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閲覧履歴

ビカルタミド錠80mg「NK」

前立腺癌治療剤

1錠 140.8円

作成又は改訂年月

**
2022年12月改訂
10
*
2017年7月改訂
9

日本標準商品分類番号

874291

薬効分類名

前立腺癌治療剤

承認等

販売名

ビカルタミド錠80mg「NK」

販売名コード

4291009F1071

承認・許可番号

22100AMX00178
Bicalutamide Tab. 80mg「NK」

薬価基準収載年月

2009年5月

販売開始年月

2009年5月

貯法・使用期限等

〈貯法〉
室温保存
〈使用期限〉
3年(PTPシート及び外箱に表示)
〈取扱い上の注意〉
「取扱い上の注意」の項参照

規制区分

劇薬
処方箋医薬品
※注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

ビカルタミド錠80mg「NK」は、1錠中に次の成分を含有する。
有効成分・含有量
ビカルタミド 80mg
添加物
乳糖水和物、デンプングリコール酸Na、ポビドン、ステアリン酸Mg、ヒプロメロース、酸化チタン、マクロゴール6000、カルナウバロウ

性状

ビカルタミド錠80mg「NK」は、白色の円形のフィルムコーティング錠である。
*本体表示(表裏)
ビカルタミド80NK
*直径(mm)
 約7.6
厚さ(mm)
 約4.5
質量(g)
約0.21

一般的名称

ビカルタミド錠

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
小児
[本薬の薬理作用に基づき、男子小児の生殖器官の正常発育に影響を及ぼす恐れがある。また、本薬の毒性試験(ラット)において、雌性ラットで子宮の腫瘍性変化が認められている。]
女性
[本薬の毒性試験(ラット)において、子宮の腫瘍性変化及び雄児の雌性化が報告されている。]

効能又は効果

効能又は効果に関連する使用上の注意

本剤による治療は、根治療法ではないことに留意し、本剤投与12週後を抗腫瘍効果観察のめどとして、本剤投与により期待する効果が得られない場合、あるいは病勢の進行が認められた場合には、手術療法等他の適切な処置を考慮すること。
本剤投与により、安全性の面から容認し難いと考えられる副作用が発現した場合は、治療上の有益性を考慮の上、必要に応じ、休薬又は集学的治療法などの治療法に変更すること。
前立腺癌

用法及び用量

通常、成人にはビカルタミドとして80mgを1日1回、経口投与する。

使用上の注意

慎重投与

肝障害のある患者
[本剤は肝臓でほぼ完全に代謝を受けるため、定常状態時の血中濃度が高くなる可能性がある。]

重要な基本的注意

外国の臨床試験において、ビカルタミド製剤投与例でビカルタミド製剤との関連性が否定できなかった前立腺癌以外の死亡例が報告されている。そのうち心・循環器系疾患による死亡は9%未満であり、その主な死因は心不全、心筋梗塞、脳血管障害等であった。これら外国の臨床試験で報告された心・循環器系疾患による死亡率は、対照の去勢術群(16%未満)より低く、高齢者で一般に予期される死亡率の範囲内であったが、本剤を投与する場合は十分に観察を行い、慎重に投与すること。
本剤は内分泌療法剤であり、がんに対する薬物療法について十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤による治療が適切と判断される患者についてのみ使用すること。

相互作用

本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4を阻害する。

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
クマリン系抗凝血薬
  ワルファリン等
クマリン系抗凝血薬の作用を増強するおそれがある。
プロトロンビン時間を測定する、又は、トロンボテストを実施するなど、血液凝固能検査等出血管理を十分に行いつつ、凝固能の変動に注意し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
in vitro試験で蛋白結合部位においてワルファリンと置換するとの報告がある。
トルブタミドトルブタミドの作用を増強するおそれがある。
但し、相互作用に関する報告症例はない。
本剤は、in vitro試験でトルブタミドの代謝を阻害した。
デキストロメトルファンデキストロメトルファンの作用を増強するおそれがある。
但し、相互作用に関する報告症例はない。
本剤は、in vitro試験でデキストロメトルファンの代謝を阻害した。
主にCYP3A4によって代謝される薬物
  カルバマゼピン、シクロスポリン、トリアゾラム等
主にCYP3A4によって代謝される薬物の作用を増強するおそれがある。
但し、相互作用に関する報告症例はない。
本剤は、in vitro試験でCYP3A4によるテストステロン6β-水酸化酵素活性を阻害した。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

