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閲覧履歴

セファメジンα注射用0.25g

合成セファロスポリン製剤

1瓶 322円

添付文書番号

6132401D1045_4_05

企業コード

171911

作成又は改訂年月

2023年2月改訂
(第1版)

日本標準商品分類番号

876132

薬効分類名

合成セファロスポリン製剤

承認等

販売名

セファメジンα注射用0.25g

販売名コード

6132401D1045

販売名英字表記

Cefamezin α 0.25g for Injection

販売名ひらがな

せふぁめじんαちゅうしゃよう0.25g

承認番号等

承認番号
21800AMX10157

販売開始年月

1999年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
2年

規制区分

処方箋医薬品 注1)
注1)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

セファメジンα注射用0.5g

販売名コード

6132401D2084

販売名英字表記

Cefamezin α 0.5g for Injection

販売名ひらがな

せふぁめじんαちゅうしゃよう0.5g

承認番号等

承認番号
21800AMX10159

販売開始年月

1999年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
2年

規制区分

処方箋医薬品 注2)
注2)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

セファメジンα注射用1g

販売名コード

6132401D3145

販売名英字表記

Cefamezin α 1g for Injection

販売名ひらがな

せふぁめじんαちゅうしゃよう1g

承認番号等

承認番号
21800AMX10160

販売開始年月

1999年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
2年

規制区分

処方箋医薬品 注3)
注3)注意―医師等の処方箋により使用すること

販売名

セファメジンα注射用2g

販売名コード

6132401D4141

販売名英字表記

Cefamezin α 2g for Injection

販売名ひらがな

せふぁめじんαちゅうしゃよう2g

承認番号等

承認番号
21800AMX10158

販売開始年月

1999年7月

貯法、有効期間

貯法
室温保存
有効期間
2年

規制区分

処方箋医薬品 注4)
注4)注意―医師等の処方箋により使用すること

一般的名称

注射用セファゾリンナトリウム水和物 Cefazolin Sodium Hydrate

禁忌(次の患者には投与しないこと)

本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者

組成・性状

組成

セファメジンα注射用0.25g
有効成分
日局 セファゾリンナトリウム水和物  0.25g(力価)(1バイアル中)
セファメジンα注射用0.5g
有効成分
日局 セファゾリンナトリウム水和物  0.5g(力価)(1バイアル中)
セファメジンα注射用1g
有効成分
日局 セファゾリンナトリウム水和物  1g(力価)(1バイアル中)
セファメジンα注射用2g
有効成分
日局 セファゾリンナトリウム水和物  2g(力価)(1バイアル中)

