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アルプロスタジル注10μgシリンジ「サワイ」

プロスタグランジンE1 製剤

1筒 919円

添付文書番号

2190406G1040_1_04

企業コード

300119

作成又は改訂年月

2023年12月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

87219

薬効分類名

プロスタグランジンE1 製剤

承認等

販売名

アルプロスタジル注5μgシリンジ「サワイ」

販売名コード

2190406G1040

販売名英字表記

ALPROSTADIL Injection Syringes [SAWAI]

販売名ひらがな

あるぷろすたじるちゅう

承認番号等

承認番号
22100AMX00077000

販売開始年月

2009年5月

貯法、有効期間

貯法
凍結を避け5℃以下で保存
有効期間
1年

基準名

日本薬局方
アルプロスタジル注射液

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

アルプロスタジル注10μgシリンジ「サワイ」

販売名コード

2190406G2062

販売名英字表記

ALPROSTADIL Injection Syringes [SAWAI]

販売名ひらがな

あるぷろすたじるちゅう

承認番号等

承認番号
22100AMX00075000

販売開始年月

2009年5月

貯法、有効期間

貯法
凍結を避け5℃以下で保存
有効期間
1年

基準名

日本薬局方
アルプロスタジル注射液

規制区分

劇薬
処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

アルプロスタジル

警告

〈動脈管依存性先天性心疾患〉
本剤投与により無呼吸発作が発現することがあるので、呼吸管理設備の整っている施設で投与すること。

禁忌(次の患者には投与しないこと)

  1. 重篤な心不全の患者
  2. 出血(頭蓋内出血、消化管出血、喀血等)している患者
  3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性
  4. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

アルプロスタジル注5μgシリンジ「サワイ」
有効成分
日局アルプロスタジル  5μg
添加剤
精製ダイズ油  100mg
高度精製卵黄レシチン  18mg
オレイン酸  2.4mg
濃グリセリン  22.1mg
pH調節剤
アルプロスタジル注10μgシリンジ「サワイ」
有効成分
日局アルプロスタジル  10μg
添加剤
精製ダイズ油  200mg
高度精製卵黄レシチン  36mg
オレイン酸  4.8mg
濃グリセリン  44.2mg
pH調節剤

製剤の性状

アルプロスタジル注5μgシリンジ「サワイ」
pH4.5~6.0
浸透圧比約1(生理食塩液に対する比)
性状
白色の乳濁液で、わずかに粘性があり、特異なにおいがある
アルプロスタジル注10μgシリンジ「サワイ」
pH4.5~6.0
浸透圧比約1(生理食塩液に対する比)
性状
白色の乳濁液で、わずかに粘性があり、特異なにおいがある

効能又は効果

  • 慢性動脈閉塞症(バージャー病、閉塞性動脈硬化症)における四肢潰瘍ならびに安静時疼痛の改善
  • 下記疾患における皮膚潰瘍の改善
    進行性全身性硬化症
    全身性エリテマトーデス
  • 糖尿病における皮膚潰瘍の改善
  • 振動病における末梢血行障害に伴う自覚症状の改善ならびに末梢循環・神経・運動機能障害の回復
  • 動脈管依存性先天性心疾患における動脈管の開存

用法及び用量

効能又は効果
用法及び用量
慢性動脈閉塞症(バージャー病、閉塞性動脈硬化症)
通常、成人1日1回1~2mL(アルプロスタジルとして5~10μg)をそのまま又は輸液に混和して緩徐に静注、又は点滴静注する。
なお、症状により適宜増減する。
進行性全身性硬化症
全身性エリテマトーデス
通常、成人1日1回1~2mL(アルプロスタジルとして5~10μg)をそのまま又は輸液に混和して緩徐に静注、又は点滴静注する。
なお、症状により適宜増減する。
糖尿病における皮膚潰瘍
通常、成人1日1回1~2mL(アルプロスタジルとして5~10μg)をそのまま又は輸液に混和して緩徐に静注、又は点滴静注する。
なお、症状により適宜増減する。
振動病
通常、成人1日1回1~2mL(アルプロスタジルとして5~10μg)をそのまま又は輸液に混和して緩徐に静注、又は点滴静注する。
なお、症状により適宜増減する。
動脈管依存性先天性心疾患
輸液に混和し、開始時アルプロスタジル5ng/kg/minとして持続静注し、その後は症状に応じて適宜増減して有効最小量とする。