重大な副作用

劇症肝炎、肝機能障害、黄疸
(頻度不明)
劇症肝炎、AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-P、γ-GTP、LDHの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的な肝機能検査の実施を考慮するとともに、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
白血球減少、血小板減少
(頻度不明)
白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
間質性肺炎
(頻度不明)
間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
心不全、心筋梗塞
(頻度不明)
心不全、心筋梗塞があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

内分泌
(頻度不明)
乳房腫脹、乳房圧痛、ほてり
生殖器
(頻度不明)
勃起力低下
肝臓 
(頻度不明)
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇
泌尿器
(頻度不明)
腎機能障害(クレアチニン上昇、BUN上昇)、血尿、夜間頻尿
皮膚 
(頻度不明)
そう痒、発疹、発汗、皮膚乾燥、脱毛、多毛、光線過敏症
精神神経系
(頻度不明)
性欲減退、頭痛、めまい、不眠、抑うつ状態、傾眠
循環器
(頻度不明)
心電図異常
消化器
(頻度不明)
便秘、食欲不振、下痢、悪心、嘔吐、口渇、消化不良、鼓腸放屁、腹痛
筋・骨格系
(頻度不明)
胸痛、骨盤痛
過敏症
(頻度不明)
血管浮腫、蕁麻疹
その他
(頻度不明)
貧血、浮腫、総コレステロール上昇、中性脂肪上昇、倦怠感、無力症、疲労、高血糖、体重増加・減少、さむけ

高齢者への投与

他社の臨床試験成績から、高齢者と非高齢者において血漿中濃度及び副作用の発現に差はみられていない。しかし、一般に高齢者では、心・循環器系の機能が低下していることが多く、心・循環器系の有害事象の発現頻度が若年層より高いため、高齢者への投与の際には患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

適用上の注意

薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)

その他の注意

外国において、呼吸困難が発現したとの報告がある。

薬物動態

生物学的同等性試験
ビカルタミド錠80mg「NK」と標準製剤を、並行群間比較試験法によりそれぞれ1錠(ビカルタミドとして80mg)健康成人男子に空腹時単回経口投与して血漿中ビカルタミド濃度を測定し、R-ビカルタミド濃度から得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)〜log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。1)

(表1参照)



血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
表1 R-ビカルタミド濃度から得られた薬物動態パラメータ
 判定パラメータ
AUC0-672
(μg・hr/mL)
判定パラメータ
Cmax
(ng/mL)
参考パラメータ
tmax
(hr)
参考パラメータ
t1/2
(hr)
ビカルタミド錠80mg「NK」291±821360±28036±16118±16
標準製剤(錠剤、80mg)266±501370±12030±24110±22
                                           (Mean±S.D., n=10)

有効成分に関する理化学的知見

一般名:
ビカルタミド(Bicalutamide)
**化学名:
(2RS )-N -[4-Cyano-3-(trifluoromethyl)phenyl]-3-[(4-fluorophenyl)sulfonyl]-2-hydroxy-2-methylpropanamide
分子式:
C18H14F4N2O4S
分子量:
430.37
**構造式:
**性状:
白色の粉末又は結晶性の粉末である。
アセトンに溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。
アセトン溶液(1→100)は旋光性を示さない。
結晶多形が認められる。

取扱い上の注意

安定性試験
最終包装製品を用いた長期保存試験(25℃、相対湿度60%、3年間)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、ビカルタミド錠80mg「NK」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。2)

包装

10錠、30錠、100錠

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
降旗謙一他:医学と薬学, 61, 189(2009)
2
日本化薬株式会社 社内資料:安定性試験

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。

日本化薬株式会社 医薬品情報センター
(住所)〒100-0005 東京都千代田区丸の内二丁目1番1号
(TEL)0120-505-282(フリーダイヤル)

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
日本化薬株式会社
東京都千代田区丸の内二丁目1番1号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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