製剤の性状

セファメジンα注射用0.25g
剤形粉末注射剤(無色バイアル)
色調・形状
白色~微帯黄白色の結晶
本剤を注射用水、生理食塩液、ブドウ糖注射液又はリドカイン注射液に溶解したときのpH及び浸透圧比は下表のとおりである。
pH4.8~6.3
浸透圧比約1注1)
含量
1g(力価)
溶解液量
10mL
溶解液
注射用水
pH4.8~6.3
浸透圧比約2注1)
含量
1g(力価)
溶解液量
10mL
溶解液
生理食塩液
pH4.6~6.3
浸透圧比約1注1)
含量
1g(力価)
溶解液量
100mL
溶解液
生理食塩液
pH4.6~6.3
浸透圧比約1注1)
含量
2g(力価)
溶解液量
100mL
溶解液
生理食塩液
pH4.8~6.3
浸透圧比約2注1)
含量
1g(力価)
溶解液量
10mL
溶解液
ブドウ糖注射液(5w/v%)
pH4.6~6.3
浸透圧比約1注1)
含量
2g(力価)
溶解液量
100mL
溶解液
ブドウ糖注射液(5w/v%)
pH5.0~6.3
浸透圧比約1注1)
含量
0.25g(力価)
溶解液量
2mL
溶解液
リドカイン注射液(0.5w/v%)
pH5.0~6.3
浸透圧比約2注1)
含量
0.5g(力価)
溶解液量
2mL
溶解液
リドカイン注射液(0.5w/v%)
pH5.0~6.3
浸透圧比約3注1)
含量
1g(力価)
溶解液量
3mL
溶解液
リドカイン注射液(0.5w/v%)
注1)生理食塩液に対する比
セファメジンα注射用0.5g
剤形粉末注射剤(無色バイアル)
色調・形状
白色~微帯黄白色の結晶
本剤を注射用水、生理食塩液、ブドウ糖注射液又はリドカイン注射液に溶解したときのpH及び浸透圧比は下表のとおりである。
pH4.8~6.3
浸透圧比約1注2)
含量
1g(力価)
溶解液量
10mL
溶解液
注射用水
pH4.8~6.3
浸透圧比約2注2)
含量
1g(力価)
溶解液量
10mL
溶解液
生理食塩液
pH4.6~6.3
浸透圧比約1注2)
含量
1g(力価)
溶解液量
100mL
溶解液
生理食塩液
pH4.6~6.3
浸透圧比約1注2)
含量
2g(力価)
溶解液量
100mL
溶解液
生理食塩液
pH4.8~6.3
浸透圧比約2注2)
含量
1g(力価)
溶解液量
10mL
溶解液
ブドウ糖注射液(5w/v%)
pH4.6~6.3
浸透圧比約1注2)
含量
2g(力価)
溶解液量
100mL
溶解液
ブドウ糖注射液(5w/v%)
pH5.0~6.3
浸透圧比約1注2)
含量
0.25g(力価)
溶解液量
2mL
溶解液
リドカイン注射液(0.5w/v%)
pH5.0~6.3
浸透圧比約2注2)
含量
0.5g(力価)
溶解液量
2mL
溶解液
リドカイン注射液(0.5w/v%)
pH5.0~6.3
浸透圧比約3注2)
含量
1g(力価)
溶解液量
3mL
溶解液
リドカイン注射液(0.5w/v%)
注2)生理食塩液に対する比
セファメジンα注射用1g
剤形粉末注射剤(無色バイアル)
色調・形状
白色~微帯黄白色の結晶
本剤を注射用水、生理食塩液、ブドウ糖注射液又はリドカイン注射液に溶解したときのpH及び浸透圧比は下表のとおりである。
pH4.8~6.3
浸透圧比約1注3)
含量
1g(力価)
溶解液量
10mL
溶解液
注射用水
pH4.8~6.3
浸透圧比約2注3)
含量
1g(力価)
溶解液量
10mL
溶解液
生理食塩液
pH4.6~6.3
浸透圧比約1注3)
含量
1g(力価)
溶解液量
100mL
溶解液
生理食塩液
pH4.6~6.3
浸透圧比約1注3)
含量
2g(力価)
溶解液量
100mL
溶解液
生理食塩液
pH4.8~6.3
浸透圧比約2注3)
含量
1g(力価)
溶解液量
10mL
溶解液
ブドウ糖注射液(5w/v%)
pH4.6~6.3
浸透圧比約1注3)
含量
2g(力価)
溶解液量
100mL
溶解液
ブドウ糖注射液(5w/v%)
pH5.0~6.3
浸透圧比約1注3)
含量
0.25g(力価)
溶解液量
2mL
溶解液
リドカイン注射液(0.5w/v%)
pH5.0~6.3
浸透圧比約2注3)
含量
0.5g(力価)
溶解液量
2mL
溶解液
リドカイン注射液(0.5w/v%)
pH5.0~6.3
浸透圧比約3注3)
含量
1g(力価)
溶解液量
3mL
溶解液
リドカイン注射液(0.5w/v%)
注3)生理食塩液に対する比
セファメジンα注射用2g
剤形粉末注射剤(無色バイアル)
色調・形状
白色~微帯黄白色の結晶
本剤を注射用水、生理食塩液、ブドウ糖注射液又はリドカイン注射液に溶解したときのpH及び浸透圧比は下表のとおりである。
pH4.8~6.3
浸透圧比約1注4)
含量
1g(力価)
溶解液量
10mL
溶解液
注射用水
pH4.8~6.3
浸透圧比約2注4)
含量
1g(力価)
溶解液量
10mL
溶解液
生理食塩液
pH4.6~6.3
浸透圧比約1注4)
含量
1g(力価)
溶解液量
100mL
溶解液
生理食塩液
pH4.6~6.3
浸透圧比約1注4)
含量
2g(力価)
溶解液量
100mL
溶解液
生理食塩液
pH4.8~6.3
浸透圧比約2注4)
含量
1g(力価)
溶解液量
10mL
溶解液
ブドウ糖注射液(5w/v%)
pH4.6~6.3
浸透圧比約1注4)
含量
2g(力価)
溶解液量
100mL
溶解液
ブドウ糖注射液(5w/v%)
pH5.0~6.3
浸透圧比約1注4)
含量
0.25g(力価)
溶解液量
2mL
溶解液
リドカイン注射液(0.5w/v%)
pH5.0~6.3
浸透圧比約2注4)
含量
0.5g(力価)
溶解液量
2mL
溶解液
リドカイン注射液(0.5w/v%)
pH5.0~6.3
浸透圧比約3注4)
含量
1g(力価)
溶解液量
3mL
溶解液
リドカイン注射液(0.5w/v%)
注4)生理食塩液に対する比

