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閲覧履歴

パセトシン細粒10%

合成ペニシリン製剤

1g 8.9円

作成又は改訂年月

**
2022年11月改訂
(第23版)
*
2021年9月改訂

日本標準商品分類番号

876131

日本標準商品分類番号等

2013年4月
2004年9月

薬効分類名

合成ペニシリン製剤

承認等

販売名

パセトシン細粒10%

販売名コード

6131001C1228

承認・許可番号

21900AMX01779
PASETOCIN Fine Granules 10%

薬価基準収載年月

2008年6月

販売開始年月

1975年1月

貯法・使用期限等

貯法
室温保存(湿気を避けること。)
使用期限
包装に表示の期限内に使用すること

規制区分

処方箋医薬品
注意−医師等の処方箋により使用すること

組成

有効成分
1g中日局アモキシシリン水和物100mg(力価)
添加物
日局安息香酸ナトリウム、黄色5号、シリコーン樹脂、日局白糖、日局ヒドロキシプロピルセルロース、香料
(本剤1g中に日局白糖約850mgを含有する。)

性状

外観だいだい色・細粒
においパイナップル臭
甘味

一般的名称

アモキシシリン水和物散

禁忌

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
伝染性単核症のある患者[発疹の発現頻度を高めるおそれがある。]

原則禁忌

ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者

効能又は効果

効能又は効果に関連する使用上の注意

咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎への使用にあたっては、「抗微生物薬適正使用の手引き」1)を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

効能又は効果/用法及び用量

<適応菌種>
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、大腸菌、プロテウス・ミラビリス、インフルエンザ菌、ヘリコバクター・ピロリ、梅毒トレポネーマ
<適応症>
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎(急性症、慢性症)、精巣上体炎(副睾丸炎)、淋菌感染症、梅毒、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、涙のう炎、麦粒腫、中耳炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎、猩紅熱、胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症

用法及び用量

[ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症]
成人:アモキシシリン水和物として、通常1回250mg(力価)を1日3〜4回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
小児:アモキシシリン水和物として、通常1日20〜40mg(力価)/kgを3〜4回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減するが、1日量として最大90mg(力価)/kgを超えないこと。
[胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症]
●アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びランソプラゾール併用の場合
通常、成人にはアモキシシリン水和物として1回750mg(力価)、クラリスロマイシンとして1回200mg(力価)及びランソプラゾールとして1回30mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。
なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。
●アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びラベプラゾールナトリウム併用の場合
通常、成人にはアモキシシリン水和物として1回750mg(力価)、クラリスロマイシンとして1回200mg(力価)及びラベプラゾールナトリウムとして1回10mgの3剤を同時に1日2回、7日間経口投与する。
なお、クラリスロマイシンは、必要に応じて適宜増量することができる。ただし、1回400mg(力価)1日2回を上限とする。

用法及び用量に関連する使用上の注意

本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
高度の腎障害のある患者には、投与量を減らすか、投与間隔をあけて投与するなど慎重に投与すること。[「慎重投与」の項参照]

使用上の注意

慎重投与

セフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
高度の腎障害のある患者[高い血中濃度が持続することがある。]
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。]

重要な基本的注意

1
**ショック、アナフィラキシー、アレルギー反応に伴う急性冠症候群の発生を確実に予知できる方法はないが、事前に当該事象の既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質によるアレルギー歴は必ず確認すること。
2
本剤を胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症に用いる際には、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)の添付文書に記載されている禁忌、慎重投与、重大な副作用等の使用上の注意事項を必ず確認すること。

相互作用

併用注意

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ワルファリンカリウムワルファリンカリウムの作用が増強されるおそれがある。腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある。
経口避妊薬経口避妊薬の効果が減弱するおそれがある。腸内細菌叢を変化させ、経口避妊薬の腸肝循環による再吸収を抑制すると考えられる。
プロベネシド本剤の血中濃度を増加させる。本剤の尿細管分泌を阻害し、尿中排泄を低下させると考えられている。

