用量:1回200mgを12時間ごとに投与
クレアチニンクリアランス(Ccr)(mL/min):Ccr<30
用法及び用量:1回200mgを24時間ごとに投与
病状により必要と判断された場合には1回量として400mgを投与する。
なお、クレアチニンクリアランス値(mL/min)=[体重(kg)×(140−年齢)]/[72×血清クレアチニン値(mg/dL)]、女性の場合はこれに0.85を乗ずること。1)
血液透析中に除去されるシプロフロキサシンは10%程度と大きな影響は受けない。血液透析中の患者への投与に際しては、必要に応じて低用量(200mg)を24時間ごとに投与するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
炭疽の治療には、臨床症状が緩解した場合には、速やかに経口剤投与に切り替え、計60日間投与することを、米国疾病管理センター(CDC)が推奨している。

使用上の注意

慎重投与

本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
高度の腎障害のある患者[高い血中濃度が持続するので、慎重に投与すること。](「用法及び用量に関連する使用上の注意」の項参照)
うっ血性心不全、腎不全、ネフローゼ症候群等、ナトリウムの摂取が問題となる患者[本剤には塩化ナトリウムが含まれている。]
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者[痙攣を起こすことがある。]
重症筋無力症患者[症状を悪化させることがある。]
高齢者[腱障害があらわれやすいとの報告がある。](「用法及び用量に関連する使用上の注意」、「高齢者への投与」の項参照)
QT延長を起こすおそれのある患者[QT延長を起こすことがある。](「副作用 重大な副作用」の項参照)
大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子(マルファン症候群等)を有する患者[海外の疫学研究において、フルオロキノロン系抗菌薬投与後に大動脈瘤及び大動脈解離の発生リスクが増加したとの報告がある。](「重要な基本的注意」、「副作用 重大な副作用」の項参照)

重要な基本的注意

本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、観察を十分に行うとともに、腹部、胸部又は背部に痛み等の症状があらわれた場合には直ちに医師の診察を受けるよう患者に指導すること。大動脈瘤又は大動脈解離を合併している患者、大動脈瘤又は大動脈解離の既往、家族歴若しくはリスク因子を有する患者では、必要に応じて画像検査の実施も考慮すること。(「慎重投与」、「副作用 重大な副作用」の項参照)

相互作用

本剤はチトクロームP450 1A2(CYP1A2)を阻害するので、本酵素で代謝される薬剤の代謝を阻害し、血中濃度を上昇させるおそれがある。

併用禁忌

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ケトプロフェン(皮膚外用剤を除く)(カピステン等)痙攣を起こすことがあるので、併用しないこと。併用により、ニューキノロン系抗菌剤のGABAA受容体への阻害作用が増強され、痙攣が誘発されると考えられている。
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者、腎障害のある患者では特に注意すること。
チザニジン塩酸塩(テルネリン等)チザニジンのCmaxが7倍、AUCが10倍それぞれ上昇し、血圧低下、傾眠、めまい等があらわれたとの報告がある。チザニジンの作用を増強させるおそれがあるので、併用しないこと。チザニジンの肝での代謝を阻害し、チザニジンの血中濃度を上昇させると考えられている。
ロミタピドメシル酸塩(ジャクスタピッド)ロミタピドの血中濃度が著しく上昇するおそれがある。ロミタピドの代謝酵素(CYP3A4)が阻害されるおそれがある。