効能又は効果

〈適応菌種〉
セファゾリンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、大腸菌、肺炎桿菌、プロテウス・ミラビリス、プロビデンシア属
〈適応症〉
敗血症、感染性心内膜炎、表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、関節炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、胆嚢炎、胆管炎、バルトリン腺炎、子宮内感染、子宮付属器炎、子宮旁結合織炎、眼内炎(全眼球炎を含む)、中耳炎、副鼻腔炎、化膿性唾液腺炎

効能又は効果に関連する注意

〈咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎〉
「抗微生物薬適正使用の手引き」 を参照し、抗菌薬投与の必要性を判断した上で、本剤の投与が適切と判断される場合に投与すること。

用法及び用量

セファゾリンとして、通常、1日量成人には1g(力価)、小児には体重kg当り20~40mg(力価)を2回に分けて緩徐に静脈内へ注射するが、筋肉内へ注射することもできる。
症状及び感染菌の感受性から効果不十分と判断される場合には、1日量成人1.5~3g(力価)を、小児には体重kg当り50mg(力価)を3回に分割投与する。
症状が特に重篤な場合には、1日量成人5g(力価)、小児には体重kg当り100mg(力価)までを分割投与することができる。
また、輸液に加え、静脈内に点滴注入することもできる。
〈注射液の調製法〉
〈静脈内注射〉
本品を注射用水、生理食塩液又はブドウ糖注射液に溶解する。
〈筋肉内注射〉
本品をリドカイン注射液(0.5w/v%)約2~3mLに溶解する。

用法及び用量に関連する注意

筋肉内投与は、静脈内注射が困難等のやむを得ない場合にのみ必要最小限に行うこと。

重要な基本的注意

  1. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
  2. 本剤によるショック、アナフィラキシーの発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとること。
    1. 事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
    2. 投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
    3. 投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行うこと。特に、投与開始直後は注意深く観察すること。
  3. 汎血球減少、無顆粒球症、溶血性貧血、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
  4. 黄疸、AST、ALT、Al-Pの上昇等があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。
  5. 急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行うこと。

特定の背景を有する患者に関する注意

合併症・既往歴等のある患者

  1. セフェム系又はペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対し過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)
  2. 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
  3. 経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者
    観察を十分に行うこと。ビタミンK欠乏症状があらわれることがある。