重要な基本的注意

〈慢性動脈閉塞症(バージャー病、閉塞性動脈硬化症)、進行性全身性硬化症、全身性エリテマトーデス、振動病、糖尿病における皮膚潰瘍〉
  1. 本剤による治療は対症療法であり、投与中止後再燃することがあるので注意すること。
  2. 心不全、肺水腫、胸水があらわれることがあるので、循環状態(血圧、脈拍等)を十分に観察すること。特に高齢者は心機能等生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
〈糖尿病における皮膚潰瘍〉
  1. 糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法、経口血糖降下剤、インスリン等の治療を行った上での適用を考慮すること。
  2. 外用の糖尿病性潰瘍治療剤では十分な効果が期待されない患者に対して適用を考慮すること。
  3. 投与中は経過を十分に観察し、4週間連日投与して効果が認められない場合には、他の適切な治療に切り替えること。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. 心不全の患者(重篤な心不全の患者を除く)
    心不全の増強傾向があらわれることがある。
  2. 緑内障、眼圧亢進のある患者
    眼圧を亢進させるおそれがある。
  3. 胃潰瘍の合併又はその既往歴のある患者
    既往のある患者に胃出血をおこすおそれがある。
  4. 間質性肺炎の患者
    間質性肺炎を増悪することがある。
  5. 出血傾向のある患者
    出血を助長するおそれがある。

腎機能障害患者

  1. 腎不全の患者
    腎不全を増悪することがある。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。動物実験(ラット、in vitro)で子宮収縮作用が報告されている。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。

小児等

動脈管依存性先天性心疾患以外の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
〈動脈管依存性先天性心疾患〉
  1. 新生児に投与する場合は、以下の事項を考慮すること。
    • 呼吸管理設備の整っている施設で投与すること。本剤投与により無呼吸発作が発現することがある。
    • 重篤な疾患を有する新生児への投与なので、観察を十分に行い慎重に投与すること。なお、副作用が発現した場合は、投与中止、注入速度の減速など適切な処置を講ずること。
    • 有効最小量で維持すること。過量投与により副作用発現率が高まるおそれがある。
    • 観察を十分に行い、必要以上の長期投与は避けること。長期投与により長管骨膜に肥厚がみられるとの報告がある。

高齢者

減量するなど注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
抗凝血剤
ワルファリンカリウム等
出血傾向の増強をきたすおそれがある。
本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これらの薬剤との併用によりその作用を増強するおそれがある。
血小板機能を抑制する薬剤
アスピリン
チクロピジン塩酸塩
シロスタゾール等
出血傾向の増強をきたすおそれがある。
本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これらの薬剤との併用によりその作用を増強するおそれがある。
血栓溶解剤
ウロキナーゼ等
出血傾向の増強をきたすおそれがある。
本剤は血小板凝集抑制作用を有するため、これらの薬剤との併用によりその作用を増強するおそれがある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
    蕁麻疹、喉頭浮腫、呼吸困難、チアノーゼ、血圧低下等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  2. 意識消失(頻度不明)
    血圧低下に伴い一過性の意識消失があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  3. 心不全、肺水腫(いずれも頻度不明)
    心不全(増強を含む)、肺水腫、胸水があらわれることがあるので、動悸、胸苦しさ、呼吸困難、浮腫等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  4. 間質性肺炎(頻度不明)
    間質性肺炎(増悪を含む)があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  5. 心筋梗塞(頻度不明)
    胸痛、胸部圧迫感、心電図異常等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  6. 脳出血、消化管出血(いずれも頻度不明)
  7. 無顆粒球症、白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)
  8. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明)
    AST、ALT、Al-P、γ-GTP等の上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがある。
  9. 無呼吸発作(12.2%)
    新生児に投与した場合、無呼吸発作があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。なお、発現した場合は、減量、注入速度の減速、投与中止など適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1~1%未満
0.1%未満
頻度不明
消化器
嘔気
腹痛
嘔吐
下痢
腹部膨満感・不快感
食欲不振
便秘
口腔腫脹感
口内炎(アフタを含む)
循環器
血圧降下注)
血管炎
顔面潮紅
胸部絞扼感注)
発赤
胸痛注)
動悸
頻脈
血圧上昇注)
呼吸器
咳嗽
呼吸困難
喘息注)
血液
好酸球増多
中枢神経系
発熱
頭痛
めまい
倦怠感
しびれ(感)
悪寒
振戦
痙攣
皮膚
発疹
そう痒感
蕁麻疹
発汗
腎臓
腎不全の増悪注)
注射部位
血管痛
発赤
こわばり
そう痒感
出血傾向注)
出血(鼻出血、眼底出血、結膜出血、皮下出血、血尿等)
その他
熱感
四肢疼痛
(増強を含む)
気分不良
浮腫
視力低下
脱毛
低ナトリウム血症
四肢腫脹
注)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること
新生児への投与にあたっては、上記の副作用のほか、低クロール血症(1.3%)、低カルシウム血症(0.5%)、高脂血症(0.2%)があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。
発現頻度は承認時の国内臨床試験及び製造販売後の使用成績調査の結果を合わせて算出した。