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
テオフィリン
アミノフィリン水和物
テオフィリンのCmaxが17%、AUCが22%それぞれ上昇したとの報告がある。2)テオフィリンの作用を増強させる可能性があるので、併用する場合にはテオフィリンを減量するなど適切な処置を行うこと。テオフィリンの肝での代謝を抑制し、クリアランスを減少させるためと考えられている。
肝障害のある患者、高齢者では特に注意すること。
カフェイン
デュロキセチン塩酸塩
これらの薬剤の血中濃度が上昇することがある。これらの薬剤の肝での代謝を抑制し、クリアランスを減少させるためと考えられている。
フェニル酢酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤:ジクロフェナク、アンフェナク等
プロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛剤(ただし、皮膚外用剤以外のケトプロフェンとは併用禁忌):ロキソプロフェン、プラノプロフェン、ザルトプロフェン等
痙攣を起こすおそれがある。症状が認められた場合、両剤の投与を中止するなど適切な処置を行うこと。併用により、ニューキノロン系抗菌剤のGABAA受容体への阻害作用が増強され、痙攣が誘発されると考えられている。
てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者、腎障害のある患者では特に注意すること。
シクロスポリン相互に副作用(腎障害等)が増強されるおそれがあるので、頻回に腎機能検査(クレアチニン、BUN等)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。発現機序の詳細は不明であるが、相互に肝での代謝を抑制し、一方又は両方の血中濃度が上昇するためと考えられている。
肝障害のある患者、高齢者では特に注意すること。
ワルファリンワルファリンの作用を増強し、出血、プロトロンビン時間の延長等があらわれることがある。本剤を併用する場合は、プロトロンビン時間国際標準比(INR)値等を測定するなど、観察を十分に行うこと。発現機序の詳細は不明であるが、ワルファリンの肝での代謝を抑制し、クリアランスを減少させるためと考えられている。
スルホニル尿素系血糖降下剤:グリメピリド、グリベンクラミド等スルホニル尿素系血糖降下剤の作用を増強し、低血糖があらわれることがある。発現機序の詳細は不明であるが、グリベンクラミドの肝での代謝を阻害するとの報告がある。3)また、膵臓のβ細胞を用いたin vitro試験において、本剤がインスリン分泌作用を促進するとの報告がある。
ロピニロール塩酸塩ロピニロールのCmaxが60%、AUCが84%それぞれ上昇したとの報告がある。ロピニロールの投与中に本剤を投与開始又は投与中止する場合には、必要に応じてロピニロールの用量を調節すること。併用により、ロピニロールの肝での代謝が阻害されるためと考えられている。
メトトレキサートメトトレキサートの血中濃度が上昇し、作用が増強されるおそれがある。併用する場合には患者の状態を十分に観察すること。発現機序の詳細は不明であるが、メトトレキサートの腎尿細管からの排泄が阻害されるためと考えられている。
クラスIA抗不整脈薬:キニジン、プロカインアミド等
クラスIII抗不整脈薬:アミオダロン、ソタロール等
本剤を併用した場合、QT延長がみられるおそれがある。併用により、QT延長作用が相加的に増加するおそれがある。
クロザピン
オランザピン
経口剤においてクロザピン及びその代謝物の血中濃度が29%と31%それぞれ上昇したとの報告がある。上記薬剤の投与中に本剤を投与開始又は投与中止する場合には、必要に応じて上記薬剤の用量調節をすること。併用により、上記薬剤の肝での代謝が阻害されるためと考えられている。
シルデナフィルクエン酸塩シルデナフィルのCmax及びAUCがそれぞれ約2倍上昇したとの報告がある。CYP3A4阻害によりクリアランスが減少するとの報告もあるが、発現機序の詳細は不明である。
フェニトインフェニトインの血中濃度が低下したとの報告がある。本剤を併用する場合は、フェニトインの血中濃度を測定するなど、観察を十分に行うこと。機序不明
副腎皮質ホルモン剤(経口剤及び注射剤):プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン等腱障害のリスクが増大するとの報告がある。これらの薬剤との併用は、治療上の有益性が危険性を上回る場合のみとすること。機序不明

副作用

副作用等発現状況の概要

本剤は、副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、浮腫、蕁麻疹等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
大腸炎(頻度不明)
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
横紋筋融解症(頻度不明)
筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とし、急激な腎機能悪化を伴う横紋筋融解症があらわれることがあるので注意すること。
間質性肺炎(頻度不明)
発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
低血糖(頻度不明)
重篤な低血糖があらわれることがある(高齢者、特にスルホニル尿素系血糖降下剤併用患者であらわれやすい)ので、観察を十分に行い、異常があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
痙攣(頻度不明)
痙攣があらわれることがある(特に、腎機能が低下している患者や高齢者であらわれやすい)ので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。(「用法及び用量に関連する使用上の注意」、「高齢者への投与」の項参照)
骨髄抑制、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少(頻度不明)
骨髄抑制、汎血球減少、無顆粒球症、血小板減少等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
劇症肝炎、肝機能障害、黄疸(頻度不明)
劇症肝炎、著しいAST(GOT)、ALT(GPT)等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎障害、間質性腎炎(頻度不明)
急性腎障害、間質性腎炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害(頻度不明)
アキレス腱炎、腱断裂等の腱障害があらわれることがあるので、腱周辺の痛み、浮腫、発赤等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。なお、外国において、投与終了数カ月後にこれらの症状を発現した症例も報告されている。
錯乱、抑うつ等の精神症状(頻度不明)
錯乱、抑うつ等の精神症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重症筋無力症の悪化(頻度不明)
重症筋無力症の患者で症状の悪化があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
血管炎(頻度不明)
血管炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)(頻度不明)
QT延長、心室頻拍(torsades de pointesを含む)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
大動脈瘤、大動脈解離(頻度不明)
大動脈瘤、大動脈解離を引き起こすことがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。(「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照)