副作用

副作用等発現状況の概要

[ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症]
カプセル、細粒による承認時及び1977年12月までの副作用頻度調査において、19,052例中、副作用及び臨床検査値異常の発現例は997例(発現率5.2%)で、1,245件であった。
主な副作用は胃腸障害898件(4.7%)、発疹等の皮膚症状281件(1.5%)、口内炎・舌炎等15件(0.08%)等であった。
[胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症]
●アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びランソプラゾール併用の場合
承認時までに行われた試験では430例中217例(50.5%)に、市販後の使用成績調査では3,491例中318例(9.1%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。また、外国で行われた試験では548例中179例(32.7%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。(再審査終了時)
●アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びラベプラゾールナトリウム併用の場合
承認時までに国内で行われた試験では508例中205例(40.4%)に、市販後の使用成績調査では3,789例中166例(4.4%)に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている。(再審査終了時)

重大な副作用

ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、不快感、口内異常感、喘鳴、めまい、便意、耳鳴、発汗等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
**アレルギー反応に伴う急性冠症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、紅皮症(剥脱性皮膚炎)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、頭痛、関節痛、皮膚や粘膜の紅斑・水疱、膿疱、皮膚の緊張感・灼熱感・疼痛等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
顆粒球減少、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
黄疸又はAST(GOT)、ALT(GPT)の上昇等があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
偽膜性大腸炎、出血性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
間質性肺炎、好酸球性肺炎があらわれることがあるので、咳嗽、呼吸困難、発熱等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること。間質性肺炎、好酸球性肺炎が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等を伴う無菌性髄膜炎があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

その他の副作用

[ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症]
下記のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと(その他の副作用の表1参照)。
なお、太字で記載の副作用については投与を中止すること。
[胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症]
下記のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと(その他の副作用の表2参照)。
なお、太字で記載の副作用については投与を中止すること。
表1 [ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症]
 0.1〜5%未満0.1%未満頻度不明
過敏症発疹そう痒、発熱 
血液 好酸球増多 
消化器食欲不振、下痢、悪心・嘔吐、腹痛、消化不良 黒毛舌
菌交代症 口内炎、カンジダ症 
ビタミン欠乏症  ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他 頭痛、めまい、耳鳴梅毒患者の場合:ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応(発熱、全身けん怠感、頭痛等の発現、病変部の悪化)
表2 [胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症]
 5%以上注1)1〜5%未満注1)1%未満注1)頻度不明注2)
過敏症 発疹そう痒 
精神神経系  頭痛、しびれ感、眠気、めまい、不眠、うつ状態 
消化器下痢(14.0%)、軟便(11.8%)味覚異常、腹部膨満感、腹痛、便秘悪心、口内炎、口渇、舌炎、胸やけ、胃食道逆流、嘔吐、食欲不振黒毛舌
血液 好中球減少、好酸球増多、貧血白血球増多 
肝臓 AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇、Al-P上昇ビリルビン上昇 
その他 トリグリセリド上昇、尿蛋白陽性、総コレステロール上昇・低下、尿糖陽性、膣モニリア症注3)尿酸上昇、けん怠感、熱感、浮腫、動悸、血圧上昇 
注1)発現頻度は、アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター(ランソプラゾール又はラベプラゾールナトリウム)併用除菌治療の承認時までの成績に基づいている。
注2)国内外自発報告に基づく副作用。
注3)外国で行われた試験で認められている副作用。
※ 観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

高齢者への投与

高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
高齢者では生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また、臍帯血、羊水へ移行することが報告されている。なお、動物試験(ラット)において、アモキシシリン水和物(500mg/kg/日)、クラリスロマイシン(160mg/kg/日)及びランソプラゾール(50mg/kg/日)を併用投与すると、母動物での毒性の増強とともに胎児の発育抑制の増強が認められている。また、ラットにアモキシシリン水和物(400mg/kg/日以上)、クラリスロマイシン(50mg/kg/日以上)及びラベプラゾールナトリウム(25mg/kg/日)を4週間併用投与した試験で、雌で栄養状態の悪化が認められている。]
授乳中の婦人に投与する場合には授乳を避けさせることが望ましい。[母乳中へ移行することが報告されている。(「薬物動態」の項参照)]