適用上の注意

全般的な注意
  1. 次の場合には使用しないこと
    • 凍結したもの。
    • 薬液が漏れている場合や、薬液に混濁や浮遊物等の異常が認められるとき。
    • シリンジに破損等の異常が認められるとき。
薬剤調製時の注意
〈効能共通〉
  1. 製品の品質を保持するため脱酸素剤を封入しているので、使用直前まで開封しないこと。使用に際しては開封口からゆっくり開けること。
  2. シリンジが破損するおそれがあるため、衝撃を避けること。
  3. ピロー包装から取り出す際、プランジャーを持って無理に引き出さないこと。
  4. 先端のゴム栓を外した後、シリンジ先端部には触れないこと。
  5. 本剤を輸液以外の他の薬剤と混和使用しないこと。ただし血漿増量剤(デキストラン、ゼラチン製剤等)との混和は避けること。
  6. 本剤を輸液に混和し使用する場合は混和後24時間以内に使用し残液は廃棄すること。
  7. ポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、可塑剤であるDEHP[di-(2-ethylhexyl)phthalate:フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)]が製剤中に溶出することが報告されている。
〈動脈管依存性先天性心疾患〉
  1. 新生児への投与に際しては、持続静注によりDEHPの総溶出量が増加するので、ポリ塩化ビニル製の輸液セット等の使用を避けることが望ましい。
薬剤投与時の注意
  1. 本剤投与により副作用があらわれた場合には、投与の中止、投与速度の変更など適切な処置を講ずること。
  2. 持続投与を行う場合には、ライン内での凝集を防ぐため、必ず単独ラインで投与すること。
  3. 本剤は脂肪乳剤を含有しているため、ポリカーボネート製の延長チューブ等を使用した場合、そのコネクター部分にひび割れが発生し、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性があるので注意すること。
薬剤投与後の注意
  1. 開封後の使用は一回限りとし、使用後の残液は容器とともに速やかに廃棄すること。
  2. シリンジの再滅菌・再使用はしないこと。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
本剤の投与により脳梗塞がみられたとの報告がある。

薬効薬理

作用機序
アルプロスタジルの有効成分はPGE1であり、PGE1は血管拡張作用に基づく血流増加作用及び血小板凝集抑制作用を有する。脂肪粒子を薬物担体とすることにより、以下のような特徴が認められた。
  • ハムスター頰袋微小血管を損傷させた後、Lipo PGE1を投与した時の方が、損傷前に投与した時より顕著で持続的な血栓形成抑制作用を示した。
  • 薬物担体としての脂肪粒子が正常及び糖尿病ラットの腸間膜細動脈、毛細血管内皮細胞及び自然発症高血圧ラットの胸部病変大動脈内皮細胞に付着し、エンドサイトーシスされていることが電顕的に観察された。
  • 3Hで標識したLipo PGE1を自然発症高血圧ラットに静脈内投与したときの血管内分布は、病変血管において3H-PGE1に比べ有意に高かった。
  • 3Hで標識したLipo PGE1をラットに静脈内投与後の血漿中PGE1未変化体の割合は、3H-PGE1-CD投与時に比べ有意に高かった。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
アルプロスタジル(Alprostadil)
化学名
7-{(1R,2R,3R)-3-Hydroxy-2-[(1E,3S)-3-hydroxyoct-1-en-1-yl]-5-oxocyclopentyl}heptanoic acid
分子式
C20H34O5
分子量
354.48
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末である。エタノール(99.5)又はテトラヒドロフランに溶けやすく、アセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
化学構造式
融点
114~118℃

取扱い上の注意

  1. 凍結を避けて保存すること。
  2. 遮光を保つため、外箱に入れた状態で保存すること。外箱開封後は遮光して保存すること。

包装

〈アルプロスタジル注5μgシリンジ「サワイ」〉
5シリンジ(1mL/シリンジ[脱酸素剤入り])
〈アルプロスタジル注10μgシリンジ「サワイ」〉
5シリンジ(2mL/シリンジ[脱酸素剤入り])

主要文献

1
Sim, A. K. et al.:Arzneimittelforschung, 1986;36(8):1206-1209
2
名倉一晶他:基礎と臨床, 1986;20(10):5195-5205
3
江角凱夫他:基礎と臨床, 1986;20(9):4399-4428

文献請求先及び問い合わせ先

沢井製薬株式会社 医薬品情報センター
〒532-0003 大阪市淀川区宮原5丁目2-30
TEL:0120-381-999 FAX:06-7708-8966

製造販売業者等

製造販売元
沢井製薬株式会社
大阪市淀川区宮原5丁目2-30

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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