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ツベラクチン筋注用1g

抗結核抗生物質製剤

1瓶 1634円

作成又は改訂年月

**
2018年8月改訂
(第10版)
2008年6月改訂

日本標準商品分類番号

876165

薬効分類名

抗結核抗生物質製剤

承認等

販売名

ツベラクチン筋注用1g

販売名コード

6165400D1033

承認・許可番号

*22000AMX00468000
Tuberactin Inj. 1g

薬価基準収載年月

*2008年6月

販売開始年月

*2008年6月

貯法・使用期限等

貯法 
室温保存
使用期限
外箱等に表示(2年6ヵ月)

規制区分

処方箋医薬品
注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

本剤は、白色の塊状又は粉末の凍結乾燥製剤である。
成分・含量(1バイアル中)
エンビオマイシン硫酸塩 1g(力価)
剤形
注射剤

性状

本剤1g(力価)を注射用水に溶解した場合、無色〜淡黄色澄明で各濃度におけるpH、浸透圧比(生理食塩液に対する比)は次のとおりである。
1g(力価)/2mL(溶解液;注射用水)の場合
pH:5.5〜7.5、浸透圧比:約3
1g(力価)/4mL(溶解液;注射用水)の場合
pH:5.5〜7.5、浸透圧比:約1

一般的名称

注射用エンビオマイシン硫酸塩

禁忌

本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者

原則禁忌

本人又は家族がストレプトマイシン難聴又はその他の難聴の患者[難聴が発現又は増悪するおそれがある。]

効能又は効果

〈適応菌種〉
エンビオマイシンに感性の結核菌
〈適応症〉
肺結核及びその他の結核症

用法及び用量

通常成人には、エンビオマイシン硫酸塩として1日1回1g(力価)を注射用蒸留水に溶解〔1g(力価)当り2〜4mL〕し、筋肉内に注射する。
初めの90日間は毎日、その後は1週間に2日投与する。
なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。
また、他の抗結核剤と併用することが望ましい。

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。

使用上の注意

慎重投与

アミノグリコシド系抗生物質(ストレプトマイシン、カナマイシン等)又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者
腎障害のある患者[高い血中濃度が持続し、第8脳神経障害又は腎障害があらわれるおそれがあるので、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用すること。]
ジギタリス剤、糖質副腎皮質ホルモン剤又は利尿剤の投与をうけている患者[「相互作用」の項参照]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]

重要な基本的注意

本剤によるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質によるアレルギー歴は必ず確認すること。
投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。

相互作用

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
アミノグリコシド系抗生物質、ポリペプチド系抗生物質
ストレプトマイシン、カナマイシン等
第8脳神経障害及び腎障害が発現、悪化するおそれがあるので、併用する場合には慎重に投与すること。両薬剤ともに聴器系毒性、腎毒性を有するが相互作用の機序は不明。
麻酔剤、筋弛緩剤
ツボクラリン、パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物、A型ボツリヌス毒素等
呼吸抑制があらわれるおそれがあるので、併用する場合には慎重に投与すること。呼吸抑制があらわれた場合には、必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行うこと。両薬剤ともにクラーレ様作用(神経筋遮断作用)を有しており、併用によりその作用が増強される。
ジギタリス剤
ジゴキシン等
不整脈等を起こすおそれがあるので、併用する場合には慎重に投与すること。本剤は血清カリウム低下作用があり、併用によりジギタリスの心臓に対する作用を増強させる。
糖質副腎皮質ホルモン剤、利尿剤過剰のカリウム放出を起こすおそれがあるので、併用する場合には慎重に投与すること。本剤は血清カリウム低下作用があり、併用により作用が増強される。
他の抗結核剤
リファンピシン、イソニアジド等
肝障害があらわれることがあるので、併用する場合には観察を十分に行い、慎重に投与すること。機序は不明。

副作用

副作用等発現状況の概要

総症例305例中、101例(33.11%)に副作用が認められた。(承認時)

重大な副作用

第8脳神経障害
(8.52%)
眩暈・耳鳴・難聴等の第8脳神経障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には慎重に投与すること。
呼吸抑制
(頻度不明)
クラーレ様作用(神経筋遮断作用)による呼吸抑制があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
血清電解質異常1)
(1.97%)
低カリウム・低カルシウム血症等の電解質異常があらわれることがあり、また、これによると考えられるしびれ感、痙攣、脱力感等があらわれることがあるので本剤投与中は血清電解質の検査を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

その他の副作用

過敏症注)
5%以上
発疹、発熱
腎臓注)
0.1〜5%未満
腎障害(蛋白尿、BUN上昇等)
神経系
5%以上
頭痛
注)異常又は症状があらわれた場合には、投与を中止すること。

高齢者への投与

本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあり、第8脳神経障害、腎障害等の副作用があらわれやすい。
高齢者には、用量並びに投与間隔に留意するとともに患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与をしないことが望ましい。[新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがある。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

適用上の注意

投与経路
筋肉内注射にのみ使用すること。
筋肉内注射時
筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため下記の点に注意すること。
神経走行部位を避けるよう注意して注射すること。
繰り返し注射する場合、例えば左右交互に注射するなど、注射部位を変えて行うこと。なお、小児には特に注意すること。
注射針を刺入した時、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き、部位を変えて注射すること。
原則として他剤との混注は避けること。
調製時
本剤の水溶液は室温に保存して安定であるが、溶解後は速やかに使用すること。