小児等への投与

低出生体重児、新生児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

その他の注意

ラットにアモキシシリン水和物(2000mg/kg/日)、ランソプラゾール(15mg/kg/日以上)を4週間併用経口投与した試験、及びイヌにアモキシシリン水和物(500mg/kg/日)、ランソプラゾール(100mg/kg/日)、クラリスロマイシン(25mg/kg/日)を4週間併用経口投与した試験で、アモキシシリン水和物を単独あるいは併用投与した動物に結晶尿が認められているが、結晶はアモキシシリン水和物が排尿後に析出したものであり、体内で析出したものではないことが確認されている。
ヘリコバクター・ピロリの除菌判定上の注意
ランソプラゾール等のプロトンポンプインヒビターやアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン等の抗生物質の服用中や投与終了直後では、13C-尿素呼気試験の判定結果が偽陰性になる可能性があるため、13C-尿素呼気試験による除菌判定を行う場合には、これらの薬剤の投与終了後4週間以降の時点で実施することが望ましい。

薬物動態

〈アモキシシリン水和物単剤投与時〉
吸収2)
健常人にアモキシシリン水和物250mg(力価)及び500mg(力価)を経口投与した場合の血中濃度の推移は下図のとおりである。
分布
体組織への分布(参考:ラットでのデータ)3)
アモキシシリン水和物100mg/kg(力価)をラットに経口投与した場合、1時間後の体組織への分布は肝臓>腎臓>血清>脾臓>肺>心臓の順であった。
移行性
母乳中への移行性4)5)
授乳婦にアモキシシリン水和物500mg(力価)単回投与後の母乳中移行は投与2〜6時間後でtrace〜0.6μg/mLであった。
その他の組織への移行性4)〜7)
喀痰、胆汁中、骨髄内、臍帯血、羊水へ移行する。
蛋白結合率(in vitro8)
16〜25%(ヒト血清)
代謝3)
健常人5名にアモキシシリン水和物500mg(力価)を経口投与した場合、尿中代謝物としてペニシロ酸(penicilloic acid)が24時間までに20.7%排泄された。
排泄2)
健常人にアモキシシリン水和物250mg(力価)及び500mg(力価)を経口投与した場合、6時間までに未変化体が、250mg投与で52.9%(31名の平均値)、500mg(力価)投与で46.2%(25名の平均値)尿中に排泄された。
〈クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビター併用時〉
アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びランソプラゾール併用の場合
健常人6名にアモキシシリン水和物として1回1000mg(力価)注1)、クラリスロマイシンとして1回400mg(力価)及びランソプラゾールとして1回30mgの3剤を同時に経口投与(絶食下)した場合、アモキシシリン水和物の薬物動態パラメータは下表のとおりである(薬物動態の表1参照)。
なお、3剤併用時の3剤各々の血中濃度は単独投与時の血中濃度とほぼ同様の推移を示す。
また、健常人7名に3剤を同様の用量で同時に1日2回7日間反復経口投与したとき、薬物動態に変化は認められていない。
注1)
アモキシシリン水和物としての承認用量は1回750mg(力価)であり、承認用量と異なる(「用法・用量」の項参照)。
アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びラベプラゾールナトリウム併用の場合
健常人にアモキシシリン水和物として1回750mg(力価)、クラリスロマイシンとして1回400mg(力価)及びラベプラゾールナトリウムとして1回20mgを1日2回7日間反復経口投与した場合、アモキシシリン水和物の薬物動態パラメータは下表のとおりである(薬物動態の表2参照)。ただし、投与第1日目及び第7日目は1日1回朝経口投与(絶食下)とした(計12回)。
表1 アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びランソプラゾール併用の場合
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC
(μg・hr/mL)
10.05±1.621.67±0.521.0±0.229.04±7.15
mean±S.D.
表2 アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びラベプラゾールナトリウム併用の場合
Cmax
(μg/mL)
Tmax
(hr)
T1/2
(hr)
AUC0〜12
(μg・hr/mL)
9.86±2.791.63±0.371.09±0.1925.82±5.41
n=19、mean±S.D.、※:n=16