腎機能障害患者

  1. 高度の腎障害のある患者
    腎障害の程度に応じて投与量を減量し、投与の間隔をあけて使用すること。血中濃度が持続する。

妊婦

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。

授乳婦

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。母乳中へ移行することが報告されている。

小児等

低出生体重児、新生児を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
なお、低出生体重児、新生児では乳児、幼児等に比べて血清中濃度半減期が延長するとの報告がある。

高齢者

次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。
  • 生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすい。
  • ビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。

相互作用

併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
ワルファリンカリウム
ワルファリンカリウムの作用が増強されるおそれがある。ただし、本剤に関する症例報告はない。
腸内細菌によるビタミンKの産生を抑制することがある。
利尿剤
フロセミド 等
腎障害が増強されるおそれがある。
機序は明らかではないが、ラット、ウサギにおいて、腎障害が増強されるとの報告がある。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

重大な副作用

  1. ショック(0.1%未満)
    不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  2. アナフィラキシー(0.1%未満)
    呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等があらわれることがある。
  3. 血液障害
    汎血球減少、無顆粒球症(初期症状:発熱、咽頭痛、頭痛、倦怠感等)、溶血性貧血(初期症状:発熱、ヘモグロビン尿、貧血症状等)、血小板減少(初期症状:点状出血、紫斑等)(各0.1%未満)があらわれることがある。
  4. 肝障害
    黄疸(0.1%未満)、AST、ALT、Al-Pの上昇(各0.1~5%未満)等があらわれることがある。
  5. 腎障害(0.1%未満)
    急性腎障害等の重篤な腎障害があらわれることがある。
  6. 大腸炎(0.1%未満)
    偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛、頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  7. 皮膚障害
    中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(各0.1%未満)があらわれることがあるので、発熱、頭痛、関節痛、皮膚や粘膜の紅斑・水疱、皮膚の緊張感・灼熱感・疼痛等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
  8. 間質性肺炎、PIE症候群(各0.1%未満)
    発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、PIE症候群等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
  9. 痙攣(頻度不明)
    腎不全の患者に大量投与すると、痙攣等の神経症状を起こすことがある 。

その他の副作用

0.1~5%未満
0.1%未満
過敏症
発疹、蕁麻疹、紅斑
そう痒、発熱、浮腫
血液
顆粒球減少、好酸球増多
腎臓
BUN上昇
血清クレアチニン上昇
消化器
悪心、嘔吐
食欲不振、下痢
菌交代症
口内炎、カンジダ症
ビタミン欠乏症
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
その他
頭痛、めまい、全身倦怠感
注)副作用の発現頻度はセファメジン注射用及び筋注用の使用成績調査に基づき算出。

臨床検査結果に及ぼす影響

  1. テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試薬、クリニテストによる尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
  2. 直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。

適用上の注意

薬剤調製時の注意
〈投与経路共通〉
  1. 温度による溶解度の差(下表)により、澄明に溶解しない場合があるが、この場合は液量を増やすか温湯であたため澄明な溶液としてから使用すること。
    表 本品1g(力価)の溶解に必要な溶解液量 単位:mL
    溶解液/温度
    10℃
    15℃
    20℃
    25℃
    注射用水
    4.1
    3.5
    2.7
    2.6
    生理食塩液
    5.4
    4.0
    3.3
    2.7
    リドカイン注射液(0.5w/v%)
    2.7
    2.6
  2. 溶解後は室温又は冷蔵庫保存で48時間以内に使用すること。
  3. ガベキサートメシル酸塩、ナファモスタットメシル酸塩、シメチジン、ファモチジン、アミノ糖系抗生物質と混合すると混濁することがある。
〈静脈内注射〉
  1. 本品1g(力価)の溶解には3~3.5mL以上を使用すること。
〈筋肉内注射〉
  1. 本品0.25g(力価)、0.5g(力価)の溶解には約2mLを使用し、本品1g(力価)の溶解には約3mLを使用すること。
薬剤投与時の注意
〈静脈内投与〉
  1. 静脈内大量投与により、血管痛、血栓性静脈炎を起こすことがあるので、これを予防するために注射液の調製、注射部位、注射方法等について十分注意し、その注射速度はできるだけ遅くすること。
〈筋肉内投与〉
  1. 下記の点に注意すること。
    • 同一部位への反復注射は行わないこと。特に低出生体重児、新生児、乳児、小児には注意すること。
    • 神経走行部位を避けること。
    • 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
    • 筋注用に溶解した溶液は静脈内への注射は絶対に避けること。
    • 注射部位に疼痛、硬結をみることがある。