その他の副作用

以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
過敏症注2)
(頻度不明)
発疹、そう痒、蕁麻疹、発熱、発赤(結節性紅斑)、浮腫(末梢、血管、顔面、咽頭)、光線過敏症、固定薬疹、血清病様反応
腎臓
(頻度不明)
BUN上昇、クレアチニン上昇、血尿、結晶尿
肝臓注2)
(頻度不明)
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇
循環器
(頻度不明)
頻脈、失神、ほてり、低血圧、片頭痛
血液注2)
(頻度不明)
好酸球増多、貧血、赤血球減少、白血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、血小板増加、白血球増加、点状出血、プロトロンビン量増加、溶血性貧血
消化器
(頻度不明)
下痢、嘔気、食欲不振、胃不快感、腹部膨満感、嘔吐、口内炎、腹痛、消化不良、膵炎
感覚器
(頻度不明)
眼内異物感、味覚異常、無嗅覚、嗅覚錯誤、一過性難聴、耳鳴、視覚異常
精神神経系
(頻度不明)
振戦、頭痛、めまい、眠気、無力症、不眠症、不安、発汗、悪夢、幻覚、精神病、失調、末梢性ニューロパシー(しびれ感等)、筋緊張亢進、頭蓋内圧亢進、激越、意識障害
投与部位
(頻度不明)
注射部位反応(血管痛、静脈炎、紅斑、炎症等)
その他
(頻度不明)
倦怠感、高血糖、関節痛、筋肉痛、モニリア症、呼吸困難、胸痛、背部痛、関節障害、筋無力症、CK(CPK)上昇
注2)このような症状(異常)があらわれた場合には、投与を中止すること。

高齢者への投与

本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、腎機能に十分注意し、患者の状態を観察しながら用量並びに投与間隔に留意するなど慎重に投与すること。(「用法及び用量に関連する使用上の注意」の項参照)

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
授乳中の婦人への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合には授乳を避けさせること。[母乳中へ移行することが報告されている。]

小児等への投与

1
*関節障害が発現するおそれがあるので、本剤の投与についてはリスクとベネフィットを考慮し慎重に判断すること。[他社が実施した複雑性尿路感染症又は腎盂腎炎の小児患者を対象とした臨床試験において、関節症と判断された被験者の割合はシプロフロキサシン9.3%(31/335例)、対照薬6.0%(21/349例)であった。また、動物試験(幼若イヌ、幼若ラット)で関節異常が認められている。]
2
*低出生体重児、新生児又は乳児に対する安全性は確立していない。

過量投与

徴候、症状
腎毒性があらわれたとの報告がある。
処置
腎機能をモニターするとともに、水分及び電解質の補充を行う。シプロフロキサシンは腹膜透析、血液透析では少量(10%程度)しか除去されない。

適用上の注意

投与経路
本剤は点滴静注にのみ使用すること。
投与前
保管中に白色の結晶が析出することがあるので、このような場合には温めて結晶を溶解して使用すること。
調製方法
原則として、点滴静注に際しては、生理食塩液、ブドウ糖注射液又は補液で希釈すること。
調製時
本剤と配合したときに沈殿、混濁、変色が認められた場合には投与しないこと。特にアルカリ性の溶液と配合しないこと(本剤のpHは3.9〜4.5の範囲である)。
配合変化試験において、すべての注射剤が検討されているわけではないが、本剤と配合した直後から24時間後までに、沈殿等が観察された薬剤があるので、配合時には配合変化データを参照すること。
投与方法
静脈内急速投与により、血管痛、静脈炎を起こすことがあるので、これらを予防するために注射部位、注射方法等について十分注意し、30分以内の点滴静注は避けること。
その他の注意
分割投与しないこと。