臨床成績

[ヘリコバクター・ピロリ感染を除く感染症]
1,335例の一般臨床試験(カプセル、細粒)における成績概要は下表のとおりである。(臨床成績の表1参照)また、3種の二重盲検比較試験においても本剤の有用性が認められている。9)
[胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症]
アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びランソプラゾール併用の場合
ヘリコバクター・ピロリ陽性の胃潰瘍・十二指腸潰瘍の患者を対象とした除菌の臨床試験における除菌率は下表のとおりである。(臨床成績の表2参照)
※培養法及び組織診断法の結果がいずれも陰性
なお、米国及び英国で行われたヘリコバクター・ピロリ陽性の十二指腸潰瘍等に対する除菌の臨床試験注2)においても、同程度の成績が認められている。
注2)
各薬剤の投与量、投与期間は下記のとおりであり、国内の承認用法・用量と異なる(「用法・用量」の項参照)。
米国:
アモキシシリン水和物として1回1000mg(力価)、クラリスロマイシンとして1回500mg(力価)及びランソプラゾールとして1回30mgの3剤を1日2回、10日間又は14日間経口投与
英国:
アモキシシリン水和物として1回1000mg(力価)、クラリスロマイシンとして1回250mg(力価)及びランソプラゾールとして1回30mgの3剤を1日2回、7日間経口投与
アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びラベプラゾールナトリウム併用の場合
ヘリコバクター・ピロリ陽性の胃潰瘍・十二指腸潰瘍の患者を対象とした国内の臨床試験における除菌率は下表のとおりである。(臨床成績の表3参照)
なお、海外で行われたヘリコバクター・ピロリ陽性の胃・十二指腸潰瘍等に対する除菌の臨床試験注3)においても、同程度の成績が得られている。
注3)
各薬剤の投与量、投与期間は下記のとおりであり、国内の承認用法・用量とは異なる(「用法・用量」の項参照)。
アモキシシリン水和物として1回1000mg(力価)、クラリスロマイシンとして1回500mg(力価)及びラベプラゾールナトリウムとして1回20mgの3剤を1日2回、7日間経口投与
表1 1,335例の一般臨床試験(カプセル、細粒)における成績概要
疾患名有効率
有効以上(%)
有効率
やや有効以上(%)
表在性皮膚感染症〔毛のう炎、膿か疹〕23/35(65.7)34/35(97.1)
深在性皮膚感染症〔せつ、よう、蜂か織炎、ひょう疽、耳せつ、鼻せつ〕52/68(76.5)59/68(86.8)
リンパ管・リンパ節炎〔リンパ節炎〕8/9(88.9)8/9(88.9)
慢性膿皮症〔膿皮症、ざ瘡、膿瘍、感染粉瘤〕19/29(65.5)25/29(86.2)
外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
〔創傷および手術後の二次感染〕
11/20(55.0)15/20(75.0)
びらん・潰瘍の二次感染〔じょく瘡〕3/7(42.9)5/7(71.4)
乳腺炎7/10(70.0)8/10(80.0)
骨髄炎6/9(66.7)6/9(66.7)
咽頭・喉頭炎〔咽頭炎〕9/10(90.0)9/10(90.0)
扁桃炎80/95(84.2)82/95(86.3)
急性気管支炎、慢性呼吸器病変の二次感染〔気管支炎〕34/44(77.3)38/44(86.4)
肺炎58/68(85.3)61/68(89.7)
膀胱炎215/270(79.6)217/270(80.4)
腎盂腎炎〔腎盂腎炎、腎盂炎〕41/63(65.1)43/63(68.3)
前立腺炎(急性症、慢性症)16/19(84.2)16/19(84.2)
精巣上体炎(副睾丸炎)2/2(-)2/2(-)
淋菌感染症〔淋疾〕59/68(86.8)59/68(86.8)
子宮内感染27/35(77.1)27/35(77.1)
子宮付属器炎31/38(81.6)32/38(84.2)
子宮旁結合織炎2/4(-)2/4(-)
涙のう炎2/4(-)4/4(-)
麦粒腫20/32(62.5)26/32(81.3)
中耳炎44/54(81.5)45/54(83.3)
歯周組織炎〔歯齦膿瘍、歯槽骨炎〕11/14(78.6)11/14(78.6)
歯冠周囲炎〔智歯周囲炎〕9/14(64.3)12/14(85.7)
顎炎〔急性顎炎、顎骨周囲炎〕12/18(66.7)16/18(88.9)
猩紅熱42/43(97.7)43/43(100)
表2 胃潰瘍・十二指腸潰瘍における除菌率(7日間経口投与)
各薬剤の1回投与量投与回数除菌率
胃潰瘍
除菌率
十二指腸潰瘍
アモキシシリン水和物 750mg(力価)
クラリスロマイシン 200mg(力価)
ランソプラゾール 30mg
2回/日87.5%
(84/96)
91.1%
(82/90)
アモキシシリン水和物 750mg(力価)
クラリスロマイシン 400mg(力価)
ランソプラゾール 30mg
2回/日89.2%
(83/93)
83.7%
(82/98)
除菌率は基本解析対象集団を対象とした。( )内は例数。
表3 胃潰瘍・十二指腸潰瘍における除菌率(7日間経口投与)
各薬剤の1回投与量投与回数除菌率
胃潰瘍
除菌率
十二指腸潰瘍
アモキシシリン水和物 750mg(力価)
クラリスロマイシン 200mg(力価)
ラベプラゾールナトリウム 10mg
2回/日87.7%
(57/65)
83.3%
(45/54)
アモキシシリン水和物 750mg(力価)
クラリスロマイシン 400mg(力価)
ラベプラゾールナトリウム 10mg
2回/日89.7%
(61/68)
87.8%
(36/41)
( )内は例数。