薬物動態

血中濃度

健康成人にセファゾリン1gを30分で点滴静注すると、血漿中濃度は点滴終了直後にピーク値131μg/mLに達し、その半減期は2.46時間であった 。また、セファゾリン2gを30分及び1時間で点滴静注すると、血清中濃度は点滴終了直後にそれぞれピーク値228μg/mL、172μg/mLを示した 。セファゾリン1gを静注すると、血清中濃度は5分後に143.8μg/mL、6時間後に6.8μg/mLを示し、その半減期は1.67時間であった 。セファゾリン0.5gを筋注すると血清中濃度は1時間後にピーク値38.0μg/mLに達し、その半減期は2.3時間であった 。
図 健康成人男性にセファゾリン1gを30分かけて定速静注したときの血漿中濃度推移(平均±S.D.、n=8)

分布

  1. 組織内移行
    患者喀痰中 、胸水中 、胆汁中 等への体液中移行、扁桃組織 、胆嚢組織 、子宮組織 、骨組織 等への組織内移行は良好である。
  2. 乳汁中移行
    授乳婦20例にセファゾリン2g静注したときの母乳中濃度は静注後2時間目1.3±0.9μg/mL、3時間目1.5±0.2μg/mL、4時間目1.2±1.0μg/mLであった 。

代謝

尿中には抗菌代謝物質は認められていない 。

排泄

主として腎臓より排泄され、健康成人に点滴静注、静注あるいは筋注したときの尿中排泄率はそれぞれ88.7%(セファゾリン1g30分点滴:投与後8時間まで) 、88.2%(セファゾリン2g1時間点滴:投与後7時間まで) 、91.3%(セファゾリン1g静注:投与後8時間まで) 、88.9%(セファゾリン0.5g筋注:投与後6時間まで) と良好である。

特定の背景を有する患者

  1. 腎機能障害患者
    腎機能障害のある患者では、腎障害の程度に応じて血清中濃度半減期が延長し、血清中濃度は持続した 。
    表 セファゾリン500mg静注時の血清中濃度半減期及び尿中回収量
    腎機能
    GFR(mL/min)
    例数
    t1/2(h)
    尿中回収量(9h)
    正常
    3
    1.6
    420.8mg
    中等度障害
    28~75
    3
    2.7
    166.7mg
    高度障害
    7.3~20
    3
    14.9
    50.2mg
  2. 小児等
    低出生体重児、新生児及び小児にセファゾリン25mg/kg静注した際の血清中濃度半減期は、低出生体重児、新生児で2.3~5.1時間、乳児、幼児、小児では1.3~2.2時間であった。なお、低出生体重児、新生児、乳児、幼児、小児の血清中濃度の推移は次表のとおりである 。
    低出生体重児(≦2,500g)
    日齢
    例数
    30分
    1時間
    2時間
    4時間
    6時間
    ≦3日
    5
    97
    89.2
    78
    58.7
    44.7
    4~7日
    8
    99.0
    97.8
    83
    56.8
    40.2
    ≧8日
    7
    100.5
    91.4
    67.9
    47.5
    31.8
    (μg/mL)
    新生児
    日齢
    例数
    30分
    1時間
    2時間
    4時間
    6時間
    ≦3日
    14
    122.4
    119
    101.2
    79.1
    58
    4~7日
    2
    93
    85
    70
    34
    20
    ≧8日
    3
    95.5
    79.3
    54.8
    29.7
    17.8
    (μg/mL)
    乳児、幼児、小児
    例数
    15分
    30分
    1時間
    2時間
    4時間
    6時間
    乳児
    5
    90.4
    75.2
    54.3
    28.1
    16.5
    幼児
    4
    131
    114
    81.3
    38.9
    11.4
    7.4
    小児
    4
    160.8
    120.5
    79.1
    51.8
    18.8
    9.5
    (μg/mL)
    注)本剤での臨床試験は実施していないが、本剤を溶解したものはセファメジン注射用、筋注用と同一のものであるので、セファメジン注射用、筋注用の成績を示した。

