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アルサルミン内用液10%

胃炎・消化性潰瘍治療剤

1mL 2.2円

添付文書番号

2329008S1105_2_03

企業コード

670082

作成又は改訂年月

2024年3月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

872329

薬効分類名

胃炎・消化性潰瘍治療剤

承認等

販売名

アルサルミン内用液10%

販売名コード

2329008S1105

販売名英字表記

ULCERLMIN

承認番号等

承認番号
22000AMX00896

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
3年

一般的名称

スクラルファート水和物液

禁忌(次の患者には投与しないこと)

透析療法を受けている患者

組成・性状

組成

アルサルミン内用液10%
有効成分
10mL中 日局スクラルファート水和物(ショ糖硫酸エステルアルミニウム塩) 1g
添加剤
ヒドロキシプロピルスターチ、サッカリンナトリウム水和物、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、エタノール、グリセリン、香料

製剤の性状

アルサルミン内用液10%
剤形液剤(プラスチック容器、分包)
におい特有の芳香
甘い
色・形状
白色懸濁液

効能又は効果

〇胃潰瘍、十二指腸潰瘍
〇下記疾患の胃粘膜病変(びらん、出血、発赤、浮腫)の改善
  急性胃炎、慢性胃炎の急性増悪期

用法及び用量

通常、成人1回10mLを1日3回経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. リン酸塩の欠乏している患者
    アルミニウムは消化管内でリン酸塩と結合し、その吸収を阻害する。

腎機能障害患者

  1. 透析療法を受けている患者
    投与しないこと。長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症、貧血等があらわれることがある。
  2. 腎障害のある患者
    長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症、貧血等があらわれるおそれがあるので、定期的に血中アルミニウム、リン、カルシウム、アルカリフォスファターゼ等の測定を行うこと。

妊婦

治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

小児等

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

高齢者

用量に注意すること。一般に生理機能が低下している。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
クエン酸製剤
 クエン酸カリウム、クエン酸ナトリウム水和物 等
血中アルミニウム濃度が上昇することがあるので、同時に服用させないなど注意すること。
キレートを形成し、アルミニウムの吸収が促進されると考えられる。
血清カリウム抑制イオン交換樹脂
 ポリスチレンスルホン酸カルシウム、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
血清カリウム抑制イオン交換樹脂の効果が減弱するおそれがある。
アルミニウムイオンと非選択的に交換すると考えられる。
ニューキノロン系抗菌剤
 ノルフロキサシン、塩酸シプロフロキサシン 等
同時に服用することにより、これら併用薬剤の吸収を遅延又は阻害するおそれがある。この相互作用は併用薬を本剤の2時間以上前に服用することにより、弱まるとの報告がある。
アルミニウムイオンと併用薬剤が不溶性のキレートを形成し、消化管からの吸収を遅延又は阻害する。
ジギタリス製剤
 ジゴキシン 等
フェニトイン
テトラサイクリン系抗生物質
スルピリド 等
同時に服用することにより、これら併用薬剤の吸収を遅延又は阻害するおそれがある。この作用は薬剤の服用時間をずらすことにより、弱まるとの報告がある。
本剤が併用薬剤を吸着し、消化管からの吸収を遅延又は阻害する。
甲状腺ホルモン剤
 レボチロキシンナトリウム水和物 等
同時に服用することにより、これら併用薬剤の吸収を遅延又は阻害することがある。これらの作用は薬剤の服用時間をずらすことにより、弱まると考えられる。
消化管内で本剤と吸着することにより、これらの薬剤の吸収が阻害される。
胆汁酸製剤
 ウルソデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸
同時に服用することにより、これら併用薬剤の吸収を遅延又は阻害することがある。これらの作用は薬剤の服用時間をずらすことにより、弱まると考えられる。
消化管内で本剤と吸着することにより、これらの薬剤の吸収が阻害される。
テオフィリン徐放性製剤
同時に服用することにより、テオフィリン徐放性製剤のAUCが低下するおそれがある。
本剤がテオフィリン徐放性製剤の吸収を阻害するとの報告がある。
キニジン 等
制酸剤(乾燥水酸化アルミニウムゲル等)の投与により、併用薬剤の排泄が遅延することが知られている。
制酸剤による尿のpH上昇による。

副作用

次の副作用があらわれることがあるため、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量・休薬又は中止など適切な処置を行うこと。

その他の副作用

0.1~5%未満
頻度不明
消化器
便秘、嘔気
口渇、悪心等
皮膚
発疹、蕁麻疹等
過敏症
アナフィラキシー反応
注:長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症、貧血等があらわれるおそれがある。

その他の注意

臨床使用に基づく情報
経管栄養処置を受けている成人患者、低出生体重児及び新生児発育不全において、胃石・食道結石がみられたとの報告があるので、観察を十分に行い、これらが疑われた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