薬効薬理

抗菌作用10)〜12)
グラム陽性菌及びグラム陰性菌に広い抗菌作用を示し、特にブドウ球菌属、レンサ球菌属、大腸菌、インフルエンザ菌等に強い抗菌力を示す。また、抗トレポネーマ作用も認められている。
作用は殺菌的であり、殺菌作用はアンピシリン水和物より強い。
ヘリコバクター・ピロリに対する作用
殺菌的な抗菌作用を示す。
アモキシシリン水和物とクラリスロマイシンとの併用における抗菌力には、相乗又は相加作用が認められ、いずれの菌株においても拮抗作用は認められていない。
作用機序
細菌の細胞壁の合成を阻害する。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍におけるヘリコバクター・ピロリ感染症に対するアモキシシリン水和物、クラリスロマイシン及びプロトンポンプインヒビターの3剤療法
アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンともにランソプラゾールとの併用により、経口投与後の胃組織中濃度の上昇が認められる(ラット)。
プロトンポンプインヒビターの強力な胃酸分泌抑制作用により胃内pHを上昇させることにより、アモキシシリン水和物及びクラリスロマイシンの抗菌活性が高まると考えられる。

有効成分に関する理化学的知見

一般名
アモキシシリン水和物 Amoxicillin Hydrate
化学名
(2S, 5R, 6R)-6-[(2R)-2-Amino-2-(4-hydroxyphenyl)acetylamino]-3, 3-dimethyl-7-oxo-4-thia-1-azabicyclo[3. 2. 0]heptane-2-carboxylic acid trihydrate
略名
AMPC
分子式
C16H19N3O5S・3H2O=419.45
化学構造式
性状
白色〜淡黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
溶解性
水又はメタノールに溶けにくく、エタノール(95)に極めて溶けにくい。

包装

[バラ]100g

主要文献及び文献請求先

主要文献

1
厚生労働省健康局結核感染症課編:抗微生物薬適正使用の手引き
2
Miki F.:an International Symposium on Amoxycillin(London 1973)
3
村川武雄, 他:Chemotherapy, 21,(8), 1399,(1973)
4
青河寛次, 他:Chemotherapy, 21,(8), 1780,(1973)
5
古谷 博, 他:Chemotherapy, 21,(8), 1752,(1973)
6
金沢 裕, 他:Chemotherapy, 21,(8), 1482,(1973)
7
近藤 茂, 他:Chemotherapy, 21,(8), 1638,(1973)
8
佐藤 清, 他:Chemotherapy, 21,(8), 1383,(1973)
9
Chemotherapy, 21,(8),(1973)を中心に集計
10
中沢昭三, 他:Chemotherapy, 21,(8), 1375,(1973)
11
小野田洋一, 他:Jpn. J. Antibiotics, 30,(9), 744,(1977)
12
渡辺邦友, 他:Chemotherapy, 21,(8), 1369,(1973)

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