臨床成績

有効性及び安全性に関する試験

  1. 国内臨床試験
    比較試験注) (呼吸器感染症 、尿路感染症 )及び一般臨床試験 (静注、点滴静注、筋注を含む)における疾患別有効率は以下のとおりである。
    疾患名
    有効例/症例数
    有効率(%)
    敗血症
    6/9
    66.7
    感染性心内膜炎
    3/5
    60.0
    皮膚感染症
    表在性皮膚感染症(毛嚢炎)
    2/5
    40.0
    深在性皮膚感染症(ひょう疽、せつ、カルブンケル、丹毒、フレグモーネ等)
    64/78
    82.1
    リンパ管・リンパ節炎
    15/22
    68.2
    慢性膿皮症(粉瘤、膿瘍)
    13/19
    68.4
    外科・整形外科領域感染症
    外傷・熱傷及び手術創等の二次感染
    26/33
    78.8
    びらん・潰瘍の二次感染(潰瘍、褥瘡)
    2/3
    乳腺炎
    9/11
    81.8
    骨髄炎
    6/6
    100
    関節炎
    3/3
    呼吸器感染症
    咽頭・喉頭炎
    8/11
    72.7
    扁桃炎
    46/48
    95.8
    急性気管支炎、慢性呼吸器病変の二次感染(慢性気管支炎、気管支拡張症、慢性呼吸器疾患の二次感染)
    73/89
    82.0
    肺炎
    163/194
    84.0
    肺膿瘍
    14/22
    63.6
    膿胸
    9/13
    69.2
    腎盂腎炎
    105/149
    70.5
    腹膜炎(腹膜炎、骨盤腹膜炎)
    35/43
    81.4
    胆嚢炎、胆管炎
    48/55
    87.3
    婦人科感染症
    バルトリン腺炎
    2/2
    子宮内感染(子宮内感染、子宮頸管炎、子宮内膜炎)
    29/39
    74.4
    子宮旁結合織炎
    6/13
    46.2
    全眼球炎
    1/3
    耳鼻科感染症
    中耳炎
    51/63
    81.0
    副鼻腔炎
    1/3
    化膿性唾液腺炎(顎下腺炎、化膿性耳下腺炎)
    3/3
    注)比較試験では、本剤0.5~4g/日を2~86日間投与。一般臨床試験では、本剤0.5~6g/日を1~71日間投与。なお、本剤の承認最大用量は1日5gである。
    注)本剤での臨床試験は実施していないが、本剤を溶解したものはセファメジン注射用、筋注用と同一のものであるので、セファメジン注射用、筋注用の成績を示した。