国内のべ58施設、250例で実施した胃潰瘍 、十二指腸潰瘍 及び急性胃炎・慢性胃炎の急性増悪期 の一般臨床試験成績は次の通りである。
対象
胃潰瘍
十二指腸潰瘍
急性胃炎・慢性胃炎の
急性増悪期
施設数・総症例数
23施設・75例
16施設・70例
19施設・105例
自他覚症状改善例数
中等度改善以上(%)
62/62例
(100)
60/62例
(96.8)
86/92例
(93.5)
内視鏡改善例数
治癒a)又は中等度
改善以上b)(%)
50/64例
(78.1)a)
46/63例
(73.0)a)
78/92例
(84.8) b)
有効例数
有効以上(%)
59/64例
(92.2)
56/63例
(88.9)
79/93例
(84.9)

薬効薬理

作用機序
ラット酢酸胃潰瘍及び十二指腸潰瘍実験において経口投与した14C-スクラルファート水和物は、正常胃粘膜部位に比較して胃及び十二指腸潰瘍部位に選択的に結合し、かつ保護層を形成することによって治癒を促進させた 。同様に、エタノール及びアスピリン胃炎ラットにおいても14C-スクラルファート水和物の胃炎病巣への選択的結合・付着が確かめられた 。消化性潰瘍及び胃炎患者に本剤を経口投与した際にも、本剤が潰瘍部位ないし胃炎病巣へ強固に結合していることが確認されており、本剤は炎症部位ないし潰瘍底の白苔中の蛋白成分と強力に結合し、保護層を形成することによって胃液の消化力から病変部を化学的に保護し、治癒を促進するものと考えられる,,
胃液ペプシン活性抑制作用
ラットの実験により、攻撃因子である胃液中のペプシン活性を抑制することが認められている,,,
制酸作用
ラットの実験により、制酸作用を有することが認められている,
再生粘膜の発育促進及び血管増生
ラットのクランピング コルチゾン潰瘍実験の結果、再生粘膜の発育や血管増生が認められ、潰瘍の治癒が促進された,
抗潰瘍及び潰瘍治癒効果
モルモットあるいはラットのストレス、ヒスタミン、ステロイド、レセルピン、アスピリン等の実験潰瘍において抗潰瘍効果が、またクランピング コルチゾン潰瘍、焼灼潰瘍、酢酸潰瘍等の実験潰瘍において潰瘍治癒効果が認められている,,,,,,,
胃炎モデルへの効果
本剤の前投与により、ラットのアスピリン及びエタノール胃炎の発生を有意に抑制した 。また、タウロコール酸による実験びらん性胃炎に対する治療効果が認められている 。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
スクラルファート水和物(Sucralfate Hydrate)(JAN)
化学名
Basic aluminum sucrose sulfate
分子式
C12H30Al8O51S8・xAl(OH)3・yH2O
性状
白色の粉末で、におい及び味はない。水、熱湯、エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。希塩酸又は硫酸・水酸化ナトリウム試液に溶ける。
化学構造式

包装

210mL(プラスチック容器):210mL×10本
10mL(分包):10mL×210包(21包×10袋)

主要文献

1
松尾 裕, 他:Prog. Med., 14(7):1977 (1994)
2
松尾 裕, 他:Prog. Med., 14(7):1984 (1994)
3
松尾 裕, 他:Prog. Med., 14(7):1991 (1994)
4
Nagashima, R. et al.:Arzneim. Forsch., Drug Res., 30(1)(S‐I):84 (1980)
5
日野原好和, 他:薬理と治療, 10(5):2493 (1982)
6
Nakazawa, S. et al.:Dig. Dis. Sci., 26(4):297 (1981)
7
石森 章, 他:医学と薬学, 9(1):25 (1983)
8
Sasaki, H. et al.:Scand. J. Gastroenterol., 18(S‐83):13 (1983)
9
行方正也, 他:薬学雑誌, 87(4):376 (1967)
10
行方正也, 他:薬学雑誌, 87(7):778 (1967)
11
行方正也, 他:薬学雑誌, 87(8):889 (1967)
12
清水正洋, 他:基礎と臨床, 2(5):365 (1968)
13
川崎久徳:日本消化器病学会雑誌, 67(11):940 (1970)
14
清水正洋, 他:基礎と臨床, 2(5):383 (1968)
15
三好秋馬, 他:内科宝函, 15(12):419 (1968)
16
平野武明, 他:基礎と臨床, 8(4):1075 (1974)
17
Okabe, S. et al.:Dig. Dis. Sci., 28(11):1034 (1983)
18
松尾 裕, 他:医学のあゆみ, 74(13):681 (1970)
19
星野英一, 他:薬理と治療, 10(5):2479 (1982)
20
岸本真也, 他:内科宝函, 33(4):107 (1986)

文献請求先及び問い合わせ先

日医工株式会社 お客様サポートセンター
〒930-8583 富山市総曲輪1丁目6番21
TEL:(0120)517-215
FAX:(076)442-8948

製造販売業者等

製造販売元
富士化学工業株式会社
富山県中新川郡上市町郷柿沢1番地
販売元
日医工株式会社
富山市総曲輪1丁目6番21

先発薬

後発薬

                                                                                                                                                                                                       

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