その他の注意

大量投与[750mg/回以上(経口剤)]により結晶尿が認められたとの報告がある。
プロベネシドによる影響
プロベネシドとの併用により、本剤の最高血中濃度は大きく変化しなかったが、t1/2の延長とAUCの増加が認められたとの報告がある。
遺伝毒性については、in vitro試験の一部(マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験、ラット肝初代培養細胞を用いた不定期DNA合成試験、チャイニーズハムスターCHL細胞を用いた染色体異常試験)成績において、陽性を示したとする報告がある。
光遺伝毒性については、ネズミチフス菌TA104を用いた復帰突然変異試験、チャイニーズハムスターV79細胞を用いた染色体異常試験、マウスリンパ腫細胞を用いたコメットアッセイにおいて陽性を示す所見が認められている。

薬効薬理

ニューキノロン系抗菌薬に属し、作用機序はDNAジャイレース阻害によるDNA複製阻害である。4)

有効成分に関する理化学的知見

一般名
シプロフロキサシン(Ciprofloxacin)
略号
CPFX
化学名
1-Cyclopropyl-6-fluoro-4-oxo-7-(piperazin-1-yl)-1,4-dihydroquinoline-3-carboxylic acid
分子式
C17H18FN3O3
分子量
331.34
構造式
性状
・白色〜淡黄白色の結晶性の粉末である。
・水又はエタノール(99.5)にほとんど溶けない。
・アンモニア試液に溶ける。
・光によって徐々に黄みを帯びる。
・融点:約270℃(分解)。

取扱い上の注意

バッグ製品に関する注意
製品の品質を保持するため、本品の外袋は使用直前まで開封しないこと。
また、開封後は速やかに使用すること。
プラスチックバッグの外袋の内側に液滴が認められる場合や、内容液に着色又は混濁等の異常が認められる場合は使用しないこと。
ゴム栓部のシールフィルムが万一はがれているときは使用しないこと。
使用後の残液は使用しないこと。
連結管による混合投与を行う場合は、Y型タイプの輸液セットを使用すること。
希釈や混注の際は注射針をゴム栓のINと表示された○印の穿刺位置にまっすぐに刺すこと。また、同一箇所に繰り返し刺さないこと。輸液セットの針はゴム栓のOUTと表示された○印の穿刺位置にまっすぐに刺すこと。斜めに刺すと針がプラスチックバッグの首部を貫通し、液漏れを起こすことがある。
大気圧で自然に内容液が排出されるため、通気針は不要である。
容器の液目盛りは、およその目安として使用すること。
安定性試験
シプロフロキサシン点滴静注液200mg「NP」
最終包装製品を用いた長期保存試験(25℃、相対湿度60%、3年間)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、シプロフロキサシン点滴静注液200mg「NP」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。5)
シプロフロキサシン点滴静注液400mg「ニプロ」
最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、シプロフロキサシン点滴静注液400mg「ニプロ」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。6)

包装

シプロフロキサシン点滴静注液200mg「NP」:100mL×10袋
シプロフロキサシン点滴静注液400mg「ニプロ」:200mL×10袋

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
Cockcroft, D. W. et al.:Nephron, 16, 31(1976)
2
二木芳人ほか:基礎と臨床, 20(17), 8903(1986)
3
Roberge, R. J. et al.:Ann. Emerg. Med., 36(2), 160(2000)
4
第十七改正日本薬局方解説書
5
ニプロ(株):社内資料 安定性試験(200mg)
6
ニプロ(株):社内資料 安定性試験(400mg)

文献請求先

文献請求先・製品情報お問い合わせ先

主要文献欄に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。

ニプロ株式会社 医薬品情報室
〒531-8510 大阪市北区本庄西3丁目9番3号
 0120-226-898
FAX 06-6375-0177

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売
ニプロ株式会社
大阪市北区本庄西3丁目9番3号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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