薬効薬理

作用機序
作用機序は細菌細胞壁の合成阻害であり、ペニシリン結合蛋白(PBP)に強い結合親和性を有する。
抗菌作用
抗菌スペクトルはグラム陽性菌、グラム陰性菌の広範囲にわたっており、特にグラム陽性球菌ではブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、グラム陰性桿菌では、大腸菌、肺炎桿菌、プロテウス・ミラビリス、プロビデンシア属に優れた抗菌力を示す。作用形式は殺菌的である,,,in vitro)。
注)本剤での薬理試験等は実施していないが、本剤を溶解したものはセファメジン注射用、筋注用と同一のものであるので、セファメジン注射用、筋注用の成績を示した。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称
セファゾリンナトリウム水和物(Cefazolin Sodium Hydrate)
化学名
Monosodium (6R,7R)-3-(5-methyl-1,3,4-thiadiazol-2-ylsulfanylmethyl)-8-oxo-7-[2-(1H-tetrazol-1-yl) acetylamino]-5-thia-1-azabicyclo[4.2.0]oct-2-ene-2-carboxylate pentahydrate
分子式
C14H13N8NaO4S3・5H2O
分子量
566.57
性状
セファゾリンナトリウム水和物は白色~微帯黄白色の結晶である。水に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(95)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
化学構造式
融点
明確な融点を示さない。
分配係数
(1-オクタノール/水系)
pH1 3.30×10-1
pH3 4.38×10-2
pH5 3.96×10-3
pH7 3.45×10-4
pH9 2.90×10-4
略号
CEZ

包装

〈セファメジンα注射用0.25g〉
10バイアル
〈セファメジンα注射用0.5g〉
10バイアル
〈セファメジンα注射用1g〉
10バイアル
〈セファメジンα注射用2g〉
10バイアル

主要文献

1
厚生労働省健康局結核感染症課編: 抗微生物薬適正使用の手引き
2
Bechtel, T. P. et al.: Am. J. Hosp. Pharm. 1980; 37(2): 271-273[CEZ-01979]
3
入江 伸 他: 化学療法の領域 1999; 15(5): 766-774[CEZ-04121]
4
石川羊男 他: 診療と新薬 1978; 15(4): 919-922[CEZ-01166]
5
嶋津良一 他: 日本化学療法学会雑誌 1980; 28(S-5): 696-705[CEZ-04657]
6
上田 泰 他: 日本化学療法学会雑誌 1970; 18(5): 564-570[CEZ-00248]
7
松本慶蔵 他: 日本化学療法学会雑誌 1970; 18(5): 552-558[CEZ-00246]
8
清水辰典: Jpn. J. Antibiot. 1978; 31(2): 108-114[CEZ-01191]
9
田村 隆 他: 日本臨床外科医学会雑誌 1982; 43(12): 1325-1328[CEZ-02781]
10
三好豊二 他: 耳鼻咽喉科臨床 1980; 73(11): 1719-1727[CEZ-02259]
11
山田順常 他: 産婦人科の世界 1977; 29(5): 601-605[CEZ-00876]
12
藤巻有久 他: 新薬と臨床 1979; 28(12): 2091-2094[CEZ-01944]
13
長 和彦 他: 日本新生児学会雑誌 1979; 15(1): 231-233[CEZ-01756]
14
西田 実 他: 日本化学療法学会雑誌 1970; 18(5): 481-491[CEZ-00237]
15
木下康民 他: 日本化学療法学会雑誌 1970; 18(5): 604-611[CEZ-00254]
16
堀  誠 他: 母子化学療法研究の歩み 1979: 64-68[CEZ-01753]
17
中川圭一 他: 感染症学雑誌 1972; 46(6): 210-215[CEZ-00112]
18
青河寛次 他: Jpn. J. Antibiot. 1972; 25(2): 72-78[CEZ-00097]
19
日本化学療法学会雑誌 1970; 18(5) Cefazolin論文特集号を中心に集計
20
Sabath, L. D. et al.: J. Infect. Dis. 1973; 128(Suppl.): S320-S326[CEZ-00031]
21
松本佳巳 他: Pharma Med. 2002; 20(5): 168-193[CEZ-04348]

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