その他の注意

動物実験で低カリウム血症、腎障害による血清カルシウム、リンの上昇の発現が認められたとの報告がある2,3)

薬物動態

健康成人男子(n=5)に本剤1g(力価)を筋肉内注射した場合の薬物動態は以下のとおりである。
血中濃度(吸収)4)
平均血中濃度は2時間後に最高値の36.2μg/mLに達し6時間後においては11.5μg/mLであった。
代謝5)
投与後6時間後までの尿を用いバイオオートグラフィーにより代謝産物の検索を行ったが、本剤以外の抗菌活性を示すスポットは認められなかった。
排泄4)
尿中への排泄は血中濃度とほぼ平行し、投与後1〜2時間で最高濃度に達し以後漸減した。その際の尿中排泄率は、投与後6時間で58%、24時間では75%であった。

臨床成績

比較試験を含む国内34臨床成績の概要は以下のとおりであった6〜15)
再治療肺結核患者1,739例では、培養試験による6カ月後の菌陰性化率は39.1%(330/844)であった。また比較試験により本剤の有用性が認められている。
初回治療肺結核患者99例では、培養試験による6カ月後の菌陰性化率は98.7%(78/79)であった。

薬効薬理

抗菌作用16〜19)
本剤は、抗酸菌に特異的な抗菌力を示し、人型結核菌(H37Rv)に対するMIC(μg/mL)はKirchner半流動培地で0.5〜5、Dubos液体培地で2.5〜5、1%小川培地で10〜25を示し、卵培地における力価の低下が認められている。
耐性獲得遅延作用20)
人型結核菌H37RV原株の本剤に対する耐性獲得状態を試験管内で検討した結果、本剤とRFP又はEBの二剤、さらにこれら三剤の併用の場合は、明らかな耐性獲得遅延効果が認められている。
交差耐性17,21)
本剤はCPMと完全交差耐性を示す。
作用機序22)
Mycobacterium smegmatisを用いた14C-phenylalanineの取り込みを調べる実験からリボゾームの蛋白合成を阻害することによって抗菌作用を示すことが報告されている。

有効成分に関する理化学的知見

一般名
エンビオマイシン硫酸塩(Enviomycin Sulfate)
略号
EVM
化学名
ツベラクチノマイシンN硫酸塩
(3R,4R)-N-[(3S,9S,12S,15S)-9,12-Bis(hydroxymethyl)-3-[(4R)-2-iminohexahydropyrimidin-4-yl]-2,5,8,11,14-pentaoxo-6-(Z)-ureidomethylene-1,4,7,10,13-pentaazacyclohexadec-15-yl]-3,6-diamino-4-hydroxyhexanamide sesquisulfate
ツベラクチノマイシンO硫酸塩
(3S)-N-[(3S,9S,12S,15S)-9,12-Bis(hydroxymethyl)-3-[(4R)-2-iminohexahydropyrimidin-4-yl]-2,5,8,11,14-pentaoxo-6-(Z)-ureidomethylene-1,4,7,10,13-pentaazacyclohexadec-15-yl]-3,6-diaminohexanamide sesquisulfate
構造式
分子式
ツベラクチノマイシンN硫酸塩
C25H43N13O10・11/2H2SO4
ツベラクチノマイシンO硫酸塩
C25H43N13O9・11/2H2SO4
分子量
ツベラクチノマイシンN硫酸塩:832.81
ツベラクチノマイシンO硫酸塩:816.81
性状
本品は、白色の粉末である。
本品は、水に極めて溶けやすく、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。

包装

ツベラクチン筋注用1g:10バイアル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
相沢 春海:結核,55(1),1(1980)
2
早野 和夫:応用薬理,12(4),585(1976)
3
早野 和夫:社内資料(使用上の注意:その他の注意)
4
三宅 章:医薬品研究,4(4),378(1973)
5
三宅 章:社内資料(薬物動態:代謝)
6
砂原 茂一:結核,48(4),129(1973)
7
三輪 太郎:結核,50(8),229(1975)
8
倉光 一郎:結核,53(4),269(1978)
9
石川 寿:結核,56(7),369(1981)
10
篠田 厚:診療と新薬,21(2),259(1984)
11
平賀 洋明:薬理と治療,6(2),526(1978)
12
中村 善紀:結核,53(5),299(1978)
13
鬼頭 克己:薬理と治療,9(5),2011(1981)
14
高橋 功:新薬と臨牀,31(11),1982(1982)
15
辻田 源伍:日本胸部臨床,40(3),234(1981)
16
清水 辰典:Jpn.J.Antibiot.,27(4),463(1974)
17
小関 勇一:結核,48(5),189(1973)
18
豊原 希一:結核,47(6),181(1972)
19
Saito,T.:Jpn.J.Tuberculosis & Chest Disease,18,7(1972)
20
堂野前維摩郷:日本結核化学療法研究会報告
昭和46年6月26日(東京)
昭和47年6月24日(東京)
21
Tsukamura,M.:Chemotherapy,22(6),1115(1974)
22
Yamada,T.et al.:Amer.Rev.Resp.Dis.,106(5),769(1972)

文献請求先

「主要文献」に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
旭化成ファーマ株式会社 医薬情報部くすり相談窓口
**〒100-0006 東京都千代田区有楽町一丁目1番2号
フリーダイヤル 0120-114-936(9:00〜17:45/土日祝、休業日を除く)

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製造販売元
旭化成ファーマ株式会社
**東京都千代田区有楽町一丁目1番2号

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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